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借金をゼロにする方法があれば、毎月返済に追われる生活から抜け出すことができます。
まさに夢のような方法ともいえますが、自己破産・過払い金請求・時効援用の3つが借金をゼロにする方法です。
ただし上記の方法は誰でも簡単にできるわけではなく、メリットだけでなくデメリットもあるため、その内容を理解した上での選択が必要といえます。
また、借金の返済負担を軽くする方法を選べば、借金をゼロにする方法のデメリットを抑えられる可能性もあります。
そこで、借金をゼロにする3つの方法のメリット・デメリットや、借金の返済負担を軽くする方法についても解説していきます。
- 借金をゼロにする方法とは何か
- 自己破産の条件・メリット・デメリット・手続方法について
- 過払い金請求の条件・メリット・デメリット・手続方法について
- 時効援用の条件・メリット・デメリット・手続方法について
- 借金の返済負担を軽くする方法
目次 ▼
1章 借金をゼロにする方法は主に3種類
借金は、合法的な手段で「ゼロ」にできる可能性がありますが、帳消しにするための方法は以下の3つです。
自己破産 | 裁判所に申し立て、借金を原則全額支払い免除(免責)してもらう方法 |
過払い金請求 | 利息制限法を超えて払っていた利息を取り戻す方法 |
時効援用 | 一定期間以上返済していない借金を消滅させる方法 |
上記の方法は本人でも手続できますが、法的な知識や経験が必要となるため誰でも簡単にできるわけではありません。
そのため借金返済に悩み苦しんでいるのなら、専門家に相談することも必要です。
借金をゼロにする方法について、次の章からメリット・デメリットなど含め詳しく説明していきます。
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2章 【借金をゼロにする方法①】自己破産
「自己破産」とは、裁判所に申立てることにより、借金返済を「免除」してもらう手続です。
債務整理の1つであり、次の2種類に分けることができます。
管財事件 | 裁判所が選出した破産管財人が財産を清算する手続 |
同時廃止 | 財産がなく借金が増えた経緯に大きな問題がない場合に認められる手続 |
自己破産について、以下の4つを説明していきます。
- 自己破産できる条件
- 自己破産のメリット
- 自己破産のデメリット・注意点
- 自己破産の手続き方法
2-1 自己破産できる条件
自己破産できる「条件」は主に以下の2つです。
- 支払不能状態である
- 免責不許可事由に該当しない
自己破産は、「客観的」に見て、借金を返せる財力や能力を失っている状態でなければ手続できません。
その上で、借金返済を免除できないとされる「免責不許可事由」に該当しないことも必要です。
2-2 自己破産のメリット
自己破産の「メリット」は主に以下の3つです。
- 借金返済が免除される
- 生活保護受給者や無職でも手続できる
- 一部の財産は手元に残せる
自己破産は、多額の借金を抱えていても返済が免除されることが最大のメリットであり、生活保護受給者や無職の人でも申立てできます。
一定価値が認められる財産は処分されますが、すべての財産が対象ではなく、生活に必要な最低限の家財道具や現金などは手元に残せます。
2-3 自己破産のデメリット・注意点
自己破産の「デメリット」は主に以下の7つです。
- 信用情報機関に事故情報が登録される
- 官報に個人情報が記載される
- 一定以上の財産を処分される
- 保証人・連帯保証人に迷惑をかける
- 一部の資格や職業に制限がかかる
- 海外移住や移動が制限される
自己破産すると、7年程度は信用情報機関に「事故情報」として登録されることと、国の機関紙である「官報」に氏名・住所が掲載されることは避けられません。
手続する借金を選べないため、保証人や連帯保証人のついた借入れがある場合には、迷惑をかけてしまうでしょう。
さらに手続中は、一部の職業や資格の制限や、海外移住や移動ができない場合もあります。
2-4 自己破産の手続き方法
自己破産の手続の流れは、主に以下の7つです。
- 専門家に手続の依頼
- 専門家から債権者へ受任通知の発送
- 債権者から取引履歴の回収と借金総額の確定
- 裁判所へ破産手続開始の申立て
- 裁判官による面談(破産審尋)
- 価値の認められる財産の売却等
- 免責決定
自己破産は司法書士や弁護士など専門家に依頼せず、直接、本人が申立てを行うこともできます。
しかし本来は同時廃止だった場合でも、管財事件で手続が進むため費用や時間がかかってしまいます。
管財事件で手続が進むと借金免除までの道のりが複雑になるため、借金問題の解決に詳しい専門家に相談することをおすすめします。
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3章 【借金をゼロにする方法②】過払い金請求
「過払い金請求」とは、利息制限法の上限金利を超えた利息を取り戻す手続です。
本来支払う必要のないお金を貸金業者に返してもらうための方法ですが、過払い金が発生している条件など限定的なため確認が必要といえます。
そこで、過払い金請求について、以下の4つを説明していきます。
- 過払い金請求できる条件
- 過払い金請求のメリット
- 過払い金請求のデメリット・注意点
- 過払い金請求の手続き方法
3-1 過払い金請求できる条件
過払い金返還請求ができる「条件」は主に以下の3つです。
- 2010年6月17日以前に契約した貸金業者からの借入れがある
- 時効ではない過払い金がある
- 過払い金請求先の貸金業者が倒産していない
過払い金は、利息制限法の上限利率を超えた「グレーゾーン金利」による貸付けで発生するため、貸金業者から法改正前(2010年6月18日以前)の借入れがあることが必要です。
ただし借入先との最後の取引日から10年を経過すると「消滅時効」により、還付請求できなくなってしまいます。
返還を求めるはずの借入先が倒産している場合も基本的に請求できないため注意してください。
3-2 過払い金請求のメリット
過払い金請求の「メリット」は、主に以下の2つです。
- 過払い金で借金を相殺できればブラックリストに登録されない
- 借入額以上の過払い金発生でお金が戻ってくる
過払い金請求で残っている借金を相殺し、完済できれば信用情報機関に事故情報として登録されません。
借金が残る場合は「任意整理」扱いとなり、事故情報が登録されてしまうことは留意しておきましょう。
また、長年に渡りお金を借り続けていた場合は、高額の過払い金が発生し、手元の現金が増えることもあります。
3-3 過払い金請求のデメリット・注意点
過払い金請求の「デメリット」は主に以下の2つです。
- 過払い金請求した貸金業者で社内ブラック扱いとなる
- 納得できる額を払い戻されない場合がある
過払い金請求した貸金業者の顧客情報に、返還請求があった事実が事故情報として記録されるため、多くの場合「社内ブラック」として扱われれば再度借入れなどはできなくなります。
この社内ブラック情報は、グループ内の会社にも共有されるため、系列会社との契約なども難しくなってしまいます。
また、過払い金を払い戻して欲しいと請求しても、交渉に応じてもらえなかったり全額戻してもらえなかったりすることもあります。
そのため過払い金請求を行う場合には、本人で手続するのではなく経験や知識が豊富な専門家を頼ることをおすすめします。
3-4 過払い金請求の手続き方法
過払い金請求を手続する流れは以下の6つです。
- 貸金業者に取引履歴を請求する
- 取り寄せた取引履歴で過払い金の引き直し計算をする
- 貸金業者に過払い金返還請求書を送る
- 貸金業者と交渉する
- 和解できなかった場合は訴訟を提起する
- 貸金業者と和解し過払い金を受け取る
過払い金が発生していても、貸金業者が交渉に応じなかった場合や、発生している額すべてを返してもらえなければ意味がありません。
一人で悩まず、和解交渉などに慣れている実績の高い専門家に依頼したほうが、手続をスムーズに進めることができます。
4章 【借金をゼロにする方法③】時効援用
「時効援用」とは、時効の完成で利益を得るものが、その事実を主張することです。
借金の返済義務においても、一定期間に渡り債権者が借金を回収する権利を行使しなかったとき、その権利を消滅させるために行います。
時効援用について、以下の4つを説明していきます。
- 時効援用できる条件
- 時効援用のメリット
- 時効援用のデメリット
- 時効援用の手続き方法
4-1 時効援用できる条件
時効援用ができるのは、以下の3つの「条件」を満たすときです。
- 返済期日または最後の返済から5年もしくは10年が経過している(債権者から請求も受けていない)
- 債務の承認をしていない
- 裁判手続をされていない
ただし「時効の更新」で成立しない場合もあるため、専門家などに相談して確認することをおすすめします。
4-2 時効援用のメリット
借金の時効援用の「メリット」は、主に以下の2つです。
- 裁判所を介さず借金返済義務を免れる
- 信用情報機関の事故情報が消えることがある
時効が成立する条件が揃っていれば、裁判所を通さずに返済義務を消滅させることができます。
また、信用情報機関によって、時効援用の手続により、借金滞納で登録された事故情報が訂正されることもあるようです。
4-3 時効援用のデメリット
借金の時効援用の「デメリット」はおもに以下です。
- 失敗すると一括返済を求められる恐れがある
- 時効援用をした金融会社から借入れできなくなる
- 債務の承認に該当する行動を避けなければならない
- 時効期間を待つ必要がある
時効援用は、時効完成後に行うことが必要であり、誤って完成前に債権者に連絡をしたことで請求される恐れがあります。
それにより時効の進行が停止し、「一括返済」を求められる恐れもあるため注意してください。
また、借金の存在を認める債務の承認に該当する行動も避けつつ、何よりも時効期間が過ぎるまで待たなければなりません。
時効援用した金融会社からお金を借りることなどもできなくなるため、安易な連絡などを避けて正しい手順を踏むことができるように、まずは専門家に相談することをおすすめします。
4-4 時効援用の手続き方法
時効援用を行う場合、手続の流れは主に以下の5つです。
- 債権の存在を確認する
- 時効成立を確認する
- 債権者に時効援用を通知する
- 債権者からの回答を待つ
- 必要に応じて法的手続を進める
時効援用は適切に行動することが必要であるため、不安や疑問を抱えたまま単独で手続せず、詳しい専門家に相談することをおすすめします。
5章 借金の返済負担を軽くする方法
借金をゼロにする方法は主に3つですが、帳消しにできなくても返済負担を「軽減」できる方法で解決することもあります。
借金の返済負担を軽くする方法は主に以下の3つです。
- 任意整理
- 個人再生
- 特定調停
それぞれの方法について説明していきます。
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5-1 任意整理
「任意整理」とは、債権者と交渉し、将来発生する利息をカットしてもらうことで毎月の返済負担を軽減するための手続です。
返済期間を見直すことで毎月の返済額を減らし、今後発生するはずの利息を減額できます。
対象とする借金を選べることや、裁判所を介さないため手続が簡素化されることがメリットです。
5-2 個人再生
「個人再生」とは、裁判所を介して手続を行い、5分の1程度まで減額された借金を原則3年間(最長5年間)で返済するための手続です。
借金総額や所持する財産の価額などで減額できる範囲は変わるものの、大幅に借金が減額されることはメリットです。
さらに個人再生は、一定の条件を満たすことで、「住宅ローン」を返済中の家を手放すことなく手続できます。
5-3 特定調停
「特定調停」とは、簡易裁判所の調停委員が仲裁に入り、返済の条件や方法を決めていく手続です。
対象とする借金を選べることや、比較的簡易な手続のため費用も安く抑えることができます。
コストを抑えて借金問題を解決したいときに選ぶとよい手続といえるでしょう。
まとめ
借金をゼロにする方法は、自己破産・過払い金請求・時効援用の3つです。
ただしどの方法にも手続する上で満たさなければならない条件があり、誰でもできるわけではありません。
特に自己破産を選んでしまうと、財産を処分しなければならないなど、生活が大きく変化するとも考えられます。
借金をゼロにする方法でなくても、返済負担を軽くするための任意整理・個人再生・特定調停で解決できるケースもあります。
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