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おまとめローンは、複数の金融機関で借入した借金を一つにまとめて返済する方法です。
返済専用のローンのため、完済しやすいように負担を軽減できる設定になっていますが、便利な反面でデメリットも多いので注意しましょう。
この記事では、おまとめローンのメリットとデメリットを解説します。おまとめローンを利用するか迷っている方は自分に向いているか比較してみてくださいね。
目次 ▼
1章 おまとめローンとは複数の借入を一つにまとめること
おまとめローンとは、複数の借入を一つにまとめて返済していくローンのことです。
例えば、A社から10万円、B社から20万円、C社から20万円の合計50万円借入していたとします。
現在の借入額 | おまとめローン利用後 |
---|---|
A社:10万円 | D社:50万円 |
B社:20万円 | |
C社:20万円 |
D社でおまとめローンを利用して50万を借入し、今まで借入していた各会社の借入を完済することで、一つの金融機関にローンをまとめることができます。
おまとめローンは返済専用のローンのため、追加で借入ができないのが特徴です。しかし、返済計画を立てやすく、返済金額の負担を減らせる可能性があるため、今ある借入を完済するのに有効といえるでしょう。
1-1 おまとめローンと借換えの違いは?
おまとめローンと似たサービスで、借換えがあります。
借換えとは、現在使用している金融機関のローンを他社のローンに借り換えることです。
おまとめローンは複数社から1社にまとめるのに対して、借換えは1社から1社へ乗り換えるのが大きな違いといえます。
例えば、現在A社で50万円借入している場合、借換えを利用してB社で50万円借入し、A社の借入を完済するのが借換えの特徴です。
現在の借入 | 借換え利用後 |
---|---|
A社:50万円 | B社:50万円 |
A社よりもB社のほうが金利が低いときに有効な方法で、借換えによって、返済の総額を減らすことができます。もし、100万円以上の借金がある場合、借金をまとめることで上限金利が18%から15%に下がるので、金利を下げて返済が可能です。
2章 おまとめローンを利用するメリット
おまとめローンは、返済専用のローンです。今ある借入の完済を目的としているため、毎月確実に返済額を減らせます。
よって、完済を目指すならおまとめローンは有効な方法といえるでしょう。ここからは、おまとめローンを利用するメリットを解説します。
2-1 返済金額の負担を軽減できる可能性がある
おまとめローンは、通常の金融機関よりも金利が低い傾向があるため、返済金額の負担を軽減できる可能性があるのがメリットです。
金利は、利息制限法によって借入金額ごとに上限金利が変動します。借入金額が100万円未満なら18.0%以下、借入金額が100万円以上なら15.0%以下に設定されているため、多く借入すればするほど金利が低くなるのが特徴です。
例えば、3社から合計100万円の借入をしていた場合、1社ごとに18%の金利がかかります。おまとめローンに変更すると、1社で100万円の借入になるため15%の金利に抑えることが可能です。
よって、おまとめローンを利用するほうが金利が低く、返済の総額を減らせる可能性があるでしょう。
2-2 返済スケジュールを立てやすくなる
おまとめローンを利用することで、返済スケジュールが立てやすいのもメリットです。
複数の金融機関で借入をしていた場合、返済日や返済方法が金融機関によって異なるケースは少なくありません。
借入している金融機関が増えると、その分だけ小まめに返済しなくてはいけないため、完済までに残りいくらなのか把握しにくく、支払い漏れが生じてしまう可能性があります。
おまとめローンで借入している金融機関を1社にすることで、返済日が毎月1回になり、予算管理がしやすくなるので返済スケジュールを立てやすくなるでしょう。
2-3 ブラックリストに載らない
ブラックリストとは、信用情報機関に載る事故・延滞情報のことです。返済の遅れや延滞があったり、債務整理をするとブラックリストに登録される可能性があります。
多重債務に陥り、各金融機関の支払いを滞納した場合、ブラックリストに載ってしまいますが、おまとめローンの利用はブラックリストに載りません。
おまとめローンで毎月の返済額を減らすことで、ブラックリストに登録されることなく返済を続けることができます。また、毎月の支払いが1回で済むので、返済が滞るリスクを低減でき、ブラックリストに載るリスクも減るでしょう。
ただし、おまとめローンを利用しても、返済が滞るような状況に陥ってしまうとブラックリストに載ってしまうので注意が必要です。
3章 おまとめローンを利用するデメリット
おまとめローンは、完済を目指したい方にとっては有効な方法です。
しかし、現在の経済状況によっては、おまとめローンを利用するデメリットが大きいケースもあるので注意しましょう。
ここからは、おまとめローンを利用するデメリットを解説します。
3-1 追加の借入ができない可能性がある
おまとめローンは、返済専用のローンのため、追加の借入ができません。
「返済した後に予期せぬ出費があって給料日までのお金が足りなくなった…」という状況でも、おまとめローンを利用している金融機関では借入ができないため、別の方法でお金を捻出する必要があります。
一般的なカードローンは、利用限度額の範囲内であれば追加の借入が可能な一方、返済しかできないおまとめローンがデメリットに感じる方もいるでしょう。
3-2 1回の返済負担が大きい
おまとめローンは、毎月の返済日を1回に減らせるメリットがあります。その反面、1ヶ月で分割して支払えないため、1回の返済額が増えたように感じられるデメリットも考えられるでしょう。
例えば、A社・B社・C社に毎月2万ずつそれぞれの返済日に返済していたとします。おまとめローンを利用した後は、1回の返済日に6万円返済する必要があるため、返済日までに6万円を用意しなくてはいけません。
アルバイトやパートを掛け持ちしている方や、自営業などで会社によって給料日がバラバラな場合は、返済日にお金を用意できずに支払いが苦しいと感じる可能性があります。
3-3 審査が厳しい傾向がある
おまとめローンは、複数の金融機関の借入総額を一つにまとめて返済するため、借入金額が大きくなります。よって、一般的な金融機関よりも審査が厳しい傾向があるので注意しましょう。
多額の借入が可能な人物でないとおまとめローンを借入できないため、審査の時点でブラックリスト入りしている場合や、完済できる見込みがなさそうだと判断された場合は審査落ちしてしまいます。
審査の結果によっては、そもそもおまとめローンが利用できない可能性もあると覚えておきましょう。
3-4 長期化すると支払総額が増える
一つの金融機関にまとめられたからと、毎月の返済額を減らしてしまうと支払総額が増える可能性があるので注意しましょう。
おまとめローンは、比較的低金利ではありますが、長期化すればするほど利息を払う期間も増えるため、その分支払い総額が増えてしまいます。
毎月の返済額を下げる目的でおまとめローンを利用する方は注意が必要です。
3-5 他社の借入枠が空く
おまとめローンを利用することで、もともと借入していた金融機関の借金を完済できます。これによって、完済した金融機関の借入枠が空いてしまうため、新たな借入ができる可能性があるのがデメリットです。
新たな借入によって借金を増やしてしまうと、おまとめローンでまとめた借金の返済だけではなく、別の返済もしなくてはいけません。
今ある借金を完済するためにおまとめローンを利用したにも関わらず、追加で借入してしまい、借金が膨らんでしまったケースもあるので注意しましょう。
4章 おまとめローンのデメリットを解消する方法
大体の場合、おまとめローンを利用することで完済しやすくなります。
しかし、多重債務の苦しみが軽減された心境から、つい返済のペースが落ちてしまい長期化するケースは珍しくありません。
おまとめローンのデメリットを解消するためにも、2つのポイントに注意して利用しましょう。
- 金利と利息を確認する
- 返済シミュレーションを立てる
ここからは、この2つのポイントを解説します。
4-1 金利と利息を確認する
金融機関ごとに金利や利息が異なるため、おまとめローンを利用して、返済総額が減少するのか確認しましょう。
おまとめローンの利用後のほうが1社あたりの借入総額が大きいため、金利が高くなるケースはほとんどありませんが、1回の返済額を減らす場合は利息を余分に払ってしまう可能性も考えられます。
もし、後少しで完済できそうな金融機関の借入金があれば、そちらを一気に完済させてからおまとめローンを利用するのも一つの方法でしょう。
長期化すればするほど利息が膨らむのは、通常の金融機関の借入もおまとめローンの借入も同じです。損をしないためにも、本当におまとめローンが得なのか確認してから利用しましょう。
4-2 返済シミュレーションを立てる
おまとめローンを利用する場合は、返済期間が長期化しないためにも、返済シミュレーションを立てるようにしましょう。
支払いが1本化したことにより、返済負担を減らしてしまう方も少なくありませんが、借金問題は短期集中での返済がおすすめです。
毎月の返済金額を減らすと、毎月の生活は少し楽になるかもしれませんが、長期的に見ると金利で損をしてしまう恐れがあります。
返済シミュレーションを立てることで、完済へのモチベーションにつながるため、まずは返済シミュレーションを立ててから返済をスタートさせましょう。
5章 返済の目処が立たない場合は債務整理を検討しよう
おまとめローンでの返済シミュレーションを立てても、返済の目処が立たない場合は債務整理を検討しましょう。
債務整理は借金を減額、もしくは免除する手続きです。大きく分けて3種類の債務整理の方法があるため、自分に合った債務整理を検討してはいかがでしょうか。
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債務整理の種類 | 手続きの方法 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
任意整理 | 利息や手数料など元金以外の支払いをカットする手続き | 返済が長期化して利息が膨らんでしまった人 完済したい借金がほかにある人 |
個人再生 | 借金そのものを大幅にカットして完済を目指す手続き | 借金の理由がギャンブルや浪費の人 失いたくない財産がある人 |
自己破産 | 借金自体を免除して支払い義務をなくす手続き | 完済の目処が立たず返済不能に陥った人 |
では、ここからは債務整理を検討したほうがよいケースを2つ見ていきましょう。
ケースどちらかに当てはまった場合はご検討をおすすめします。
5-1 おまとめローンを利用しても返済できないと判断した
1つ目は、おまとめローンを利用しても返済できないと判断したケースです。
おまとめローンは、金利や利息を下げて完済を目指す方法ですが、借金の元金そのものが減るわけではありません。つまり、100万円借入していた場合は、同様に100万円を完済しなくてはいけません。
借金の総額が手が付けられない状態までに膨らんでしまったら、おまとめローンで金利や利息が下がったとしても完済が難しい状況であることは間違いありません。
完済するには、元金そのものを減らさなくてはいけない状況だと判断したら、債務整理を検討するのがおすすめです。
5-2 追加で借入しないと生活が厳しいケース
2つ目は、追加で借入しないと生活が厳しいケースです。
おまとめローンは、返済専用のローンのため、お金が足りないと思ってもおまとめローンを利用している金融機関での借入ができません。
ギャンブルや浪費など、自分でコントロールできる借金であれば、借入を我慢して返済に専念することは可能でしょう。しかし、生活苦や医療費などの捻出が理由で借金をしていた場合は、返済している分のお金が使えなくなってしまいます。
返済した分のお金を新たに借入して生活していた方は、追加で借入ができなくなる分、生活が困難になってしまうでしょう。
よって、返済に専念できない状況のため、債務整理で元金を減らすか、免除を受けるのがおすすめです。
6章 債務整理をしたら借入している債務はどうなる?
債務整理の手続きをとったあとは、減額した借金の残りを返済するか、全額免除になるかのどちらかです。
任意整理と個人再生の場合は、借金の総額を減額する手続きのため、手続き後は残りの借金を分割で返済していきます。
自己破産の場合は、借金の総額を免除する手続きのため、手続き後は支払い義務がなくなり借金の苦しみから解放されるでしょう。
これだけ聞くと「自己破産のほうが借金を返済しなくて済む」と思うかもしれません。しかし、自己破産は効力が強い分、破産できるケースが限られています。
例えば、ギャンブルや浪費など自分が原因による借金は破産できない可能性があるので注意が必要です。また、会社員など働いていて支払い能力があると判断された場合も、裁判所や専門家に断られるケースは少なくありません。
また、自己破産をすると、車や持ち家などの財産を全て処分しなくてはいけないため、財産を失ってしまうリスクも覚えておきましょう。
どの手続きが自分に合っているかは、専門家に相談し、よく話し合った上で決めるのがおすすめです。
6-1 おまとめローンで完済するほうがおすすめなケース
債務整理は借金の返済負担を軽減できますが、なかにはおまとめローンで完済するほうがおすすめなケースもあります。
債務整理をするとブラックリストに登録されるため、今後の分割払いや住宅ローンの審査に通らなくなるため注意が必要です。また、クレジットカードの作成や賃貸契約も一定期間審査落ちする可能性があります。
よって、今後住宅ローンを組む予定がある方や、分割払いで大きな買い物を考えている方は、おまとめローンで完済を目指しましょう。
ただし、おまとめローンで返済中に、支払いを滞納した場合は債務整理をしなくてもブラックリストに登録される恐れがあります。
支払い自体が難しい方は、債務整理をして最短で完済するほうがブラックリストの登録期間が短くなるケースも多いので、現状の借入金の返済が可能か考えてみましょう。
7章 債務整理をするか悩んだらグリーン司法書士法人にご相談を
おまとめローンは多重債務に陥っている場合や、多額の利息に悩んでいる方におすすめの方法です。
しかし、おまとめローンを利用したはいいが、借金が完済できない状態にまで借金が膨れ上がってしまい、結局手がつけられずにいるケースもよくあります。
借金そのものが返済できないと感じたら、早めに債務整理を検討するのも一つの方法です。グリーン司法書士法人では、債務整理のプロが一人一人に合った解決方法を提案します。
債務整理をするか悩んだら、グリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。
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