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自己破産の履歴を調べる唯一の方法は、官報の検索です。とはいえ、官報の検索はハードルが高いため、一般の方が行うのはあまり考えられませんので、恋人や婚約者、友人に知られることは考えにくいです。
自己破産を躊躇している方の中には「家族や会社に知られるのが嫌だから」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自己破産というとあまり印象がよくないと感じ、周囲に知られたくないという気持ちも分かります。
残念ながら、自己破産には家族や会社に頼んで取得する書類が必要ですし、自己破産によって少なからず生活に影響がありますので、家族や会社にバレるリスクがあるのが現実です。
とはいえ、バレないための対策もあります。専門家に依頼することでバレるリスクを軽減することが可能です。
また、借金の返済がままならない状態で、家族や会社に知られることを懸念して債務整理をしないという選択をするのは得策ではありません。自己破産以外にも債務整理の手段はありますので、自身の適した方法を模索しましょう。
ここでは、自己破産が家族や会社に知られてしまう理由や、知られないための対策などについて解説します。
目次 ▼
1章 第三者が自己破産の履歴を調べることは難しい
前提として、第三者が自己破産をした経歴などを調査して知ることはできません。そのため、家族や会社など不可抗力によって知られてしまうケースを除けば、恋人や婚約者、友人に知られることは考えにくいでしょう。
唯一、第三者によって知られる可能性があるとすれば、官報を確認されることです。
1−1 自己破産をしたことは官報に掲載される
官報とは、内閣府が発行している新聞のような機関紙で、法律の改正や会社の決算報告の内容、そして自己破産の情報などについて記載されています。
なお、官報に自己破産の情報が載るのは、破産手続きの開始決定が出たときと免責決定が出たとき(裁判所から自己破産の許可が下りたとき)です。
官報は、インターネットや図書館で閲覧することができますし、専門の販売所で購入することも可能です。
しかし、仕事などで必要としている人以外は、官報を常に閲覧している人はほとんどいないでしょう。
会社が仕事の都合上官報を常にチェックしているなどの場合を除けば、官報が原因で第三者に知られることは考えにくいです。
1−2 官報で自己破産の履歴を調べる方法
官報で自己破産の履歴を調べる方法は、前述した通り以下の3つです。
- インターネット・・・インターネット上にPDFで官報が公開されており、無料で過去90日分を検索することが可能です。
- 図書館・・・一部の図書館には、官報の閲覧が可能です。
- 購入・・・各都道府県に1か所または2か所ずつ官報の販売所があります。料金は1冊1,520円です。
官報は、案外気軽に読むことができます。ただし、インターネット上で無料の範囲では検索するには制限があるため、特定の情報を調べるのはなかなか困難です。(情報検索サービスは別途利用料金がかかる)
2章 官報以外で自己破産をしたことがバレる原因
非常に稀ではありますが、第三者によって自己破産の履歴を調べられてバレるのは官報を確認されたときがほとんどです。
しかし、家族や会社など身近な人には、官報以外でもバレる可能性があります。
自己破産がバレるケースとして想定される原因は以下のケースです。
- 会社から借入れがある/会社を通じて借入れをしている
- 退職金証明書を会社に取り寄せた
- 資格制限によって仕事ができなくなる
- 手続きに家族の書類も必要
- 持ち家を失う
- 債権者や裁判所から通知がくる
- 各種ローンが通らない
- クレジットカードが作れない
- 携帯電話の分割払いができない
自己破産手続き中にバレるケース・手続き後にバレるケースで分けて解説します。
2−1 自己破産手続き中にバレるケース
自己破産手続き中は、主に裁判所からの通知や必要書類の手配でバレることがほとんどです。
2−1−1 会社から借入れがある/会社を通じて借入れをしている
会社から借入れがある場合、その借金も当然自己破産の対象になりますので、裁判所から会社に対して通知が届きます。
その他にも、公務員の共済組合の貸付制度を利用している場合、共済組合の返済は給料から天引きされます。勤め先に直接通知が届くことはありませんが、天引きが亡くなったことで職場にバレてしまうことがあるでしょう。
2−1−2 退職金証明書を会社に取り寄せた
現在の職場で5年程度の勤務歴がある人の自己破産手続きには退職金証明書が必要であり、これは会社に取り寄せなければいけません。
それによって直接自己破産の手続きがバレることはありませんが、「自己破産の手続きに使うのでは?」と勘ぐられる可能性があります。
とはいえ、取り寄せる際にその理由について正直に答える必要はありません。「住宅ローンの審査に必要です」と説明すれば問題ないでしょう。
また、どうしても会社に依頼しづらい場合には、退職金について規定されている就業規則のコピーと、それに基づいて計算した暫定の退職金額を提出するのでも大丈夫です。
2−1−3 資格制限によって仕事ができなくなる
自己破産の手続き中、一部の職業・資格が制限されます。その期間は仕事を制限されてしまうので会社に理由を告げなければいけません。
なお、職業・資格が制限されるのは自己破産手続きの期間中であり、免責の許可が確定した場合は解除されます。
また、自己破産手続きのうち、同時廃止事件として取り扱われた場合には、比較的に短い3~4か月での制限解除となります。
※同時廃止事件とは、申立人に配当に回せる財産がないことが申立て書類から明らかな場合に、破産手続開始と同時に手続きを終了させる手続きです。一方、破産管財人が介入する管財事件は、財産などの詳しい調査を行ったうえで免責の判断をするため、同時廃止よりも時間がかかります。
- 警備員
- 宅地建物取引士
- 生命保険外交員
- 募集人
- 貸金業
- 会社の取締役
- 不動産鑑定士
- 弁護士
- 司法書士
- 税理士・公認会計士
- 社会保険労務士
- 旅行業 など
2−1−4 家族に関する書類を作成する必要がある
自己破産には世帯全体の家計簿や、同居する家族全員分の収入証明書が必要です。
これらの書類を用意するのは家族の協力が不可欠です。そのため、家族に事情を話さなければいけません。
2−1−5 持ち家を失う
自己破産をすると、所有している一定以上の財産は処分されてしまいます。持ち家がある場合、処分される可能性が高いでしょう。
持ち家がある場合は、家を失うため、同居している家族には事情を説明しなければいけません。
2−1−6 債権者や裁判所から通知がくる
自己破産の手続き中は、債権者や裁判所から通知が来ることがあります。郵便物が家族に見つからなければ問題ないかもしれませんが、万が一見つかってしまうと知られてしまうでしょう。
2−2 自己破産手続き後も、ブラックリストに載ることでバレる可能性がある
なんとか自己破産の手続き中にバレずに住んでも、手続き後もバレてしまう原因はあります。
自己破産をすると、信用情報機関に事故情報として登録される(いわゆるブラックリスト)ため、私生活にも様々な支障がでます。
具体的には以下のことができません。
- 住宅ローンやカーローンなど各種ローンの利用
- クレジットカードの利用・作成
- 消費者金融や銀行からの借入れ
- 携帯電話の分割払い
家族に疑問に持たれたとき、ごまかし切るのは難しいでしょう。
3章 債務整理の事実を家族や会社にバレにくくする方法
どうしても債務整理したことを家族や会社にバレたくないという方もいらっしゃるかと思います。
ここでは、債務整理を家族や会社にバレにくくする方法について解説します。
なお、現状借金の返済ができないようであれば「家族や会社にバレるから」という理由で自己破産を含む債務整理をやめるのはおすすめできません。借金を滞納し続けることで、より状況が悪化するリスクがあります。
3−1 専門家に依頼する
自己破産を含め、債務整理の手続きは複雑です。そのため、自身で行おうとするとひょんなことから周囲に自己破産をすることが露見してしまう可能性がありますし、そもそも手続き自体が失敗してしまうリスクがあります。
債務整理は専門家に依頼することを強くおすすめします。専門家に相談することで債権者や裁判所とのやりとり窓口を専門家の事務所にすることができますし、家族や会社にバレないためにどうするべきか対策を提案してくれるでしょう。
借金でお困りの方は、ぜひ一度司法書士や弁護士などの専門家に相談してみてください。
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3−2 任意整理を選択する
自己破産や個人再生は裁判所を通して行う手続きであり、世帯全体の家計簿や同居の家族の収入証明書が必要です。また、家や車などの生活費関わる財産を失うリスクもあるため、家族にバレやすいでしょう。
任意整理であれば、裁判所を通すことがない上に、手続きをする借金を選択することができます。住宅ローンやカーローンを避ければ、家や車を失うことはありません。また、手続き自体も当事者同士の交渉ですので、裁判所から通知が来ることもないです。
そのため、任意整理はほかの債務整理に比べて家族や会社にバレるリスクが低いと言えます。
家族や会社にバレたくないのであれば、任意整理も検討しましょう。
4章 まとめ
第三者が自己破産の履歴を調査するには官報から検索するしかありません。官報での検索も制限がありますし、料金を支払って検索したとしても情報が多すぎてたどり着くのは非常に困難です。
そもそも、一般の人が官報を確認することはほとんどありませんので、第三者に自己破産の事実がバレ心配はないでしょう。
しかし、家族や会社など身近な人となると話は変わります。自己破産の手続きをするうえで、家族や会社に協力してもらわなければ取得できない書類がありますし、自己破産後はローンやクレジットカードの利用ができないなど生活への影響もあるため、最後まで知られないようにするのは困難です。
もし、どうしてもバレたくない場合には自己破産以外の債務整理を検討しましょう。また、専門家に依頼することで可能な限りバレないための対策を提案してくれるはずです。
グリーン司法書士法人ではこれまで多くの債務整理を対応してまいりました。「なるべく周囲にバレたくない」といったご相談にも、可能な限り対応いたします。
初回相談は無料です。オンライン相談にも対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
よくあるご質問
- 自己破産の履歴を調べる方法はある?
- 自己破産をしたことは官報に掲載されます。
官報に自己破産の情報が載るのは、破産手続きの開始決定が出たときと免責決定が出たとき(裁判所から自己破産の許可が下りたとき)です。
そのため、過去の官報を確認すれば自己破産の履歴を確認できます。
- 自己破産の履歴は何年残る?
- 官報に掲載されている自己破産の履歴は、インターネット検索であれば無料で過去90日分確認可能です。
図書館での閲覧や購入の場合は、もっと前の期間まで官報を確認できる可能性があります。
- 倒産した会社を調べる方法はありますか?
- 会社が倒産し清算結了登記が完了すると、会社の登記簿が閉鎖されます。
閉鎖事項証明書は法務局にて取得可能です。
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