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- クレジットカードの分割払いの仕組み
- クレジットカードの分割払いのメリット
- クレジットカードの分割払いのデメリット
- クレジットカードの分割払いの計算方法
- 分割払いの利用および返済の方法
クレジットカードの分割払いは、高額な買い物も負担を軽くして購入可能にする便利な支払い方法です。この支払い方式では、カードユーザーは希望に応じた回数に分けて代金を支払うことができ、特に高額商品を購入する際にその利点が発揮されます。
しかし、利用回数に応じた手数料が発生するため、総支払額が増加することもあるでしょう。適切な計画と理解のもとで使用すれば、分割払いは非常に強力なツールになりえますが、計画なく使用すると、予期せぬデメリットに直面することもあります。
今回の記事では、クレジットカードの分割払いのメリットとデメリット、そして関連する手数料についてくわしく解説します。大きな買い物を予定していて、クレジットカードの分割払いを検討しているみなさんは、ぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 クレジットカードの分割払いとは
クレジットカードの支払い方法には1回払い、2回払い、ボーナス(一括)払い、分割払いなどが用意されています。それぞれにメリットとデメリットがあり、その特徴を知ったうえでの使い分けが必要です。
今回フォーカスしている分割払いは、一度に支払うのが難しい大きな買い物を、毎月の支払い額を抑えることで可能にしてくれます。ここでは、分割払いとほかの支払い方法との違いを見ていきましょう。
1-1 1回払い・2回払いとの違い
クレジットカードの、手数料が発生しない支払い方法には、「1回払い」と「2回払い」があります。1回払いは、利用した金額を次の請求日に全額支払う方法です。
一方、2回払いは利用金額を2回に分割して引き落とします。この2回払いは、1回払いと同様に、金利手数料が発生しない点が特徴です。つまり、2回払いを利用しても追加の費用はかかりません。
分割払いは手数料がかかる支払い方法です。手数料はクレジット会社ごとに、分割回数によって実質年率が決められており、それをもとに計算されます。
また、すべての店舗が2回払いを受け入れているわけではありません。多くの百貨店や家電量販店では利用可能ですが、一部の飲食店や小売店では利用できない場合があります。
1-2 ボーナス払いとの違い
クレジットカードの支払い方法として「ボーナス払い」は、賞与(ボーナス)が支給される月(あるいはそれに近い月)に、全額を一括で支払う方法です。
ボーナス払いの分割払いとの大きな違いは、ボーナス払いでは手数料が発生しない点にあります。支払うのは数ヶ月後になっても、手数料がかからないので、分割払いよりも負担が少ないです。
また、ボーナスが支給される時期での一括払いのため、大きな購入が計画しやすくなる利点もあります。
一方で、分割払いは一度に全額を支払わなくてもよいため、即時の家計の負担を軽減できますが、手数料が発生するため、最終的な支払い総額は高くなります。分割回数が多いほど、支払う手数料総額も増加するので、注意が必要です。
なお、ボーナス払いの利用できる期間や条件はクレジットカード会社によって異なり、一部のカードではボーナス払いに対応していないこともあります。
1-3 リボ払いとの違い
リボ払いと分割払いはよく利用される方法です。これらの方法はいずれも、大きな支払いを小さな額に分けて支払えますが、その違いを理解しておくことが重要です。
リボ払いの大きな特徴は、毎月一定の支払額を設定できる点です。それによって、月々の支出が予測しやすく、家計管理がしやすくなります。ただし、支払いが完了するまでの期間が延びれば延びるほど、長期にわたり手数料負担が発生するのです。
一方、分割払いは利用した金額を、指定した回数で均等に分けて支払います。たとえば、10万円の商品を10回で支払う場合、毎月1万円ずつと手数料を支払うことになります。
リボ払いのメリットは、支払い総額と期間が明確であること、そして繰り上げ返済が可能である点です。
また、リボ払いは毎月の最低支払額が低く設定されていることが多く、予期せぬ支出があった場合でも支払いが容易です。その反面、未払い分に対しては継続して手数料が発生するため、支払い総額が増加します。
なお、クレジットカードの支払いの遅延・滞納による信用情報への影響やデメリットについては、以下の記事でくわしく取り上げています。併せてそちらも、参考にしてください。
2章 分割払いを利用するメリット
クレジットカードの分割払いを利用する主なメリットは、次の3つです。
- 1回あたりの支払負担を軽くできる
- 支払回数を自分で設定できる
- 手持ちの現金を増やせる
それぞれを見ていきましょう。
2-1 1回あたりの支払負担を軽くできる
クレジットカードの分割払いを活用すると、高額な商品を購入する際に、支払いを複数回に分けることができるため、一度に支払う金額を減らすことができます。それによって、家計への負担を複数月に分散させることが可能です。
たとえば、30〜50万円くらいの商品を購入する場合、支払いがボーナス月でもないかぎり、一括払いは厳しいことも多いでしょう。しかし、数ヶ月や1年以上にわたって少しずつ支払うことができるのです。
この支払方法は、特に出費が重なる時期や予期せぬ大きな購入が必要になった際に非常に便利です。
多くのクレジットカード会社では、支払い回数の選択肢も豊富で、3回・5回・6回〜24回くらいまでの、具体的な選択肢が提供されています。
2-2 支払回数を自分で設定できる
クレジットカードの分割払いは支払い回数を自分で設定できるため、自身の収入や支出の流れに合わせて柔軟に対応できます。
高額な商品を購入した際に一括払いが難しい場合でも、月収から考えて支払い可能な程度の分割払いを利用することで購入できます。収支のバランスを保ちながら、無理をしないで必要なものや欲しいものを、手に入れることが可能です。
2-3 手持ちの現金を増やせる
クレジットカードの分割払いを利用すると、高額な買い物でも一度に全額を支払わずに済むため、手持ちの現金を温存できます。月々の支払い負担を軽減し、それで増えた現金をほかの用途に回す、現金の有効利用が可能になります。
この方法は特に、予期せぬ出費がある場合や、現金の流動性を保ちたい時に有効です。購入後の金銭的なストレスを減少させ、より計画的なお金の管理ができるようになります。
なお、クレジットカードの請求額が支払えなくなった場合や、支払いが遅れる場合の対処法については、以下の記事でくわしく取り上げています。ぜひ、参考にご覧ください。
3章 分割払いを利用するデメリット
クレジットカードの分割払いのメリットを見てきましたが、もちろんデメリットもあります。主なデメリットは次の4つです。
- 分割払いの回数が増えるほど手数料が高くなる
- 分割払いの残債があると利用可能額が減る
- 1回の支払額が少ないため使いすぎてしまう恐れがある
- 分割払いから1回払いへの変更はできない
ひとつずつ見ていきましょう。
3-1 分割払いの回数が増えるほど手数料が高くなる
分割払いを利用すると、支払い回数が増えるほど、かかる手数料も高くなります。これは、支払いが長引くほど、金融機関が取るリスクが増えるため、それに見合う手数料を設定しているからです。
分割払いの手数料は、支払い回数に応じて実質年率が12~15%程度の間で変化します。また、分割払いを選択すると、手数料のもととなる実質年率が高くなるだけでなく、支払いを終えるまでの期間も長くなります。
それによって、手数料の総額も増えていくので、分割回数が多いほど総支払額が増加するのです。
3-2 分割払いの残債があると利用可能額が減る
分割払いを利用している場合、未払いの残債があるとクレジットカードの利用可能額が減少します。これは、カードの信用限度内で残債が占める割合が増えるためです。
そのため、特に大きな額の分割払いをしていると、ほかの必要な買い物の際にカードを利用できない状況にもなりかねません。それによって、予期せぬ出費があった場合にやりくりに困ることがあります。
3-3 1回の支払額が少ないため使いすぎてしまう恐れがある
クレジットカードの分割払いを選択すると、支払いが楽に感じることもあるでしょう。1回あたりの支払額が少なくなるため、実際には多額の買い物をしてもその時の負担が少なく感じられるからです。
しかし、これが原因で無意識のうちに予算を超えた支出を重ねてしまうリスクがあります。結果的に、複数の分割払いが積み重なって、結局月々の負担が増えがちになるのです。
3-4 分割払いから1回払いへの変更はできない
分割払いを選択した後に、1回払いへ変更することは一般的にできません。クレジットカード会社は通常、分割払いを一括払いに変更することを許可していないため、計画的に支払い方法を選択することが重要です。
ただし、多くのクレジットカード会社では、繰り上げ返済が可能です。これは、分割払いの残りの金額を早期に完済することを指し、一定の手数料を支払うことで、全額を前倒しで支払えます。
繰り上げ返済を行うことで、未払いの手数料負担を減らすことが可能です。
以上の情報を踏まえ、分割払いの選択時には、支払いプランの柔軟性だけでなく、繰り上げ返済の条件も考慮するのが賢明です。計画的なお金の管理と繰り上げ返済を活用することで、クレジットカードの適切な利用を心がけたいものです。
なお、もしまだクレジットカードをお持ちではなく、これから作るのであれば参考になる「クレジットカードの審査落ちする原因」について、以下の記事でくわしく取り上げています。そちらも併せて、参考にご覧ください。
4章 【具体例付】分割払いの手数料計算方法
分割手数料の計算方法は次のようになります。
- 分割払手数料=利用額×(100円あたり手数料額÷100)
- 支払総額=利用額+分割払手数料
- 1回あたり支払金額=支払総額÷支払回数
※ただし、1回あたり支払金額は1円単位となり、端数が発生した場合は初回に算入されるのが一般的です。
「100円あたり手数料」は各クレジットカードで会員規約に記載されている、分割回数と連動した実質年率で決まります。
「100円あたり手数料」に関しては、たとえばN社のクレジットカードの場合、以下のようになります。
支払い回数(分割回数) | 手数料率(実質年率) | 分割払手数料(100円あたり) |
---|---|---|
3回 | 12.25% | 2.04円 |
5回 | 13.50% | 3.40円 |
6回 | 13.75% | 4.08円 |
10回 | 14.50% | 6.80円 |
12回 | 14.75% | 8.16円 |
15回 | 15.00% | 10.20円 |
18回 | 15.00% | 12.24円 |
20回 | 15.00% | 13.60円 |
24回 | 15.00% | 16.32円 |
計算例1)N社のクレジットカードで50万円を5回払いで購入した場合
- 分割払手数料=50万円×(3.40円÷100)=17,000円
- 支払総額=50万円+17,000円=517,000円
- 1回あたり支払金額=517,000円÷5回=103,400円
計算例2)N社のクレジットカードで30万円を12回払いで購入した場合
- 分割払手数料=30万円×(8.16円÷100)=24,480円
- 支払総額=30万円+24,480円=324,480円
- 1回あたり支払金額=324,480円÷12回=27,040円
なお、分割手数料の計算は日本クレジット協会がWebで提供しているシミュレーターを使えば簡単に出せます。クレジット利用額、実質年率、分割回数を入力すれば、手数料および支払総額がすぐにわかります。
5章 分割払いの利用方法・返済方法
分割払いの利用方法や返済方法は、それぞれがまた2つに分かれます。ここでは分割払いの利用や返済の、具体的な方法を見ていきましょう。
5-1 分割払いを利用する方法
分割払いの利用には、大きく2つの方法があります。
まず、商品購入時に分割払いを選択する方法です。店頭での購入の際は、支払い回数を決めて店員に伝えることができます。オンラインショッピングの場合は、決済画面で支払い回数を選択します。
ただし、一部の店舗では分割払いが対応していないこともありますので注意が必要です。
次に、決済後に自身で分割払いに変更する方法があります。これは、分割払いに対応していない店舗にて一括払いで購入した後、カード会社の公式サイトやアプリなどから、分割払いやリボ払いに変更する方法です。
多くのクレジットカード会社では、支払い後の支払い方法変更を受け付けており、カードユーザーの希望に柔軟な対応をとってくれます。
5-2 分割払いを返済する方法
分割払いの返済方法は大きく二つに分けられます。「通常返済」と「繰り上げ返済・一括返済」です。
【通常返済】
クレジットカードで購入した商品やサービスの支払いは、毎月決まったタイミングで行われ、その時に分割払い分も一緒に支払います。たとえば、S社のクレジットカードでは、締め日が10日で翌月4日が支払日です。
商品を分割払いで購入した場合、1回目の支払いは以下のとおりです。
- 購入日が1〜10日→翌月の4日
- 購入日が11日以降→翌々月の4日
【繰り上げ返済・一括返済】
クレジット会社に連絡して、分割払いの残りの全額を一括で返済することにより、余計な手数料を支払わずに済みます。ただし、カード会社によって仕組みが異なるため、利用規約もしくは、カスタマーサポートで確認しましょう。
6章 分割払いができなかったときの原因・対処法
分割払いができない場合の主な原因としては、次の3つが考えられます。
- ショッピング枠の上限金額に達している
- 店舗側が分割払いに対応していない
- 使用しているクレジットカードに分割払いの機能がない
それぞれの内容と対処法を見ていきましょう。
6-1 ショッピング枠の上限金額に達している
クレジットカードには、カードユーザーごとに事前に設定された利用限度額があります。この限度額を超えると、さらなるカード使用が不可能になります。
分割払いを含むすべての取引は、この枠内で行われるため、既存の利用残高によって、新たな分割払いが承認されないことがあります。
この場合の対処法は、繰上げ返済などを活用して、利用残高を増やすことです。もしくは利用可能枠を増やす申請をする方法もあります。ただし、利用可能枠の増枠には審査が伴うので、時間がかかることと、通らないこともあるので注意が必要です。
6-2 店舗側が分割払いに対応していない
すべての店舗が、必ずしも分割払いを受け付けているわけではありません。特に小規模な店舗や一部の業種では、分割払いの取り扱いがない場合があります。分割払いが可能かどうかは、購入前に店舗に確認するのが賢明です。
この場合の対処法は、ひとまず一括払いで購入し、その後クレジットカード会社の公式サイトやアプリ、カスタマーサポートを通じて分割払いに変更することです。ただし、変更できるかどうかはクレジットカード会社によって異なるので、注意を要します。
6-3 使用しているクレジットカードに分割払いの機能がない
すべてのクレジットカードが、分割払い機能を持っているわけではありません。カードによっては、分割払いオプションが提供されていないこともあります。
そのため、分割払いが必要な場合、あらかじめそのカードが分割払い機能をサポートしているかを、確認する必要があります。
分割払いが可能なカードを持っていない場合は、分割払いオプションを提供する新しいカードへの切り替えを検討することがひとつの解決策となるでしょう。
どうしても分割できない場合に、資金ショート(つまり自力返済が困難になった状態)に陥ったのであれば、債務整理によって分割払いにするという方法があります。
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なお、債務整理のなかの任意整理を行うとクレジットカードはどうなるのかについてのくわしい情報は、以下の記事で解説しています。そちらもぜひ、参考にご覧ください。
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まとめ
クレジットカードの分割払いは、一括払いに比べて月々の支払いを抑えることができるため、大きな購入がしやすくなります。分割回数は自由に選べ、支払いプランを自分の予算に合わせやすいのが大きなメリットです。
ただし、分割払いには手数料が伴い、手数料の率は分割の回数によって異なります。多くの分割回数を設定すると、手数料の率も総額も増加し、最終的にはより多くの支払いになるのです。
この点を考慮し、自己の収支の状況と照らし合わせて利用することが重要です。また、分割払いを利用することでクレジット利用可能枠が一時的に制限されることもあります。
賢く利用することで、クレジットカードの分割払いは購入力を高める一方で、無計画な使用は財務に負担をかける可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
もしクレジットカードの支払いを「分割払いにしたい」と思ったきっかけが、ほかの借入の返済が苦しいなどの理由であれば、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。当司法書士法人では借金問題に関する個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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