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過払い金を請求したいけれど、手続にどのくらいの費用がかかるのか気になって一歩踏み出せないこともあるでしょう。
そもそも過払い金とは借入れに対し払い過ぎてしまった利息であるため、本人が返還請求することもできますが、専門家に依頼したほうが費用を安く抑えることが可能です。
専門家に過払い金請求を依頼すれば漏れなく請求できるため、依頼費用を払ってでも最終的に受け取れる金額が高くなる可能性も十分に考えられます。
そこで、過払い金請求でかかる費用の相場や手数料を安く抑えるコツについて、次の4つの章に分けて詳しく説明していきます。
- 過払い金とは
- 過払い金請求でかかる費用相場と内訳
- 過払い金請求の費用を支払うタイミング
- 過払い金請求の費用を安く抑えるコツ
払いすぎた利子を取り戻したいけれど、過払い金請求にかかる費用が気になって迷っている方は、ぜひこの記事を参考にされてください。
目次 ▼
1章 過払い金とは
「過払い金」とは、本来は支払う必要のなかった「利息」であり、利息制限法の上限金利を超えて返済し過ぎたお金のことです。
以前は「利息制限法」と「出資法」という2つの法律の「上限金利」が異なっていたため、「グレーゾーン金利」が存在していました。
出資法は2010年(平成22年)6月に改正され、もともとの上限金利「年29.2%」から利息制限法の「年20.0%」へ引き下げられたため、グレーゾーン金利は「完全撤廃」されています。
しかしグレーゾーン金利でお金を借りていた場合、利息制限法の上限金利との「差額」が過払い金として発生するため、貸金業者などに「返還請求」すれば戻してもらうことができます。
ただし過払い金請求には「時効」があるため、払いすぎた利息がある場合には早めに専門家に相談することをおすすめします。
過払い金は自分で請求することもできるため「自分でやれば専門家に支払う報酬を抑えられる」と考える人もいるでしょう。
しかし、自分で過払い金の請求をすることは下記の理由により、現実的ではありません。
- 手続きや必要書類の準備期間が長い
- 利息の引き直し計算は細かく面倒
- 債権者のペースで和解交渉が進む
- 家族に知られるリスクが高くなる
利息の引き直し計算を間違えてしまうと請求金額に漏れが発生する恐れがありますし、債権者ペースで交渉が進むと債務者に不利な条件で和解となってしまう恐れがあります。
一方で、司法書士や弁護士に過払い金請求を依頼すれば専門家の立場から漏れなく過払い金を請求可能です。
2章 過払い金請求でかかる費用相場と内訳
過払い金返還請求を「専門家」に依頼する場合、司法書士と弁護士のどちらを選ぶか迷うこともあるでしょう。
司法書士と弁護士はどちらも「借金問題」を解決する専門家であるものの、対応できる「業務」や範囲などが次のように異なります。
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業務と範囲 | 司法書士 | 弁護士 |
---|---|---|
請求できる債権額 | 元金140万円以下(業者1社ごとの過払い金)ただし裁判書類作成代行でのサポートは可能 | 制限なし |
代理できる裁判所 | 簡易裁判所のみ | 制限なし |
対応できる業務 | 業者1社ごとの元金140万円以下の過払い金のみ代理人として対応 | すべての業務で代理人として対応 |
続いて司法書士と弁護士に依頼したときの費用相場は以下のとおりです。
横スクロールできます
費用の種類 | 司法書士 | 弁護士 |
---|---|---|
①相談料 | 5千円~1万円 | 5千円~1万円 |
②着手金 | 1〜2万円/1社あたり | 2〜4万円/1社あたり |
③実費 | 交通費・書類の郵送代・収入印紙代・ 裁判の手数料など | 交通費・書類の郵送代・収入印紙代・ 裁判の手数料など |
④成功報酬 | 回収額の20%(訴訟の場合は25%) | 回収額の20%(訴訟の場合は25%) |
対応できる業務の範囲も異なるため費用にも差が発生するといえますが、実際にはそれほど大きな差はありません。
それぞれの「費用相場」について説明していきます。
2-1 相談料
司法書士や弁護士に相談する際に発生するのが「相談料」で、費用相場は1時間あたり5千円程度であることが多いものの、「無料」で対応してくれる専門家も少なくありません。
過払い金請求を専門家に依頼する際、費用をできるだけ抑えたいのなら相談料がかからない司法書士や弁護士に相談するとよいでしょう。
2-2 着手金
過払い金請求を専門家に依頼し、委任契約を締結した際に発生するのが「着手金」です。
次の業務処理の対価の一部となる費用であり、過払い金請求の返還結果にかかわらず発生します。
- 過払い金発生を確認する調査
- 発生している過払い金の計算
- 債権者との示談交渉
弁護士は着手金に上限が定められていないため、相場は債権者1社あたり2~4万円程度であるのに対し、司法書士は1社あたり1〜2万円と安く設定されていることが多いといえます。
なお、着手金も無料とする専門家もいれば、着手金が発生しない代わりに基本報酬を設定しているケース、どちらも設定しているなど専門家ごとに対応は異なります。
2-3 実費
過払い金請求でかかる「実費」とは、主に次のような費用の代金です。
- 書類の郵送代(切手代)
- 収入印紙代
- 裁判の手数料
いずれも実際にかかった費用が請求されることになります。
2-4 成功報酬
債権者に対する過払い金請求で、実際に払いすぎた利息を取り戻すことができたときに発生するのが「成功報酬」です。
成功報酬については、日本司法書士会連合会と日本弁護士連合会で、次の「上限」が定められています。
和解交渉で解決した場合 | 取り戻した過払い金合計額×20% |
---|---|
裁判で解決した場合 | 取り戻した過払い金合計額×25% |
弁護士の任意整理については、日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」で1社あたり2万円までという「上限」が定められています。
ただ、どの事務所に依頼するかによるものの、司法書士のほうが弁護士よりも費用を安く抑えやすい傾向が見られます。
3章 過払い金請求の費用を支払うタイミング
過払い金請求の費用は、司法書士と弁護士のどちらに依頼する場合でも、依頼する専門家によって多少違いがあるといえます。
ただ、一般的には次の2つの「タイミング」で費用が発生すると考えられます。
- 手続開始のタイミングで払う費用
- 過払い金還付後に精算する費用
それぞれの費用の支払うタイミングについて説明していきます。
3-1 手続開始のタイミングで払う費用
過払い金請求の手続開始のタイミングで支払うのは、「相談料」と「着手金」です。
一般的に、相談料は専門家に相談したとき、着手金は過払い金請求の手続をスタートしたタイミングで支払います。
相談料と着手金が無料の専門家に依頼すれば、過払い金請求にかかる費用も抑えることができるため、より多くのお金を取り戻すことができます。
3-2 過払い金還付後に精算する費用
過払い金請求で、過払い金が還付された後に支払う費用が、「実費」や「成功報酬」です。
実際には、債権者から過払い金が払い戻されたときに、「精算」する形でかかった実費や成功報酬を支払います。
専門家によって報酬に着手金を含むケースもありますが、この場合の着手金は先払いではなく、過払い金が戻ってきてから精算します。
4章 過払い金請求の費用を安く抑えるコツ
過払い金は自分で請求することもできるため、本人が手続すれば専門家に支払う費用をなくすこともできます。
しかし、貸金業者もお金を貸すプロである以上は、法律の知識がない一般の方の請求に簡単に応じるとは限りません。
本来なら返してもらえるはずだった過払い金が少なくなることや、取り戻すまでに時間がかかるなど「問題」が起きる可能性もあるため、借金問題に詳しい「専門家」に依頼したほうが安心です。
専門家に依頼することを前提に、過払い金請求の費用をできるだけ「安く」したいなら、次の4つの「コツ」を押さえた上で相談するようにしましょう。
- 相談料無料の事務所を頼る
- 費用内訳が明確な専門家を選ぶ
- 過払い金請求に強い専門家を選ぶ
- 司法書士に依頼する
それぞれのコツについて説明していきます。
4-1 相談料無料の事務所を頼る
過払い金請求の費用をできるだけ安く抑えるためにも、相談料が「無料」の事務所を頼りましょう。
相談料だけでなく「着手金」も無料で、報酬は返還された過払い金で精算する形式を採用している専門家なら、「初期費用」がかからず費用面を心配せずに依頼できます。
4-2 費用内訳が明確な専門家を選ぶ
過払い金請求の費用をできるだけ安く抑えるためにも、費用の「内訳」を明確にしている専門家を選びましょう。
専門家に相談したときに、どのくらいの費用がかかるのか内訳の説明がない場合、戻ってきた過払い金以上の費用を請求されるトラブルに巻き込まれる可能性があります。
そのため最終的にどのくらいの費用が発生するのか、明確に示した上で丁寧に説明してくれる専門家を選ぶことが大切です。
4-3 過払い金請求に強い専門家を選ぶ
過払い金請求の費用をできるだけ安く抑えるためにも、過払い金請求に「強い」専門家を選びましょう。
司法書士と弁護士はどちらも法律の専門家ですが、どの専門家でも過払い金請求に対応しているとは限らず、得意分野や交渉能力なども様々です。
過払い金請求の「実績」がない専門家を選んでしまうと、返還されるまで時間がかかったり十分に払い戻してもらえなかったりする可能性があります。
貸金業者はすぐに過払い金返還請求の交渉に応じるわけではありません。
成功報酬の割合を低く設定している事務所では、高額で取り戻そうという意欲が低くなりがちです。
そのため成功報酬が安いことだけを理由に選ばず、過払い金請求の実績や「経験」が豊富で債権者との「交渉」にも強い専門家を選ぶようにしましょう。
4-4 司法書士に依頼する
過払い金請求の費用をできるだけ安く抑えるためにも、「司法書士」に依頼しましょう。
司法書士の場合、簡易裁判所で1社140万円以下という「制限」はあるものの、弁護士と同じく相談を受けて債権者と交渉し、「代理人」として裁判で活動することができます。
この1社あたり140万円以下の基準は、利息や遅延損害金は含まない「元金」で計算するため、1社140万円を超えることはそれほど多くありません。(参考:2020年グリーン司法書士法人調べ 1件あたり平均75万6千円)
過払い金請求を専門家に依頼したときの費用は、弁護士のほうが高くなることが多いと考えられるため、司法書士を選ぶことで費用を抑えた手続が可能となります。
なお、貸金業者はすぐに過払い金返還請求の交渉に応じるわけではないため、成功報酬の割合を低く設定している事務所では、高額で取り戻そうという意欲が低くなりがちです。
そのため成功報酬が安いことだけを理由に選ばず、過払い金請求の交渉に強い司法書士を選ぶことをおすすめします。
まとめ
過払い金請求は本人でも可能であるため、費用を抑えたいなら自分で手続することもできます。
しかし本当に過払い金が発生しているのか、どのくらいの金額を戻してもらえるのか計算しなければならないため、正確な金額を請求したいなら専門家に相談することをおすすめします。
さらに専門家を頼らず本人が手続すると、本来戻してもらえるはずだった金額が少なくなる場合や時間がかかることもあるため、結果的に損をする可能性もあります。
費用を抑えて過払い金請求したいなら、借金問題に強く相談・着手金は無料のグリーン司法書士法人グループに一度ご相談ください。
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よくあるご質問
- 過払い金の成功報酬の相場とは?
- 還付を受けた過払い金の額のの15〜20%が相場です。また、裁判にて請求した場合にはこれに5%程度上乗せされます。
過払い金の成功報酬相場について詳しくはコチラ
- 過払い金の請求にはどれくらいかかる?
- 過払い金請求にかかる期間は、下記の通りです。
・交渉で和解が成立した場合【目安期間:2ヶ月〜6ヶ月】
・裁判になった場合【目安期間:4ヶ月〜1年半】
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