家計の見直しは固定費から!支出を抑えるやり方とチェックしたい項目

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
家計の見直しは固定費から!支出を抑えるやり方とチェックしたい項目

この記事は約 12 分で読めます。

近年の値上げラッシュや不景気などで「毎月あと数千円でも節約できたら…」と思っている方は増えてきています。

そのまま何となく赤字を放っておくと、生活がどんどん苦しくなり借金に手を出してしまうケースも少なくありません。

この記事では、家計の見直し方法と支出を抑える方法を解説していきます。ぜひ日々の生活を見直して支出を抑えましょう。

1章 家計の見直しは固定費からチェック!

生活する上の支出は、「固定費」と「変動費」に分けられます。

固定費・家賃や住宅ローン
・公共料金
・通信費
・保険費
・教育費
・定期購入品
・習い事や趣味
・自動車の維持費
変動費・食費
・交際費
・娯楽費
・交通費
・医療費
・理美容費
・冠婚葬祭

結論から言うと「固定費」の見直しから行うのがおすすめです。

なぜなら、固定費は毎月決まった額を支払うのに対し、変動費は毎月の支出がまちまちです。そのため、固定費を削減した方が効果が大きいのです。

例えば、変動費の娯楽費を1ヶ月削ったとしても、次の月にお盆休みや正月休みなどがあれば前の月よりも支出が増えてしまいますし、毎月娯楽費を一定額削れるとは限りません。

もう少しだけ家計の支出を削りたい時には変動費を見直すのは有効ですが、長期間に渡って支出を一気に減らした場合には固定費を先に見直すのが有効です。

「そもそも月にいくら支出があるのか分からない」という方は一度家計簿を付けてみるのをおすすめします。特に、変動費は毎月決まった額を支払っているわけではないため、毎月どれくらい使っているのかが見えにくいです。

どの費用を一番見直すべきか、まずは家計簿を付けて現状をチェックしてみましょう。

1-1 住居費で見直すべきポイント

家賃や住宅ローンなど、生活するにおいて大きな支出の一部である住居費。

住居費を見直すことで、一気に数万円単位で支出を削れる可能性もあります。

主に、有効な手段としては以下の方法があります。

賃貸物件にお住まいの場合・家賃が安い場所に引っ越す
・駐車場代込みの場合は安い月極に変える
・家賃交渉をする
持ち家にお住まいの場合・金利の低い住宅ローンに借り換える
・金利交渉をする

賃貸物件にお住まいの場合、引越し代はかかってしまうものの、今よりも家賃が安い場所に引っ越せる場合は、長い目で見れば支出を抑えられる可能性があります。

持ち家にお住まいの場合は、金利の低い住宅ローンに借り換えるのも一つの方法です。昔と比較して住宅ローンの金利は年々下がり続けている傾向にあり、現在適用されている住宅ローンよりも金利が安くなっているケースも少なくありません。

もし、10年単位で住宅ローンを返済している場合は見直してみることをおすすめします。

1-2 公共料金で見直すべきポイント

すぐに引越しができないという方は公共料金を見直してみましょう。

電力会社やガス会社が一般家庭対象でも自由化されたため、プランによっては今までよりも安い価格で光熱費を使うことができます。

例えば、スマホと一緒に電気代を払うことによって割引されるプランや、同会社のクレジットカードで引き落とすことによって割引されるプランなど様々なものがあります。

各電力会社では、毎月の支払いシミュレーションが行えるページがあるため、ぜひ一度チェックしてみましょう。

1-3 保険で見直すべきポイント

つい年を重ねるごとに増えていく保険の加入。保険はいざというときに助かるサービスではありますが、加入しすぎて家計を圧迫しているケースもあります。

加入当時からライフスタイルが変わり不要になった保険や、掛け捨て型と貯蓄型の2種類に加入していて重複している保険、公的医療保険に加え他の医療保険にも複数加入しているなど、本当に全て必要なのかを見直してみましょう。

ただし、あれもこれも解約してしまい、いざという時に保険金がなくお金に困らないように注意が必要です。

まずは、現状保険にいくつ加入しているのか、保証内容や毎月の支払いに対し補償額はいくらなのかを全て洗い出してみるのをおすすめします。

不要な保険を解約すれば、解約返戻金が出ることがあります。これを返済に充てることで一気に借金額を減らせる可能性もあるので、保険の見直しは特におすすめします。

1-4 通信費で見直すべきポイント

今や生活必需品となっているスマートフォン。それに加え、近年ではテレワークをしている方やフリーランスの方が増えたこともありWi-Fiの契約も急増しています。

通信費は、毎月1万円を超えることも少ないため、見直しをすることで大きく家計の支出を削減できる可能性があります。

最近では、各キャリア会社から格安プランが登場しています。現在のプランを見直すだけでも数千円単位でカットできるかもしれません。あまり外でネットを使わない場合やポケットWi-Fiを持ち運んでいる場合は、格安SIMの変更でも支出を抑えられます。

また、Wi-Fiと各キャリア会社とのセット契約(auとau光回線など)を行うことでお得に利用できる「セット割」を適用できる場合もあります。

もし通信費が気になっている場合は見直してみましょう。

1-5 趣味や娯楽費で見直すべきポイント

最後は、つい放置しがちな趣味や娯楽費の見直しです。

ここでの固定費は、飲み会や旅行などではなく動画配信サービスなどのサブスクやジムなどの毎月支払う娯楽費のことです。

特に、動画配信サービスや電子書籍などは1ヶ月1,000円前後と微々たるものですが、複数加入していることによって「意外と支出が多かった」というのはよくあるケースです。

コロナの自粛期間に暇だと言って登録したものの、最近では観る時間もなくずっと幽霊会員になっている方も少なくないのではないでしょうか。

また、ジムなどの通い放題サービスを契約している方は、あまり通っていないのであれば都度払いなどに切り替えるのも1つの方法です。

こういった、毎月のちょっとした支出を見直すことで節約に繋がります。

2章 ちりつもで節約!変動費の家計の見直し方法

固定費の見直しの後は、変動費を見直してみましょう。

変動費は固定費のように劇的に支出を減らすことはできませんが、毎日のちょっとした見直しをするだけで家計が楽になる可能性があります。

もう少し削りたいという方は併せて見直しましょう。

2-1 食費で見直すべきポイント

時間が無い日は、ついコンビニ弁当や宅配サービスを利用するという方はぜひ毎月の支出を見直してみましょう。

本当は毎日自炊をするのが一番財布にも身体にも良いのですが、時間が確保できない方も多いと思います。また、たまの自炊であればかえって高くついてしまう場合もあります。

筆者のおすすめとしては、コンビニではなくスーパーで購入したり、業務用スーパーを上手く利用することです。

同じお弁当でもスーパーの閉店間際や期限切れギリギリの商品を狙えば、安い価格で購入できるので節約にもなるし浮いたお金で1品増やすこともできます。また、業務用スーパーで冷凍食品の大量買いをして、レンジで温めるだけにすれば時短にもなります。

出来合いのものは身体に良くないイメージを持っている方もいるかと思いますが、スーパーで購入することでその場で調理されたお弁当が購入できます。プラスでカット野菜を利用するのも良いでしょう。

ぜひ上手く利用して家計の支出を抑えてみましょう。

2-2 交通費で見直すべきポイント

ちりつもの節約としては、最寄駅の数駅前で降りて歩いたり、バスでも徒歩でも行ける距離であれば歩くなど交通費を削る方法があります。

天候やその後の予定によっては難しい場合もありますが、特に急ぎでない場合は散歩も兼ねて歩いてみるのも良いでしょう。

都内であれば基本的にバスの料金が210円なので、往復歩くだけでも420円の節約に。1ヶ月のうち5日歩くだけでも約2,000円カットできます。普段よく利用している方であれば意外と見逃せない料金ですよね。

バスやタクシーをよく利用している方は、交通費を見直してみましょう。

2-3 日用品で見直すべきポイント

最後は、日用品の支出を見直しましょう。

近所のドラッグストアのチラシの割引情報を見てお得に購入したり、セールの日はまとめ買いするなど安く購入する癖をつけて節約しましょう。

また、ネットショッピングで日用品を比較するのもおすすめです。まとめ買いや定期便を利用する場合は意外とネットの方が安いということもあるのでぜひチェックしてみましょう。

1品1品は数十円単位の削減ですが、月単位で見ると侮れない金額になります。

ただし、1円でも安い日用品をと言って車で何件も回る場合はかえってガソリン代の方が高くつく可能性もあるので注意が必要です。

3章 暮らし別の家計の見直しポイント

ここまで、家計の見直しポイントを解説しましたが、若い方で保険に縁がないというケースや、子どもが育ち盛りで食費を削るのは難しいケースなど全ては見直せないという場合もあるかと思います。

ここからは、暮らし別に家計の見直しポイントを見ていきましょう。

「そもそも家計をどう見直して良いのか分からない」という方はこちらから始めてみるのもおすすめです。

3-1 1人暮らしの家計の見直しポイント

1人暮らしの場合は、自分のために自由に使えるお金が多いため、娯楽費や趣味の固定費や食費から見直してみましょう。

不要なサブスクや月額制サービスなどを放置していたり、毎日コンビニ弁当などで済ませていないかなどを優先的に確認しましょう。

また、家にいる時間が多くWi-Fiを常に繋いでいる方はスマホのギガが毎月余っている可能性もあります。そういった場合はスマホのプランを変更してみるのも良いかもしれません。

とにかく毎月の「なんとなく支出」や「うっかり支出」がないかを見直してみるのをおすすめします。

3-2 2人暮らしの家計の見直しポイント

同棲カップルやルームシェア、夫婦など2人暮らしの場合は、お互いの支出を把握する癖を付けましょう。

どんなものを購入したのかや、どこで購入したのかなどを共有することによって無駄な支出を防ぐことができます。

夫婦の場合、スマホの家族割やクレカの家族カードなどを上手く使って固定費を削減するのもおすすめです。

相手によっては煩わしいと感じる方もいるかもしれませんが「将来こういうことにお金を使いたいから家計を見直したい」「今のやりくりが大変」など理由をしっかり説明した上で協力してもらいましょう。

同棲カップルは、将来的に相手がお金の協力や報告ができるかが分かるので、特に家計の見直しをやってみるのがおすすめです。

3-3 子どもがいる家の家計の見直しポイント

子どもがいる家は何かと支出が多く、気を付けていても予想以上の出費に悩まされる方も少なくありません。

教育費や学費を確保しながら老後の資産も貯めなければいけないため、普段の変動費を削りつつ、一気に固定費を減らすことができる家賃・住宅ローンの住居費を見直しましょう。

特に、10年前以上に持ち家を購入してローンを組んでいる場合はもっと金利の安いプランが出ている可能性があります。借り換えだけでも負担を減らせる可能性があるので、ぜひ見直していただきたいポイントです。

また、保険については万が一の際に遺された家族が困らないようにしておく必要があるため、削減するのはあまりおすすめしません。あまりにも余剰に入っていない限りは別の方法で固定費を削減しましょう。

4章 どうしても必要な支出はポイント還元を上手く活用して!

家計の見直しは、固定費や変動費の削減だけでなく支払いの見直しも同時に行っていくのがおすすめです。

固定費や変動費は削減できても0にすることはできません。どうせ支出が発生するのであれば、お得な方法で賢く支払いしましょう。

4-1 固定費をクレジットカードで支払う

家賃や光熱費などを口座引き落としやコンビニなどで現金支払いをしている方は、クレジットカードでの引き落としに切り替えるのがおすすめです。

毎月数万単位で引き落とされるので、買い物しなくても生活するだけで毎月ポイントが貯まっていきます。

筆者の例を挙げると、スマホ代をキャリア会社のクレジットカード引き落としにすることで毎月ポイントを貯めています。固定費の中でも額が大きい家賃の引き落としも同時に行うことで更にポイントがゲットできるのでちょっとお得な気分になりますよ。

筆者はこの方法で毎月2,000ポイント近く還元されているので、ぜひ有効活用してみてください!

4-2 買い物はポイント還元アップの日を狙う

つい毎日のように小まめに行きがちな買い物ですが、ただ買い物をするのではもったいないです。

ドラッグストアやスーパーではポイント還元アップの日があるので、そちらを利用して買い物を行うのがおすすめです。特に、ドラッグストアのポイント10倍デーなどでまとめ買いすることでいつもよりポイントが多くもらえます。

貯めたポイントは買い物の割引や商品と引き換えることができるので、ちりつもで貯めていきましょう。

普段面倒でポイントカードを作成していないという方も、行きつけのドラッグストアやスーパーがある方はぜひこの機会に作ってみてはいかがでしょうか?

4-3 電子マネー支払いでポイントを貯めよう

買い物する際、現金支払いにしている方は電子マネー支払いに切り替えるのがおすすめです。

クレジットカードや電子マネーなどでポイントを貯めることによって、ちょっとした割引として使うことができるので利用しない手はありません。

筆者のおすすめは、電子マネーのチャージをクレジットカードで行うことです。電子マネーのポイントとクレジットカードのポイントを同時に貯めることができるので、よりお得に支払いすることができます。

もしクレジットカードの使いすぎや後払いが不安という方は、PayPayやau walletなど店やコンビニで現金チャージできる電子マネーを使うのも手です。

5章 無理のない節約で余裕のある将来を!

この記事では、家計の見直し方法について解説しました。

固定費を見直すことによって、無理なく支出を減らすことができるので毎月支出にお困りの方はぜひ始めてみてはいかがでしょうか。毎月コツコツと支出を減らすことで将来の貯蓄や余裕のある生活も可能になります。

最終的に余裕が出てきたら、その余剰分を別口座に入れて貯金すると良いでしょう。

もし生活が苦しくて借金に手を出してしまった方は、今後借金が膨らみ手遅れになる前にぜひご相談ください。債務整理のプロが最適な方法を提案いたします。

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