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カードローンを利用しようと検討しているものの、返済の仕組みが分からず躊躇されている方も多いのではないでしょうか。
カードローンの返済方法は元金と利息を返済していく形が一般的です。
とはいえ、その返済方法にもいくつか種類があります。
返済方法について理解しておくことで、いざ返済を始めたときに計画を立てやすくなります。
この記事では、
- カードローンの返済方法の種類
- カードローンの返済シミュレーション
- カードローンの返済を早めるコツ
- カードローンの返済を怠ったときのリスク
などについて解説します。
目次 ▼
1章 カードローンの返済方法
カードローンの返済方法には大きく分けて以下の2種類があります。
- 約定返済
- 臨時返済
それぞれ詳しく解説します。
1−1 約定返済|月々決まった額を返済
約定返済とは毎月決められた期日に決められた額を返済するもので、カードローンの返済の基本方法です。
カードローン会社では、約定返済としてリボ払いを採用しているところがほとんどです。
なお、リボ払いにも
- 元利定額返済方式
- 元金定額返済方式
- 残高スライド元利定額返済方式
- 残高スライド元金定額返済方式
の4つの方式があります。
リボ払いの仕組みについてはこちらの記事もご覧ください。
1−1−1 元利定額返済方式
「元利」とは「元金と利息」を指します。つまり、元利定額返済方式とは、元金と利息を合せて一定額を毎月返済するものです。
例えば返済額が毎月1万円の場合、1万円の中に元金と利息が含まれます。
利息は借入額が増えれば増えるほど大きくなるため、元利定額返済方式では、借入額が増えるほど利息の返済額が増え、元金の返済額が少なくなることとなります。
どれだけ高額な借り入れをしても返済額が一定になり収支の計画を立てやすいというメリットがありますが、一方で返済までの時間がかかり、利息がかさんでしまうというデメリットがあります。
1−1−2 元金定額返済方式
元金定額返済方式は、名前の通り毎月元金を一定額返済するもので、元金の返済に加えて利息が上乗せされます。
例えば、「返済額1万円」と設定した場合、1万円に借入額に応じた利息を上乗せして返済することになります。
毎月一定額の元金を返済することができるため、返済の目処が立てやすいというメリットがあります。
1−1−3 残高スライド元利定額返済方式
残高スライド元利定額返済方式は、借入額残高に応じて返済額が変動するものです。例えば、100万円以下なら月々3万円、200万円なら月々5万といったように変動し、残高が減っていけば返済額も減ります。
完済までの期間は短縮できますが、追加で借り入れをする際には都度返済額を確認する必要があるため、使い勝手が悪いと感じる方もいらっしゃるでしょう。
1−1−4 残高スライド元金定額返済方式
元金定額返済方式の、残高が変動するバージョンです。
借入残高によって元金の返済額が変動し、月々の返済額には元金に加えて利息が上乗せされます。
1−2 臨時返済|自身のタイミングで追加返済
臨時返済とは、任意のタイミングで返済する返済方法で「繰り上げ返済」「随時返済」「追加返済」などとも呼ばれています。
「基本は約定返済で毎月返済し、余裕がある月に追加で返済をする」といった形で利用します。
ボーナスの月などに臨時返済をすることで、元金を減らすことができ、返済期間の短縮にも繋がります。
2章 カードローンの返済シミュレーション
カードローンでは【元金(利用金額)】+【利息】を返済するのが基本です。
利息は、以下のように計算します。
利息=利用金額の残高×年利×利用日数÷365日(うるう年は366日)
例えば、年利18%で50万円を1ヶ月(30日)借りた場合の利息は以下のようになります。
50万円×実質年率18%÷365日×30日=7397.26027…(約7,397円)
年利はカード会社によって設定がことなりますが、利息制限法にて上限が決められています。
利息制限法の上限
借入額 | 法律上の上限金利 |
10万円未満 | 年20.0% |
10万円〜100万円未満 | 年18.0% |
100万円以上 | 年15.0% |
ここでは、利息制限法の上限を年利として設定し、返済シミュレーションを記載します。
2−1 50万円の場合
2−1−1 返済額:月々10,000円
借入額50万円/年利18%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 10,000円 |
返済期間 | 94ヶ月 |
返済総額 | ¥931,843 |
総利息額 | ¥431,834 |
2−1−2 返済額:月々20,000円
借入額50万円/年利18%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 20,000円 |
返済期間 | 32ヶ月 |
返済総額 | ¥631,479 |
総利息額 | ¥131,479 |
2−1−3 返済額:月々30,000円
借入額50万円/年利18%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 30,000円 |
返済期間 | 20ヶ月 |
返済総額 | ¥587,193 |
総利息額 | ¥87,193 |
2−2 100万円の場合
2−2−1 返済額:月々20,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 20,000円 |
返済期間 | 79ヶ月 |
返済総額 | ¥1,579,839 |
総利息額 | ¥579,839 |
2−2−2 返済額:月々30,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 30,000円 |
返済期間 | 44ヶ月 |
返済総額 | ¥1,301,974 |
総利息額 | ¥301,974 |
2−2−3 返済額:月々40,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 40,000円 |
返済期間 | 31ヶ月 |
返済総額 | ¥1,206,688 |
総利息額 | ¥206,688 |
2−3 200万円の場合
2−3−1 返済額:月々30,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 30,000円 |
返済期間 | 145ヶ月 |
返済総額 | ¥4,227,771 |
総利息額 | ¥2,227,771 |
2−3−2 返済額:月々40,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 40,000円 |
返済期間 | 79ヶ月 |
返済総額 | ¥3,159,678 |
総利息額 | ¥1,159,678 |
2−3−3 返済額:月々50,000円
借入額100万円/年利15%/元利定額返済方式
月々の返済額 | 50,000円 |
返済期間 | 56ヶ月 |
返済総額 | ¥2,790,669 |
総利息額 | ¥790,669 |
3章 カードローンの返済を早めるコツ
あとは、おまとめローンを利用したり、金利の高い借金から優先的に返したりするのもコツです。
カードローンの返済は長引けば長引くほど利息が膨らんでしまいます。
そのため、可能な限り月々の返済額を増やす、余裕があるときに繰り上げ返済を行うなどの工夫が必要です。
カードローンの返済を早める方法は、主に下記の通りです。
- 収支を確認し返済シミュレーションをする
- 金利の高い借金から返済する
- 余裕があるときに繰り上げ返済を行う
- おまとめローンを利用する
3−1 収支を確認し返済シミュレーションをする
借金の返済をしていく際には、自分の収支を把握して返済シミュレーションを立てることが大切です。
返済シミュレーションを立てて返済していく流れは、下記の通りです。
- 自分の借金総額を把握する
- 自分の収支を把握する
- 毎月返済できる金額を把握する
- 返済シミュレーションをする
- シミュレーション通りに返済していく
自分の収支がわからない場合は、1ヶ月家計簿をつけて自分が何にお金を使っているか確認するのも効果的です。
また、借金総額や自分の収支を確認した結果、すでに借金の自力返済が難しいことがわかった場合、司法書士や弁護士に債務整理の相談をすることも検討しましょう。
3−2 金利の高い借金から返済する
借金の返済が長引いてしまう原因は利息であり総返済額を減らすために、利息が高い借金から返済していくようにしましょう。
特に、リボ払いを利用している場合、リボ払いは金利が高いので、優先的に返していくのがおすすめです。
3−3 余裕があるときに繰り上げ返済を行う
カードローン会社には「繰り上げ返済」などの臨時返済に対応しているところも多くあります。
ボーナスが入ったときなど、余裕があるときには無駄遣いせず臨時返済に充てるようにしましょう。
元金が減れば、利息も減りますし、返済期間も短くなります。
3−4 おまとめローンを利用する
銀行などが提供する「おまとめローン」などを利用するのもよいでしょう。
借り入れに対する金利は、借金総額によって上限があり、高額であるほど金利の上限は下がります。そのため、借金をひとまとめにすることで、金利を下げることができ、月々の返済額を減らせることもあります。
例えば、以下のように金利を下げることができます。
借金を一本化前 | 借金を一本化後 | ||
借入額 | 金利 | 借入額 | 金利 |
A社5万円 | 年20% | E社103万円 | 年15% |
B社8万円 | 年20% | ||
C社40万円 | 年18% | ||
D社50万円 | 年18% |
また、借金をまとめれば、返済先は1社のみになりますので、返済日や返済口座にばらつきがでることもなく、返済の計画も立てやすくなります。
3-5 副業・転職などで収入を増やす努力をする
収入が低く借金返済もして生活していくだけの余裕がない場合は、副業や転職などで収入自体を増やしてしまうのも有効な手段です。
収入が増えればその分、借金返済に回せるお金が増えるため、借金完済までにかかる期間を短くできます。
4章 カードローンの返済を怠ったときのリスク
また、ブラックリストに情報が載り、今後数年間クレジットカードの利用や新たな借り入れができなくなります。
カードローンの返済を怠ると、以下のようなリスクがあります。
- 電話や書面による催促を受ける
- 借金の一括請求を受ける
- ブラックリストに載る
- 裁判上の請求を受ける
- 強制執行を受ける
それぞれ詳しく解説します。
4−1 電話や書面による催促を受ける
返済期日を過ぎても返済をしていないと、金融機関から電話や書面で催促を受けることになります。
返済期日から数日で最初の催促がなされます。催促時には新たな返済期日が設定されますので、その期日までに返済すれば特に問題になることはありません。
しかし、催促されてもなお返済しないような場合には、以降で解説するように、一括請求を受けたりブラックリストに載ったりと大きなリスクが生じます。
4−2 借金の一括請求を受ける
金融機関からの催促にも応じず、返済せずにいると、金融機関から一括請求を受ける可能性があります。
しかし、そもそも1ヶ月分の返済もままならないような状況で、借金の一括返済など不可能でしょう。
この段階では他社での借り入れもできなくなっている可能性が高く、支払う手段がなくなってしまいます。
とはいえ、一括請求に応じずにいると、強制執行として給与や財産などを差し押さえられてしまいます。
返済ができない場合には、一括請求を受ける前に対処するようにしましょう。
4−3 ブラックリストに載る
返済をせず放置すると、金融事故として信用情報機関に情報が登録されてしまします。いわゆるブラックリストです。
ブラックリストに情報が登録されると、以下のようなことができなくなります。
- クレジットカードの利用・新規作成
- 新たな借入
- 住宅ローンやカーローンなど各種ローンの利用
- スマートフォン本体の分割払い
信用情報機関には3種類あり、それぞれ加盟機関や情報の登録期間が異なります。具体的には以下のとおりです。
信用情報機関 | 加盟機関 | 事故情報の登録期間(目安) |
CIC | 信販会社・クレジットカード会社 | 5年以内 |
JICC | 消費者金融・クレジットカード会社 | 5年以内 |
KSC | 全国の銀行 | 10年以内 |
上記からも分かるように、クレジットカードや消費者金融への返済を滞納して事故情報が登録されてしまうと5年間程度情報が残ります。
4−4 裁判上の請求を受ける
催促や一括請求にも応じずにいると、債権者は裁判所を通して支払督促や訴訟の手続きを取ります。
異議申し立てなどをすることで、分割払いなどに応じてもらえる可能性はありますが、支払えない場合には強制執行がなされる可能性が高いでしょう。
裁判上の請求を受けたときには、強制執行が近いと考えてください。
4−5 強制執行を受ける
裁判所からの訴状や支払督促を無視していると、最終的には強制執行として差し押さえを受けることになります。
強制執行では、所有している財産や給与が差し押さえられます。
強制執行を受けると、今後の生活も厳しくなる可能性がありますので、強制執行となる前に対処するようにして下さい。
5章 カードローンの返済が難しいときは債務整理を検討しよう
カードローンの返済を滞納し続けると、最終的に強制執行として給与や財産を差し押さえられてしまうこともあります。
そのため、そうなる前に債務整理をして対処しておくことを強くおすすめします。
債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があります。ここではそれぞれの債務整理について解説します。
5−1 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで、将来発生する利息や遅延損害金などをカットしてもらう手続きです。
利息をカットすることで、月々の返済額を抑えられる可能性があります。
とはいえ、元金は減りませんので、借金額がそもそも多いようなケースでは任意整理では解決が難しいこともあります。
また、手続き後も一定額返済は続けなければいけませんので、収入がない方には難しいでしょう。
5−2 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金額を5分の1〜10分の1程度に圧縮する手続きです。圧縮後の返済額は所有している財産や収入に応じて変動します。
後述する自己破産では、家などの財産を処分されるリスクがありますが、個人再生では財産が処分されることはありません。
ただし、圧縮後の借金は原則3年で返済しなければいけませんので、一定の収入があることが条件となります。
5−3 自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てることで、返済する義務を全額免除してもらう手続きです。
手続きが認められれば、借金を返済する必要がなくなります。しかし、その分家などの借金を処分されてしまうリスクがあります。
借金額が大きい方や、収入がない(少ない)方には自己破産をおすすめしています。
6章 カードローンの返済でお困りの方はグリーン司法書士にご相談ください
カードローンの返済が難しくなってしまった方は、なるべく早く対処をする必要があります。
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よくあるご質問
- カードローンの返済方法の種類とは?
- カードローンの返済方法は、主に下記の2種類です。
約定返済:月々決まった額を返済
臨時返済:自身のタイミングで追加返済
カードローンの返済について詳しくはコチラ
- リボ払いの上手な返済方法とは?
- リボ払いの返済のコツは、下記の通りです。
・毎月の返済額を増やす
・お金に余裕がある月は繰り上げ返済する
・一括返済をする
・金利が低いカードローンに乗り換える
リボ払いの返済方法について詳しくはコチラ