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市民税などの住民税を支払えず滞納が続いてしまうと、督促状が届きます。
そして督促状を無視し続けると、最終的には給料や銀行口座を差し押さえられてしまう恐れがあります。
さらに、支払い期限を過ぎてしまうと延滞税がかかって余計に納税額が増えてしまうため、住民税は必ず期限までに支払いましょう。
万が一、家計が厳しく期限までの支払いが難しい場合は放置せず、役所に相談するのがおすすめです。
そこで、住民税を滞納するとどうなるのか、そのリスクと納付できないときの対処法について次の5つの章に分けて詳しく解説していきます。
- 住民税滞納が起きやすい理由
- 住民税を滞納するリスク
- 住民税を滞納したときの対処法
- 滞納し続けた住民税の時効期間
- 住民税の滞納で借金の支払いが厳しいときの対処法
目次 ▼
1章 住民税滞納が起きやすい理由
「住民税」とは、都道府県や市区町村などの自治体が住民に対し提供する行政サービスに充てる費用として徴収する税金です。
住民税の「滞納」が起きやすいのは、納付方法に「普通徴収」と「特別徴収」の2種類があるからです。
2つの納付方法には、次のような違いがあります。
普通徴収 | 役所から届く納付書や口座振替で個人が住民税を個別に納める方法 |
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特別徴収 | 勤務先が従業員に支払う給与から住民税を天引きしてまとめて納める方法 |
会社員の場合、特別徴収で毎月の給与から住民税が徴収されるため、個人に変わって会社が預かった税金を納めます。
それに対し特別徴収に対応していない勤務先で働く方や自営業者などは、納付書や口座振替により各自で住民税を納めなければなりません。
普通徴収では、毎年1回、役所が発送する「納税通知書」により税額が通知されることとなりますが、支払い方は「一括」と「分割」の2種類です。
一括納付で1年分をまとめて納付すれば滞納することはありませんが、分割納付では6月・8月・10月・1月の「年4回」支払います。
そのため「納め忘れ」が発生する場合や、税負担の重さから支払いできないという事態が起きてしまうと、滞納が起きやすくなってしまいます。
グリーン司法書士法人では、これまで住民税の滞納を含む10,000件以上の借金に関するご相談を承ってまいりました。 その実績をもとに住民税が支払えず滞納してしまってお困りの方に、ご状況をお伺いしながら債務整理などを含めてどう対応するのがよいのか? 最適な解決方法をアドバイスいたします。 まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
2章 住民税を滞納する3つのリスク
住民税を払わなかったら、最終的には銀行口座や不動産などの財産を差し押さえられてしまう恐れがあります。 住民税を払わず放置するリスクは、主に下記の通りです。
- 延滞税が発生する
- 督促状が届き家族にバレる
- 財産が強制的に差し押さえられる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1 延滞税が発生する
住民税を滞納するリスクとして、納め終わるまで「延滞税」が発生することが挙げられます。
滞納し続ければし続けるほど、延滞税が「加算」されるため納税負担は大きくなるでしょう。
なお、延滞税は以下の計算式で算出されます。
上記計算式の「延滞利率」は、納期限翌日からどのくらい滞納しているかによって次のように異なります。
滞納期間が納期限翌日から2か月経過する日までの場合 | 年7.3%または「延滞税特例基準割合(2.4%)+1%」のうち低い割合 |
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滞納期間が納期限翌日から2か月を経過する日の翌日以後の場合 | 年14.6%または「延滞税特例基準割合(8.7%)+7.3%」のうち低い割合 |
2-2 督促状が届き家族にバレる
住民税を滞納すると役所から「督促状」が届き、さらに納税しなければ「催告書」が届きます。
督促状や催告書は納税を促すための文書であり、法的な強制力はないものの、自宅に届くため家族に住民税滞納がバレてしまう可能性はあります。
税金なので、仮にバレたとしても通常の借金より精神的なダメージは小さいかもしれませんが、やはり気分の良いものではありません。
2-3 財産が強制的に差し押さえられる
督促状発行から10日経過しても住民税を滞納したまま解消されなければ、自治体は滞納者の財産を「差押さえる」ことができるため、所有する財産を強制的に差押さえされる可能性があります。
自治体が差押さえする場合には裁判手続を必要としないため、督促状を無視し続ければ突然、「給与」など差押さえされる可能性があると考えられます。
差押さえにより、会社員と自営業者、それぞれ次のようなリスクが発生します。
- 会社員は会社にバレる
- 自営業者は資金繰りが悪化する
それぞれの立場ごとのリスクを説明します。
グリーン司法書士法人では、これまで住民税の滞納を含む10,000件以上の借金に関するご相談を承ってまいりました。 その実績をもとに住民税が支払えず滞納してしまってお困りの方に、ご状況をお伺いしながら債務整理などを含めてどう対応するのがよいのか? 最適な解決方法をアドバイスいたします。 住民税の滞納により財産が差し押さえられたり、会社や家族にバレてしまう前に、まずは無料相談からお気軽にお問い合わせください。
会社員は会社にバレる
会社員の場合、住民税の滞納により給与が差押さえの対象になれば、行政から勤務先である会社に差押さえる旨の「通知」が届きます。
そのため会社に住民税滞納の事実を知られてしまい、信用を失うリスクがあるといえます。
自営業者は資金繰りが悪化する
自営業者の場合、住民税滞納で預金口座が差押さえの対象になると、銀行から「融資」を受けることが厳しくなるため「資金繰り」が悪化するリスクが高まります。
金銭以外も差押さえの対象となり、たとえば「事業資産」がその対象となれば、事業を続けることも難しくなるでしょう。
3章 住民税を滞納したときの対処法
住民税を滞納してしまった場合、いっそのこと「債務整理」で解決しようと考える方もいるようですが、いずれの手続でも住民税の支払いは免除されません。
そのため住民税を滞納してしまい、自治体から督促状や催告書が届いたときには、次の5つの行動を早急にとることが必要です。
- 役所に相談する
- 納税を猶予してもらう
- 換価を猶予してもらう
- 住民税を減免してもらう
- 新型コロナ対策の猶予制度を利用する
それぞれ解説していきます。
3-1 役所に相談する
住民税を滞納していて納付が厳しい状態のときには、まずは役所の住民税担当部署に「相談」することが必要です。
何の連絡もせず支払いもなければ、そもそも支払う意思さえないと判断されてしまうため、強制的に差押えなど手段に踏み切る可能性が高いといえるでしょう。
しかし支払いの意思がある場合には、今後の納税方法や計画などについて相談に応じてもらえます。
督促状が届いたときには、受け取ってから10日以内に必ず連絡するようにしてください。
3-2 納税を猶予してもらう
住民税を減免してもらうことは難しいですが、「分割」による納付に応じてもらえることや、延納など「猶予」してもらえる場合はあります。
自治体ごとに細かく要件が規定されているため必ず対応してもらえるわけではありませんが、納税困難な状況であれば1年程度の納税猶予に対応してもらえることもあるようです。
納税の意思があること伝えることがまずは必要ですが、次の「事態」が起きたときに納税猶予が認められることが多いといえるでしょう。
- 災害や盗難などの被害
- 本人や家族の病気やケガ
- 廃業または休業
- 事業上の著しい損失発生
3-3 換価の猶予をしてもらう
住民税を滞納しているけれど支払いが厳しいときには、「換価の猶予」をしてもらう方法もあります。
「換価の猶予」とは、税金を納めると生活維持が困難という場合において、滞納している税金を分割返済する計画をたてて納める制度です。
既に差押さえされた財産についても、申請に基づいて差押さえが「解除」されることや処分を待ってもらえる場合があります。
猶予期間中の延滞税についても全部または一部が免除されるため、まずは相談が必要です。
3-4 住民税を減免してもらう
住民税は、一定要件を満たす場合であれば、「減免」してもらうこともできます。
自治体の規定で異なる部分もありますが、一般的には以下の状況であれば要件を満たすとされる可能性が高いといえます。
- 災害などで大きな損害を受けた
- 生活保護を受給中
- 解雇や廃業などで失業した
- 勤労学生である
- 障がい者認定を受けている
単に借金返済で苦しく、納税に充てるお金が足りないといった理由で、住民税を免除してもらうことはできませんので注意してください。
3-5 新型コロナ対策の猶予制度を利用する
新型コロナウイルス感染症で経済的に厳しい状態に追い込まれてしまったケースも少なくありませんが、状況によっては納税を猶予してもらえることもあります。
猶予された住民税は、原則、猶予期間内の各月に分割し納付することが必要です。
制度の詳細は自治体によって異なることもあるため、住まいの市区町村の役所まで問い合わせてみるとよいでしょう。
4章 滞納し続けた住民税の時効期間
住民税を滞納し続けた場合、
「いずれは時効により納税義務を免れることも可能ではないか?」
と考える方もいることでしょう。
確かに、住民税は納期限の翌日から起算して5年が消滅時効期間とされています。
しかし税金を納めていない状態のまま放置されることはなく、役所から督促や催告書が届き、財産調査や差押さえなどで強制的に回収されます。
差押えできる財産を持っていなかった場合でも、役所から督促が届いたり財産調査されたりすれば、消滅時効は「中断」されるため時効の完成はまずないと考えておくべきです。
ここで注意すべきなのは通常の借金と異なり、税金滞納の場合は裁判所を通さずいきなり税務署の差押えがやってくることです。
時効によって納税義務を免れることを考えず、別の方法で問題を解決することを検討しましょう。
グリーン司法書士法人では、これまで住民税の滞納を含む10,000件以上の借金に関するご相談を承ってまいりました。 住民税の滞納の時効の完成は基本的にはないため、放置してしまうとどんどん延滞税が膨らんでしまいます。 早めにご相談いただければ対処方法の選択肢も多い為、お早めにグリーン司法書士法人へご相談下さい。
5章 住民税の滞納で借金の支払いが厳しいときの対処法
住民税を滞納してしまった方の中には、収入を借金返済などに充てなければならず、納税に充てる余裕がないという方もいることでしょう。
時効の成立を狙っても、役所は必ず時効を中断させる措置を取ってくるため、納税義務から逃げることはできません。
しかしこのような場合でも、「債務整理」で住民税以外の借金を整理すれば、滞納していた住民税も納めることができます。
一般的に利用されている債務整理には次の3つの手続があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれ簡単に説明していきます。
5-1 任意整理
「任意整理」とは、債権者との間で借金の内容を見直し、今後の返済負担を軽減してもらうための手続です。
将来利息をカットした残りを3年の分割で返済することになりますが、裁判所を介さずに手続できるため、誰にも知られず財産も失わず手続できます。
5-2 個人再生
「個人再生」とは、裁判所に再生計画を認めてもらうことで、借金を5分の1程度などまで大幅に減額してもらうための手続です。
減額された借金は原則3年で返済することになりますが、住宅ローン返済中の家を処分することなく、他の借金を減額できることが大きなメリットといえます。
5-3 自己破産
「自己破産」は、借金返済の見込みがないことを裁判所に認めてもらうことで、借金返済義務を免除してもらう手続です。
借金をリセットすることができるため、借金に追われる日々から解放されることがメリットといえます。
まとめ
住民税を滞納しても、相手は自治体なので金融会社のように厳しく取り立てされないと甘く考えるのは大変危険です。
金融会社からの厳しい取り立てに耐えられず、税金は後回しにして借金返済を優先してしまう方も少なくないでしょうが、税金は減免困難であるのに対し借金の減免は債務整理で対応できます。
ただし抱えている借金や収入、所有する財産や職業など、どの債務整理が適しているかは人それぞれです。
借金の返済負担を軽減させ、滞納した税金を早く納めるためにも、まずはグリーン司法書士法人グループへ気軽にご相談ください。
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よくあるご質問
- 住民税の滞納は会社にばれる?
- 住民税滞納の結果、給料が差し押さえられると滞納の事実が会社にバレる恐れがあります。
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- 住民税を滞納するとどうなる?
- 住民税を滞納すると下記のリスクがあります。
・延滞税が発生する
・督促状が届き家族にバレる
・財産が強制的に差し押さえられる
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