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- 手取り20万円で借金300万円が返済可能かどうか
- 借金300万円を返済するのにかかる期間
- 借金300万円を返済するのに毎月払う金額
- 借金300万円を返済するコツ
最初は少ない額から始まった借金でも、知らずしらずのうち300万円以上に膨れ上がるケースはめずらしくありません。特に複数の借入先から借金していると残債が把握しづらいため、気づくと合計が300万円に達していたということもあります。
手取り月収が20万円の場合、ボーナスなしでの額面年収は約280万〜320万円です。つまり、借金300万円は手取り20万円の年収とほぼ同額になります。
この記事では、手取り20万で借金300万円の返済が可能かどうか、さまざまな角度から考察していきます。手取り20万円で借金の返済にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 手取り20万円で借金300万円は返済可能なの?
手取り収入とは、働いて得た賃金から社会保険や税金によって15〜25%引かれた後の、実際に受け取れる金額です。
手取り月収が20万円の場合、ボーナスがなければ年収は約300万円前後になります。
つまり手取り20万円の人にとって、借金300万円はほぼ年収と同額です。かなりの大金ですが、実際に手取り20万円の人は借金300万円の完済が可能なのでしょうか?
ここでは、実際に返済が可能かどうか具体的な例を挙げながら検証していきます。
1-1 手取り20万円が自力で返済できる借金額は?
貸金業法では、貸金業者が個人に貸せる金額は年収の3分の1までと定められています(総量規制)。これ以上貸付すると、返済が苦しくなり債権を回収できないリスクが高まるためです。
貸金業者でない銀行などは総量規制の範囲外ですが、住宅ローンなどの銀行融資の審査でも、申込者の債務合計が3分の1を超えるかはチェックされています。
その考え方でいえば、手取り20万円の場合、年収が約300万円とするとだいたい100万円前後が無理なく返済できる額だといえます。
借金300万円になるとその約3倍にもなるため、自力で完済するにはかなり難しいでしょう。
1-2 手取り20万円の人が借金返済へ充てられる目安の金額は?
現状の生活へ無理がないように返済し続けるなら、家賃や食費などの生活費を除いた予備費や貯金にまわす金額を充てるべきです。
具体的にどのぐらいの金額になるのか、例として東京でアパートを借りて一人暮らししている手取り20万円の男性の生活費を想定してみましょう。
食費:3万円
水道光熱費:1万円
通信費:1万円
交際費・娯楽費:2万円
日用品・衣類購入費:3万円
貯金・予備費: 4万円
この場合、毎月無理なく返済に当てられる金額は3〜4万円ほどだと考えられます。
ここで結論から言えば、借金300万円を月に4万円ずつボーナス加算なしで返済するとしたら、完済までに20年近くかかってしまうのです。はやく借金を減らしたいのであれば、生活費を切り詰めて返済金額を増やすしかありません。
もし、借金300万円が複数社からの借入れの場合、金利が高くなります。年利18%で借りている場合には、月の金利だけで4万5,000円になるため、完済自体が不可能になります。
半年前よりも借金が増えているという場合には、利息すら払えていない可能性が高いでしょう。
2章 毎月いくら返済する?借金300万円の返済額の目安
借金300万円は大金ながら、できれば1年でも早く返済を終えたいでしょう。利息は返済期間が長くなるほど高額になるので、早く返済が終わればそのぶん総支払額も安くなります。
1年から5年までと10年で借金300万円を返済する場合、金利を15%、ボーナス加算はなしとして毎月の返済金額を試算した結果が以下の表です。
返済期間 | 毎月の返済金額 |
---|---|
1年 | 27万774円 |
2年 | 14万5459円 |
3年 | 10万3995円 |
4年 | 8万3492円 |
5年 | 7万1369円 |
10年 | 4万8400円 |
参考:【らくらく】借入返済額シミュレーション/金融広報中央委員会
以下でそれぞれの詳しい内容を解説していきます。
2-1 1年で返済する場合
借金300万円を1年で返済する場合、毎月の返済額や利息は以下の表のとおりです。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 27万0774円 |
---|---|
総返済額 | 324万9288円 |
利息 | 24万9288円 |
1年で完済するには、月々の返済が27万円以上必要になります。手取り20万円の給料ではとても足りず、借金を1年で返済するのは現実的ではないといえるでしょう。
2-2 2年で返済する場合
それでは、さらに期間を伸ばして2年で300万円を返済すると考えてみましょう。毎月の返済額などは以下の表のとおりです。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 14万5459円 |
---|---|
総返済額 | 349万1016円 |
利息 | 49万1016円 |
2年で完済しようとすると、毎月約14万5000円ほどかかります。
手取り収入20万円の範囲内ではありますが、一人暮らしで生活している人は捻出できない金額です。ただし、収入がある家族と同居しているなら、2年で完済できる可能性はあります。
2-3 3年で返済する場合
3年で借金300万を返済する場合、毎月の返済額や利息は以下の表のとおりです。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 10万3995円 |
---|---|
総返済額 | 374万3820円 |
利息 | 74万3820円 |
毎月の返済額は約10万円。手取り20万円なら、一人暮らしでも生活を切り詰めれば3年で返済できるかもしれません。ただし、病気やケガなどの急なトラブルや出費があった場合には対応できないため、滞納して払えなくなるリスクも高くなります。
2-4 4年で返済する場合
さらに期間を延ばした4年で借金300万円を返済する場合、毎月の返済額や利息は以下の表のとおりになります。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 8万3492円 |
---|---|
総返済額 | 400万7616円 |
利息 | 100万7616円 |
返済期間が4年以上になれば、毎月の返済額は10万円以下です。約8万円の返済額で済むので、生活は苦しいものの支払えない金額ではないでしょう。しかし、生活費には余裕がないため、3年での返済と同じく滞納リスクは高めです。
返済期間が長期になると、利息は高額になります。返済期間が4年になると100万円を超える金額が利息になり、総支払額は400万円以上です。
2-5 5年で返済する場合
5年で返済する場合の毎月の返済額や利息は以下の表のとおりです。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 7万1369円 |
---|---|
総返済額 | 428万2140円 |
利息 | 128万2140円 |
毎月7万円返済すれば、5年で完済できます。
手取り20万円でやりくりするなら、交際費や衣服にかけるお金と予備費をすべて返済に充てれば7万円は捻出できるでしょう。
ただし、利息は約130万円に膨れ上がります。
2-6 10年で返済する場合
毎月7万円も返済に充てるのは、負担が大きいのでつらいという人もいるでしょう。仮に、返済期間を10年にするとどうなるかを試算した結果が以下の表です。
毎月返済額(ボーナス月加算なし) | 4万8400円 |
---|---|
総返済額 | 580万8000円 |
利息 | 280万8000円 |
10年で返済する場合の毎月返済額は約5万円で、生活に余裕はないものの負担できる金額です。ただし利息は約280万円となり、借金300万円を支払うためにほぼ2倍の利息を支払うことになります。
3章 いつまで返済し続ける?借金300万円の返済期間の目安
手取りが20万円の場合、生活に負担をかけすぎずに返済に充てられるのは4〜5万円です。毎月4万円返済するとしたら、完済するまでに何年払い続けなければいけないのでしょうか。
金利を15%とし、ボーナス加算はなしとして毎月の返済金額から返済期間を試算した結果が以下の表です。
毎月返済額 | 返済期間(回数) |
---|---|
4万円 | 18年8ヶ月(224回) |
6万円 | 6年7ヶ月(79回) |
8万円 | 4年3ヶ月(51回) |
10万円 | 3年2ヶ月(38回) |
詳しい内容について、解説していきます。
3-1 月4万円返済し続けた場合
手取り20万円の人にとって負担が少ない4万円で借金300万円を返済するとすると、完済するまでに18年8ヶ月かかります。また、利息や返済総額については以下の表のとおりです。
返済期間 | 18年8ヶ月 |
---|---|
年間返済額 | 48万円 |
利息 | 592万7053円 |
返済総額 | 892万7053円 |
完済までに20年近くかかってしまうため、利息だけで元の借金の倍になってしまいます。借金300万円を完済するためには、毎月4万円以上は返済に充てるべきでしょう。
3-2 月6万円返済し続けた場合
借金300万円を毎月6万円で返済し続けると、6年7ヶ月で完済できます。
返済期間 | 6年7ヶ月 |
---|---|
年間返済額 | 72万円 |
利息 | 173万7295円 |
返済総額 | 473万7295円 |
利息は170万円超と高くなりますが、手取り20万円なら月6万円は節約し、生活を工夫しながらなら支払えない金額ではないでしょう。
3-3 月8万円返済し続けた場合
4万円の倍である月8万円で毎月返済すると、返済期間は4年3ヶ月になります。
返済期間 | 4年3ヶ月 |
---|---|
年間返済額 | 96万円 |
利息 | 107万3398円 |
返済総額 | 407万3398円 |
かなり返済期間は短くなりますが、毎月8万円を返済に充てるとすると、一人暮らしの場合は生活がかなり苦しくなるでしょう。
3-4 月10万円返済し続けた場合
月10万円で返済し続けた場合、3年2ヶ月で完済できます。
返済期間 | 3年2ヶ月 |
---|---|
年間返済額 | 120万円 |
利息 | 78万3534円 |
返済総額 | 378万3534円 |
利息も100万円以内に納まり、完済までの期間も短くなりますが、手取り20万円の半額になる10万円を3年間も毎月払い続けるのは困難です。生活する上での収支を見直すだけでなく、収入を増やすことも検討しなければ達成できないでしょう。
ここまで借金返済額や返済期間を一部紹介しましたが、ご自分で他の条件についても計算したい方は、こちらのシミュレーションをご利用ください。
参考:バーチャル債務整理
4章 借金300万円を返済するコツ
前章までの試算から、手取り20万円で借金300万円を返済するのは、普通に今までの生活を維持しているだけではかなり難しいといえます。
ここでは、借金300万円を完済するためにできることやコツについて詳しく解説します。
4-1 生活費を見直す
借金の大小に関わらず、まず見直すべきは生活費です。
毎月、何にどのぐらいお金がかかっているのか、購入時のレシートやクレジットカードの明細を見て把握しましょう。
交際費や服飾代をはじめ、光熱費や食費などの無駄を減らして節約することで、返済費用を確保できます。
また、住んでいるところの家賃が高い場合は、安い物件へ引っ越しを検討してみましょう。浮いた家賃分を返済に充てれば無理なく返済額を増やせます。
4-2 副業・アルバイトして収入を増やす
借金300万円をできるだけ早い期間で完済するには、毎月6万円以上返済するのが望ましいものの、手取り20万円では生活に余裕が持てないという人も多いでしょう。
生活費を今以上に節約できないなら、副業やアルバイトなどを兼業して収入を増やすことも考えてみましょう。
最近はインターネットでの副業や、空いている時間に入れるアルバイト求人が増えています。自分にできそうなことをコツコツと取り組みながら、借金の返済に充てていくことをおすすめします。
ただし、早く完済したいからといっても、怪しい高額バイトに手を出すのは避けましょう。
「楽して簡単にお金を稼げる」といった謳い文句は、詐欺に多い文言です。借金を逆に増やしてしまうことになったり、犯罪に巻き込まれる恐れもあったりするため、副業やバイトを探す場合は慎重に選びましょう。
4-3 おまとめローンを申し込む
複数の会社から借入れしているのなら、おまとめローンで借金を一本化するのが効果的です。
おまとめローンとは、複数社からの借入れを1社にまとめられるローンです。
借入先を一本化すると、借入元金が高くなるので金利が下がる可能性があるほか、ばらばらだった返済日や返済額が一本化するので返済計画が立てやすくなります。
ただし、おまとめローン利用時には審査が必要であり、すでに滞納している人の場合は利用できないので注意が必要です。
おまとめローンの審査に関して詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
4-4 新たな借金を増やさない
借金300万円は高額です。完済するためには、当然ながら新たに借金を増やさないように気をつけましょう。
何気なく利用しているクレジットカードや後払いサービスも借金の一つです。借金返済中はできるだけ利用を控え、どれだけ使ったかわからなくなるような利用の仕方はしないようにしましょう。
また、どうしても返済が間に合わないからといって、他の消費者金融やキャッシングから借りたお金を返済に充てるのはいけません。そのときはよくても、その借入に利息がつき、さらに借金が膨らむ結果になってしまいます。
4-5 債務整理を相談する
どうしても借金300万円を返済する余裕がなければ、司法書士などの専門家に債務整理を相談するのをおすすめします。債務整理とは、債権者との話し合いや法的手続きによって借金を解決する方法で、以下の3つがあります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれの内容を詳しく解説します。
4-5-1 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで利息を減らしてもらい、返済額を少なくする手続きです。債務整理の中ではもっとも手軽でリスクが少ない方法ですが、収入が少なかったり安定しなかったりする場合は、債権者に応じてもらえないこともあります。
借入先が複数の場合は、任意整理する相手を選べるので金利が高い会社に絞っての交渉も可能です。
任意整理についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
4-5-2 個人再生
個人再生は、裁判所への手続きを通し、今回のケースでは借金を100万円程度に減額して、原則3年で返済する計画を立てる方法です。借金が帳消しになるわけではありませんが、借金の原因を問わず大幅に減額できるのがメリットです。
裁判所の認可が必要になるため、手間と時間がかかります。もし個人再生を検討する場合は、専門家に相談して進めましょう。
個人再生について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
4-5-3 自己破産
今ある借金をすべてゼロにする唯一の方法が自己破産です。借金がなくなるため、生活を一から新しく立て直していけるのが最大のメリットになります。
ただし、最低限の財産以外は没収されて債権者への配当に充てられるため、持ち家や車、貯金などを失うかもしれません。また、もしも連帯保証人がついた借入れをしている場合は、支払い義務が連帯保証人へ移行します。
職業の有無や収入に関わらず、裁判所から借金を支払う能力がないと認められれば自己破産は可能です。
自己破産についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
5章 借金300万円の返済が難しい方はグリーン司法書士法人へ債務整理をご相談ください
手取り20万円で生活に無理なく借金返済に充てられる金額の目安は4〜5万円ですが、月4万円返済し続けたとすれば、完済までに20年近くかかります。
一方、3〜4年程度で完済したければ、毎月7〜8万円は返済し続ける必要があるでしょう。
このように、手取り20万円の人にとって借金300万円は借りすぎと言っても過言ではありません。もしも今、借金を300万円抱えていて返済に悩んでいるのなら、一刻も早く債務整理するのをおすすめします。
グリーン司法書士法人では、債務整理の経験豊富なスタッフが親身に対応いたします。支払いに関しても分割払いをご用意しておりますのでご安心ください。返済を続けても完済までの見通しが立たずに苦しんでおられる方は、グリーン司法書士法人までご相談をお待ちしています。
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