スマホの料金を支払うと偏頗弁済?端末を持ち続けられるかを解説

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 登録番号第10262380号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
スマホの料金を支払うと偏頗弁済?端末を持ち続けられるかを解説

この記事は約 11 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • スマホの料金の支払いが偏頗弁済になるか
  • 偏頗弁済を回避しながらスマホの料金を支払う方法
  • 自己破産の後もスマホを持ち続けられるか

自己破産や個人再生の手続き中に、特定の債権者へだけ返済をすることを偏頗弁済(へんぱべんさい)と言います。偏頗弁済をしてしまうと自己破産や個人再生の手続きに悪影響を及ぼすため、日々の支払いには慎重になる必要があります。

生活費や税金、社会保険料の支払いは偏頗弁済とはみなされないのが一般的ですが、「スマホの料金は払っても大丈夫なのか?」と悩む方は多いでしょう。

スマホは、今や生活や仕事に欠かせません。しかし、支払い内容によっては偏頗弁済にあたるケースもあり、誤った対応を取ると借金問題の解決が遠のきます。トラブルを避けるためにも、「スマホの支払いを続けて大丈夫か迷っている」という方は、自己判断せず、早めに専門家へ相談してください。

この記事では、スマホの通信料金・端末代金・キャリア決済など、ケースごとに偏頗弁済に該当するかを解説します。

1章 スマホの料金の支払いが偏頗弁済になるかは状況によって異なる

スマホの料金支払いが偏頗弁済にあたるかは、支払いの内容と滞納の有無によって異なります。ここでは、4種類のケースごとに、スマホの料金の支払いが偏頗弁済になるかを見ていきましょう。

1-1 通信料金を滞納していない場合

スマホの通信料金を毎月滞りなく支払っている場合、偏頗弁済には該当しません。通信費は生活に欠かせない固定支出であり、破産法上も日常生活に必要な費用として扱われます。

例えば、自己破産や個人再生の手続き中であっても、家賃や公共料金と同じように通信料金を支払い続けることは基本的に問題ありません。裁判所や破産管財人も、通信環境の維持を生活再建のために必要と判断するケースが多く見られます。

ただし、通信料金の支払いに関連して端末代金の分割払いやキャリア決済を利用している場合は、偏頗弁済になる恐れがあります。それらについては、次章以降で説明しているので、ぜひチェックしてください。

1-2 通信料金を滞納している場合

自己破産や個人再生の手続き中に、滞納している通信会社にだけまとめて支払うと、特定の債権者を優遇して返済する偏頗弁済とみなされる恐れがあります。例えば、ドコモやau、ソフトバンクなどの通信会社に数ヶ月分の料金を滞納しており、他の債権者への支払いを止めたあとでその分だけ返済した場合、裁判所や破産管財人から「一部の債権者だけを優遇した」と判断される可能性が高いでしょう。

しかし、通信料金を支払わないままにすると、通信が止められてしまうリスクもあります。
そのため、破産や再生の申立てを検討している段階で滞納がある場合は、支払う前に必ず専門家に相談してください。弁護士・司法書士から状況に応じたアドバイスを受けることにより、偏頗弁済をしてしまうリスクを回避できます。

1-3 スマホの機種代金を分割で支払っている場合

スマホの機種代金を分割払いで支払っている場合、その支払いは通信料金とは性質が異なり、債務として扱われます。そのため、自己破産や個人再生の手続き中に本体料金を含めた支払いを続けると、特定の債権者を優遇した偏頗弁済とみなされる可能性があります。

ただし、分割支払い中に自己破産をしても、スマホ本体が回収されることはそれほど多くありません。スマホの割賦販売契約には、自動車ローンのような所有権留保(支払いが終わるまで販売会社が所有権を持つ契約)が設けられていないためです。それでも通信会社や契約内容によっては、自己破産によってスマホ本体が取り上げられる場合もあります。

このように、スマホの機種代金を分割で支払っている場合は非常に複雑で、偏頗弁済のリスクが高くなっています、よって、この状況では支払いを続けるのではなく、いったん停止し、専門家に今後の対応を確認するのが安全です。

1-4 キャリア決済を使っている場合

キャリア決済を利用している場合は、その支払いが通信費ではなく立て替え払いとして扱われる点に注意が必要です。キャリア決済は、スマホの利用料金と一緒にアプリ課金やネットショッピングなどの代金を支払える仕組みですが、実際には通信会社が一時的に立て替えているため、クレジット取引と同じ性質を持ちます。

そのため、キャリア決済の利用分を支払い続けると、偏頗弁済とみなされる可能性が高くなっています。特に弁護士・司法書士への依頼後も支払いを続けた場合は注意が必要です。

キャリア決済の明細には、通信料と立て替え払い分が混在していることが多いため、どの支払いが偏頗弁済に該当するのかを自分で判断するのは困難です。自己破産や個人再生を検討している段階でキャリア決済を利用している場合は、支払いを一旦止め、弁護士・司法書士に相談して処理方法を確認するのが望ましいでしょう。

2章 スマホの契約を維持しながら偏頗弁済を回避する方法

自己破産や個人再生の手続きを行うと、通信会社との契約内容に影響が出る可能性があります。特に支払いの仕方を誤ると偏頗弁済に当たるだけでなく、通信契約が解約されて電波が使えなくなるリスクもあります。

しかし、正しい手順を踏めば通信を止められることなく、偏頗弁済を避けながら契約を維持することが可能です。ここでは、スマホの契約を維持しながら偏頗弁済を回避する方法を紹介します。

2-1 機種代金と通信契約を分けて考える

スマホの通信料金に加えて機種代金を分割で支払っている場合、本体料金の支払いを止めても通信契約を維持できるケースがあります。それぞれを分けて考える場合、機種代金は債務として自己破産の手続きで整理する対象になりますが、通信料金は生活維持に必要な支出として扱われるため、支払いを続けても偏頗弁済にはなりません。

つまり、自己破産の手続きでは端末代金のみを整理し、通信料金の支払いは継続するという方法をとることで、通信会社との契約を維持できます。この対応ができれば、電波を止められることなくスマホを使い続けることが可能です。

ただし、この分離が可能かどうかは契約内容によって異なります。スマホを使い続けたい場合は、契約書や請求書を確認し、機種代金と通信契約が分離できるかを弁護士や司法書士に相談することが大切です。

2-2 家族名義での契約を利用する

自己破産を行った後でも、家族名義でスマホを契約してもらう方法であれば、通信を途切れさせずに利用を続けることができます。この場合、契約者は家族であり、料金の支払いも家族が行います。破産者本人が債権者に返済している訳ではないため、偏頗弁済には該当しません。

例えば、親や配偶者が契約者となり、あなたは利用者として登録してスマホを使う形です。通信会社の多くは家族利用登録に対応しており、これを活用すれば、破産手続き中や手続き後でも通信を確保できます。

ただし、名義だけを借りる名義借り行為は契約違反にあたるため避けなければなりません。名義借りに該当しないためには、実際に支払いを行う家族が契約者である必要があります。

また、家族に負担をかけないよう、通信プランや支払い金額についても事前に話し合っておきましょう。この方法であれば、本人名義の契約が難しくなった場合でも、通信環境を維持しながら偏頗弁済のリスクを回避できるため、多くのケースで有効です。

2-3 第三者弁済を活用する

自己破産や個人再生の手続き中にスマホを使い続けたい場合、家族など第三者が代わりに支払う「第三者弁済を利用する方法があります。第三者弁済は、破産者本人の財産を使わずに第三者が料金を立て替えるもので、本人による返済ではないため偏頗弁済には当たりません。

例えば、家族があなたの代わりに通信料金や滞納分を支払った場合、偏頗弁済とはみなされないのです。第三者弁済を使えば、通信会社との契約を維持しつつ、偏頗弁済を避けることが可能です。

ただし、本人が家族へ現金を渡して支払いをお願いした場合など、実質的に本人の財産を使っているとみなされるケースでは、偏頗弁済と判断される可能性が高いでしょう。また、破産管財人の判断によっては、立て替え分の返金を求められることもあります。

そうならないためにも、「誰のどのお金を返済に使用したか」を記録しておくことが大切です。第三者弁済のつもりが偏頗弁済になってしまう恐れもあるため、不安な場合は事前に弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。

3章 偏頗弁済になるか迷ったらすぐに弁護士・司法書士に相談しよう

スマホは生活に欠かせませんが、通信料金が未納の場合や、機種代金を分割払いにしている場合は、返済すると偏頗弁済になる恐れがあります。もし偏頗弁済に該当すれば、破産手続きの免責が認められなかったり、再生計画案の支払条件が厳しくなったりします。

そうならないためには、支払いが偏頗弁済になるか迷った時点で弁護士・司法書士に相談することが大切です。専門家であれば、契約内容や返済履歴などを確認したうえで、状況に合わせた最適な選択肢を提案してくれます。

また、専門家に依頼すれば、すぐに債権者へ受任通知が送付され、督促や請求が止まります。これにより、焦って支払いをしてしまうリスクだけでなく、偏頗弁済によって借金問題の解決が難しくなるリスクも軽減できます。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題の解決をサポートしております。無料相談も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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まとめ

自己破産や個人再生の手続きをしても、スマホを使い続けることは十分に可能です。ただし、通信料金や端末代金、キャリア決済などの支払いはそれぞれ性質が異なるため、扱いを誤ると偏頗弁済とみなされる恐れがあります。

通信料金の支払いは生活維持に必要な出費として認められる一方で、機種代金の分割払いやキャリア決済は債務として扱われます。そのため、これらの支払いを続けてしまうと、特定の債権者を優遇したと判断される可能性があるのです。

一方で、機種代金と通信契約を分ける、家族名義で契約してもらう、第三者弁済を活用するといった対応を取れば、通信を維持しながら偏頗弁済を回避できます。つまり、正しい手順を踏めば、自己破産・個人再生をしてもスマホの利用を諦める必要はありません。

ただし、自身で判断すれば、知らない間に偏頗弁済をしてしまっている恐れがあります。そのため、返済に困った状況でスマホの料金の支払いに迷ったら、弁護士・司法書士に相談するのがおすすめです。

グリーン司法書士法人では、契約内容や支払い状況をもとに、通信を止めずに済む方法や偏頗弁済を避けるための最適な対応策を一人ひとりの状況に合わせて提案します。「どこまで支払いを続けていいかわからない」「スマホを失いたくない」という不安がある方も、早めにご相談ください。

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自己破産とスマホの関係性についてよくある質問

ここでは、自己破産とスマホの関係性についてよくある質問について見ていきましょう。

自己破産をするとスマホは没収されますか?
自己破産をした場合に、スマホが没収されるケースはそれほど多くありません。スマホは現代の生活に欠かせない通信手段であり、裁判所も生活に必要な財産として扱うためです。
また、スマホの端末を分割払いで購入している場合でも、通常は所有権留保が設定されていません。そのため、支払い途中であってもスマホが回収されるケースは少ないでしょう。
自己破産後にスマホを分割で購入することは可能ですか?
自己破産を行った後に、スマホを分割払いで購入するのは難しいのが実情です。なぜなら、債務整理をした時点で信用情報機関に金融事故情報が登録されるためです。スマホを分割で購入する際も、他のローンと同様に信用情報が照会されます。その際に債務整理の記録が残っていると、分割払いの審査に通過するのは難しいでしょう。
つまり、事故情報が消える7年後までは、スマホの分割購入は厳しいということになります。もしスマホを入手したい場合は、一括で購入する、第三者に購入してもらうなどの対応を取る必要があります。
強制解約された後、同じ携帯会社で再契約できますか?
強制解約後に同じ携帯会社で再契約するのは、原則として難しいのが実情です。通信料金や端末代の滞納が原因で強制解約された場合、その情報は携帯会社の社内ブラックリストとして記録され、再契約を拒否されるケースが多くあります。
未払い分を全て清算しても、社内での判断によっては再契約が認められない場合があるのです。そのため、料金の未納などで強制解約された後は、別の通信会社に乗り換える方が望ましいでしょう。

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