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自己破産をすると、クレジットカードの利用をはじめ、様々なことが制限されます。
そのような制限を懸念して、自己破産を躊躇されている方も多いのではないでしょうか。
自己破産によって受ける制限は、一定期間経過すれば復活するのでそれほど心配する必要はありません。
この記事では、自己破産によって制限されることと、それらの復活するまでの期間などについて解説します。
是非参考にして下さい。
目次 ▼
1章 自己破産によって制限されるコトとその復活期間
自己破産をすると、以下のようなことが制限を受けます。
制限されること | 復活までの期間 |
クレジットカードの利用や新たな借り入れ | 免責決定から5〜7年 |
引っ越し・旅行 | 自己破産手続き終了まで |
一部の職業・資格 | 自己破産手続き終了まで |
銀行口座の凍結 | 受任通知送付から2〜3ヶ月間程度 |
それぞれ詳しく解説します。
1−1 クレジットカードの利用や新たな借り入れ
復活までの期間 | 免責決定から5年〜7年 |
自己破産などの債務整理をしたり、借金の返済を滞納したりした場合には、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」です。
信用情報機関に情報が登録されている間は、以下のことが制限されます。
- クレジットカードの利用・新規作成
- 新たな借入
- 住宅ローンやカーローンなど各種ローンの利用
- スマートフォン本体の分割払い
信用情報機関には「CIC」「JICC」「KSC」の3種類あり、それぞれ加盟している機関や事故情報の登録期間が異なります。具体的には以下のとおりです。
信用情報機関 | 加盟機関 | 事故情報の登録期間(目安) |
CIC | 信販会社・クレジットカード会社 | 5年以内 |
JICC | 消費者金融・クレジットカード会社 | 5年以内 |
KSC | 全国の銀行 | 7年以内 |
上記で分かる通り、ブラックリストに事故情報が登録されると5〜7年間程度情報が残ります。
1−2 引っ越し・旅行
復活までの期間 | 自己破産手続きが終了まで |
自己破産の手続きが管財事件になった場合、手続き中(破産開始決定が出てから廃止決定が出るまで)は引っ越しや旅行が制限されます。引っ越し・旅行をする際には、裁判所に許可を取る必要があるからです。
転勤による引っ越しや、冠婚葬祭のための遠征などであれば許可が下りやすいですが、必要性のない引っ越し、娯楽のための旅行は許可が下りる可能性は低いでしょう。
なお、引っ越し・旅行の制限は自己破産の手続きが終われば解除されます。
1−3 一部の職業・資格
復活までの期間 | 自己破産手続きが終了まで |
自己破産の手続き中は、一部の職業・資格が制限されます。
引越しの場合と同様、制限されるのは自己破産の手続き中のみなので、手続きが終了すれば解除されます。
- 自己破産手続き中制限される職業・資格の一例
-
- 証券外務員
- 商品投資販売業
- 商品投資顧問業
- 金融商品取引業
- 警備員
- 宅地建物取引士
- 生命保険外交員・募集人
- 貸金業
- 会社の取締役
- 不動産鑑定士
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士
- 公認会計士
- 社会保険労務士
- 旅行業 など
1−4 銀行口座の凍結
制限される期間 | 受任通知の送付から2〜3ヶ月間程度 |
自己破産手続きを専門家に依頼し、専門家から債権者である銀行に受任通知が送付されると、その時点で銀行口座が凍結される可能性があります。銀行が口座に入っている預金を回収し、少しでも債権を取り戻そうとするからです。
凍結される口座は、債務(借金)がある銀行の口座と、借り入れをしている消費者金融の系列銀行の口座です。
凍結される期間は、受任通知の送付から2〜3ヶ月程度で、その期間は預金の引き出し・振り込み・引き落としなどができなくなります。
そのため、受任通知を送付する前に、引き落とし口座や給与の振り込み口座を凍結される予定のない口座に変更しておくなどの対処が必要になります。
2章 自己破産による制限が復活するまでの対処法
自己破産による制限を受けている間、生活をする上で不便な場面もあるでしょう。
なお、自己破産手続き中に受ける制限(引っ越しや旅行、資格・職業の制限など)は、数ヶ月程度ですので、不便を感じるかもしれませんが解除されるのを待つようにしましょう。
手続き終了後でも影響が出るのは、ブラックリストに登録されることによる制限です。
それに加え、受任通知を送付してから一定期間銀行口座が凍結されることも少なからず生活に支障をきたすでしょう。
ここでは、そのような制限が復活するまでの対処法について解説します。
2−1 クレジットカードの代わりにデビットカードを利用する
クレジットカードを利用できない間、常に現金を持っていなければならないのは不便でしょう。
クレジットカードの代わりになるものとして、デビットカードというものがあります。
デビットカードとは、支払いと同時に銀行口座から引き落とされるカードで、ブラックリストに登録されていても作成できることがほとんどです。
「大きな買い物をするときに大金を持ち歩きたくない」「都度お金を下ろすのが面倒」という理由でクレジットカードを利用していたのであれば、デビットカードでも十分でしょう。
2−2 賃貸を借りるときは信販系を避けて契約する
ブラックリストに情報が残っている間、賃貸契約の際の審査に落ちてしまうケースもあります。
審査に落ちる可能性があるのは、大家や管理会社が信販系の保証会社を利用しているケースです。
賃貸の審査に通らないと感じたら、UR賃貸など信販系を利用していないタイプの賃貸を選択するようにしましょう。
2−3 スマホ本体を一括で購入する
スマホの本体を分割払いで購入する方も多いと思いますが、これは割賦取引といって信用取引の一種です。
そのためブラックリストに登録されている期間はスマホ本体の分割購入ができなくなります。
そのため、ブラックリスト登録されている期間は一括購入をするようにしましょう。
2−4 引き落としや振り込みの口座を変更する
専門家が受任通知を送付すると、銀行口座が凍結される可能性があります。前述したとおり、凍結されている期間は預金の引き出し、振り込み、引き落としができなくなります。
そのため、受任通知を送付する前に、引き落としや振り込みの口座を変更しておくようにしましょう。
借り入れをしている銀行以外にも、銀行の系列会社から借り入れをしている場合にはその銀行の口座も凍結される可能性があるので注意が必要です。
消費者金融の多くは、銀行の系列会社です。
例えば、アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの系列会社かつ、保証会社。つまり三菱UFJ銀行と系列の会社であるということです。
そのため、三菱UFJ銀行で借り入れをしていなくとも、アコムで借り入れをしていれば、三菱UFJ銀行の銀行口座が凍結されてしまう可能性が高いですので注意しましょう。
【銀行系の消費者金融の例】
- アコム:三菱UFJフィナンシャル・グループ
- プロミス・SMBCモビット:SMBCグループ(三井住友銀行系)
- ダイレクトワン:スルガ銀行グループ
- ノーローン:新生銀行グループ
3章 まとめ
自己破産を検討されている方は、その後の制限などの不安に感じるかと思います。
グリーン司法書士法人では、自己破産によって受ける制限やデメリットなどについても丁寧に説明した上で、その対処法もアドバイスさせていただきます。
また、自己破産で受ける制限によって生活への支障が出てしまうような方には、他の債務整理でかいけつができないか提案いたします。
初回相談は無料で、オンラインでのご相談も承っております。お気軽にご相談下さい。
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よくあるご質問
- 自己破産から復権までにはどれくらいの期間がかかる?
- 自己破産の手続き中は、一部の職業・資格が制限されます。
引越しの場合と同様、制限されるのは自己破産の手続き中のみなので、手続きが終了すれば解除されます。
自己破産後の復権について詳しくはコチラ
- 自己破産後7年で信用情報は消える?
- 自己破産後7年間では信用情報機関の事故情報が消えない可能性があります。
自己破産後は5~7年程度は事故情報が登録される場合があります。
自己破産後の信用情報について詳しくはコチラ