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- クレジットカードに連帯保証人は必要かどうか
- クレジットカードの連帯保証人になるとどうなるのか
- クレジットカードの連帯保証人になり一括請求を受けたときの対処法
クレジットカードの利用が広がる中、連帯保証人に関する疑問を持つ方も増えています。連帯保証人とは、主債務者が返済不能になった場合にその返済義務を肩代わりする立場にある人のことです。
この連帯保証人制度は、高額のローンや住宅の賃貸契約でよく見られます。通常、個人向けのクレジットカードであれば連帯保証人は不要です。
今回の記事では、クレジットカードに連帯保証人が必要かどうか、そして連帯保証人になることの影響について詳しく解説します。また、連帯保証人としての責任を果たすための対処法についても見ていきましょう。
目次 ▼
1章 クレジットカードに連帯保証人は必要?
クレジットカードを申し込む際、連帯保証人が必要でしょうか?通常、個人向けのクレジットカードにおいては連帯保証人は不要です。ただし、未成年者や主婦のクレジットカード申請の場合には、例外的に「保証人」が求められる場合があります。
また、個別方式のクレジットの場合は連帯保証人が求められるケースがあるでしょう。法人クレジットカードの場合、会社の代表者が連帯保証人として責任を負う場合があります。
クレジットカードの発行にはさまざまな条件がありますが、連帯保証人が関与するケースは少ないといえるでしょう。連帯保証人が必要な場合は、その責任はとリスクを理解しておくのが重要です。
この章では、個人クレジットカードと法人クレジットカードの違い、連帯保証人が必要な場合の対処法について詳しく見ていきましょう。
1-1 基本的に連帯保証人は不要である
クレジットカードの個人による申し込みにおいて、連帯保証人は基本的に不要です。これは個人向けのクレジットカードが、申込者自身の信用情報にもとづいて審査されるためです。
クレジットカード会社は、申込者の収入や信用履歴をもとに審査を行い、連帯保証人を必要とせずに、クレジットカードを発行します。そのため、成人している方が自分の名前でクレジットカードを申し込む際に、連帯保証人を用意する必要は基本的にありません。
ちなみに、カードローンの利用に関しても同様で、連帯保証人は不要です。カードローンは、クレジットカードと同様に、申込者自身の信用力にもとづいて審査されます。
従って、通常の使用範囲内でカードローンを利用する場合には、連帯保証人は不要です。連帯保証人は不要ですが、銀行カードローンの場合には、系列の消費者金融や信販会社が保証会社となることが一般的です。
収入のない専業主婦がクレジットカードを申し込む場合には、配偶者が配偶者情報の記入を求められることがあります。
しかし、これも連帯保証人とは異なり、あくまで審査の上での補助的なものです。連帯保証人が不要であるのは、クレジットカード利用のハードルを低くし、多くの人が利用できるようにするためでもあるでしょう。
なお、一旦連帯保証人になると簡単にやめられない件や、やめられるケース、請求されたときの対処法などについては、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらも、ぜひ参考にご覧ください。
1-2 個別方式のクレジットでは連帯保証人が必要な場合がある
個別方式のクレジットでは、連帯保証人が必要となる場合があります。たとえば、高額な商品の分割払いなど、特定の条件下でのクレジット契約においては、連帯保証人を求められるケースも珍しくありません。
これは、購入者が支払い能力に不安がある場合に、回収不能となるリスクを軽減するためです。特に高額商品や長期の分割払いに、連帯保証人が求められる場合が多く見られます。
連帯保証人は、購入者が支払い不能となった際に、全額を負担する義務を負うため、その責任は非常に重いものです。そのため、連帯保証人となるのを依頼された場合は、慎重に判断しなくてはなりません。
個別方式のクレジット契約における連帯保証人の必要性は、とりわけ不動産購入や高額な自動車のローンなど、大きな金額が関わる取引で顕著です。
これらの取引では、長期的な支払いが前提となるため、クレジット会社はリスク管理の一環として連帯保証人を要求します。こうした場合、連帯保証人の役割と責任を理解した上で契約に臨まなくてはなりません。
なお、連帯保証人になることのリスクや、回避する方法などについては、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらも、併せて参考にお読みください。
1-3 法人クレジットカードは代表者が連帯保証人になる場合がある
法人クレジットカードの申請では、会社の代表者が連帯保証人になる場合があります。これは、法人がクレジットカードを利用する際に、会社の信用力だけではなく、代表者個人の信用力も審査対象となるためです。
特に新規設立の法人や、過去の信用履歴が十分でない法人の場合、代表者が連帯保証人となれば、クレジットカード会社のリスクを軽減します。しかし、すべての法人クレジットカードで連帯保証人が必要というわけではありません。
多くのクレジットカード会社では、法人の信用力が十分であれば、連帯保証人なしでクレジットカードの発行が可能です。この場合、法人自身の財務状況や事業計画、取引履歴などが審査の重要なポイントとなります。
クレジットカード会社によって審査基準は異なるため、事前の確認が大切です。また、代表者が連帯保証人となる場合、その責任は重大と考えましょう。
クレジットカードの支払いを滞納した場合、代表者個人が全額を負担しなければなりません。これは、法人の信用力が個人の信用力に依存している場合に生じるリスクです。
そのため、法人クレジットカードを申し込む際には、代表者が負う責任について十分に理解し、適切な管理体制を整えるのが賢明です。
2章 クレジットカードの連帯保証人になるとどうなる?
クレジットカードの連帯保証人になると、主債務者が支払いを滞納した場合、保証人は債権者から一括請求を受けます。
連帯保証人には「検索の抗弁権」や「催告の抗弁件」がないため、主債務者の資産があるかどうかに関わらず、債権者は躊躇なく連帯保証人に対して返済を求めます。
催告の抗弁権とは、債権者がまず主たる債務者に対して履行を請求するよう求める権利です。検索の抗弁権とは、債権者が主たる債務者の財産に対して執行を行い、それでもなお回収できない場合にのみ保証人に請求するよう求める権利です。
この2つの権利は一般的な保証人にはあって、連帯保証人には認められていません。つまり、貸す側からいえば一般的に保証にはメリットが少ないので、ほとんどの場合に保証人といえば連帯保証人を意味します。
このように、クレジットカードの連帯保証人になると、突然に多額の支払いを迫られるリスクがあり、個人の財産や生活に大きな影響を及ぼしかねません。もし連帯保証人になってほしいと頼まれたら、できるだけ断るのが賢明です。
その際には連帯保証人の責任の重さを丁寧に説明し、現在の自分はそのリスクを追うのは難しいと伝え、相手が理解してから保証会社の利用を進めるのがよいでしょう。
保証会社は債務者が返済できない状況で、債務を債務者に代わって支払い、その後債務者に請求します。保証会社の利用によって、人間関係を維持しながら依頼者はクレジットカードが作れるわけです。
3章 クレジットカードの連帯保証人になり一括請求を受けたときの対処法
クレジットカードの連帯保証人になると、主債務者が支払いを滞納した場合に一括請求を受けるリスクがあります。このような状況に直面した場合、適切な対処法を知っておくのが重要です。
連帯保証人としての責任は非常に重く、適切な対応を取らないと、財産の差し押さえなど深刻な問題に発展する場合があります。
どうしても支払いが困難な場合は、次に挙げる2つの方法が考えられます。
- 債務整理する
- 求償権を行使して主債務者に請求する
これらの内容を、詳しく見ていきましょう。
3-1 債務整理する
債務整理は、連帯保証人が一括請求を受けた際の主要な対処法のひとつです。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などがあります。
債務整理を行うことで、連帯保証人としての過大な負担を軽減し、再び経済的な安定を取り戻せるでしょう。
任意整理は、債権者と交渉して返済計画を見直し、利息や元金の減額を目指す方法です。それにより、一括返済の負担を軽減できます。
個人再生は、裁判所を通じて債務を大幅に減額し、再生計画にもとづいて返済を続ける方法です。この方法は、一定の収入があり、将来的に返済の見込みがある場合に適しています。
自己破産は、もっとも重い債務整理の手段で、すべての債務を免除してもらう代わりに、財産の清算が必要となる方法です。連帯保証人が自己破産を選択する場合、クレジットカード会社やほかの債権者に対する、すべての債務が免除されます。
しかし、債務整理にはそれぞれメリットとデメリットが存在します。司法書士などの専門家に相談し、最適な方法を選ぶ姿勢が重要です。
債務整理の主な種類ごとの特徴やメリット、デメリットについては、以下の表にわかりやすくまとめてあります。
債務整理の種類 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
特徴 | 裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して借金の減額や返済計画の見直しを行う方法 | 裁判所に申立てを行い、借金の減額と返済計画の認可を得る方法 | 裁判所に申立てを行い、全ての借金を免除してもらう方法 |
メリット | ・手続が比較的簡単で費用が安い ・裁判所への申立て記録が残らない ・家族や勤務先に知られない | ・借金を大幅に減額できる ・住宅ローンや車ローンなどの財産を守れる ・将来、再び借金問題に陥る可能性が低い | ・借金が全て免除される ・新しい生活をスタートできる |
デメリット | ・減額できる金額は債権者との交渉次第 ・将来、再び借金問題に陥る可能性がある | ・裁判所への申立て記録が残る | ・裁判所への申立て記録が残る ・官報に永久に掲載される ・一定期間、クレジットカードやローンを利用できない ・一定期間、就業制限を受ける |
適したケース | ・債務額が大きくなく、将来的に返済できる見込みがある場合 ・任意整理の詳細・解決事例はコチラ ↓ 借金をなくせる任意整理とは?メリット・デメリットや向いている人 任意整理の経験談・解決事例 | ・一定収入はあるが債務額が大きく、任意整理では難しい場合 ・個人再生の詳細・解決事例はコチラ ↓ 小規模個人再生とは|給与所得者再生との違いやメリット・デメリット 個人再生の経験談・解決事例 | ・債務額が非常に大きく、他の方法では返済が難しい場合 ・自己破産の詳細・解決事例はコチラ ↓ 自己破産とは?メリット・デメリットや手続きの流れを徹底解説 自己破産の経験談・解決事例 |
債務整理の種類と生活への影響に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、そちらも参考にご覧ください。
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3-2 求償権を行使して主債務者に請求する
求償権の行使は、連帯保証人が一括返済を行った後に、主債務者に対してその返済額を請求する権利です。ただし、そもそも主債務者が返済能力を持たないゆえに、連帯保証人に請求が来ているので、この方法はあまり現実的ではありません。
それを理解したうえで、求償権を行使するには、まず主債務者に対して法的手続を開始する必要があります。これには時間と費用がかかるうえに、主債務者の資産状況によっては回収できる金額が限られるでしょう。
また、主債務者との関係性への影響も考慮しなければなりません。連帯保証人としては、このような手続が実際にどれだけ有効であるかと、その代償(人間関係の悪化)を冷静に判断する必要があります。
なお、求償権は5年で消滅時効を迎えます。求償権にもとづいて請求をしたにもかかわらず無視されるような場合の対処法などについては、以下の記事で詳しく取り上げています。そちらも、ぜひ参考にご覧ください。
まとめ
クレジットカードに連帯保証人が必要かどうかは、通常の個人クレジットカードでは不要ですが、法人クレジットカードや特定の契約では必要になる場合があります。
連帯保証人になると、主債務者と同等の責任を持ち、主債務者が返済しない場合は一括請求され、財産の差し押さえなどの深刻なリスクを伴います。返済が困難な場合は、法的手段を通じた債務整理が有効な対策となります。
また、求償権の行使も理論的には有効な手段です。しかしながら、実際には主債務者の返済能力がないからこそ、連帯保証人が一括請求されるので、効果を期待するのは難しいです。
クレジットカードの連帯保証人になる前には、その責任とリスクを十分に理解し、できるだけお断りしましょう。どうしても連帯保証人にならざるを得なくなって、ついに一括請求が来てしまった場合には、お気軽にグリーン司法書士法人にご相談ください。グリーン司法書士法人は借金問題に関するプロフェッショナルです。個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。
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