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「借金が一向に減らなくて自転車操業が続いている…」
借金問題を調べているうちに「自転車操業」をいう言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。
自転車操業とは、その場しのぎの借入と返済を繰り返している状態のことです。このまま自転車操業が続くと、やがて返済不能に陥る恐れがあるので注意が必要です。
この記事では、自転車操業を抜け出す方法を解説します。借金地獄に陥っている方は、ぜひご参考ください。
目次 ▼
1章 自転車操業とは
自転車操業とは、借金を返済するために別の金融機関から借入して返済し、借入した金融機関の借金を返済するために、また別の金融機関で借入する行為を繰り返している状態のことです。
ペダルを両足で漕ぎ続けていないと止まってしまう自転車に例えた表現で、その場しのぎの借入と返済を繰り返している状況を指しています。
企業の経営状況について使われる場合が多いですが、個人でも自転車操業は陥りやすいです。
1-1 自転車操業に陥る理由
自転車操業に陥る理由は、借入した分の返済ができる経済状況ではないからです。
例えば、借入した借金を毎月2万ずつ返済すると想定しましょう。毎月の給料から2万円返済した場合、2万円分の生活費がない状態で生活することになります。
すると、2万円分の食費や光熱費など生活する上で必要なお金が足りなくなり、次の給料日まで2万円を借入して借金でカバーしなければいけない状況を選ばなくてはいけません。
せっかく2万円を返済しても、また別の金融機関から借入をするため、結果的には借金の総額が減らないことになります。
よって、自転車操業に陥る原因は、返済の分に使ったお金がなくなると生活が困難になるため、借入せざるを得ないからといえるでしょう。
2章 自転車操業を続けるとどうなる?
自転車操業は、真綿で首を絞めるかのように徐々に窮地に追い込まれてしまいます。最終的に大切な財産を失うなど、自分にとって一番よくない結末になりかねません。
このまま、自転車操業を続けるとどのようなことが起こるのか見ていきましょう。
2-1 借金が増え続ける
同じ額の借入と返済を繰り返しているだけでは、借金が減ることはないが増えることもないと思うかもしれません。
しかし、借金は借入した元金だけではなく、利息も含まれているため、返済が足踏み状態を続けていると利息が膨れ上がる状態になります。
よって、利息も払えなくなって借金の総額がどんどん増える状態となるでしょう。さらに、自転車操業中に予想外の出費があった場合、借入金を増やさなくてはいけません。
返済ができない状態のなかで、借金だけが増え続ける地獄の状態に陥ります。
2-2 借入ができなくなる
借金が増え続けると、やがて借入ができなくなります。なぜなら、金融機関は総量規制を設定しているからです。
総量規制とは、貸金業者から借りられるお金の総額の上限を規制する法律のことで、債務者の返済能力に見合わない借入を防ぐためにあります。
総量規制は、年収の1/3を目安に設定されており、それ以上の借入は他社であろうと借入ができません。借入ができなくなると、自転車操業のようなその場しのぎができなくなるため、やがて借金の滞納を繰り返す状況になります。
目安として、消費者金融で直近に借りられた額が10万円だった場合は要注意です。多くの消費者金融は、債権者の借金が膨らむと徐々に借入できる金額を減らしていくため、自転車操業の方は少額しか借りられなくなります。
もし10万円しか借りられなかった場合は、借りられなくなるのも時間の問題なので、借金を減らすように努めましょう。
2-3 ブラックリストに登録される
借金の滞納を繰り返すと、ブラックリストに登録されます。
ブラックリストとは、お金に関する事故や延滞情報のことです。借金の滞納や携帯電話の料金の延滞など金銭的に信用ができない行動を取ったときに載ります。
ブラックリストは、信用情報機関という金融機関などが利用する機関に登録され、キャッシングやクレジットカードの審査の際に使われることが多いです。
審査の段階で、ブラックリスト入りしていることが発覚するため、新規でキャッシングの申込みやクレジットカードの作成ができなくなるため注意しましょう。
2-4 財産を差し押さえられる
借金を滞納し続けていると、強制執行となり預貯金や給料などの財産が差し押さえられてしまいます。
給料が差押えになった場合は、勤務先に借金を滞納していることがバレるだけではなく、毎月の給料がさらに減るため生活がより困難になるでしょう。
財産が差し押さえられると、司法書士などの専門家でも対応できることが限られてしまうため、差押えになる前に借金問題を解決するのがおすすめです。
2-5 家や車などの財産を失う
財産の差押えは、預貯金や給料だけではなく、持ち家や車などの大きな財産も対象です。
基本的に、預貯金や給料が差し押さえられることが多いですが、借金額が大きいケースや住宅ローンやカーローンの滞納が続いた場合は、対象の財産を没収されてしまいます。
もし持ち家が差押えされると、競売にかけられて家を出なければいけません。もし家族と一緒に住んでいた場合は、家族も引っ越す必要があるため、自分だけではなく家族にも迷惑をかけてしまいます。
失いたくない財産がある場合は、一刻でも早く借金の滞納を解消しましょう。
2-6 闇金や闇バイトに狙われる
お金がない状況に陥っているときは、必ずと言っていいほど悪い人が嗅ぎつけてきます。
その代表となるのが闇金や闇バイトです。
闇金は、貸金業法に基づく業者登録がされていない違法な金融業者で、法外な金利で貸し付けをしています。
金融機関で借りられなくなった方が「ここに頼るしかない」と考えてしまいがちですが、実際は法外な金利で貸し付けては激しい取り立てをしてどんどん債務者を追い込んでいく違法業者なので、絶対に利用してはいけません。
また、最近で多いのが闇バイトです。SNSやネット掲示板などで「身分証明なしで誰でも高収入!」「短時間で○万円稼げる!」とあたかも楽に稼げるかのように謳っているケースが見受けられます。
実態は、麻薬の受け渡しや売り子、振り込め詐欺の電話やDMのやり取りなど、犯罪に加担する行為がほとんどで、目先のお金のために今後の人生まで失うことになりかねません。
お金がないからと、闇金や闇バイトに手を出すのは絶対にやめましょう。
3章 自転車操業の状態を自力で抜け出す方法とは?
自転車操業の状態を抜け出すには、まずは元金を減らさなくてはいけません。収入の範囲内で利息以上が払える方は、自転車操業から抜け出せる可能性があります。
自転車操業を抜け出せる目安は、元金の3%を毎月自力で払えるかどうかです。例えば、借金が100万円で金利15.0%の場合、毎月3万円払えると3年8ヵ月で完済できます。
元金の3%が厳しい方や借入と返済を繰り返していて元金が減らない方は、まずは借入をしない状況を目指しましょう。
では、自転車操業の状態を自力で抜け出すための解決策を解説します。
3-1 家計の見直しをする
まずは、本当にこれ以上生活費を削れないか家計の見直しをしましょう。
生活の支出は「固定費」と「変動費」に分けられます。固定費は、家賃や通信費など毎月決まった額を支払うお金です。変動費は食費や交際費など毎月変動するお金で、毎月の支出がまちまちな傾向があります。
固定費のほうが削減したときのインパクトが大きいため、まずは固定費の見直しをしましょう。
特に、住居費は毎月の支出が大きいため、可能であれば完済まで実家に住まわせてもらったり、余力があれば安い賃貸に引越ししたりと住居費を削減するのがおすすめです。
もし、すぐに引っ越せないという方は、格安スマホに買い替えたり、保険や公共料金のプランを乗り換えたりなど少しでも返済に充てられないか調べてみましょう。経験として、借金にお困りの方が高額な保険に入っているケースは多いです。保険に加入している方は、ぜひご確認ください。
3-2 返済計画を立てる
借金の返済に追われた生活を続けていると「借金が完済できるのは一体いつなんだろうか…」とネガティブな気持ちになりがちです。
借金の返済のモチベーションを高めるために、返済計画を立てるのをおすすめします。返済計画とは、借金の返済額や残高、返済回数など借入に関する情報をまとめたものです。
毎月いくら払って、何年後に完済できるのか明確になるので、完済までの道筋が立てやすくなります。
ここで、何年かかっても完済が現実的ではないと判断した場合は、債務整理など別の方法を検討するのも一つの方法です。
3-3 公的支援を利用する
生活費が苦しく、家計の見直しをしてもどうにもならない方は、公的支援の利用を検討しましょう。
低金利もしくは無利子で貸付をしてくれる「生活福祉資金貸付制度」の利用や、収入の6割程度が一定期間受給できる「失業手当・求職者支援制度」などを受けられる可能性があります。
いずれも、所得が少ない方や、失業や収入が減ったことが原因で生活が困難になった方に向けた制度のため、審査が厳しいですが生活費が原因の借金の場合は相談してみてはいかがでしょうか。
3-4 おまとめローンで借入をまとめる
複数の金融機関から借入をしている方は、借金を一つにまとめて返済できる「おまとめローン」の利用がおすすめです。
借入先を一本化することで、返済計画が立てやすく、支払日も1回にまとめられるため借金のストレスを軽減できます。
また、返済専用のローンのため利息が低い傾向があり、今後の支払い総額を軽減できるメリットがあるのも見逃せません。ただし、おまとめローンでは追加の借入ができないため、今までのように自転車操業での返済もできなくなるため注意が必要です。
4章 自力で返済できない場合は早めに債務整理を検討しよう
もし、返済計画を立ててみて、自力での返済が現実的ではないと感じたら債務整理を検討しましょう。
債務整理では、借金の減額や免除をして完済を目指す手続きです。
債務整理は、大きく分けて3つの方法があります。それぞれ借金の状況によって、向いている手続きが異なるため、自分がどの債務整理に向いているかは専門家に相談するのがおすすめです。
では、順番に債務整理の手続きを紹介します。
4-1 任意整理
任意整理とは、利息や手数料など元金以外の借金を減額する手続きです。債権者と交渉して進めるため、債務整理のなかでは最も簡易的に進められます。また、裁判所でやり取りをする必要がないため、家族に秘密で進めやすくバレにくいのもメリットでしょう。
財産を失うリスクもなく、債権者を選んで交渉できるため、住宅ローンやカーローンなど完済を目指したい借金がある方にもおすすめです。
ただし、債権者が交渉に応じない場合があるので、専門家に依頼して交渉するようにしましょう。また、借金した元金そのものが減るわけではないため、借入額が大きい場合は別の方法を考えなければいけません。
4-2 個人再生
個人再生とは、借金の元金を大幅に減額する手続きです。借金を5分の1〜10分の1に減額できるため、借入額が大きい方は個人再生を検討しましょう。
借金を大幅に減額できるだけではなく、家や車などの財産を残せるため、失いたくない財産がある方におすすめです。
個人再生は、裁判所を通して手続きを進めるため長期的になります。また、債務整理のなかでは最も手続きが複雑で専門的知識が必要なので、専門家と一緒に進めましょう。
ただし、原則3年で完済しなくていけないため、減額しても借金が返済できない場合は自己破産を選択する場合もあります。
4-3 自己破産
自己破産とは、借金を全てなくす手続きです。借金の返済義務がなくなるので、手続き完了後は生活を立て直すことができます。
借金の取り立てから解放されるため、新たな気持ちで生活を送れるのが最大のメリットでしょう。
ただし、債務整理のなかで最も効力が強い手続きのため、誰でも簡単に破産できるわけではありません。ギャンブルや投資などが原因で破産した場合や、支払い能力があると判断された場合は破産できない可能性もあるので注意しましょう。
また、破産すると家や車の財産を失ったり、連帯保証人に大きな迷惑をかけたりとデメリットも大きいです。自己破産を考えている方は、専門家とよく相談をしてから決断しましょう。
5章 自転車操業が続くならグリーン司法書士法人にご相談を
自転車操業が続くと、借金が膨らみ、やがて返済不能に陥ってしまう可能性が高いです。返済不能に陥ると自己破産を選択するしかなくなったり、大切な財産を失ったりするかもしれません。
借金問題は早ければ早いほど解決策が多いため、借金の返済が苦しいと感じた段階で専門家に相談しましょう。
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