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債務整理の手続を専門家に相談するとき、面談でどのようなことを尋ねられるのか不安を感じてしまうものでしょう。
不安が大きいほど、債務整理の相談で「面談」は必要なのか、面談なしで手続を依頼したいと考えてしまうものです。
ただ、債務整理を専門家に依頼する場合、面談は必ず必要になります。
そこで、債務整理の面談では専門家とどのようなことを話すのか、事前に準備をしておくべきことについて次の3つの章ごとに詳しく説明していきます。
- 債務整理の面談とは
- 債務整理の面談で聞かれること
- 債務整理の面談前に揃えておきたい5つの情報
これから専門家に債務整理の相談をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 債務整理の面談とは
債務整理の手続を「司法書士」や「弁護士」に依頼する場合、専門家は依頼者と「面談」することが必要とされていますが、中には「不要」とするケースもあります。
そこで、なぜ債務整理で面談が必要なのか、不要となるケースを次の2つ分けて詳しく説明していきます。
- 面談が必要である理由
- 面談を不要とするケース
1-1 面談が必要である理由
債務整理の手続を専門家に依頼する場合、面談は必要です。
これは債務者からの「事情」の聞き取りや、手続に関する「説明」を丁寧に行うことが必要であり、司法書士・弁護士ともに弁護士会・司法書士会の内規によって面談が義務付けられているからです。
借金の問題は、不利益を最低減に抑えつつ生活再建が可能になるように、最適な手続を慎重に選ぶことになります。
そのため債務者から事情を聴き取り、問題解決に向けてどの手続が最もよいか、丁寧に説明することも必要です。
しかしメールや電話のみで丁寧な事情の聞き取りや説明は難しいため、直接会って「面談」という形で対応することになるといえますが、遠方の場合などはオンラインによる対応を可能とするケースもあります。
1-2 面談を不要とするケース
債務整理の手続を専門家に依頼する場合でも、面談を「不要」とするのは、たとえば次の2つのケースです。
- 完済した借金の過払金返還請求の場合
- 完成している時効援用により借金の返済義務がないことを明らかにする場合
ただ、上記に該当する場合でも、ほとんどのケースで面談は実施されています。
その一方で、「任意整理」や「個人再生」、「自己破産」の手続においては資格者が直接債務者と会って面談することが必須となります。
2章 債務整理の面談で聞かれること
債務整理の面談ではどの手続が問題解決に適しているか「判断」するため、専門家からいろいろな「質問」をされます。
質問の「趣旨」は、
- 相談者の債務の全体像を把握するため
- ①による適切な方針決定を可能にするため
- 後の事件処理をスムーズにするため
であると言えます。
手元に書類がない場合や、正確に説明できない場合でも、正直にこたえることが何よりも大切と認識しておきましょう。
主に債務整理の面談で尋ねられることは次の4つです。
- 借金が増えた原因・経緯
- 家計の収支状況
- 債務整理経験の有無
- 現在の仕事・転職の予定など
それぞれの質問について説明します。
2-1 借金が増えた原因・経緯
債務整理の面談では、借金が増えた「原因」や「経緯」についての質問があります。
複数の借入先から借金をしている場合、なぜ1社ではなく複数社から借りることになったかなどその「理由」や経緯について質問されます。
なぜ債務整理が必要な事態に陥ったのかを整理することで、取るべき手段を適切に選ぶことができるようになります。
2-2 家計の収支状況
債務整理の面談では、どの「手続」を選ぶべきかなど「方針」を決めるため、家計の収支状況も質問されます。
「任意整理」や「個人再生」を選ぶ場合、整理後に返済が待っています。そのため、借金減額後も返済を続けることができるか確認できなければ、どの種類の債務整理が「最適」か判断できないからです。
毎月どのくらいの収入があり、毎月どのくらい生活費を支払っているか、不動産や自動車など価値の高い財産を所有しているかなども確認されます。
正確な数字がわからない場合でも、おおよその金額を伝えるようにしましょう。
2-3 債務整理経験の有無
債務整理の面談では、過去に債務整理経験があるか尋ねられます。
過去に債務整理をしている場合には、交渉が難航したり手続が「複雑」になったりなど、スムーズに借金問題解決に至らない可能性もあります。
専門家に依頼する場合、過去に手続していればその「内容」も把握した上で次の手続を行い、交渉などを進めることになるため、すべて伝えることが大切です。
2-4 現在の仕事・転職の予定など
債務整理の面談では、現在の「仕事」や「転職」の予定なども質問されます。
自営業者と会社員のどちらなのか、会社員であれば転職予定はあるのかなど、安定した「収入」が今後も見込めるかによって選択する債務整理の種類は変わってきます。
また、専門家に転職のことを伝えないまま債務整理の手続を進め、途中で仕事を辞めたり転職したりすると手続が進まなくなる可能性があります。
他にも結婚や離婚の予定など、家族の状況が変わる場合も事前に伝えておくようにしましょう。
3章 債務整理の面談前に揃えておきたい5つの情報
債務整理の面談では、専門家からいろいろな質問をされます。
そのためできるだけ「正確」に説明するためには、事前に次の5つの「情報」を揃えておくとスムーズです。
- 借入先の情報
- 借金の経緯
- 家計の収支
- 所有資産
- 加入している保険
面談の際に「書類」は必須ではありませんが、準備しておくとスムーズに手続を進めやすくなります。
3-1 借入先の情報
面談でできるだけ正確にどこからお金を借りたのか伝えるために、銀行や消費者金融、カード会社など「借入先」についてまとめておきましょう。
- 借入先
- 借入先ごとの残債
- 借入先ごとの取引期間(借入れ開始時期)
- 借入先ごとの返済状況(延滞の有無)
- 保証人ありの借入先
- 裁判所からの通知の有無
金融会社から「催促状」や「督促状」が届いているときや、裁判所からの「通知」が書面で届いているときには「持参」したほうがスムーズです。
他にも金融会社との「契約書」やキャッシング用の「カード」など、支払ったときの「明細」などもあれば、面談のとき持参するようにしてください。
3-2 借金の経緯
面談でできるだけ正確になぜ借金をすることになったのかその「原因」と、借金が増えた「経緯」について「時系列」でまとめておきましょう。
生活費不足、奨学金、住宅ローン、ギャンブル、養育費、投資失敗、事業・・・
人によって借入の原因は様々ですし、通常は一人に対して複数の原因があります。
どのように借金が増えたのか正確に伝えることが難しい場合でも、ある程度の経緯など隠さずに事実を伝えることが大切です。
3-3 家計の収支
面談では今後の債務整理の「方針」を決めるため、毎月の家計の「収支」状況を把握しておくことが必要になります。
そのため毎月の「収入」や「支払」について、おおまかな数字でも問題ないため、まとめておくとよいでしょう。
また、以下を面談の際に持参すると、より収支を把握しやすくなります。
- 家計簿
- 預金口座の通帳
- 給与明細(源泉徴収票)
- 水道光熱費や通信費などの請求書や領収書
3-4 所有資産の情報
面談では、債務整理の方針を決める上で、所有する「資産」の状況も把握することが必要になります。
「預貯金」だけでなく、「不動産」や「自動車」など価値の見込める資産を所有している場合には事前にまとめておき、登記簿謄本や車検証なども持参しておくとスムーズです。
また、不動産の任意売却を検討する場合などは、不動産査定書も持参したほうがよいでしょう。
3-5 加入している保険
現在加入している「生命保険」がある場合、解約することで「解約返戻金」を受け取ることができる保険か確認しておくことが必要になります。
解約返戻金のある「積み立て型」の保険に加入している場合、保険会社などに問い合わせてどのくらい払い戻されるか確認の上、面談で「保険証書」など持参するとよいでしょう。
まとめ
債務整理の手続を専門家に相談するとき、面談でどのようなことを尋ねられるのか心配になるものですが、面談は必ず必要になります。
プライベートな内容で話しにくいと感じることもあれば、怒られてしまうのではないかと不安になることもあるでしょう。
しかし専門家もプロである以上、債務者の立場になって親身に対応することを心掛けてします。
もしも政務整理を検討しているときや、手続を依頼したいけれど面談に不安を感じるという場合には、安心してグリーン司法書士法人グループへご相談ください。
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よくあるご質問
- 債務整理の面談とは?
- 債務整理の面談は、債務整理の手続を「司法書士」や「弁護士」に依頼する場合に行うものです。
専門家は債務整理を依頼されるときに依頼者と「面談」することが必要とされています。
債務整理の面談について詳しくはコチラ
- 債務整理の面談が不要なケースはある?
- 債務整理の面談が不要なケースは、主に下記の通りです。
・完済した借金の過払金返還請求の場合
・完成している時効援用により借金の返済義務がないことを明らかにする場合
債務整理の面談について詳しくはコチラ