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借金などの連帯保証人になることは、リスクがあります。相手が借金の支払いを怠れば、連帯保証人が返済する義務を負うことになるためです。
そのため、あとから「連帯保証人を辞めたい」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、連帯保証人をやめることは簡単ではありません。原則、債権者からの同意を受けたり、他の連帯保証人を立てたりする必要があります。
この記事では、連帯保証人をやめられるケースなどについて解説します。
なお、連帯保証人そのものの解説はこちらの記事で詳しく行っています。是非ご覧ください。
目次 ▼
1章 連帯保証人を一方的にやめることはできない
結論として、一方的な理由で連帯保証人の立場をやめることはできません。
また、連帯保証人を絶対やめられる方法も残念ながらありません。
連帯保証人は、債務履行(借金を返す)を担保する役割を持ち、債務者本人が債務の支払いができないときに肩代わりをする人です。
連帯保証人は債権者と契約しているため、債権者の合意なしにやめることは認められません。
一方で、契約である以上、債権者が同意をしてくれれば連帯保証人をやめられる可能性はあります。
連帯保証人を辞められるケースについては、次章で解説します。
2章 連帯保証人をやめられる可能性があるケース
また、債務の時効を迎えている場合や、取引自体が無効である場合には、債権者の同意がなくても連帯保証人をやめることができる可能性があります。
連帯保証人をやめられる可能性があるのは、以下のケースです。
- 債権者の同意がある
- 自分以外の連帯保証人を立てることができる
- 債務の残債が少ない
- 取引自体が無効である
- 時効が成立している
- 担保を準備できる
それぞれ詳しく解説します。
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2−1 債権者の同意がある
連帯保証契約は、債権者と連帯保証人の契約です。そのため、双方に同意があれば当然解除してもらうことができます。
ただし、債権者から同意を得るのはあまり現実的ではありません。
債権者は、連帯保証人がいることを前提に債務者と契約をしています。そのため、連帯保証人がいなくなることは認めないでしょう。
2−2 自分以外の連帯保証人を立てることができる
自分以外の連帯保証人を立てて、それを債権者が認めれば連帯保証人をやめることができることもあります。
とはいえ、自ら進んで連帯保証人になりたいを申し出る人はいません。新しい連帯保証人を見つけるのは困難です。
債権者の家族などであれば連帯保証人を請け負ってくれる可能性もありますので、願い出てみるのもよいでしょう。
2−3 債務の残額が少ない
債務残額が少ないのであれば、連帯保証人をやめられる可能性があります。
とはいえ、このケースでもあくまで債権者からの同意が必要です。まずは債権者と交渉をしなければいけません。
交渉の上、「このくらいなら、連帯保証人は必要ない」と判断されれば、連帯保証人をやめられるかもしれません。
2−4 契約自体が無効である
連帯保証の契約が無効な場合には、当然取引も無効になるため、連帯保証人をやめることができます。
そもそも、契約自体が無効ですので、契約者・連帯保証人どちらにも支払い義務はありません。
契約が無効になるケースは例えば以下のとおりです。
- 公序良俗に反する契約
- 虚偽の内容を含む契約
- 当初の説明と異なる内容の契約
上記に該当する場合には、契約をなかったことにできるだけでなく、これまで支払ったお金が取り戻せる可能性もあります。
なお、契約の無効を主張するのは、連帯保証人ではなく債務者本人が行うのがよいでしょう。
2−5 時効が成立している
借金には時効があります。(消滅時効と言います)これは、連帯保証人の保証債務であっても同様です。
一般的な債務の消滅時効は、ほとんどの場合最後の返済期日から5年です。時効を経過していれば、時効を援用することで債務を消滅させることができます。
ただし、主債務者や保証人が一度でも借金を返済したり、債権者から裁判上の請求を受けたりしている場合には時効がストップしている可能性があるので注意が必要です。
保証債務の時効について詳しくは、こちらの記事を御覧ください。
2−6 主債務者が担保を準備できる
主債務者または連帯保証人が、土地や建物などの物的担保を提供できる場合には、連帯保証人をやめられる可能性があります。
ただし、主債務の担保にするためには、主債務を保証するだけの価値がある資産を用意しなければいけません。
主債務者が担保になる資産を準備できない場合には、連帯保証人が準備する必要があります。
3章 連帯保証人として請求されたときの対処法
もし、支払いに応じた場合でも、求償権として主債務者である元夫に支払い分の返還を求めることが可能です。
連帯保証人になっているからには当然、主債務者が支払いできなくなった際に、請求される可能性があります。
連帯保証人への請求は原則として一括請求ですので、支払えないケースも多いでしょう。
ここでは、連帯保証人として請求されたときの対処法について解説します。
3−1 債務整理をする
連帯保証人として借金等を請求された時点で、それは連帯保証人の債務になります。
支払いに応じられない場合、取り立てを受けることになりますし、放置し続けると裁判上の請求を受け、最終的には財産を差押えられる可能性もあります。
もし、支払いが難しい場合には、債務整理を検討しましょう。
3−1−1 自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てることですべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
借金がなくなるというメリットはありますが、家などの資産を失うというリスクがあります。
保証していた債務が高額で、到底払えそうにないようは額の場合には自己破産を検討することをおすすめします。
3−1−2 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金を5分の1〜10分の1程度に圧縮する手続きです。
手続き後も支払いは続きますが、家などの資産を失うリスクを回避することができます。
安定した収入があり、借金を圧縮すれば分割で支払い続けられるのであれば個人再生をおすすめします。
3−1−3 任意整理
任意整理とは、裁判所に申し立てることで、将来発生する利息や遅延損害金を免除して貰う手続きです。
元金は減りませんが、利息がカットされることで月々の返済額を減額することができます。
また、連帯保証人への請求は一括であることがほとんどですが、任意整理をすることで分割払いにしてもらうこともできます。
分割払いであれば返済できる程度の債務であれば、任意整理をおすすめします。
3−2 求償権を行使して主債務者に請求する
求償権とは、他人のために財産を出した場合に、その人に出した分を返還するよう求めることができる権利です。
連帯保証人が債務者に代わって返済した場合には、この求償権を行使して、支払った全額の返還を求めることができます。
返還を求めるためには内容証明郵便を送ったり、裁判を起こして請求したりする必要があります。
とはいえ、連帯保証人に請求が来るということは、主債務者が返済できなかったということですから、求償権を行使して請求したとしても相手がそれに応じるだけの資力がない可能性が高いでしょう。
4章 まとめ
一度連帯保証人になってしまうと、簡単には辞められません。
どうしても連帯保証人を辞めたい場合には、代わりの人を立てるか、担保となるものを用意して、債権者に交渉してみましょう。
もし主債務者が支払いができなくなった時、連帯保証人であるあなたに請求が来る可能性があります。
連帯保証人への請求は一括請求であることがほとんどです。支払いに応じることができれば問題ありませんが、支払えない場合には債務整理を検討しましょう。
また、支払いに応じた場合でも求償権として、主債務者に対して全額返還を求めることが可能です。
債務整理を検討されている方は、ぜひグリーン司法書士法人にご相談下さい。
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よくあるご質問
- 連帯保証人から外れる方法とは?
- 連帯保証人が一方的に連帯保証人をやめることはできないということです。
ただし、債権者が同意をしてくれれば連帯保証人をやめられる可能性はあります。
連帯保証人から外れる方法について詳しくはコチラ
- 連帯保証人を外れられるケースとは?
- 下記のケースでは、連帯保証人を抜けられる可能性があります。
・債権者の同意がある
・自分以外の連帯保証人を立てることができる
・債務の残額が少ない
・契約自体が無効である
・時効が成立している
・主債務者が担保を準備できる
連帯保証人から外れる方法について詳しくはコチラ