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借金滞納が続くと、給料が差し押さえられてしまう可能性があります。
給料が差し押さえられると、生活が立ち行かなくなるだけでなく、勤務先に借金滞納が続いていることがバレると不安を感じているのではないでしょうか。
借金滞納により給料が差し押さえられると、下記のデメリットがあります。
- 借金滞納や差押えについて会社にバレる
- 原則手取り額の4分の1が差し押さえられる
ただし、差押えが原因で会社をクビになることはないのでご安心ください。
この記事では、もし差し押さえられた場合、給料がどうなるのかを解説いたします。
また、支払いの滞納から給料差し押さえの流れと、差し押さえを回避する方法も紹介するので、現状危険信号の方は必見です。
督促状を無視するリスクについては、以下の記事で紹介しているので併せてご参考にしてください。
目次 ▼
1章 給料は差し押さえの対象!会社にも100%バレる!
給料の差押えは会社に必ずバレてしまいます。
というのも、給料の差押えは裁判所の許可を得た債権者が債務者の給料の一部を強制的に差し引いて回収することによって行われるからです。
裁判所から債務者の勤務先に届く債権差押え命令には、債務者の氏名が書かれているため、勤務先に借金をしていたことや滞納していたことを隠し通すことはできません。
1-1 アルバイトや派遣の給料も差し押さえられる
給料であれば、派遣社員でもアルバイトでも給料を差し押さえられます。
正社員かどうかに関わらず、雇用形態は関係ありません。
「それなら、給料手渡しのアルバイトであれば差し押さえられる可能性はないのでは?」と思うかもしれませんが、手渡しであっても差し押さえられてしまうので注意が必要です。
また、給料がない無職の方や年金受給者は預貯金や動産、不動産が差し押さえの対象になります。誰であれ支払わなければ差し押さえから逃れられることはできないのです。
無職や年金受給者の差し押さえについては、以下の記事で詳しく解説しています。
2章 給料は全額差し押さえられるわけではない
給料の差し押さえと聞くと、完済するまで給料が振り込まれず生活に困ってしまうのではと心配する方も多いと思います。
しかし、給料は全額差し押さえられるわけではありません。
差し押さえられる額は、一律で決まっているわけではなく、給料の額によっていくら差し引かれるか決まっているのです。
では、差し引かれる額の目安を見ていきましょう。
2-1 差し押さえ額は原則手取り額の4分の1
差し押えによって回収できる金額は、原則手取り額の4分の1と決められています。
税金や社会保険料等を控除した上で余った額の、4分の1が差し押さえによって引かれるお金で4分の3は債務者が貰えるお金になります。
手取りが44万円を超える場合は手取りから33万円を差し引いた額を引かれます。
- 手取りが44万円以下の場合:手取りから4分の1が差し押さえになる
- 手取りが44万円を超える場合:手取りから33万円を差し引いた額が差し押さえになる
各手取りの差し押さえ額の目安は以下の通りです。
手取り額 | 差し押さえで引かれる額 |
---|---|
15万円 | 3万7,500円 |
20万円 | 5万円 |
30万円 | 7万5,000円 |
40万円 | 10万円 |
50万円 | 17万円 |
全て差し押さえにならないとはいえ、決して少ない額ではありませんよね。
できるだけ給料を差し押さえにならないように、回避しましょう。
また、注意点として養育費の滞納によって給料を差し押さえる場合は、上記の額よりも多くの金額の差し押えが可能となっています。
養育費の場合は、手取りが66万以下の場合は手取りから2分の1が差し押さえになります。(手取りが66万円を超える場合は上記と変わらず33万円を差し引きます)
子どもの生活面からしても、養育費は必ず滞納しないようにしましょう。
3章 支払い滞納から給料差し押えまでの流れ
では、どれくらい支払いを滞納すれば給料の差し押さえになってしまうのでしょうか?
何のお金を滞納したかによって異なりますが、目安としては以下の通りです。
- 消費者金融などの借金:滞納開始から最短3ヶ月程度で差し押さえ
- 住民税などの税金:滞納開始から最短1ヶ月程度で差し押さえ
- 年金:滞納開始から最短7ヶ月程度で差し押さえ
借金の場合は、差し押さえを強行するにおいて裁判所を通す必要があるため期間はまちまちと言えます。
ただし、滞納金額が多い場合は債権者が絶対に強制回収するために、早めに差し押さえまで発展する可能性があります。
少ない金額だったとしても、支払い督促を送り続けて時効を中断させておくなど、絶対に踏み倒せない方法を使うため支払うしかないのです。
また、税金や年金に関しては裁判所を通す必要がないため、滞納から強制回収まであっという間です。他の借金があったとしても優先して払うべきと言えます。
ここからは、支払い滞納から給料差し押さえまでの流れを詳しく解説していきます。
①自宅に督促状のハガキや封筒が届く
支払い期限を過ぎても支払いを滞納していると、自宅に督促状のハガキや封筒が届きます。
たまたま支払いを忘れていたということもあると思うので、支払える場合は早めに支払いを済ませましょう。
また、返済期日を過ぎてしまうと、翌日から遅延損害金が発生します。
遅延損害金とは、期日を過ぎて支払った場合の所謂ペナルティのようなものです。
無駄に多く支払ってしまうことになるので普段から期日内の支払いを心がけましょう。
②自宅や携帯電話に連絡がくる
返済期日を過ぎてから、督促状とは別に自宅の電話や携帯電話に連絡が来ます。
この時点で連絡を無視し続けると、本人と連絡を取ろうと思って職場に電話がかかってくることもあります。
給料を差し押さえられる前にバレてしまうリスクもあるので、支払えないからといって連絡を無視するのは避けましょう。
③催告書が届く
督促状や連絡を無視し続けていると、やがて催告書が届きます。
催告書は、督促状と同じく債務者に支払いを促す書類ですが、催告書の方が緊急性が高く段階が進んだ際に届く書類です。
このまま何もしないでいると、給料の差し押さえまで一気に進んでしまうため絶対に無視しないようにしましょう。
支払えない場合は、債権者に連絡をして返済が難しい状況であることを説明して、期日を伸ばしてもらうなど交渉をしましょう。
催告書が届いた時の対応については、以下の記事で詳しく解説しています。
④クレジットカードやスマホが強制解約される
クレジットカードの支払いの滞納やスマホの料金の支払いの滞納をしていた場合は、借金の元になっているサービスが強制解約されてしまいます。
支払いを滞納することによって、債権者もこれ以上信頼関係を結ぶことができないと判断するため「事実上の出禁」のような扱いになります。
もちろん、強制解約されたからと言って借金が帳消しになるわけではありません。
今後サービスは使えなくなりますが、今まで使った分は完済する必要があります。
また、強制解約されるとブラックリストに登録されます。
ブラックリストとは、事故・延滞情報のことです。
この情報は各金融会社で共有されるため、慌てて他の金融機関で借入しようと思っても審査落ちしてしまう可能性が非常に高いので注意しましょう。
ブラックリストに載った場合の対処法は、以下の記事で詳しく解説しています。
⑤強制回収の手段を取られる
催告書が届いても支払いができなかった場合は、いよいよ債権者が訴訟提起をして強制回収の手段を取ってきます。
訴訟提起とは、裁判所へ申し立てをして債務者を訴えることです。簡単に言うと「借りたお金を返すようにお願いしても返さないので訴えます」ということです。
その際に、債権者から一括請求を求められるので、無理してでも払えるのであれば一括で支払いましょう。
無事に払えた場合は、差し押さえまでいかないのでご安心ください。
しかし、ほとんどの方は今まで支払えなかったのに一括でなど到底払えないはずです。
このまま差し押さえを受け入れるか、債務整理など別の方法を取るかの判断になっていきます。
⑥給料の差し押さえに!
一括で支払えない場合は、残念ですが給料の差し押さえとなってしまいます。
債務者よりも前に会社に「債権差押通知」が届くので、当然ここで会社にはバレてしまいます。
債務者と同時に送ってしまうと、逃げるように会社を辞めてしまう可能性があるので、債務者に届くのはおよそ1週間後になります。
給料の差し押さえが確定すると、完済まで毎月給料の一部が返済へと充てられていきます。
4章 給料の差し押さえが原因でクビになることはない
「借金が原因の差し押さえが発覚したら、会社に怒られるどころかクビになるのでは…」と借金よりもクビになることを恐れている方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、給料の差し押さえが原因で解雇するのは法律上許されないため、クビを免れることができます。
給料の差し押さえは、会社がクビにする理由としては客観的に合理的な理由ではないとされているからです。
給料が差し押さえになった原因は、従業員のプライベートの問題にあります。会社として不利益をもたらせたわけではないため、業務とは関係ないとされクビは認められません。
例え、自分が公務員だったとしても同じです。給料の差し押さえ程度では「信用失墜行為」に該当されません。
ですが、会社によっては給料の差し押さえを理由に解雇できないと知らない場合も多く、クビにしてしまうケースも少なくありません。
もし、クビを認めたくない場合は弁護士などの専門家に頼り、対処法を助言してもらいながら交渉すると良いでしょう。
5章 会社にバレる前に差し押さえを回避する方法
「給料の差し押さえで会社にはバレたくない!でも、支払うこともできない!」とお困りの方は、別の方法で差し押さえを回避するようにしましょう。
ここで注意したいのが、差し押さえになるからと言って慌てて別の借金を作って返済しないことです。
借金の上塗りは泥沼の始まりです。現時点で返済できないのに、これ以上借金を増やしても状況が悪化する一方です。
借金で一時的に解決しようとするのは絶対に避けましょう。
5-1 【税金の滞納】国や市町村に連絡しよう
近年、税金の引き上げや値上げラッシュにより税金が払えずに滞納している方が急増しています。
税金の滞納が原因で差し押さえの危機に陥っている場合は、国や市町村の役所に連絡しましょう。
税金は絶対に踏み倒すことができない上に裁判所を通さなくても強制回収が可能なため、支払いを無視し続けているとあっという間に給料が差し押さえられてしまいます。
税金は金融機関よりも支払いの融通が利きやすく、分割払いや支払い期限の延長、免除申請など様々な方法で支払いを待ってくれるケースも多いです。
税金に関しては、差し押さえまでのスピードが速いのでとにかく黙っているのが最大の悪手です。
支払えないと分かった時点で1日でも早く連絡しましょう。
5-2 【借金の滞納】専門家に相談しよう
借金が原因で差し押さえの危機に陥っている場合は、専門家に相談しましょう。
ここでいう専門家とは、司法書士や弁護士のことです。
司法書士や弁護士は債務整理はもちろん、現状に合った支払い方法や対処法を提案してくれるので、差し押さえを絶対に避けたい場合は相談するのをおすすめします。
6章 借金が原因なら債務整理も視野に
税金や養育費、慰謝料などは「非免責債権」と言って、債務整理を行なっても支払義務が免除されることはできません。
しかし、借金であれば債務整理は可能です。
債務整理であれば、利息をカットして分割払いができる任意整理や、借金を大幅にカットすることができる個人再生で負担を減らすことが可能です。
債務整理を利用すれば、借金を差し押さえられることなく完済できる可能性があります。
ただし、全ての借金を免除することができる自己破産は、継続的に支払いが不可能なことや支払不能であることが原因となるので借金が払えると判断されたら認められないので注意しましょう。
自己破産が認められる条件については、以下の記事を参考にしてみてください。
6-1 債務整理は会社にバレる可能性は低い
給料の差し押さえは会社に100%バレてしまいますが、債務整理は会社にバレる可能性が低いのでご安心ください。
債務整理の手続きをしても、裁判所や債権者がその事実を会社に通知することはありません。
そのため、自分から話さない限りはほぼバレないと言っても良いでしょう。
ただし、会社から借り入れがある場合は裁判所から通知が来るためバレてしまいます。
また、貸金業や会社の取締役、不動産鑑定士や弁護士、司法書士など一部の仕事に就いている方は、管財手続き期間中に資格が制限されるため働けなくなるので注意が必要です。
働けないとなると事情を説明する必要があるため、必然的にバレてしまいます。
債務整理の手続きで会社にバレる可能性については、以下の記事で詳しく解説しています。
7章 債務整理の相談はグリーン司法書士法人へ!
借金や税金を滞納し続けると、やがて給料の差し押さえまで発展してしまい会社にバレてしまいます。
法律上クビにならなくとも、居辛くなって自主退職をしたり、逃げるように会社に来なくなったりするケースも少なくありません。
ベストは期日を守って支払うことですが、支払いが難しい状況でも差し押さえになる前に状況を食い止めることが大切です。
グリーン司法書士法人では、債務整理のプロが1人1人に合った最適な方法を提案します。無料相談も行っているので、差し押さえられる前にぜひご相談ください。
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よくあるご質問
- 給料の差し押さえは会社にバレる?
- 給料を差し押さえられると会社には100%バレてしまいます。
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- 住民税の滞納は会社にバレる?
- 住民税滞納の結果、給料が差し押さえられると滞納の事実が会社にバレます。
住民税の滞納について詳しくはコチラ