携帯を止められたらどうなる?支払えない場合の対処法を解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
携帯を止められたらどうなる?支払えない場合の対処法を解説

この記事は約 13 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 携帯電話の料金を支払えないと止められてしまうのか
  • 携帯電話を止められたらどうすればいいのか
  • 携帯電話の料金を支払えないときの対処法

今やライフラインといっても過言ではない携帯電話。
つい電子マネーや後払いに頼ってしまい、毎月の料金の支払いが厳しいという方も少なくありません。

もし携帯料金が支払えないと、携帯が止められる可能性があります。
携帯が止められてしまうと、電話ができなくなるだけでなく下記の行為もできなくなるのでご注意ください。

  • メールや電話、LINEなどの連絡
  • SNSやインターネットの閲覧
  • パソコンやタブレットとの接続
  • アプリを使ったゲームの利用

この記事では、携帯を止められたらどうなるのかを解説いたします。
また、携帯料金を支払えない場合の対処法も紹介するので、支払いにお困りの方はご参考にしてください。

1章 携帯料金が支払えないと止められてしまう!

結論から言うと、携帯料金が支払えない状態が続くと携帯が止められてしまいます。

携帯電話は使った分だけ翌月に支払う「後払い制度」を利用しています。

既に使った料金を支払っていない状態のまま、次の月の支払いが来ると支払い総額が膨れ上がってしまいます。このまま放っておくと、雪だるま式に増えてしまうのは明白です。

そのため、携帯会社がこれ以上利用できないように止めてしまうのです。

まずは、携帯電話が止められるまでの流れを解説いたします。

1-1 支払い期限が記載された督促状が届く

携帯料金が払えないからといってすぐに止められるわけではありません。

期日に携帯料金の引き落としができなかった場合は、携帯料金の滞納となります。

携帯料金を滞納してから、およそ1〜2週間後に督促状が届きます。ハガキや封筒で自宅に届くのが一般的ですが、ショートメッセージなどで督促が届くケースもあるので見落とさないようにしましょう。

督促状には、支払い期限が記載されているので、この期限までに必ず払うようにしましょう。

1-2 期限内に払えないと携帯が止められる

督促状に記載されている支払い期限内に携帯料金が払えない場合は、携帯が止められてしまいます。

大手キャリアが督促状を送ってから携帯を止めるまでのタイミングは以下が目安となります。

横スクロールできます

キャリア名督促状が届く目安携帯を止める目安
au本来の支払日の約15日後本来の支払日の約20〜約30日後
docomo本来の支払日の約1週間後本来の支払日の約30日後
ソフトバンク本来の支払日の約15日後本来の支払日の約25日後
楽天モバイル本来の支払日の約30日後本来の支払日の約45日後

どちらにせよ携帯料金を滞納してから1か月以内には、携帯が止められてしまいます。

督促状が届いてから携帯の利用停止まではあっという間なので、滞納に気付いた時点で必ず支払うようにしましょう。

2章 携帯が止められたらどうなる?

携帯が止められたら回線が利用できなくなるため、ネットを使う動作が一切できなくなります。

例えば、以下の使用はできなくなるため注意が必要です。

  • メールや電話、LINEなどの連絡
  • SNSやインターネットの閲覧
  • パソコンやタブレットとの接続
  • アプリを使ったゲームの利用

写真を撮ったり動画の撮影などネット回線を使わないものであれば利用ができますが、本来のスマホの使い方とかけ離れることは間違いありません。

できるだけ早いうちに携帯料金の支払いを済ませて、利用できるようにしましょう。

ちなみにキャリア回線を使用しないWi-Fiの利用は可能です。

そのため、すぐに料金の支払いができないけれど緊急性が高い用事がある場合は、Wi-Fiを繋いで利用しましょう。

2-1 同一名義の回線も利用できなくなる

携帯電話やタブレットなど複数台の名義を持っている方は、同一名義の回線も利用できなくなります。

例えば、携帯電話とタブレットを同じ回線で使用している場合、タブレットの利用料金は支払っているけれど、携帯電話の利用料金を滞納していればタブレットも利用できません。

「携帯電話が止められても、タブレットがあるから大丈夫」というわけにはいかないので注意しましょう。

2-2 遅延損害金が発生する

携帯電話が止められると、利用できなくなるだけではなく、利用料金に遅延損害金が追加で発生してしまいます。

遅延損害金とは、期日内に料金を支払わなかったことに対する迷惑料のようなものです。

遅延損害金は、滞納すればするほど加算されていきます。余分な支払い料金を増やさないためにも、早めに返済するのがおすすめです。

2-3 ブラックリストに載ってしまう

携帯電話の支払いを滞納し続けると、やがてブラックリストに載ってしまいます。

ブラックリストとは、経済的に信用を失ったときに載るリストのことです。携帯料金の滞納も事故情報として登録されます。

ブラックリストは1種類だけではなく、携帯電話に限らずクレジットやカードローンなどの支払いトラブル全般が載る信用情報機関のブラックリストや携帯会社独自で管理している社内ブラックなど様々です。

携帯電話の滞納の場合、複数のブラックリストに登録されてしまう可能性が高いため注意しましょう。

ブラックリストに載ってしまうと、携帯電話が契約できなくなるだけではなく、クレジットカードやローンの審査落ちなど金融関連の全てにおいて不利になってしまいます。

3章 このまま携帯が止められた状態が続いたらどうなる?

「今どきWi-Fiなんてどこにでもあるし、携帯が止められても案外不便ではないかも」と思ってそのまま放置をしまうと、強制解約となってしまいます。

キャリアサービスが使えなくなるため、Wi-Fiを利用しても通話やメールができなくなってしまいます。

また、滞納し続けた分は当然支払う必要があります。強制解約になったからといって、今までの滞納分がチャラになるわけではありません。

強制解約になると、同じ会社で再契約はほとんど不可能になります。強制解約になる前に必ず滞納分を完済するようにしましょう。

3-1 携帯が強制解約になる

携帯電話の支払いを滞納してから2か月程度で強制解約になります。

強制解約はその名の通り、強制的に契約を解約させられてしまいます。

強制解約されたその日から、携帯会社のサービスであるSMSや通話、キャリアメールを使うことができなくなります。

LINEやカカオトークなどの通話アプリであれば、Wi-Fiを繋ぐことで利用はできますが、キャリアサービスを使うには携帯を新規で契約する必要があるため不便を強いられるでしょう。

強制解約になった情報はブラックリストに載ってしまうため、審査の段階で落とされる可能性が非常に高いです。

プリペイド式やレンタルスマホを利用するなど、ブラックリスト入りしても使える方法を考えましょう。

3-2 携帯料金を一括請求される

強制解約されたとしても、契約していたときの携帯料金の支払いはする必要があります。

ただし、今更払えないと相談しても後の祭りです。強制解約されてしまったら、今ままで滞納していた携帯料金を一括請求されてしまいます。

強制解約の頃には遅延損害金も相当膨らんでいるはずですが、一括で支払わなければいけません。

払えないから滞納していた携帯料金を一括で支払うのは到底難しい話でしょう。もし支払いができなかった場合は、次のステップに進んでしまいます。

3-3 財産が差し押さえられる可能性がある

一括で滞納分の料金を支払えなかった場合は、強制執行となり差し押さえになります。

差し押さえは、給料や預金口座などのお金だけでなく、車やブランド品など売却したらお金になるものを没収される可能性があります。

携帯料金であれば車や持ち家などの高額な財産が差し押さえられる可能性は低いですが、アプリゲームの課金やネットショッピングのお金を携帯料金と合算していた場合は要注意です。

基本的な携帯料金の滞納であれば、給料や預金口座のお金が差し押さえられる可能性のほうが高いでしょう。

また、給料を差し押さえる段階で、職場の人にもバレてしまうのでその後会社に居づらくなるデメリットもあります。

4章 携帯の利用停止を解除する方法は?

携帯の利用停止を解錠する方法は、滞納している携帯料金を支払うしかありません。

まだ利用停止の段階であれば、滞納分の料金を全て支払えば再度携帯を利用することができます。

しかし、滞納した携帯料金を返済したからといって、すぐにブラックリストの情報が消えるとは限りません。もし今後契約したい機種が出てきた際に、審査落ちも十分に考えられます。

ブラックリストが消えるまでは、毎月期限通りに支払いを続けて信用回復に努めましょう。

また、携帯が止まるまで滞納を繰り返す常習犯だったり、督促の段階で逆ギレをしてクレームをつけたりと悪質な客と見なされた場合は、社内ブラックが消えることなく一生載ってしまう可能性もあります。

今後の契約に影響しないためにも、放置しないで支払いを最優先で行う必要があります。

5章 携帯料金が支払えないときの対処法

携帯料金が支払えないからといって、黙ってそのまま滞納を続けてしまうと、あっという間に次のステップに進んでしまいます。

最初の支払い期限から約2か月で強制解約になるほど、携帯料金はスピードが早いのです。

そのため、最初の対応が最も重要となります。

この章では、携帯料金が支払えないときの対処法を解説します。

5-1 キャリアに相談する

まずは、支払えないことが分かった時点ですぐに契約しているキャリアに連絡をしましょう。

期限前であれば、分割払いや支払い期限の延長などの対応をしてくれる場合がほとんどです。

最近では、キャリア専用アプリから支払い方法の変更をすることも可能です。

とにかく、遅延損害金などの余分なお金を発生させないためにも、すぐに行動することが大切です。

5-2 分割払いで支払う

「今月調子に乗って使いすぎてしまった…」という方は、分割払いに設定を切り替えるのもおすすめです。

支払い期限までに分割払いに設定することで、今月分の携帯料金を無理なく支払うことが可能です。

ただし、分割した分の残りの料金は来月の携帯料金と合算して支払う必要があります。

支払いは滞納しないに越したことはありませんが、分割払いにした分は来月の支払いが過酷になることは覚えておきましょう。

また、分割払いにする際に、自動的にリボ払いに設定されているケースがあります。リボ払いにすると手数料がかかるだけでなく金額の設定によっては次で完済しきれない可能性があります。

設定を変更する場合は、必ず支払い形式もチェックしておくようにしましょう。

5-3 格安スマホに乗り換える

その月だけに限らず、滞納を繰り返す月が頻繁にある場合や、支払いができたとしても生活費がキツくなる場合は現在契約している携帯料金そのものが合っていないことが考えられます。

携帯の機種料金や通信料の見直しを行い、格安スマホに乗り換えるのも一つの方法です。格安スマホは基本料金が安く乗り換え割なども充実しているため、ブラックリストに載る前に買い替えるのもよいでしょう。

また、大手キャリアでも格安プランが次々と登場しています。自身の利用状況によっては、費用を抑えることも可能です。

慢性的に支払いが厳しい状態の方は、携帯料金の見直しをしてみるのがおすすめです。

5-4 債務整理をする

携帯料金も遅延損害金も膨らみすぎて分割払いすらままならない状態や、携帯電話が強制解約になり一括請求を命じられているなど既に窮地に立たされている状況の方は債務整理を視野に入れましょう。

債務整理では、遅延損害金など携帯料金以外の費用をカットできたり、携帯料金の総額をカットできたりと完済しやすくなる手続きを取れます。

当然、使った分の全てを支払うことができない状態のため、債務整理後は強制解約となってブラックリストに登録されてしまいます。

しかし、差し押さえに発展するよりは債務整理の方が生活の立て直しがしやすいケースも多いです。

携帯料金だけ滞納している場合は、本当に債務整理をするべきなのか迷ってしまう方が多いかと思いますので、まずはお気軽にご相談ください。

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6章 借金を抱えている場合は債務整理も検討しよう

携帯料金の滞納のほかに、借金を抱えている方はより前向きに債務整理を検討するのをおすすめします。

なぜなら、あちこちで返済を滞納している状況から立て直すのは非常に難しいからです。

現在、お金をつくっては返済を続けている状況かと思いますが、返済を続けているうちにも利息や遅延損害金はどんどん膨らんでいきます。

着実に借金の総額が減っているのであればよいですが、利息分しか返済できずに結局全く減っていないというケースも多く、毎月自転車操業の方がほとんどです。

借金を滞納している時点でブラックリストに登録されているのは間違いありません。その状況であれば、いっそ借金を減額して短期集中で完済する方が早いといえます。

債務整理の種類は大きく分けて3種類あります。

債務整理の種類特徴
任意整理・借金の利息や遅延損害金など元金以外をカットする手続き
・長期的に借金や携帯料金を返済している借金におすすめ
個人再生・借金の元金を大幅にカットする手続き
・車や持ち家など失いたくない財産がある方におすすめ
自己破産・全ての借金を免除することができる手続き
・支払い能力がなく返済不能に陥った場合におすすめ

携帯料金の滞納や借金の状況によっても適切な債務整理が異なるため、ぜひ早めにご相談ください。

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6-1 携帯料金の支払いで借金を作るのはNG!

ここで注意したいのが、携帯料金だけでもなんとかしようと思って、借金で携帯料金を返済する行為は絶対にやめましょう。

当たり前ですが、借りたお金よりも返済するお金のほうが高額です。携帯料金を支払うために借りたお金を返済するには、借りたお金以上に支払う必要があります。

支払いの目処が立たないまま、その場凌ぎでお金を借りるのは借金地獄の始まりになります。

やがて取り返しがつかないことになるので、5章を参考に携帯料金の滞納問題を解決しましょう。

7章 携帯が止められる前に早めに専門家に相談しよう

携帯が止められたら滞納した料金を支払うしか方法はありません。

携帯が止められる前は、まだまだできることが多くキャリア会社も対応してくれます。

携帯が止められて強制解約まで進んでしまうと、一括で支払うしかなくなるためどんどん状況が悪化してしまいます。

借金問題は早ければ早いほど選択肢が多いです。携帯料金の支払いが難しい原因があれば、すぐに専門家に相談してその原因を解決するようにしましょう。

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よくあるご質問

携帯電話の料金を滞納するとどうなる?
携帯電話の料金を滞納し止められてしまうと、下記の事態になります。
・同一名義の回線も利用できなくなる
・遅延損害金が発生する
・ブラックリストに載ってしまう
携帯は強制解約される?
携帯電話の支払いを滞納してから2か月程度で強制解約になります。
強制解約はその名の通り、強制的に契約を解約させられてしまいます。
携帯が止まってもネットを使えますか?
携帯料金の滞納により携帯を止められた場合、モバイル通信を利用できずインターネットを使えなくなります。
ただし、自宅などでWi-fiにつなげば、携帯をネットにつなげられます。
  • LINEで送る

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