この記事は約 12 分で読めます。
- 税金を滞納すると差押えが行われるのかがわかる
- 税金が支払えないときの対処法がわかる
- 税金の分割払いができないケースがわかる
国民の義務である納税ですが、近年の値上げラッシュや不況の影響もあって「税金を払うと生活できなくなるので払えない…」という方は増加傾向にあります。
税金が払えない状況に陥ってしまった場合、まずは支払いが難しいことを報告し、分割払いの相談をしましょう。
このまま支払えない状態が続くと、給料や銀行口座などの財産を差し押さえられてしまう可能性があるため、すぐに相談することをおすすめします。
この記事では、税金が払えない場合の対処法を解説いたします。
税金が払えずに困っている方は、ぜひご参考にしてください。
目次 ▼
1章 税金を滞納したままにすると差押えに!
結論から言うと、税金を滞納したまま放置をすると差押えに発展してしまうので注意が必要です。
重要なポイントとして、税金を「払えない」のではなく「放置をすること」が差押えの原因になることを覚えておきましょう。
払えないからと言って、払わないままそのまま放置をすると状況はどんどん深刻化してしまいます。
この章では、差押えまでにどのようなことが起こるのかを解説いたします。
1-1 延滞金が発生する
納税には支払い期限が設定されているので、まずはこの期限を過ぎてしまうと延滞金が発生してしまいます。
延滞税は、払うべき税額×延滞日数×延滞税の割合÷365日=延滞金額で算出されます。
つまり、延滞日数が増えれば増えるほど税金が高くなるので注意しましょう。このまま払えない状態が続くと日数がどんどん増えていくので延滞金が膨れ上がってしまいます。
また、延滞税の割合は令和3年1月1日以後の期間と平成26年1月1日から令和2年12月31日までの期間で異なるため滞納を続けている方は国税庁のホームページを確認しましょう。
1-2 督促状や催告状が届く
延滞金が発生すると同時に、督促状や催告状が届きます。
督促状は、簡単に言うと支払いをするように記載された書面のことで、払っていない税金の金額や未納になっている月が記されています。
この督促状には、支払い期限が記載されているので、この期限までに支払わないと催告状が送られる可能性が高くなります。
催告状は、督促状よりも緊急性が高い書面になっており、この催告状も無視し続けると差押えに発展して財産を差し押さえられるため注意しましょう。
もし支払えない場合は、期限までに必ず連絡をして「払えない」ことを正直に伝えることが大切です。
1-3 差押えになる
督促状や催告状が届いても支払いができないは、いよいよ差押えになります。
差押えは、預金通帳や給料、そのほか換金できそうな財産などが差し押さえられるのが一般的です。
また、税金の差押えの手続きは税務署や保険料徴収事務所などの公的機関が行うため、自分たちで差押えの手続きが取れるので注意が必要です。
消費者金融やクレジットカードでの差押えは、裁判所を通してから差押えをするため、借金よりも早く差し押えまで進めることができます。
そのため、想像よりも早く差押えになる可能性もあるのを覚えておきましょう。
2章 税金が支払えない場合はすぐに分割払いの相談をしよう!
住民税が払えない場合は、市区町村に問い合わせや相談をしましょう。 税務課に相談すれば猶予制度や補助制度を紹介してもらえることもありますし、分割払いについて相談に応じてくれる可能性もあるからです。
住民税の分割払いについて詳しく解説していきます。
2-1 一括の支払いが困難な場合は分割払いが可能
税金の支払いは、毎月数万円単位のため経済状況によって支払えないケースも少なくないでしょう。
もし、経済状況が回復するまで少しずつ払っていきたいという場合は分割払いの相談をしましょう。
自動車税や、個人事業主の所得税などは毎月引き落とされるものではないため、分割払いに応じてくれるケースもあります。
実際に、所得税は確定申告の際に分割払いを選択できるため、期限内に支払いが難しいと思ったら最初から分割払いを選択するのも良いでしょう。
ただし、自動的に分割払いに応じてくれるわけではないので、各自治体に必ず相談しなければなりません。択できるため、期限内に支払いが難しいと思ったら最初から分割払いを選択するのも良いでしょう。
2-2 経済状況によっては猶予制度の利用も視野に
もし、経済状況の回復の目処が立たず、分割でも支払いが難しい場合は猶予制度の利用も視野に入れるのも方法の一つです。
現状収入がなかったり、病気や事故などで働けない状態であれば納税の期限を延長したり、免除の手続きの相談を行いましょう。
ただし、納税は国民の義務であり、原則は決められた期限に支払わなければいけません。理由によっては断られる場合もあるので、申請が通るように診断書や離職票などの書類を揃えておくようにしましょう。
3章 税金の分割払いを断られるケース
早め早めの申請をして支払いをする意思を見せれば、分割払いを断られることはあまりないでしょう。
しかし、中には税金の分割払いを断られてしまうケースもあります。
共通して言えるのは、本来決められた金額の税金を支払う意思がないとみなされる行為や言動が見られる場合です。
この章では、税金の分割払いを断られる具体的なケースについて見ていきましょう。
3-1 虚偽の申告をした
税金の分割払いを断られるかもしれないからと、嘘の理由をついて分割払いの交渉をしたケースです。
例えば、ギャンブルや浪費でお金を使い込んでしまい税金が払えなくなったにもかかわらず、病気や給料がないなどの理由をつけて報告をするなどが挙げられます。
嘘がバレた場合、騙して税金を払わなかったと見なされて断られる可能性が高いです。だまして猶予を受けているので、厳密にいえば詐欺罪にあたるので、絶対にやめましょう。
もし、自分自身が原因で支払いができなくなった場合でも、正直に相談するのをおすすめします。
3-2 支払い金額が少ない
1回ごとの支払い金額が少ない場合も断られる可能性があります。
「この金額以上払わないと分割を断る」というような細かい金額の定義はありませんが、所得税の場合は2分の1以上を納付期限に納めれば残りは別の期日までの支払いが可能になります。
決して、無理のない金額に分割して少しずつ支払いができるというわけではないので注意しましょう。
それでも、提案された分割支払いで払えないのであれば、分割払いではなく猶予制度を利用するのが良いでしょう。
3-3 分割払いが12回を超える
住民税や自動車税などは、分割払いに対応していますが基本的には1年で払い切る必要があります。
住民税の場合、毎年支払いが発生するため12回以上の支払いにすると、来年の支払いとかぶってしまうため12回を超える分割払いは行っていません。
また、自動車税の場合も猶予できる期間は原則として1年以内と決められています。現状が払えない場合でも1年以内に払い切るように計画を立てましょう。
3-4 支払う意思がない
そもそも全額支払う気がなく、分割払いで少しずつ支払って時間を稼ごうとする意思が見える場合は、当然ですが断られる可能性が高いでしょう。
分割払いは、税金が払えないときに有効的な手段ですが、分割している間の他の月に支払うべき税金の存在を忘れてはいけません。
払っていない部分の税金がどんどん後ろ倒しになっていくため、結局はどこかで多めに支払わなくてはいけなくなります。
税金の支払いは絶対に逃れられません。時間稼ぎをしても無駄だと言うことを覚えておきましょう。
4章 借金が原因で税金が払えない場合は債務整理を検討しよう
もし、借金の支払いに追われていて税金が払えない場合は債務整理を検討しましょう。
債務整理は、大きく分けて「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類があり、それぞれ特徴も異なります。
債務整理の種類 | 特徴 |
---|---|
任意整理 | ・利息や遅延損害金など借金の元金以外を減額できる ・周りにバレたくない借金がある方におすすめ |
個人再生 | ・借金の元金を大幅に減額できる ・ギャンブルや浪費が原因の借金におすすめ |
自己破産 | ・借金の返済義務がなくなり全額免除される ・返済の見込みがなく支払い能力がない方におすすめ |
通常の借金も、放置を続けると一括請求や差押えに発展してしまいます。そのため、なるべく早めに借金問題を解決するようにしましょう。
各債務整理のメリット・デメリットについては、以下の記事をご参考にしてください。
4-1 債務整理をしても税金は支払う必要があるので注意
債務整理は、借金苦を敬遠できる制度ではありますが税金は債務整理の対象にならないので注意が必要です。
例え、支払い能力がなく自己破産を選んだとしても税金は支払わなくてはいけません。
しかし、自己破産の許可が降りるほどの経済事情であれば、税金の分割払いや猶予制度を利用できる可能性は大いにあるので早めに相談するのをおすすめします。
また、例外として生活保護受給が開始されてから3年が経過すると、滞納分の支払い義務が免除されます。
自己破産後に生活保護の手続きを受ける予定であれば、こちらも覚えておきましょう。
ただし、3年以内に生活を立て直すことができて、生活保護受給がストップした場合は再度税金の支払い義務が発生するので、最初は分割払いにしてもらうなどで交渉も視野に入れましょう。
5章 未払いの税金を残したまま死亡した場合は相続される
もし、税金の滞納中に死亡してしまった場合は、相続権のある相手に未払いの税金も相続されてしまいます。
自分が亡くなった場合は、自分の配偶者は常に相続人となります。配偶者以外の人は、以下の順で配偶者と一緒に相続権があるのでご確認ください。
- 子ども
- 親
- 兄弟姉妹
最近では、子どもを持たない夫婦や一人っ子や独身など生活形式も多様化しており、特に相続相手がいないと言う方はあらかじめ遺言書の作成をしておくのをおすすめします。
また、親や配偶者が税金を滞納していた場合は相続放棄をすることで税金の支払い義務がなくなります。
金額が大きい場合は差押えなどの措置を取られているケースが多いですが、もし払うのが厳しい額だった場合は視野に入れましょう。
6章 税金が払えないなら分割の相談をしよう!
この記事では、税金が払えない場合の対処法と分割払いについて解説いたしました。
税金は、ほとんどの場合必ず支払わなければいけないお金になるため、債務整理では免除してもらうことができません。
そのため、もし払えない状況に陥ったときは自ら分割払いや猶予制度の相談を行うようにしましょう。
税金が払えないからといってそのままにしておくと、差押えとなり必要なお金を失うことになりかねません。生活費が差し押さえられて借金を行うのでは、状況は悪化する一方です。
払えないと分かった時点で早めに分割払いを検討して、できるだけ早く経済状況を回復できるように努めましょう。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
借金返済の無料相談ならグリーンへ
お気軽にお問い合わせください!
よくあるご質問
- 住民税を滞納すると差し押さえられますか?
- 督促状や催告状が届いても支払いができないは、いよいよ差押えになります。
差押えは、預金通帳や給料、そのほか換金できそうな財産などが差し押さえられるのが一般的です。
住民税の差押えについて詳しくはコチラ
- 住民税は分割払いできますか?
- 税金の支払いは、毎月数万円単位のため経済状況によって支払えないケースも少なくないでしょう。
もし、経済状況が回復するまで少しずつ払っていきたいという場合は分割払いの相談をしましょう。
ただし、滞納状況によっては分割払いを断られる恐れがあります。
住民税の滞納について詳しくはコチラ