学生ローンがやばいと言われる4つの理由とは?利用時の注意点を解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識

この記事は約 13 分で読めます。

学生ローンは学生にとって便利な金融サービスのひとつですが、危険性も多く潜んでいます。利用する際には、くれぐれも慎重な判断が求められます。

今回の記事では、学生ローンが「やばい」と言われる4つの理由を掘り下げ、安全に利用するための注意点をくわしく解説します。

1章 学生ローンがやばいと言われる4つの理由

学生ローンがなぜ危険視されるのか、その主な理由は次の4つです。

  • 「学生」とついているが貸金業者からの借金であることに変わりはない
  • 消費者金融と同水準の金利である
  • 借金癖が付きやすくなる
  • 学生は収入が少なく安定していない

ひとつずつ見ていきましょう。

1-1 「学生」とついているが貸金業者からの借金であることに変わりはない

学生ローンは「学生」という言葉がついていますが、本質的には貸金業者からの借金です。金融機関からお金を借りることは、将来的な返済義務を伴います。

学生であっても、返済計画をしっかり立てなければ、金利が積み重なり、返済額が膨らむ可能性があります。特に学生ローンは金利が高めに設定されていることが多く、返済が遅れると遅延損害金が発生する場合もあるでしょう。

また、学生ローンを装った闇金融業者の存在もあり、安易に借り入れることは危険です​​。利用する際は、金利や返済条件をよく確認し、自分の返済能力を超えない範囲で借り入れることが重要です。

1-2 消費者金融と同水準の金利である

学生ローンの金利は平均して約17.0%とされており、これは消費者金融と同水準の金利であることが分かります​​。消費者金融の金利は法律で上限が定められているため、学生ローンの金利がこれに近い水準に設定されていることは、驚きではありません。

学生ローンを利用する際は、この金利の高さに注意が必要です。金利が高いということは、返済額も多くなるため、借り過ぎには気をつけなければなりません。

特に学生は収入が不安定な場合が多いため、無理な借入は避けるべきでしょう。学生ローンの金利については、利用する前にしっかりと確認し、返済計画を立てることが大切です。

1-3 借金癖が付きやすくなる

学生ローンを利用することで、借金癖が付きやすくなる可能性があります。学生ローンは比較的簡単に借入が可能なため、ついつい頼りがちになるのです。

また、返済の自由度が高いため、借入が習慣化しやすい環境があります​​。借金癖が付くと、将来的に金融トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。

借金は計画的に行い、無理のない範囲で返済できる金額を借りることが重要です。また、借金癖を防ぐためには、自己管理能力を高めることも必要です。

1-4 学生は収入が少なく安定していない

学生は一般的に収入が少なく、安定していないことが多いです。アルバイトなどの非正規雇用が主な収入源であるため、収入の変動が大きいことがあります。

このような状況では、返済計画を立てることが難しく、返済が滞るリスクが高まります​​。また、学生ローンの金利は比較的高いため、返済額が大きくなりがちです。

2章 学生ローンを借りるメリット

学生ローンを借りる主なメリットは、次の3つです。

  • 未成年でもお金を借りられる場合がある
  • 両親の同意が不要である
  • 利用目的が自由である

個別に見ていきましょう。

2-1 未成年でもお金を借りられる場合がある

未成年の借金は、本来禁じられています。しかし、学生ローンの種類にもよりますが、未成年でもお金を借りられる場合があります。

これらの学生ローンの多くは、来店不要でWeb申込みが可能であり、返済方法も豊富です。ある学生ローンは返済日を自由に設定できます。

2-2 両親の同意が不要である

多くの学生ローンは、両親の同意が不要で申し込むことができます。これは、成人年齢の引き下げにより、18歳以上であれば自身でローン契約が可能となったためです。

たとえば、ある学生ローンは原則として確認の電話や郵送物もなく、Web完結で手続が可能です。親の同意なく借入れを行うことができます。

2-3 利用目的が自由である

学生ローンの大きなメリットのひとつは、利用目的が自由であることです。一般的な消費者金融や銀行のローンと同様に、学生ローンでも借りたお金の使い道は特に制限されていません。

生活費や学費、サークル活動の費用など、学生生活におけるさまざまなニーズに応じて利用できます。ある金融業者は、学費目的ローンや海外渡航目的ローンなど、特定の目的にフォーカスしたローンを提供しています​​​​。

3章 学生ローンを借りるデメリット

学生ローンを借りる主なデメリットは、次の3つです。

  • 必要書類が多く手続きが煩雑である
  • 利用可能額が少ない
  • 自動引き落としに対応していない

それぞれを見ていきましょう。

3-1 必要書類が多く手続が煩雑である

学生ローンの申し込みには、学生証や身分証明書、収入証明書など、多くの書類が必要です。これらの書類を集めることは時間と手間がかかります。

さらに、提出した書類に不備があると、再提出を求められることもあります。また、保証人が必要な場合は、その人の同意書や身分証明書など、追加の書類が必要です。

3-2 利用可能額が少ない

学生ローンの利用可能額は多くの場合、10〜50万円程度と比較的少ないです。これは、学生の収入が不安定であることや、返済能力が限られていることを考慮してのことです。

そのため、大きな金額を必要とする場合には、学生ローンだけでは足りないことがあります。また、利用可能額が少ないことは、利用者の選択肢を狭めることにもなるでしょう。

たとえば、留学費用や大きな学費を支払うためには、他の資金調達方法を検討する必要があります。

3-3 自動引き落としに対応していない

多くの学生ローンは、自動引き落としに対応していません。そのため、毎月の返済は自分で管理し、振込みやATMでの支払いを行う必要があります。

これは、忙しい学生にとっては手間がかかることであり、返済を忘れるリスクもあります。また、自動引き落としに対応していないことは、返済計画の立てにくさにもつながるでしょう。

なお、学生の借金が危険な理由について、以下の記事でもくわしく取り上げています。

そちらも、ぜひ参考にしてください。

4章 学生ローンを安全に利用するコツ

学生ローンを安全に利用するためには、次の2つのコツを心がけるとよいでしょう。

  • 借り入れ金額を最小限に抑える
  • 余裕を持った返済計画を立てておく

4-1 借り入れ金額を最小限に抑える

学生ローンを安全に利用するためのひとつのコツは、借り入れ金額を必要最小限に抑えることです。大きな額を借りると、利息が大きくなり返済負担が増えます。

実際に必要最低限な金額だけを、借りるようにしましょう。利用前には収支を出して返済可能額を把握し、毎月どれくらい返済に充てられるかを知っておくことも重要です。

また、学生ローンのホームページでシミュレーションを利用して、返済計画を立てることもおすすめです。これらの準備をしっかりと行うことで、返済に苦しまずに済むでしょう​​。

4-2 余裕を持った返済計画を立てておく

学生ローンを安全に利用するためのもうひとつのコツは、余裕を持った返済計画を立てることです。自分が返せる額をきちんと計算し、必要以上に借りないように心掛けましょう。

また、利息制限法による利息の上限を超えないように注意し、違法な高金利での借入れを避けることも大切です。返済が滞ると遅延金がかかるため、計画的な返済が重要です。

5章 学生ローンを利用するときの注意点

学生ローンを利用する際には、次の3つに注意しなければなりません。

  • 闇金などの違法業者から借りない
  • 個人間融資を利用しない
  • 怪しいバイトに手を出さない

5-1 闇金などの違法業者から借りない

学生ローンを利用する際、闇金や違法業者から借りないことが重要です。これらの業者は法外な利息を要求することがあり、返済が困難になる可能性があります。

違法業者からの借入は、借金の返済ができない場合にトラブルに発展するリスクが高まるでしょう。また、違法業者は利用者の個人情報を悪用することもあり、プライバシーの侵害につながる恐れがあります。

闇金からの借り入れ自体はが違法行為ではありませんが、取り立てが厳しくなることもあり、精神的な負担が大きくなりがちです。

適切な金融機関や正規の学生ローンを利用することで、比較的安心して借り入れを行うことができます。ただし、借り過ぎには注意したうえで、無理のない返済計画が必要です。

5-2 個人間融資を利用しない

最近一部で流行っている、SNS上の個人間融資は、SNSで知り合った人の間でお金を貸し借りすることですが、相手は貸金業者ではないので、闇金融と同じです。その個人間融資は契約が曖昧であることが多く、後々トラブルに発展するリスクがあります。

金銭の貸し借りは関係が悪化する原因となることがあるため、リアルでの親しい間柄であっても注意が必要です。学生ローンの利用時には、正規の金融機関や公的な貸付制度を利用することで、安全な取引を心掛けるべきです。

個人間融資によるトラブルは、学業や日常生活にも悪影響を及ぼすため、絶対に避けるべきです。

6章 学生ローンの返済が難しいときの対処法

学生ローンの返済が難しいと場合の、主な対処法としては次の4つが挙げられます。

  • アルバイトなどで収入を増やす
  • 無駄な支出を減らす
  • 家族にお金を借りる
  • 債務整理について司法書士・弁護士に相談する

なお、未成年者がお金を借りる際の方法については、以下の記事でくわしく掘り下げています。そちらも参考にしてください。

6-1 アルバイトなどで収入を増やす

学生ローンの返済が難しいとき、ひとつの有効な対処法としてアルバイトなどで収入を増やすことが考えられます。返済に困った場合、まずは自己の収入を見直すことが重要です。

アルバイトを始めて収入を得ることで、返済が困難な状態を改善できます。また、アルバイトをすることで、財政的な自立を促進し、将来のための貯蓄を始めることが可能です。

さらに、長期アルバイトを続けることで、安定した収入を確保し、ローンの返済にも余裕が生まれます。ただし、アルバイトによる収入増加は、学業に影響を与えない範囲で計画的に行うことが大切です。

6-2 無駄な支出を減らす

学生ローンの返済が難しいとき、無駄な支出を減らすことも重要な対処法です。日々の生活費を見直し、不必要な出費を削減することで、返済に充てることができる資金を確保できます。

たとえば、外食の回数を減らしたり、無駄なショッピングを控えたりすることだけでも、支出を多少なりとも抑えられるでしょう。また、定期的な支出を見直し、通信費や水道光熱費などの固定費を節約することも効果的です。

さらに、学生ローンの返済計画を立て直すことで、無駄な支出を見直し、より効率的な返済計画を立てることができます。

6-3 家族にお金を借りる

学生ローンの返済が難しいとき、家族にお金を借りることもひとつの選択肢です。家族からの借入は、金融機関からの借入に比べて利息が発生しない場合が多く、返済の負担が軽減されます。

また、家族からの支援を受けることで、返済計画を立て直す時間を確保できる場合もあります。ただし、家族にお金を借りる際には、返済計画をしっかりたて、借用書を作成し、返済条件を明確にすることが大切です。

しかし、家族に借りる場合でも、返済能力を超えた借入は避けるべきです。家族との関係を損なわないよう、借入と返済には十分な配慮が欠かせません。

また、家族からの借入を検討する際には、金銭的な援助が可能かどうかを事前に確認し、家族の負担にならないようにすることが重要です。

6-4 債務整理について司法書士・弁護士に相談する

学生ローンの返済が難しい場合、債務整理について司法書士や弁護士に相談することもひとつの選択肢です。債務整理とは、法的手続を利用して借金の負担を軽減する方法であり、任意整理、個人再生、自己破産などの方法があります。

専門家に相談することで、自身の状況に合った債務整理の方法を選択し、返済計画を立て直すことが可能です。ただし、債務整理を行うと、信用情報に記録されるため、将来的に新たな借入が困難になる場合があります。

そのため、債務整理を検討する際には、専門家のアドバイスを十分に受け、長期的な視点での検討が必要です。早期に対処することで、負担を軽減し、将来的な財務状況の改善につながるでしょう。

債務整理の主な種類ごとの特徴やメリット、デメリットについては、以下の表にわかりやすくまとめてあります。

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債務整理の種類任意整理個人再生自己破産
特徴裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して借金の減額や返済計画の見直しを行う方法裁判所に申立てを行い、借金の減額と返済計画の認可を得る方法裁判所に申立てを行い、全ての借金を免除してもらう方法
メリット・手続きが比較的簡単で費用が安い
・裁判所への申立て記録が残らない
・家族や勤務先に知られ
・借金を大幅に減額できる
・住宅ローンや車ローンなどの財産を守れる
・将来、再び借金問題に陥る可能性が低い
・借金が全て免除される
・新しい生活をスタートできる
デメリット・減額できる金額は債権者との交渉次第
・将来、再び借金問題に陥る可能性がある
・裁判所への申立て記録が残る・裁判所への申立て記録が残る
・官報に永久に掲載される
・一定期間、クレジットカードやローンを利用できない
・一定期間、就業制限を受ける
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債務整理の種類と生活への影響に関しては、以下の記事でくわしく解説しています。

ぜひ、そちらも参考にご覧ください。

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まとめ

学生ローンの返済が難しい場合、アルバイトなどで収入を増やす、無駄な支出を減らす、家族にお金を借りる、債務整理について専門家に相談するなど、さまざまな対処法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、自身の状況に合った対処法を選択することが重要です。

また、返済が難しいと感じたら早めに対策を講じることが大切であり、問題を放置することは避けるべきです。早い段階で司法書士や弁護士などの専門家に相談するのが賢明です。

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