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- 借金100万円を任意整理した場合の返済金額
- 100万円の借金に任意整理を選択するメリットとデメリット
- 任意整理を成功させて借金を解決するためのポイント
「100万円の借金をなかなか返せない」
「利息の負担が重くて家計が厳しい」
ローンやキャッシングで借りたお金の返済に悩み、上記のような不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。100万円の借金の返済に苦しんでいる方におすすめなのが任意整理です。
任意整理とは、債権者と交渉して将来の利息をカットしたり、返済計画を見直したりする債務整理方法です。裁判所を通さずに手続きできるため、個人再生や自己破産と比べて手間が少なく、財産を維持したまま借金を整理できます。
本記事では、100万円の借金を抱えている状態で任意整理を行うことで、毎月の返済額や総返済額がどのように変わるのかをシミュレーションします。100万円の借金解決に任意整理を選択するメリット・デメリット、ほかに考えられる選択肢についても解説しているので、借金の返済に困っている方はぜひ参考にしてください。
目次 ▼
1章 借金100万円を任意整理するとどうなる?シミュレーション付きで解説
借金100万円を抱えている場合、任意整理を行うことで将来の利息をカットし、元本のみを分割で返済することが可能です。これにより、毎月の負担を軽減して完済を目指しやすくなります。一方で債務整理をしない場合、借金の返済総額は大きく膨らむでしょう。例えば年利10%~18%の場合、5年間で支払う利息は数十万円単位になる場合もあります。実際に金利10%、15%、18%で5年間返済を続けた場合の総返済額をシミュレーションしてみましょう。
| 金利 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 10% | 約2万1,000円 | 約127万円 |
| 15% | 約2万4,000円 | 約142万円 |
| 18% | 約2万5,000円 | 約152万円 |
このように金利が高いほど総返済額が増え、借金の負担が重くなります。特に金利が15%以上になると、利息だけで40万円を超えます。もし100万円の借金の返済が苦しいのであれば、債権者と交渉する任意整理を検討しましょう。ここでは任意整理を行った場合、毎月の返済額がどのように変わるのかを解説します。
1-1 3年で完済する場合
任意整理を行い、3年間(36回払い)で借金100万円を完済する場合のシミュレーションは以下の通りです。
| 返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 3年 | 約2万8,000円 | 100万円 |
毎月の負担は約2万8,000円と高めになりますが、短期間で借金を完済して早期に経済的な再生が可能です。ただし、任意整理をする前よりも月々の返済負担が重くなるため、生活費を圧迫しないか事前にシミュレーションを行う必要があります。
1-2 4年で完済する場合
任意整理を行い、4年間(48回払い)で借金100万円を完済する場合のシミュレーションは以下の通りです。
| 返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 4年 | 約2万1,000円 | 100万円 |
4年間で返済する場合の月々の返済額は約2万1,000円と、3年返済よりも負担が軽減されます。そのため、毎月の支払いに余裕を持ちながら計画的に完済を目指せます。もしこの金額でも負担が大きい場合は、次に紹介する5年での完済を検討してみてください。
1-3 5年で完済する場合
任意整理を行い、5年間(60回払い)で借金100万円を完済する場合のシミュレーションは以下の通りです。
| 返済期間 | 月々の返済額 | 総返済額 |
|---|---|---|
| 5年 | 約1万7,000円 | 100万円 |
5年間で返済する場合の月々の返済額は約1万7,000円で、最も負担を抑えられます。そのため生活費を圧迫せず、無理なく返済を続けたい方に適しているでしょう。一方で完済までに期間を要するため、クレジットカードやカードローンを使えるようになるまでの時間は長くなります。
このように、任意整理を行う場合でも返済期間によって月々の返済額は1万円以上も変わります。手続きを終えた後の生活をイメージしながら、自身の状況に合わせた返済期間を選択しましょう。
2章 100万円の借金解決に任意整理を選択するメリット・デメリット
「100万円の借金でも任意整理はできるのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。結論から言うと、100万円の借金でも任意整理は可能です。 ただし、状況によっては別の債務整理方法を検討すべきケースもあるため、自身の収入や生活状況を踏まえた判断が必要です。
また100万円の借金問題の解決に役立つ任意整理ですが、デメリットを理解せずに手続きを進めると思わぬ不利益を被る恐れがあります。ここからは、100万円の借金解決に任意整理を選択するメリット・デメリットを見ていきましょう。
2-1 任意整理を選択するメリット
任意整理を選択するメリットは以下の通りです。
- 将来の利息をカットできる
- 裁判所を通さずに手続きできる
- 借金の対象を選べる
- 仕事や資格に影響しない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
将来の利息をカットできる
任意整理の手続きを行うことで、将来の利息をカットして返済計画を立てやすくなります。通常、年利15%で借りた100万円を5年間で完済を目指すと、総返済額は約144万円になります。しかし、債権者との交渉が成立して利息が免除されると、元本の100万円のみを返済すれば済むため、約44万円の負担を軽減可能です。
任意整理をしないと毎月の返済額の一部が利息に充てられ、借金の元本はなかなか減りません。ただし、任意整理によって返済分がすべて元本に充てられるようになれば、着実に借金を減らしていくことが可能になります。
裁判所を通さずに手続きできる
任意整理は、裁判所を通さずに債権者と直接交渉して借金の返済条件を変更できる手続きです。そのため、個人再生や自己破産のように裁判所への申立てや複雑な書類作成の手間がかからず、比較的スムーズに借金問題を解決できます。
裁判所を通さない分、手続きにかかる時間も短く、早ければ最短3か月で和解が成立します。また、個人再生や自己破産では、収入や資産状況に関する詳細な書類を提出する必要がありますが、任意整理ではそのような書類の準備が不要です。ほかの債務整理と比べると手続きを簡単に進められるため、できるだけ早く借金問題を解決したい方や、手続きの負担を軽減したい方に適した方法といえるでしょう。
任意整理の手続きは、裁判所を通さずに行うことができるため、家族の収入資料などの提出が不要です。そのため、破産や再生にくらべて家族に秘密で行いやすい債務整理といえるでしょう。
借金の対象を選べる
任意整理は、整理する借金を選択できるという特徴があります。例えば、クレジットカードのキャッシングやカードローンの債務のみを対象にし、住宅ローンや自動車ローンは利息を含めた返済を続けることが可能です。つまり、マイホームや自動車を維持しながら借金を整理できるわけです。
また、保証人がついている借金を整理すると、保証人に請求がいくリスクがあります。しかし、任意整理なら保証人付きの借金を対象外にすることで、保証人への影響を避けられます。このように、状況に応じて整理する借金を選べるのは、任意整理ならではのメリットといえるでしょう。
仕事や資格に影響しない
任意整理は、手続きをしても職業や資格に制限がかかることはありません。そのため、現在の仕事を続けながら借金を整理できます。
例えば自己破産をすると、弁護士・税理士・司法書士・公認会計士・宅地建物取引士・保険外交員・警備員といった一部職業では、手続き開始から免責決定までの間は資格が制限されます。しかし、任意整理ではこうした職業制限が発生しないため、手続き後も普段通り働き続けることが可能です。
2-2 任意整理を選択するデメリット
借金問題の解決に役立つ任意整理ですが、もちろんメリットばかりではありません。デメリットを理解せずに任意整理を進めると後悔する恐れがあるため、必ず注意点を知っておきましょう。
ここでは、100万円の借金を任意整理する際に考慮すべきデメリットについて詳しく解説します。
元本は減額できない
遅延損害金や将来の利息をカットする任意整理では、元本の減額はできません。例えば100万円の借金を5年で返済する場合、任意整理によって利息はなくなりますが、返済総額は100万円のままです。借金の総額自体は変わらないため、今後も返済を続けていく必要があります。
信用情報に記録が残る
任意整理を行うと、信用情報機関に債務整理の記録が残ります。金融機関は審査時に信用情報をチェックするため、任意整理の記録が残っている間は(完済から5年間)クレジットカードやカードローンの利用が難しいのが特徴です。
また、住宅ローン・自動車ローンの新規契約やスマートフォンの分割払いもできなくなります。任意整理をすることで借金の負担は軽くなりますが、信用情報に影響が出る点を理解したうえで手続きを進めてください。
すべての債権者が交渉に応じるとは限らない
任意整理では債権者と直接交渉して返済条件を変更しますが、すべての債権者が交渉に応じるとは限りません。お金を借りた直後の交渉であなたに返済意思がないと債権者が判断したり、債権者がすでに訴訟を起こしていたり、依頼した専門家が任意整理に詳しくなかったりする場合は、和解交渉が成立しない恐れがあるのです。
もし交渉が成立しない場合、その借金については通常の返済を続けなければなりません。しかし借金を整理できなければ生活は苦しいままなので、任意整理を行う際は経験・実績豊富な弁護士・司法書士に相談しましょう。
収入がないと利用できない
任意整理は将来の利息をカットすることで、総返済額を抑えて完済を目指す手続きです。継続的な返済が前提となるため、収入がないと利用できません。例えば100万円の借金を5年間(60回払い)で任意整理した場合、毎月の返済額は約1万7,000円になります。この支払いを継続できる見込みがない場合、任意整理を選択しても借金の完済は難しいでしょう。
特に無職の方や専業主婦(専業主夫)の方などで安定した収入がなければ、任意整理ではなく個人再生や自己破産を検討する必要があります。個人再生なら収入が少なくても借金の大幅な減額が可能、自己破産なら収入がない場合でも借金を帳消しにできます。状況によって適切な債務整理方法は異なるため、手続きに取り掛かる前に専門家に相談するのがおすすめです。
3章 任意整理とほかの債務整理の比較
100万円の借金を解決する方法として、任意整理のほかにも個人再生・自己破産があります。それぞれ適した状況が異なるため、以下の表をチェックして特徴を理解しましょう。
| 項目 | 任意整理 | 個人再生 | 自己破産 |
|---|---|---|---|
| 借金の減額 | 利息のみカット | 一定額まで減額 | 全額免除 |
| 裁判所の手続き | 不要 | 必要 | 必要 |
| 信用情報への影響 | 完済から5年間 | 完済から5年〜7年間 | 破産手続開始決定から5年〜7年間 |
| 資格・仕事への影響 | なし | なし | 一部職業で制限あり(弁護士・税理士・保険外交員など) |
| 保証人への影響 | 保証人付きの借金を対象外にできる | 保証人に請求がいく | 保証人に請求がいく |
| 財産の処分 | 不要 | 基本的には不要(ローン返済中の自動車などは引き上げられる) | 一定額以上の財産は処分される |
| 手続き期間 | 約3か月~6か月 | 約1~2年 | 約3か月〜1年 |
| 利用条件 | 条件なし | 支払い不能の恐れ | 支払い不能である |
| 家族への秘匿性 | 高い | 低い | 低い |
個人再生では借金総額に応じた最低弁済額が定められており、借金が100~500万円未満の場合は最低弁済額は100万円となるため、100万円の借金の整理には適していません。100万円の借金問題を解決するにあたっては、基本的には任意整理が最適です。しかし、安定的な収入が必要になるため、5年での完済が難しい方や、無職や専業主婦(専業主夫)などで収入がない方は自己破産を検討してください。
4章 任意整理を成功させて借金を解決するためのポイント
任意整理を成功させるためには、手続きを終えた後も計画的に返済を続ける必要があります。無理なく返済するためにも、任意整理をする際は以下のようなポイントを押さえておきましょう。
- クレジットカード・借金が必要ない仕組みを作る
- 毎月の返済額に無理がないかを確認する
- 弁護士・司法書士に依頼する
それぞれについて詳しく解説します。
4-1 クレジットカード・借金が必要ない仕組みを作る
任意整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録されるため、完済から5年間はクレジットカードやローンの利用が難しくなります。そのため、クレジットカードなしでも生活できるように、家計の見直しや収入の確保を行い、借金に頼らない仕組みを作りましょう。
家計を見直す際は、家賃や光熱費、サブスクリプションなどの固定費から見直すのがおすすめです。なぜなら、固定費は一度見直せば、その後も継続的に支出を抑えられるためです。
例えば、スマートフォンの通信費を格安SIMに変更すれば、毎月数千円を節約できます。電気やガスのプランを見直し、より安いプランに変更するのも有効な方法です。こうした工夫を積み重ねることで、毎月の出費を抑え、借金をしなくてもやりくりできる環境を整えられます。
また、支出を削減できたら、転職や副業に取り組んで収入アップを目指してみてください。支出が減って収入が増えれば家計に余裕が生まれるため、借金に頼らずとも生活できるようになるでしょう。
4-2 毎月の返済額に無理がないかを確認する
任意整理を行うと、新たな返済計画がスタートします。しかし、返済額が収入と生活費のバランスに合っていない場合、途中で支払いが滞る可能性があります。そのため、無理のない範囲で返済を続けられるかどうかを事前に確認することが大切です。
例えば100万円の借金を5年間(60回払い)で返済する場合、月々の返済額は約1万7,000円です。この金額が生活費を圧迫しないか、債権者との交渉前に確認してください。無理のある返済計画を立てると支払いが苦しくなりやすく、最悪の場合は和解が無効になってしまう恐れがあります。その結果、再び遅延損害金や高額な利息が発生し、借金問題が悪化してしまいます。このような事態を防ぐためにも、任意整理を行う際は毎月の収支を考慮して現実的な返済額になるような返済期間を設定しましょう。
4-3 弁護士・司法書士に依頼する
任意整理は債権者との交渉が必要なため、弁護士・司法書士に依頼するのがおすすめです。専門家を通さずに自分で交渉することも可能ですが、債権者によっては対応が厳しく、交渉が難航することがあります。また、和解条件が債務者にとって不利になりやすく、結果的に返済負担が軽減されないケースもあるため、専門家に依頼する方が有利な条件で進めやすくなります。
また弁護士や司法書士に依頼すれば、適切な返済計画を立てながら交渉を進められるだけでなく、受任通知の送付によって債権者からの督促を止めることが可能です。精神的な負担を軽減して借金問題の解決に集中しやすくなるため、任意整理を行う際は弁護士・司法書士に依頼しましょう。
なお、グリーン司法書士法人では経験豊富な専門家が任意整理の手続きをサポートいたします。無料相談も実施しておりますので、借金でお悩みの方はお気軽にご相談ください。
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まとめ
100万円の借金を解決するには、任意整理が最適な方法の一つです。将来の利息をカットする任意整理を行うことで、無理のない返済計画を立てられます。ただし元本は減額されず、信用情報に影響が出るため、個人再生や自己破産と比較したうえで手続きを行いましょう。検討した結果、任意整理で借金問題の解決を目指すなら、以下のポイントを押さえておくことが大切です。
- クレジットカード・借金が必要ない仕組みを作る
- 毎月の返済額に無理がないかを確認する
- 弁護士・司法書士に依頼する
特に専門家に依頼すれば、債権者との交渉がスムーズに進み、有利な条件で和解しやすくなります。債務整理方法を選択する際の相談にも乗ってもらえるため、借金問題で悩んでいる方は弁護士・司法書士に相談してみてはどうでしょうか。
またグリーン司法書士法人では、借金問題のお悩みの方のご相談にオンラインで対応しております。無料で相談していただけますので、お気軽にお問い合わせください。
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