罰金は分割で払えない!払えないとどうなる?対処法とは

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

借金返済の知識
罰金は分割で払えない!払えないとどうなる?対処法とは

この記事は約 10 分で読めます。

 この記事を読んでわかること

  • 罰金とは何か
  • 罰金は原則として分割払いできない
  • 罰金を支払えないときに起きること
  • 罰金を払えないときにすべきこと

罰金を支払えない場合に何が起こるのか、そして分割払いは可能なのかという疑問を持つ方もいるでしょう。罰金は刑法にもとづく制裁であり、その支払いを怠ると厳しい結果が待っています。

検察庁からの督促や財産の差し押さえ、さらに最悪の場合は労役場留置という事態も考えられます。今回の記事では、罰金の基本的な仕組みや支払えない場合に直面する可能性のある問題、そしてそれを回避するための具体的な対策についてくわしく解説します。

罰金を支払えない場合、家族や知人に立て替えてもらうのも有効です。また、借金の返済をしていて罰金を支払う資金を用意できないなら、債務整理も検討しましょう。これらの情報を通じて、罰金の支払いが困難な状況でも、適切に対応するための知識を身につけてください。

1章 罰金とは

罰金とは、刑法にもとづいて科される金銭的な刑罰の一種であり、犯罪行為に対する処罰として裁判所から命じられるものです。罰金が科されると前科がつき、これは有罪判決を受けた証拠として記録されます。

略式手続でも、罰金刑が科された場合は前科となります。前科がつくと、就職や資格取得、海外渡航などに影響を与える可能性があります。反則金とは異なり、罰金は刑事罰であり、反則金は行政罰です。

反則金は比較的軽微な交通違反に対して科され、前科はつきません。一方、重大な交通違反や刑事事件に該当する行為は罰金刑となり、前科がつきます。ちなみに、詐欺の法定刑には、罰金はなく懲役刑だけです。

2章 罰金は原則として分割払いできない

罰金は原則として分割払いが認められていません。罰金は刑罰の一部であり、迅速に支払われることが求められます。しかし、例外的に分割払いが認められるケースも存在します。

経済的に困窮している場合や、ほかに極めて緊急度が高い出費あるなどで、一度に罰金の全額を支払うことが不可能な状況にある場合、徴収担当者に申し出て認められれば可能です。

もちろん、あくまでも例外的なケースであり、誰でも希望すれば認められるわけではありません。

分割払いが認められた場合でも、支払い遅延や滞納が発生すると、分割払いの許可が取り消される可能性があります。さらに、罰金を完済するまでに追加の督促が行われることもあるでしょう。

そのため、分割払いの申請をする際には、確実に支払いが継続できる見通しを立てておくことが重要です。また、分割払いが認められた場合でも、利息や追加の手数料が発生することがあるため、予め確認しておく必要があります。

罰金の支払いについて不安がある場合は、早めに専門家に相談し、適切な対策を講じることが重要です。

3章 罰金を支払えないときに起きること

罰金を支払えないときに起きる主なこととしては、次の3つが挙げられます。

  • 検察庁から督促が届く
  • 財産が差し押さえられる
  • 罰金の代わりに労役場留置となる場合がある

個別に見ていきましょう。

3-1 検察庁から督促が届く

罰金を期限までに支払わないと、まず検察庁から督促状が送られてきます。この督促状には、罰金の支払いを求める内容が記載されており、指定された期限内に支払うよう要求されます。

もしこの督促に応じずに支払いが行われない場合、さらに厳しい対応が取られることになります。特に、督促状の無視が続くと、検察庁は財産の差し押さえや労役場留置といった強制執行手続を進めることがあります。

罰金の未払いは法的な問題だけでなく、社会的信用にも影響を与えるため、迅速に対処することが重要です。支払いに困難がある場合は、早急に弁護士や専門家に相談することが推奨されます。弁護士は、状況に応じた適切なアドバイスや支援を提供してくれます。

3-2 財産が差し押さえられる

罰金を支払わないまま放置すると、検察庁は財産の差し押さえを実行することがあります。差し押さえの対象は、預貯金、給与、不動産、自動車などです。

財産の差し押さえは、強制執行手続の一環として行われるもので、差し押さえられた財産は売却され、その代金が罰金に充てられます。それによって、生活に大きな影響が出る可能性があります。

特に、給与が差し押さえられると、日常生活に必要な資金が不足することになります。

なお、差押えを解除する手続とはどういうものか、その方法や期限について、以下の記事でくわしく解説しています。ぜひ、参考にご覧ください。

3-3 罰金の代わりに労役場留置となる場合がある

罰金を支払うことができない場合、最終的には労役場留置となります。労役場留置は、罰金を労働によって代わりに支払う制度で、収監されて労働を行います。具体的には、罰金の金額に応じて労役日数が決定されます。

たとえば、罰金の金額が多い場合、長期間の作業が必要となり、その間の自由は制限されます。労役場での勤務は、通常の刑務所とは異なり、軽微な犯罪者が収監される施設ですが、それでも自由を失うことには変わりありません。

3-3-1 労役場留置について

労役場留置は、罰金を支払えない場合の最終手段として実施されます。労役場では、一定期間の労働を行うことで罰金を支払うこととなります。具体的には、1日につき5,000円が労働によって代わりに支払われます。

たとえば、罰金50万円の場合、100日間の労役場留置が必要となります。労役場での生活は規則的であり、労働以外の自由な時間は制限されます。労役場留置を避けるためには、できるだけ早く罰金を支払うか、分割払いの許可を得る努力が必要です。

4章 罰金を払えないときにすべきこと

罰金の多くは交通違反の重いものや、反則金を支払わず起訴されたケースです。罰金を払えないときにすべき主なことは、次の3つが挙げられます。

  • 家族・知人に罰金を立て替えてもらう
  • 検察庁の徴収担当者に相談する
  • 債務整理をする

それぞれの内容を、見ていきましょう。

4-1 家族・知人に罰金を立て替えてもらう

罰金の支払いが困難な場合、家族や知人に立て替えをお願いするのもひとつの方法です。罰金を一括で支払うことが求められるため、身近な人からの支援が必要になることがあります。

特に、労役場留置を避けるためには、早期に罰金を納付することが重要です。家族や知人に事情を説明し、協力を求めることで、罰金の支払いを円滑に進めることができます。また、立て替えてもらった後に、分割で返済するなどの計画を立てるとよいでしょう。

4-2 検察庁の徴収担当者に相談する

罰金を支払うのが難しい場合、検察庁の徴収担当者に直接相談できます。分割払いの許可を求める際には、経済的困難を証明する資料を提出することが必要です。

検察庁は個々の事情を考慮して、分割払いを認める場合がありますが、これは例外的な措置です。早めに相談することで、現実的な支払い計画を立てることが可能になります。

4-3 債務整理をする

罰金は非免責債権であり、債務整理を行っても免除されることはありません。しかし、ほかに借金がある場合、債務整理によって、短期的には、借金の取り立てをストップさせることが可能なので、それを罰金支払いの原資に充てることができます。

もちろん長期的にも、経済的な負担を軽減するでしょう。債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産の方法があります。

任意整理は、債権者と直接交渉し、利息や遅延損害金の減免、返済計画の再設定を行う手続です。裁判所を通さないため、手続が迅速であり、費用も比較的安価です。

個人再生は、裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則として3年(最大5年)で再生計画にもとづいて返済する手続です。住宅ローン特例があるため、持ち家を失わずに済む可能性があります。

自己破産は、裁判所の許可を得て借金の全額免除を求める手続です。一定の財産は処分されますが、免責が確定すれば借金の返済義務がなくなります。

債務整理の主な種類ごとの特徴やメリット、デメリットについては、以下の表にわかりやすくまとめてあります。

債務整理の種類任意整理個人再生自己破産
特徴裁判所を通さずに、債権者と直接交渉して借金の減額や返済計画の見直しを行う方法裁判所に申立てを行い、借金の減額と返済計画の認可を得る方法裁判所に申立てを行い、全ての借金を免除してもらう方法
メリット・手続が比較的簡単で費用が安い
・裁判所への申立て記録が残らない
・家族や勤務先に知られない
・借金を大幅に減額できる
・住宅ローンや車ローンなどの財産を守れる
・将来、再び借金問題に陥る可能性が低い
・借金が全て免除される
・新しい生活をスタートできる
デメリット・減額できる金額は債権者との交渉次第
・将来、再び借金問題に陥る可能性がある
・裁判所への申立て記録が残る・裁判所への申立て記録が残る
・官報に永久に掲載される
・一定期間、クレジットカードやローンを利用できない
・一定期間、就業制限を受ける
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まとめ

罰金を払えない場合には、まず検察庁から督促状が送られてきます。これを無視すると、次に財産の差押えが行われ、最終的には労役場留置という非常に厳しい措置が取られる可能性があります。

労役場留置は、罰金を労働によって支払う制度であり、自由が制限されるため大きな影響を及ぼします。このような事態を避けるためには、早めに専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが重要です。

また、家族や知人に罰金を立て替えてもらう方法や、検察庁に分割払いを相談することも有効な対策です。さらに、罰金は債務整理では免除されない非免責債権ですが、ほかに借金がある場合は債務整理を検討することをおすすめします。

債務整理によって経済的な負担を軽減し、罰金の支払いに充てる資金を確保できます。罰金を払えない理由が借金問題のみなさんは、ぜひグリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。当司法書士法人では借金問題に関する個々のケースに応じた解決方法をご提案し、その実行をサポートできます。

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