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これまで私は様々な借金問題や債務整理に関する相談に応じてきました。
今回は、私が経験した中でも特に印象に残っている相談者とのエピソードを紹介します。
目次 ▼
相談者との出会い
借金に悩んでいる人は多く様々な年齢の人が事務所に相談に来るのですが、その日に来たのは50代女性の石川さん(仮名)でした。
石川さんは消費者金融の借入を重ねてしまい、毎月の返済に苦しんでいる状態でした。
これだけだと他の相談者とそれほど変わらず印象に残りにくいものです。
ただ、石川さんはシングルマザーで一人息子を育てており、数年前に自立したばかりの息子には借金の問題を隠しておきたいと話しておられました。
借金問題が大きくなってしまうまで誰にも相談できなかったこと、これまで息子さんを育ててきた真面目さが印象に残り「本人の希望を尊重した上で問題を解決したい」と強く感じたのを覚えています。
問題の分析
相談時に彼女の借入状況と家計を詳細に分析したところ、借金の総額は約800万円にのぼりました。
彼女のパート収入では、返済が困難な状況でした。
債権者との交渉
本人が唯一の家族である息子さんに知られず問題を解決したいとお話されていたので、私は任意整理を提案させていただきました。
石川さんも了承してくれたので、私は利息のカットと返済計画の見直しを目標に各債権者との交渉を開始しました。
解決への道
交渉に応じてくれた債権者もいたため、利息のカットに成功しました。
加えて、石川さんの借金の中には過払い金の返還請求ができるものもあったので、過払い金交渉も同時に行いました。
結果として、石川さんんの負担は大幅に減額され、パート収入の中から返済できる金額になりました。
相談者の反応
返済計画が完成したときと過払い金交渉に成功したとき、石川さんはこれまでの気負いが抜けたように涙を流して喜んでいました。
今後は自分の収入の範囲内で支出をし、息子さんの負担にならないように生活していきたいと希望もお話されていました。
まとめ
この経験を通じて、私は司法書士としての責任と喜びを感じました。
同時に石川さんのように、借金問題への対処法や過払い金交渉ができることを理解しないままにしている人も多いのだろうと考えました。
今後は、法的な知識を活かして人々の生活を支えるだけでなく、借金問題の解決法について多くの消費者に伝えていきたいと思います。
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