年金暮らしで固定資産税が支払えないとどうなる?対処法は?

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
年金暮らしで固定資産税が支払えないとどうなる?対処法は?

この記事は約 12 分で読めます。

悩む初老の男性
悩む初老の男性
現在、年金ぐらしをしているのですが、受給額では生活するのがいっぱいいっぱい。貯金を切り崩して生活していたけど、もう底を尽きて、今度の固定資産税を払うお金がありません・・・。年金ぐらしでも固定資産税は払わなければいけないのでしょうか?
司法書士
司法書士
残念ながら、年金ぐらしの方でも固定資産税の支払い義務を免れることはできません。まずは自治体に相談してみましょう。12回払いや支払いの猶予など救済措置が認められる可能性がありますよ。
悩む初老の男性
悩む初老の男性
それについては調べてみたのですが…。12回払でも支払いは厳しそうです。他の救済措置も要件を満たしていないようで。どうしたらよいでしょうか?
司法書士
司法書士
もし、どうしても支払いが難しいようであれば不動産を手放すことも考えなければいけません。支払わずに放置してしまうと、財産を差押えられるリスクがあります。
また、固定資産税以外にも借金があるようであれば、債務整理を検討しましょう。

収入が年金のみの場合、生活するのがやっとというケースは少なくありません。

不動産を所有している人には、毎年固定資産税の支払い義務がありますが、年に1回とはいえ高額なことも多く、年金だけでは支払いができないということもあるでしょう。

年金ぐらしであっても、固定資産税の支払い義務はなくなりません。もし、滞納を続けてしまうと延滞税を加算されたり、最悪の場合財産を差押えられたりするリスクがあります。

固定資産税が支払えない場合には、まず自治体に相談してみましょう。もし、相談しても解消できない場合に不動産を手放すことも検討しなければいけません。

この記事では、年金ぐらしで固定資産税が支払えないとどうなるのか、支払えないときの対処法などについて解説します。

1章 年金ぐらしで固定資産税が払えないと生じるリスク

年金ぐらしであっても、固定資産税の支払い義務は平等にあります。そのため、支払えない時のリスクも同様です。

具体的には以下のようなリスクがあります。

  • 延滞金がかかる
  • 財産が差押えられる

それぞれ、詳しく解説します。

1−1 延滞金がかかる

固定資産税を滞納すると、延滞金が発生します。固定資産税の延滞金は高く、東京都では年利9%が加算されます。

9%と聞くとそれほど高く感じないかもしれませんが、1年毎に元金の約1割が上乗せされることになりますので、滞納を続ければ高額になるでしょう。

1−2 財産が差し押さえられる

固定資産税の納付を怠り、自治体からの督促を無視していると、最終的には財産を差押えられる可能性があります。

自治体は裁判所を通さず差押えを行うことができるため、躊躇がありません。貸金業者や銀行より迅速に差押えに動く可能性があります。

なお、国民年金・厚生年金の差押えは法律上禁止されているため、差押え時点で受け取り予定の年金は差押えられません。給料のように、振込前に差押えられるということはありませんのでご安心ください。

ただし、すでに受け取った年金は預貯金として差押えの対象になるため注意しましょう。

2章 年金ぐらしで固定資産税が払えない時の対処法

いくら年金ぐらしで生活がギリギリだとしても、放置していては固定資産税の支払い義務は免除されません。

まずは、家族と相談してみてください。もし、それでも年金から固定資産税が払えない場合には以下のような対処をしましょう。

  • 自治体に相談する
  • 救済措置を利用する
  • リースバックを利用する
  • 不動産を手放す

それぞれ、詳しく解説します。

2−1 自治体に相談する

まずは、管轄している自治体の税務課や相談窓口に相談してみましょう。

問い合わせ先は、固定資産税の納付書や督促状に記載されていますのでそこに連絡すれば問題ありません。

相談窓口に相談すれば、今後どのように対処するべきか判断してもらえます。

また、滞納するとしても督促状を無視するより「一度でも自治体に相談した」という事実があるかどうかでも、自治体からの印象は大きく異なります。

払えないと思ったら、早急に自治体に相談するようにしましょう。

2−2 救済措置を利用する

固定資産税について、納付が困難な人に向けて救済措置が設けられています。

適用される要件はありますが、自治体に相談することで救済措置が認められる可能性があります。

救済措置には

  • 分納
  • 徴収猶予
  • 減免
  • 換価の猶予
  • 滞納処分の停止

の5つがあります。

2−2−1    分納

固定資産税は原則一括または4期に分けて納付しますが、それが難しい場合には分納として12回払いに変更することが可能です。

ただし、分納が認められた後に万が一滞納してしまうと財産が差押えられる可能性が高いですので注意が必要です。

2−2−2    徴収猶予

病気や災害、事業の休廃業など、一時的に固定資産税が支払えない事情がある場合には一時的に納付を猶予してもらえる可能性があります。

とはいえ、これは前述した事象によって収入等が減った場合に認められるものですので、年金で暮らしている方に適用されるのは難しいでしょう。

猶予が認められるかの判断は自治体によって異なりますので、事情がある場合には相談してみましょう。

2−2−3    減免

農業などを営んでおり、災害や天候の影響で収入が減ったケースや、家屋が倒壊して復旧が困難にになったケースでは、固定資産税を2割〜全額まで免除させる可能性があります。

減免の可否や免除の程度は自治体の判断によりますが、被害の程度によって決定されるようです。

この制度も、収入が減った場合に認められるため、年金で暮らしている方に適用されるのは難しいでしょう。

年金の他に、農業などで収入を得ていて、災害等を原因として収入が減った場合には相談してみましょう。

申請期限は納付期限または災害が発生してから2ヶ月経過した日です。

2−3−4    換価の猶予

すでに差押えを受けていて、固定資産税を納付することで一時的に事業の継続や生活の維持が困難になる場合、差押え財産の換価(売却)が猶予される可能性があります。

2−3−5    滞納処分の停止

すでに財産が差押えられているものの、財産が処分されてしまうと生活が維持できなくなるほど困窮するような場合には、滞納処分(財産の処分)の停止が認められる可能性があります。

滞納処分が停止されれば、これまで滞納していた固定さん税の納付義務もなくなります。

滞納処分の停止の認定は非常にハードルが高い傾向がありますが、持ち家を処分されてしまうと年金では新たな住居の家賃を支払うことが困難といった場合には認められる可能性があるでしょう。

2−3 リースバックを利用する

リースバックとは、所有する不動産を売却し、その後は賃貸契約を締結して家賃を払い続けるシステムです。

家賃の金額や支払期間などは契約内容によって異なり、設定する家賃が高すぎると月々の負担が大きくなるリスクがあるので注意しましょう。

リースバックをすることで、不動産の所有権はなくなりますので固定資産税は発生しません。

ただし、持ち家が古い場合やほとんど価値がない場合にはそもそもリースバックが難しく現実的ではないでしょう。

2−4 不動産を手放す

固定資産税の支払いが難し場合には、不動産を手放すことも検討しましょう。

しかし、持ち家を手放すとなると、当然その後暮らす住居を確保しなければいけません。

年金ぐらしの方にはローンが終わっていて住居にかかる費用がないというケースも多いのではないでしょうか。

売却代金としてまとまったお金が入れば、それを家賃に充てて数年間凌ぐことはできるかもしれませんが、そのお金もいつかは付きてしまいます。

家賃は安いものではありませんので、年金から賃貸の費用を捻出するのは難しいこともあるでしょう。
なお、住宅ローンの返済が終わっている場合は売却代金はそのまま家賃の原資にすることが可能です。
しかし、その代金もいつかは尽きるので、老後のライフプランニングと合わせて検討するのがいいでしょう。

3章 税金以外の借金があれば債務整理も検討しよう

固定資産税などの税金は非免責債権として、債務整理で解決することはできません。

一方、その他に借金がある場合にはそれらを債務整理することで固定資産税などの税金の支払いに充てられるでしょう。

債務整理には、自己破産・個人再生・任意整理の3種類があります。

それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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3−1 自己破産

自己破産とは、裁判所に申し立てることで借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

自己破産では借金が無くなる代わりに、所有する一定以上の財産が処分されるため、持ち家に暮らしている場合、家を失うリスクがあります。

あまりにも借金が高額で自己破産でしか解決が難しいような場合を除き、年金ぐらしの方にはあまり適していないでしょう。

3−2 個人再生

個人再生とは、裁判所に申し立てることで借金額を5分の1〜10分の1程度まで圧縮し、原則3年で完済する再生計画を立てる手続きです。

個人再生には安定した収入があるという要件がありますが、年金受給者であればその要件は満たしていると判断される可能性が高いでしょう。

個人再生であれば持ち家などの財産を処分されずに手続きができる可能性もあります。
ただし、ローンを支払い終わっているとすると、借金額が圧縮される可能性は低いと思われます。

ただし、個人再生の手続き後に返済する金額は所有する資産を下回ることはないため、ローンの支払いが終わっている場合、個人再生をしても効果がない可能性があります。これは、弁済基準額(手続き後に返済する金額を決定する基準額)の算出に不動産が資産として加わるためです。

その場合は、任意整理と変わりませんので、手続きがより簡単な任意整理を検討しましょう。

3−3 任意整理

任意整理とは、債権者と交渉することで将来発生する利息や遅延損害金をカットする手続きです。

個人再生や自己破産とは違い、裁判所を通すことはありませんので、手続きの時間も比較的短く、裁判所によって財産を処分されるリスクもありません。

また、手続きをする債務を自身で選択することができるため、カーローンなど任意整理の影響を出したくないものは避けることが可能です。

4章 債務整理はグリーン司法書士法人にお任せ下さい

年金ぐらしで固定資産税の支払いが難しいという場合には、まず家族に相談してみましょう。もし、それでも解決が難しい場合には、管轄の自治体に相談することで救済措置を受けられる可能性があります。

また、リースバックや不動産の売却で解決できることもあります。グリーン司法書士法人は、不動産会社も有していますので、ご相談者様のライフプランに合わせた適切な解決策を提案することが可能です。

また、固定資産税以外に借金があり、その負担を軽減することで支払いができる見込みがあるのであれば、債務整理を検討しましょう。  

前述した通り、債務整理には「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3種類があり、事情や希望によって適している手続きは異なります。

グリーン司法書士法人では、これまで多くの債務整理に対応した実績がございます。依頼者様のお話をしっかりと伺い、最適な手続きを提案することが可能です。

初回相談は無料で、オンライン相談にも対応しています。まずはお気軽にご相談ください。

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よくあるご質問

固定資産税が払えなくなったらどうすればいい?
固定資産税が払えないときの対処法は、主に下記の通りです。
・自治体に相談する
・救済措置を利用する
・リースバックを利用する
・不動産を手放す
固定資産税が払えないときの対処法について詳しくはコチラ
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