任意整理しない方がいいケースとは?した方がいいケースも解説

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理しない方がいいケースとは?した方がいいケースも解説

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理をしない方がいい人の特徴
  • 任意整理した方がいいケース
  • 任意整理について誤解されやすいこと
  • 任意整理を司法書士・弁護士に相談するメリット

借金に困っているが、債務整理をした方がいいのかどうか迷うことも多いはずです。

たしかに、任意整理はしない方がいいケースもあり、誰にでも適しているとはいえません。

借金問題を解決する方法には複数の種類がありますが、任意整理は債権者と直接交渉して無理なく返済する方法のため、返済義務が残ります。

借金の金利が低いときや借入額が少ない場合や、また、元金を3〜5年で返済できる収入がない場合は、しない方がいいとも考えられます。

そこで、任意整理しない方がいいケースとした方がいいケースについて、それぞれ解説します。

目次

1章 任意整理をしない方がいい人の特徴

「任意整理」とは、債権者との話し合いで将来利息等をカットしてもらい、残った借金を3~5年で返済する手続です。

裁判所を介さない手続であり、対象とする借金を選べるものの、和解成立後の返済プランで返し続ける経済力が求められます。

そのためどのような借金でもした方がよいとは言い切れません。

主に任意整理しない方がよいのは、以下の特徴に該当する方です。

  1. 安定した収入がない
  2. 借入額が少ない
  3. 借入額が多すぎて多重債務の状態になっている
  4. 借入金利が低い
  5. 任意整理に応じない債権者から借入している
  6. 借入後は一度も返済していない
  7. すでに財産や給与が差し押さえられている
  8. 信用情報機関の事故情報に登録されるデメリットが大きい
  9. 銀行系列の貸金業者から借入している
  10. 借金に担保がついている
  11. 過去に任意整理をしている
  12. 一時的に借金を支払えないだけである

それぞれ説明します。

1-1 安定した収入がない

任意整理をしない方がいいのは、安定した収入のない方です。

債権者との和解交渉が成立した後は、借金の元金を3〜5年で分割返済します。

そのため返済を続けられる収入がなく、完済の見込みがなければ、任意整理は難しいといえます。

収入がない方は、任意整理以外の債務整理を検討することが必要です。

1-2 借入額が少ない

任意整理をしない方がいいのは、借入額が少なく減額効果が期待できない方です。

毎月の利息は借入額に比例します。

借入額が少なければ、任意整理で減額できる利息も少額になるため、手続の効果が薄くなります

また、債権者との交渉でカットされるのは将来利息などであり、元金の減額には応じてもらえないことがほとんどです。

借入額の少ない借金を任意整理の対象にしても、手続後の返済額はそれほど変わりません

1-3 借入額が多すぎて多重債務の状態になっている

任意整理をしない方がいいのは、多重債務で借入総額が膨れ上がっている方です。

たとえば1千万円など高額な借金を抱えていると、任意整理で将来利息をカットしても、多額の元金の返済が残ります

残った元金を3〜5年で返済できない場合は、個人再生や自己破産など、別の解決方法を検討するべきです。

1-4 借入金利が低い

任意整理をしない方がいいのは、抱えている借金の金利が低い方です。

たとえば奨学金などは金利が低いため、任意整理による効果を得にくいといえます。

借金の性質が任意整理に合わない場合もあるため、対象とする借入れの金利等を確認しましょう。

1-5 任意整理に応じない債権者から借入している

任意整理をしない方がいいのは、任意整理に応じない債権者からお金を借りている方です。

債権者との合意で成立する手続のため、交渉に応じてもらえなければ借金を減額できません。

金融会社の方針や業績悪化の影響により、任意整理の交渉を受け付けないケースも見られます

過去の支払い状況で長期の滞納歴がある場合や、他の金融会社での任意整理実績があるケースでは、信頼性低下により交渉が難しくなるため専門家への相談をおすすめします。

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1-6 借入後は一度も返済していない

任意整理をしない方がいいのは、お金を借りた後に一度も返済していない方です。

取引期間が返済開始から1年未満の場合や、借入れ後すぐに滞納しているケースでは、返済実績がないものとして扱われます。

債権者から返済能力や返済意欲を疑われ、和解成立後も計画通りに返せないと判断されれば、交渉に応じてもらうことは難しくなります

1-7 すでに財産や給与が差し押さえられている

任意整理が難しいのは、すでに財産や給与が差し押さえられている方です。

強制執行で財産が差し押さえられている場合、債権者は財産の差押えで回収の見通しがつくため、任意整理に応じる必要はありません。

そのためすでに財産が差し押さえられている場合は、任意整理の手続が難しくなります

1-8 信用情報機関の事故情報に登録されるデメリットが大きい

任意整理をしない方がいいのは、信用情報機関の事故情報に登録されるデメリットが大きい方です。

たとえば個人事業主や会社経営者などは、信用情報に傷がつくと、融資を受けられなくなります

事業運営における資金調達に影響を及ぼすため、任意整理によるブラックリスト扱いはデメリットが大きく、手続を避けたほうがよいとも考えられます。

1-9 銀行系列の貸金業者から借入している

任意整理をしない方がいいのは、銀行系列の貸金業者からお金を借りている方です。

銀行カードローンなど、銀行系列の貸金業者からの借金を任意整理すると、系列の銀行口座が凍結される恐れがあります

凍結された口座が給与の受け取り口座の場合、給与を引き出せなくなったり公共料金やクレジットカードなどの自動引き落としができなくなったりするため問題です。

ただ、給与振込や引き落としを、他の口座へ変更すれば対処できます。

1-10 借金に担保がついている

任意整理をしない方がいいのは、担保のついた借金を抱えている方です。

不動産などを借金の担保に差し入れていても、その借入を手続の対象から外せば問題ありません。

しかし任意整理したい借入れが担保付きの借金のみの場合、債権者に手続を拒絶されます

債権者は担保目的の不動産を競売すれば、回収できる優位な立場のため、任意整理が難しくなってしまいます。

1-11 過去に任意整理をしている

任意整理をしない方がいいのは、過去に任意整理を繰り返している方です。

すでに任意整理した経緯があり、前回から間もない期間での再度の申し出は、債権者から返済能力や意思に疑問を持たれます

過去の和解条件を遵守できていないため、債権者の信頼は損なわれており、再度の交渉は極めて困難な状況です。

不可能とまではいいませんが、過去に任意整理をした方が再度手続するときは、専門家に相談して最適な解決策を探すことが大切です。

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1-12 一時的に借金を支払えないだけである

任意整理をしない方がいいのは、一定の月のみなど、一時的に借金を支払えないだけの方です。

急な出費がかさみ、1か月のみ一時的に手元のお金が足らないだけで、次の月には返済に困ることがないのなら任意整理する必要はないといえます。

2章 任意整理した方がいいケース

任意整理では、裁判所を介さず債権者と交渉し、減額した残りを3~5年かけて返済します。

そのため任意整理した方がよいのは、以下に該当するケースに該当する方です。

  1. すでに借金を滞納しており一括請求されている
  2. 毎月返済できているが残高が一向に減らない
  3. 利息さえカットできれば完済できる
  4. 借金を長期にわたり返済している
  5. 住宅や車など財産を手放さずに借金の返済負担を軽くしたい

それぞれ説明します。

2-1 すでに借金を滞納しており一括請求されている

任意整理した方がよいのは、借金滞納で一括請求されている方です。

抱えている借金があり、2~3か月滞納していると、債権者から全額返済するように一括請求されます

いったん一括請求されると、原則として元々の分割に戻すためには任意整理が必要となります。

また、納したまま放置を続けると、訴訟を起こされる恐れもあるため、早めに任意整理で解決を図ることをおすすめします。

2-2 毎月返済できているが残高が一向に減らない

任意整理した方がよいのは、毎月借金を返せているものの、借入れ残高が減らない方です。

毎月返済を続けているのに、返済分が利息に充てられてしまえば、元金は減りません。

元金に対する利息の割合が高すぎる場合、任意整理で借金問題を解決しやすいといえます。

2-3 利息さえカットできれば完済できる

任意整理した方がよいのは、利息カットで完済が期待できる方です。

安定した収入があり、利息さえなければ完済の見込みがある場合、任意整理は最適な方法といえます。

返済期間が長引けば利息負担も増えるため、早めに任意整理を検討しましょう。

2-4 借金を長期にわたり返済している

任意整理した方がよいのは、長期に渡り借金を返済している方です。

10年を超えて借金を返済し続けている方は、任意整理した方が良いと考えられます。

2010年6月18日に施行された改正出資法以前からの借入れは、過払い金が発生している可能性もあるため、借金を大幅に減額できる可能性もあります。

2-5 住宅や車など財産を手放さずに借金の返済負担を軽くしたい

任意整理した方がよいのは、財産は手放さずに借金の返済負担を軽くしたい方です。

住宅や自動車が担保のローンを任意整理すると、債権者に担保物を回収されてしまいます。

しかし任意整理なら、資産が担保に差し入れられているローンは除いて手続できます

財産を処分して返済に充てる必要はないため、財産を手放さずに返済負担を軽減したい方におすすめです。

3章 任意整理について誤解されやすいこと

任意整理は借金に苦しむ方を救済する制度でありながら、以下のとおり誤解をされているケースもめずらしくありません。

  1. 永久に信用情報機関に事故情報が掲載されてしまう
  2. 保証人・連帯保証人に迷惑がかかる
  3. 任意整理したことを家族や知人・勤務先に知られてしまう
  4. 官報に氏名・住所が掲載されてしまう
  5. 任意整理をすると財産を手放さなければならない

それぞれの誤解されやすい内容を説明します。

3-1 永久に信用情報機関に事故情報が掲載されてしまう

任意整理すると、信用情報機関に事故情報として、永久に掲載され続けるわけではありません。

ブラックリスト扱いとなり、信用情報機関に事故情報が載るのは、完済してから5年間です。

和解交渉後、完済まで3~5年程度かかることが多いため、トータルで8~10年はブラックリスト扱いとなるものの、その後は情報が削除されます

3-2 保証人・連帯保証人に迷惑がかかる

任意整理は手続の対象を選べるため、保証人や連帯保証人付きの借金を外せば、迷惑をかけることはありません。

手続の対象とする借金を選べるため、保証人や連帯保証人付きの借金以外を任意整理すれば、誰にも迷惑はかからないといえます。

3-3 任意整理したことを家族や知人・勤務先に知られてしまう

任意整理は、裁判所を介さず直接債権者と交渉するため、家族・知人・勤務先に手続の事実を知られることはありません。

専門家に手続を依頼した場合、債権者との交渉窓口は司法書士や弁護士となるため、債務者に直接連絡が入ることはないといえます。

電話や郵便物に怯える心配もなく、勤務先に知られることもありません。

なお、自己破産の場合は、一時的に制限される職種もあるため、仕事への影響で職場に知られる場合があります。

3-4 官報に氏名・住所が掲載されてしまう

任意整理は、手続により「官報」に掲載されることはありません。

「官報」とは、内閣府発行の国の機関紙で、政府や省庁などの発表による文書・告知・会社の決算報告などが掲載されます。

同時廃止の自己破産では2回、個人再生では3回、官報に氏名や住所などが掲載されます。

個人再生や自己破産は裁判所を通す手続のため官報に掲載されるものの、任意整理は裁判所を介さないため、官報への公告はありません

3-5 任意整理をすると財産を手放さなければならない

任意整理は、手続により財産を手放す必要はありません。

自己破産では、住宅ローンの有無は問わず持ち家は処分されます。

個人再生は、住宅ローン返済中の家を残したまま手続できるものの、住宅ローン完済済の場合は手続後の返済額が高額になり、個人再生自体が難しくなります。

しかし任意整理は、住宅ローン以外の借金を手続できるため、家や車を手放す必要はありません。

4章 任意整理を司法書士・弁護士に相談するメリット

任意整理を検討している方は、毎月借金返済に追われ、切羽詰まった状態といえます。

常に請求に追われている感覚の中で日々を過ごしているなら、早期の借金問題解決のためにも司法書士や弁護士へ相談しましょう。

任意整理は債務者本人でも手続は可能であるものの、司法書士や弁護士に相談するメリットとして以下が挙げられます

  1. 債権者との交渉や任意整理の手続きを代行してもらえる
  2. 過払い金の計算をしてもらえる
  3. 話を聞いてもらえて気持ちが楽になる
  4. 借金問題全体についてアドバイスをもらえる

それぞれ説明します。

4-1 債権者との交渉や任意整理の手続きを代行してもらえる

任意整理を司法書士や弁護士に相談すれば、債権者との交渉や手続を代行してもらえます。

債務者本人が手続を行うことも可能ではあるものの、債権者が専門家以外との交渉に応じてくれるケースは少ないでしょう

交渉の最中も取り立ては止められず、応じてもらえる場合でも悪条件での和解案を提案される恐れがあります。

任意整理は債権者と法律を踏まえた上での交渉が必要であり、専門家の仲介がなければ難しい手続のため、代行してもらうと安心です。

4-2 過払い金の計算をしてもらえる

任意整理を司法書士や弁護士に相談すれば、過払い金の有無や発生額を計算してもらえます。

過払い金とは、利息上限法の上限を超えた金利での払い過ぎた利息です。

発生していた場合には、任意整理の交渉と同時に過払い金返還請求も必要となり、手続によって借金が大幅減額する場合もあります。

借金以上の過払い金発生においては、借金がなくなり手元にお金が戻ってきます。

任意整理と過払い金返還請求をまとめて手続できることは、司法書士・弁護士に相談するメリットです。

4-3 話を聞いてもらえて気持ちが楽になる

任意整理を司法書士や弁護士に相談すれば、話を聞いてもらえることで気持ちが楽になります。

誰かに借金の悩みを相談したくても誰に打ち明ければよいかわからず、ネガティブな内容のため誰にでも話せるとはいえません。

借金問題に詳しい司法書士や弁護士に相談することで、終わりの見えない返済の目途が立ちやすくなり、苦しみから解放されます

4-4 借金問題全体についてアドバイスをもらえる

任意整理を司法書士や弁護士に相談すれば、借金問題に関するアドバイスを受けることができます。

借金は一人で抱え込みがちな問題であるものの、借金問題に強い専門家に相談すれば、高い交渉力と法律的な知識で、適切なアドバイスを受けられます

グリーン司法書士法人も借金相談を無料で行い、豊富な経験や法律知識で最善策を提案しています。

任意整理に関することはもちろん、借金全体の問題で悩みがあるなら、一人で悩みを抱え込まずご相談ください。

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まとめ

任意整理は、誰にでも適した借金整理の方法ではありません。

しない方がいいのは、安定した収入がない方や性質が手続に合わない借金を抱えている方などです。

また、借入額が少ない方や反対に多すぎて多重債務の状態になっている方も、他の解決方法の検討が必要といえます。

反対に任意整理した方がいいのは、すでに借金滞納で一括請求されている方や、利息カットで完済を目指せる方などです。

一人で抱え込んだ悩みを誰かに話せば気持ちも楽になるといえますが、借金問題に詳しい専門家を頼りましょう。

グリーン司法書士法人では、個人の状況に合わせた提案も可能であるため、任意整理するべきか迷っているならお気軽にご相談ください。

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