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- 債務整理の相談は家族でもできる
- 債務整理の依頼・手続きは本人しかできない
- 家族の借金が発覚したときにすべきこと
- 家族が借金返済の義務を負うことは原則的にない
- 例外的に家族が借金返済の義務を負うケースもある
自分の家族に借金があるとわかったとき、「どうしたらいいのか?」「自分が代わりに相談することはできるのか?」と悩む人は多いでしょう。中でも、借金をしている本人が現実を直視しようとしない、借金のことを話したがらないという場合、家族としては不安が募ってしまいます。
債務整理は有効な借金問題の解決策ですが、手続きを進めるうえで「借金生活から抜け出したい」という本人の固い意思が必要です。そのため、本人が相談を避けたがっている場合、家族は困り果ててしまうことも少なくありません。
今回は、家族が本人の代わりに債務整理の相談や依頼をできるのか、そして家族の借金が発覚した際にどのように行動すべきかなどについて解説します。
目次 ▼
1章 本人の代わりに家族が債務整理について相談できる?
家族の借金問題は、放置していると周囲にいる家族にまで影響が及ぶこともあり、精神的にも大きな負担になります。そのため、「本人が相談に行けないなら、自分が代わりに相談したい」と考える家族も少なくありません。
しかし、債務整理はあくまで本人の意思に基づいて行う手続きです。本人の知らないところで、家族が代わりに手続きを行うことはできません。
この章では、家族が司法書士や弁護士にどこまで相談できるのか、そして実際に依頼・手続きを進めるには本人の面談が必要な理由などについて確認していきましょう。
1-1 相談自体は家族でも行える
実は、債務整理に関する相談自体は家族でも可能です。司法書士や弁護士に「夫(妻)の借金が増えて困っている」「本人が嫌がるため相談に来ることができない」などの状況を伝えて相談することができます。
この時点では、債務整理がどのような制度かという説明や手続きの流れ、費用の目安など一般的な情報を知ることができるでしょう。具体的には、次のような内容です。
| 説明を受ける主な内容 | 専門家からの解説 |
|---|---|
| 債務整理の種類 | 任意整理・個人再生・自己破産の違い、メリット・デメリット |
| 相談〜手続きの流れ | 面談から受任通知発送、手続き完了までの流れ |
| 必要書類・費用 | 借入明細や収支がわかるもの、費用の支払い方法など |
家族が事前に知った情報を伝えることで、本人が相談に来やすい環境を整えることができるでしょう。
1-2 本人の代わりに家族が債務整理の依頼・手続きをすることはできない
家族は最初の相談はできる一方で、実際に債務整理の依頼や手続きを本人に代わって行うことはできません。司法書士や弁護士には、依頼を受ける前に「本人と直接面談する義務」が課せられているためです。
「直接面談義務」は、依頼者の事情を正確に聞き取ることで、最適な手続きを提案したり依頼者の不利益を最小限に抑えたりするために規定されているものです。日本司法書士連合会の「債務整理事件の処理に関する指針」には、次のように定められています。
(面談)第4条
司法書士が、自ら依頼者又はその法定代理人と直接面談を行わなければならない。
そのため、家族が「本人の代わりに依頼したい」と言っても、司法書士・弁護士は受任することができないのです。
1-3 借金・資産の状況がわからないと司法書士・弁護士も最適な提案ができない
債務整理を行う際には、次のような情報が必要です。
- 借入先(金融機関・消費者金融・カード会社など)
- 借入残高・返済状況
- 滞納の有無や督促状況
- 家計の収支(収入・生活費)
- 財産の有無(不動産・車・保険・預貯金など)
これらの情報を正確に把握しているのは、基本的には本人です。家族から「多分ここからも借りている」「おおよそこのくらい借金している」などの曖昧な情報をもらっても、専門家は最適な解決方針を提案することができません。
家族がまず相談し、専門家から債務整理の概要を聞いたうえで、本人を説得して面談に同席してもらうのが現実的で確実な流れです。
2章 家族の借金が発覚したときにすべき2つのこと
家族の借金が発覚したとき、つい感情的になってしまうことは仕方のないことかもしれません。しかし、感情のままに怒り本人を責めるだけでは問題は解決しません。大切なことは、現状を冷静に把握することです。
ここでは、家族の借金が発覚したときに行うべき次の2つの行動
- 借金の実態を把握すること
- 返済の見通しを立てること
について解説します。
2-1 借金に関する情報を集め整理する
最初に行うべきことは、借金の全体像を把握することです。借金していることがわかったからといって、すべてが明らかであるとは限りません。借金の全体像がわからないままでは、今後の対処法を正しく判断することは難しくなります。
具体的には、次のような情報の確認に努めましょう。
| 確認すべき項目 | 内容 |
|---|---|
| 借入先 | 消費者金融、銀行、クレジットカード会社など |
| 借入額 | 元金・残高・金利 |
| 延滞の有無 | 督促・催告書・電話連絡など |
| 保証人 | 家族が保証人になっていないか確認 |
借入先や借入額を確認するには、債権者からの通知や催告書などを探してみましょう。また、近年では借入や返済をアプリで実行・管理することも少なくありません。本人の許可を得て、メールやSMS、スマホアプリも確認してみるとよいでしょう。
借入先が不明な場合は、信用情報機関へ開示請求をすると確認することができます。請求は基本的には本人がしますが、本人から委任を受けた代理人も請求が可能です(代理人確認のための書類が必要になります)。ただし、基本的には本人の協力なしで借金の全体像を把握することは、難しいと心得ておきましょう。
信用情報機関には、主に次の3つがあります。それぞれのウェブサイトで、請求方法や費用を確認することができます。
| 信用情報機関 | 取扱情報 |
|---|---|
| 株式会社シー・アイ・シー(CIC) | クレジットカード・携帯料金などの情報 |
| 株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融の情報など(カードローンの履歴等) |
| 全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行の情報など(銀行ローン全般の履歴等) |
2-2 借金の返済計画を作成する
情報を整理したら、現実的に返済可能かどうかを判断します。収入と支出をもとに家計を見直し、返済が可能かを検討してみましょう。
次のような一覧を作成し、いくら返済にまわせそうかを考えてみます。
| 手取り収入 | 250,000円 |
| 住宅費 | 70,000円 |
| 食費・日用品 | 60,000円 |
| 光熱費・通信費 | 25,000円 |
| 予備費 | 35,000円 |
| 差し引き後(借金返済) | 60,000円 |
現在の収支状況を基に、支出を減らせそうな項目はないか、副業や一時的なアルバイトなどで収入を増やせる可能性はないかなどを探り、対策を考えます。また、借入先に事情を伝えて相談することで、月の返済額を減らすなどの対応をしてもらえる可能性もあります(その分、返済期間が伸びることに注意が必要です)。
ただし、返済額が収入の30〜35%を超える場合は、返済が長期化し、生活が圧迫されるおそれがあります。そのような場合は、任意整理・個人再生・自己破産などの債務整理を検討すべきと考えられるでしょう。
3章 原則として家族が借金の返済義務を負うことはない
借金が発覚すると「家族にも請求されるのでは?」と不安になる人もいるでしょう。しかし
借金は、契約を結んだ本人だけが返済義務を負うもので、その家族に請求が及ぶことは基本的にありません。
ただし、現実には家計が一体となっているため、返済の影響が生活費に及ぶことは大いにあるでしょう。督促状が家に届いたり、家計の口座から返済が行われるため生活費が不足したりするような状況では、影響がないとはいえません。
そのようなときは、放置せずに早めに専門家へ相談し、家計の立て直しを図ることが大切です。
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4章 家族が借金の返済義務を負うケース
原則として家族に返済義務はありませんが、例外的に法的に支払い義務が生じるケースがあります。
それは、「保証人・連帯保証人になっている場合」「名義貸しをしていた場合」、「債務者が亡くなり相続が発生した場合」です。これらのケースに当てはまる場合、適切な対応を怠ると思わぬトラブルに発展することもあります。
この章では、それぞれのケースの注意点と対処法を解説します。
4-1 保証人・連帯保証人になっているケース
家族が「保証人」や「連帯保証人」になっている場合には、支払いをしなければなりません。保証人は、本人が支払わないとき、代わりに払わねばならないためです。
一方、家族が保証人の欄に署名押印していない場合には、無効となります。たとえば、本人が家族の実印などを勝手に持ち出して契約していたような場合です。
しかし、家族自身が実際に署名・押印している場合は責任を免れません。特に「連帯保証人」は、主たる債務者と同等の返済義務を負っているため、債権者から直接請求される可能性もあります。
返済が難しいときは、早めに専門家へ相談しましょう。
4-2 名義貸しをしていたケース(違法行為)
ブラックリスト状態で自分では借り入れできない人が、家族など別の人に名義貸しをお願いするケースは少なくありません。しかし、「本人が借りられないから、代わりに家族の名義で借りる」といった行為は名義貸しにあたり、違法行為です。
名義を貸した家族自身には、借金をしたという意識がなくても、返済義務を負うのは名義を貸した家族自身です。契約上の債務者は名義人となるため、返済を滞納した場合、名義を貸した人の方へ請求がなされます。
4-3 債務者が亡くなり家族が相続人になるケース
債務者が死亡すると、その借金は自動的に消滅するわけではありません。相続人となる家族は、被相続人(亡くなった人)の借金をすべて相続することになります。
そのため、借金を相続したくない場合は「相続放棄」や「限定承認」などの手続きを行う必要があります。ただし相続放棄では、借金だけではなくプラスの財産も相続できなくなることに注意しなければなりません。
また、相続放棄や限定承認の手続きには「自分に相続が開始されたことと、自分が相続人であるという事実を知ったときから3か月以内」という期間制限が設けられています。そのため、早めに専門家へ相談することが重要です。
次の記事でも、家族・兄弟の借金の返済義務を負うケースや対処法について詳しく解説しています。ご興味がある方はぜひご覧ください。
5章 家族の借金で困っていても「債務整理」をあきらめないで
家族が債務整理の「相談」をすることは可能ですが、実際に依頼・手続きを行うためには本人の同意と面談が必須です。債務整理は、本人の収入・生活状況をもとに最適な方法を選択する手続きであり、本人の協力なくしては進められません。
ただし、本人が嫌がっているからといって、相談をあきらめそのままにしていても決してよいことはありません。そんな状況でも、家族ができることはあります。
- 借金についての状況を整理し、情報を集めること
- 専門家に相談できるよう本人を諭し導くこと
- 感情的にならず、冷静に支えること
借金問題を放置すれば、利息や督促が増えて、家庭の生活基盤を揺るがしかねません。「どうにかしたい」と家族が思ったら、司法書士・弁護士への相談を検討してください。
グリーン司法書士法人では、これまで10,000件以上の債務整理相談を受任・解決してきた実績があり、皆様の借金問題の解決に尽力しています。
初回のご相談は無料です。借金問題は、ご相談が早ければ早いほど、解決のための選択肢が多く選びやすいといえます。お一人で悩まず、どうぞお気軽にご相談ください。
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