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- おまとめローンと任意整理の違いについて
- おまとめローンのメリット・デメリットについて
- 任意整理のメリット・デメリットについて
- おまとめローンと任意整理それぞれの向いている人の特徴について
おまとめローンとは、複数の金融会社からの借入れを一本化する金融商品です。
任意整理は債務整理の種類の1つであり、直接、貸金業者等と交渉して無理なく返済を続けるために手続します。
低金利のおまとめローンで複数の借入れが一本にまとまれば、毎月の返済額が減るため任意整理と近い効果が得られます。
ただ、おまとめローンと任意整理は手続の仕組みなどが異なるため、借金や収入状況などで合う方法を選ぶことが必要です。
そこで、おまとめローンと任意整理の違いや、向いている人の特徴などを解説します。
目次 ▼
1章 おまとめローンと任意整理の違い
おまとめローンと任意整理の違いは以下のとおりです。
おまとめローン | 任意整理 | |
---|---|---|
目的 | 複数の借入金債務を一本化すること | 借金を減額すること |
毎月の返済額や利息 | 減る可能性がある | 大幅に減る可能性がある |
信用情報機関の事故情報登録 | なし | あり |
返済期間 | 最長10~30年など | 3~5年 |
専門家依頼の要否 | なし | あり |
それぞれの違いを簡単に説明します。
1-1 目的
おまとめローンは、複数の借入れを一本化し、借入総額を減額したり借金管理を容易にしたりする目的で利用されます。
対する任意整理は、債権者と交渉し、将来利息カットなどで借金を減額することを目的に手続します。
1-2 毎月の返済額
低金利のおまとめローンを利用すれば、毎月の返済額が減る可能性はあります。
任意整理は、債権者に将来利息カットを認めてもらえれば、毎月の返済額が大幅に減ります。
また、利息に充てていた支払いを元金に充てれば、おまとめローンよりも早く完済できるでしょう。
1-3 信用情報機関の事故情報登録
おまとめローンで借りたお金で、既存の借入れを返済し、新たなローンの返済がスタートします。
元々の借金の支払いを止めたり遅らせたりしないため、おまとめローンの利用で信用情報機関に事故情報として登録されることはありません。
対する任意整理は、手続により信用情報機関に事故情報が登録されます。
1-4 返済期間
おまとめローンは、金融機関によるものの、返済期間は最長10~30年で設定できます。
対する任意整理は、返済期間を原則3年間とするものの、場合によって5年間での返済を認められることもあります。
1-5 専門家依頼の要否
おまとめローンの場合、複数の借入れを1社にまとめる流れであるため、司法書士や弁護士などの専門家が関わる必要性はありません。
対する任意整理では、債権者ごとに個別交渉が必要であり、自力では困難なため専門家に依頼することが一般的です。
2章 おまとめローンのメリット・デメリット
おまとめローンは、複数の債権者からの借入を一本化できる金融商品です。
用途の制限のないカードローンで借金を一本化する方法以外にも、銀行や消費者金融のおまとめ専用の借入れを利用する方法があります。
複数の借入れが1つにまとまることのメリットとデメリットをそれぞれ説明します。
- おまとめローンのメリット
- おまとめローンのデメリット
2-1 おまとめローンのメリット
おまとめローンで複数の借金を一本化するメリットとして、以下の2つが挙げられます。
- 金利を下げられる可能性がある
- 借金がひとつにまとまるので返済管理をしやすい
それぞれ説明します。
2-1-1 金利を下げられる可能性がある
おまとめローンのメリットは、借入れの金利が下がる可能性があることです。
少額の借入れよりも、借入総額が増えれば金利も低くなることが一般的といえます。
全体の借金の総額は同じでも、少額で複数の借金を抱えている場合と、おまとめローンによる一本化のケースでは、金利設定による利息負担が変わります。
金利設定は金融会社によって異なるため、できるだけ金利の低いおまとめローンを利用すると、より借入総額を減額できます。
2-1-2 借金がひとつにまとまるので返済管理をしやすい
おまとめローンのメリットは、複数の借入れが一本にまとまるため、返済管理しやすくなることです。
借金が複数あり、金額や返済日が異なれば、管理が複雑になるためミスが起こりやすくなります。
おまとめローンで一本化すれば、何度もATM等へ返済に足を運ぶこともなく、返し忘れも防げます。
2-2 おまとめローンのデメリット
おまとめローンによる借金一本化には多くのメリットがある一方、以下の2つのデメリットには注意が必要です。
- 審査に通らない恐れがある
- 返済期間が長引く恐れがある
それぞれ説明します。
2-2-1 審査に通らない恐れがある
おまとめローンのデメリットは、審査に通らない場合もあることです。
複数の借入れを一本化するため、おまとめローンでの借入金額は大きくなります。
そのため少額の借入れよりも高い返済能力が求められるため、審査は厳しくなると考えられます。
完済の見込みがないと判断されれば、審査に落ちて利用できない場合もあるため、必ず利用できるわけではありません。
2-2-2 返済期間が長引く恐れがある
おまとめローンのデメリットは、返済が長引く場合があることです。
毎月の返済額を無理のない範囲にすると、返済期間が延びるため、利息と返済総額を増やします。
任意整理と異なり、将来利息カットによる毎月の返済額の減額ではないため、月々の返済額を抑えれば返済期間が長引くことに注意しましょう。
3章 任意整理のメリット・デメリット
任意整理とは、金融機関など債権者と直接交渉して、利息や遅延損害金をカットしてもらい借金減額を目指す手続です。
おまとめローンとどちらを選ぶべきか迷ったときは、以下の2つを確認した上で検討するとよいでしょう。
- 任意整理のメリット
- 任意整理のデメリット
それぞれ説明します。
3-1 任意整理のメリット
任意整理のメリットは主に以下の3つです。
- 将来の利息がなくなり返済負担が軽くなる場合がある
- 司法書士・弁護士に依頼すれば督促を一旦停止できる
- 和解成立後は3~5年程度で借金を完済できる
それぞれ説明します。
3-1-1 将来の利息がなくなり返済負担が軽くなる場合がある
任意整理は、将来の利息がカットされるため、返済負担が軽減されることがメリットです。
債権者との交渉によるものの、無理のない返済スケジュールの組み直しが認められることで、毎月の返済負担が大幅に軽減されます。
利息制限法に基づいた上限金利で再計算し、残った借金の将来利息や遅延損害金をカットした元本を、3年程度で返済する交渉を行います。
そのため借金総額が減額され、返済負担はかなり楽になります。
3-1-2 司法書士・弁護士に依頼すれば督促を一旦停止できる
司法書士・弁護士に任意整理の手続を依頼することで、一時的に督促が止まります。
専門家が任意整理の依頼を受けると、債権者に向けて、手続介入を知らせる受任通知が送られます。
送付のタイミングは専門家によって異なるものの、貸金業者が通知を受けた後は、債務者へ直接取り立てできなくなります。
そのため専門家へ手続を依頼すれば、最短で依頼当日には、借金の取り立てから解放されるといえます。
3-1-3 和解成立後は3~5年程度で借金を完済できる
任意整理を手続すると、債権者と取り決めた毎月の返済額で3~5年で返済を続けます。
言い方を変えれば、和解成立後は3~5年程度で、借金を完済できることがメリットです。
債権者との交渉で、将来発生する利息や遅延損害金がカットされるため、無理のない返済額で完済を目指せます。
3-2 任意整理のデメリット
任意整理のデメリットは主に以下の2つです。
- 信用情報機関に事故情報が登録される
- 司法書士・弁護士に依頼した場合は費用がかかる
3-2-1 信用情報機関に事故情報が登録される
任意整理は、信用情報機関に事故情報が登録されることがデメリットです。
ブラックリスト扱いになるため、キャッシングやローンの利用や新規契約はできません。
ただし完済後、5年間が登録期間とされているため、その期間を過ぎれば登録は削除されます。
任意整理で借入れがセーブされることはデメリットであるものの、借金返済に専念しやすい環境ができることはメリットともいえます。
3-2-2 司法書士・弁護士に依頼した場合は費用がかかる
任意整理を司法書士や弁護士など、専門家に依頼した場合は、費用がかかることがデメリットです。
発生する費用は専門家によって異なるものの、1社ごとに計算されることが多く、借入件数が多ければ負担も増えます。
ただし任意整理は、対象にする借金を選ぶことができるため、すべての借入れを手続する必要はありません。
また、グリーン司法書士法人では、分割払いなど一人ひとりに合った方法も提案しています。
任意整理の費用に悩んでいるときは、お気軽にご相談ください。
4章 おまとめローン・任意整理に向いている人の特徴
おまとめローンと任意整理のどちらを選ぶべきか迷ったときは、以下の2つを参考にしてください。
- おまとめローンが向いている人の特徴
- 任意整理が向いている人の特徴
それぞれ説明します。
4-1 おまとめローンが向いている人の特徴
おまとめローンが向いているのは、以下の特徴に該当する方です。
- 家計の状況を把握できている方(家計の収支が正しく理解できていなければ、おまとめローンで返済が楽になったことで却って新たな借金を増やしかねないため)
- 生活収支が厳しい方(長期間分割払いが可能となり、毎月の返済が楽になるため)
- 借入件数が多い方(全体の金利が下がり返済日が統一されるため、借金管理しやすくなるため)
- ブラックリストに載りたくない方(おまとめローンの利用で信用情報機関に事故情報が登録されることはないため)
4-2 任意整理が向いている人の特徴
任意整理が向いているのは、以下の特徴に該当する方です。
- 返済額の減額を優先したい方(将来利息等がカットされる手続であり、おまとめローンよりも毎月の返済額を抑えられるため)
- ブラックリスト扱いの方(すでに信用情報機関の事故情報に登録されているため、おまとめローンが使えないため)
- 利息ジャンプで延命している方(毎月利息のみを支払い続けても、元金が減らず根本的な解決にならないため)
- すでに一括請求されている方(おまとめローンは使えず、任意整理(債務整理)しか方法がないため)
まとめ
おまとめローンと任意整理は、目的など様々な違いがあります。
どちらも返済負担が軽くなるものの、おまとめローンは複数の借入金債務を一本化することでの軽減であるのに対し、任意整理は借金そのものが減額されます。
おまとめローンは新たな借入れであり、利用自体で信用情報機関に傷はつかないものの、審査に通らなければ利用できません。
また、返済期間が長引く恐れがあることは注意が必要です。
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