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- ブラックリストとは
- ブラックリストに載る3つのデメリット
- ブラックリストに載る条件と期間
- ブラックリストに載っているか確認する方法
- 信用情報機関ごとのブラックリスト表示の種類
「ブラックリスト」とは、「信用情報機関」に「事故情報」が登録されている状態のことです。
信用情報機関では、クレジットカードやローンの申し込み、返済に関する信用情報を収集、管理し、加盟会社に情報提供しています。
そのため、信用情報機関でブラックリストに登録されてしまうと「この人にお金を貸しても返してもらえないかもしれない」と判断され、クレジットカードの作成やローンの借入ができなくなってしまいます。
クレジットカードやローンの審査に落ちることが続いたら、信用情報機関でブラックリストに登録されていないか確認しましょう。
信用情報機関には本人開示制度があり、手続きを行えば自分がブラックリストに登録されているか確認可能です。
本記事では、信用情報機関のブラックリストとは何か、登録されるデメリットや確認方法を解説します。
目次 ▼
1章 ブラックリストとは
「ブラックリスト」とは、「信用情報機関」に「事故情報」が登録されている状態のことです。
「信用情報機関」とは、クレジットやローンの申し込み・契約などに関する信用情報を、加盟会社であるクレジット会社やローン会社から収集・管理し、会員である加盟会社からの照会に応じて情報提供する機関です。
クレジットカードで買い物したときやローン会社からお金を借りたとき、遅れずに返済することが必要ですが、一定期間遅延してしまったときなどは「事故情報」として信用情報機関に登録されることになります。
この事故情報が登録されている状況を「ブラックリスト」と呼ぶため、滞納など問題の顧客をリスト化した名簿などが存在するわけではありません。
2章 ブラックリストに載る3つのデメリット
ブラックリストに載るということは、信用情報機関が管理する信用情報に事故情報が登録されることを意味します。
そのため事故情報が登録されていることを知った金融会社は、その人が
- 「経済的に厳しい状況にある」
- 「返済能力がない」
と判断することになるでしょう。
そのためブラックリストに載ることには、次の3つのデメリットがあると考えられます。
- ローンを組めない
- クレジットカードを作れない
- 保証人になれない
それぞれのデメリットについて説明していきます。
2-1 ローンを組めない
ブラックリストに載ってしまうと、「返済能力」に問題があるとみなされるため、ローンを組むことはできなくなります。
そのため家や車などのローンを検討している場合、計画どおりに購入できなくなると留意しておくべきです。
2-2 クレジットカードを作れない
ブラックリストに載ってしまうと、クレジットカードを新規で作ることも利用することもできなくなるため、カードを使った買い物やキャッシングはできません。
どうしてもの場合はデビットカードや家族カードの利用を検討しましょう。
2-3 保証人になれない
ブラックリストに載ってしまうと、借金の「保証人」になることはできなくなります。
保証人を必要とする借入れはいろいろありますが、身近なものは奨学金でしょう。
子が大学に通うときの「貸与奨学金」を利用する場合でも、親がブラックリストに載っていると保証人になれないため注意してください。
- ブラックリスト登録が就職や転職に影響を及ぼす可能性は低い
- 信用情報機関のブラックリストに登録されたことが、就職や転職に影響を及ぼすことはほぼないので、ご安心ください。
というのも、信用情報機関で情報開示請求を行えるのは原則として本人のみだからです。また、雇用関係において信用情報を不当に利用することは、個人の権利を侵害する行為とみなされ、違法行為に該当します。
そのため、万が一、信用情報機関にブラックリストとして登録されていることがバレても、仕事をしていく上で不利益を被ることはありません。
3章 ブラックリストに載る条件と期間
ブラックリストに載ってしまうと様々な制約を受けることになりますが、信用情報機関に事故情報が登録される「条件」は主に次の5つであり、それぞれ「登録期間」は異なります。
- 返済遅延が続いた場合
- 携帯電話料金の滞納が続いた場合
- 債務整理した場合
- 短期間に多重申し込みした場合
- クレジットカード現金化を利用した場合
それぞれの条件と登録される期間について解説します。
3-1 返済遅延が続いた場合
信用情報機関に事故情報が登録される条件として、クレジットカードやローンの「返済遅延」が続いたときが挙げられます。
期日までに支払いがないと、信用情報機関の「入金状況」の欄に返済が「遅延」しているという情報が記録されてしまいます。
どのくらい返済遅延があれば事故情報が記録されることになるのか、その期間の「長さ」については以下のとおり信用情報機関ごとに異なります。
返済遅延の種類 | CIC | JICC | KSC |
---|---|---|---|
61日以上延滞 | 5年 | 1年 | 5年 |
3か月以上連続延滞 | 5年 | 5年 | 5年 |
横スクロールできます
事故情報が「消えるまでの期間」は、遅れた返済を払った日から起算されるため、遅れを取り戻さなければいつまでも「事故扱い」となり続けます。
なお、信用情報機関については後述します。
3-2 携帯電話料金の滞納が続いた場合
携帯電話料金の「滞納」が続いたときも、信用情報機関の事故情報として登録されます。
スマートフォンなどを新規購入するときや機種変更するときに、本体を「分割払い」で契約するとローン購入と同じ扱いとなります。
そのためクレジットカードやローンの返済遅延と同様、信用情報機関ごとに61日以上の延滞や3か月以上連続延滞で金融事故として扱われます。
3-3 債務整理した場合
多額の借金を抱えている場合には「債務整理」で負担を軽減できますが、債務整理手続により信用情報機関の事故情報として登録されます。
信用情報機関と債務整理の種類によって、事故情報として登録される期間は以下のとおり異なります。
債務整理の種類 | CIC | JICC | KSC |
---|---|---|---|
自己破産 | 5年 | 5年 | 7年 |
任意整理 | 延滞として5年 | 5年 | 5年 |
個人再生 | 延滞として5年 | 5年 | 7年 |
横スクロールできます
3-4 短期間に多重申し込みした場合
信用情報機関には、カードやローンの契約・取引履歴以外にも、新規発行の「申し込み」情報も記録されます。
そのため短期間にカードやローンの新規契約を「多重申し込み」すると、最低でも「6か月間」は審査に通りにくくなります。
この「申し込みブラック」として扱われる目安は、1~6か月に3社以上のクレジットカードの申し込みがあったときです。
短期間に複数社に申し込むと、カード会社が「お金に困っているからカード作成に必死になっている」と判断し、返済能力を疑われることになるため注意してください。
3-5 クレジットカード現金化を利用した場合
「クレジットカード現金化」も信用情報機関の事故情報に登録される原因です。
そもそもクレジットカード現金化はカード会社の利用規約で「禁止」されている行為であるため、現金化が発覚すれば強制的にカード契約は解約となります。
単に強制解約されるだけでなく、信用情報機関に金融事故として記録されます。
余談ですが、現金化を大量にしている状態でカード破産すると免責不許可事由に該当しますので、カードの現金化は絶対にやめましょう。
4章 ブラックリストに載っているか確認する方法
ブラックリストに事故情報が登録されているか確認したい場合は、信用情報機関に情報開示請求を行いましょう。 信用情報機関には本人開示制度があり、手続きを行えば事故情報が登録されているか確認できます。
信用情報は信用情報機関が収集・管理していますが、信用情報機関には次の3種類があります。
複数のカード利用や借金がある場合には利用した金融会社の加盟する機関すべてに「開示請求」することが必要になるため、次の3つに分けて説明していきます。
- JICCに開示請求する
- CICに開示請求する
- KSCに開示請求する
信用情報機関ごとに請求方法など異なる部分もあるため、それぞれ確認しておきましょう。
4-1 JICCに開示請求する
「日本信用情報機構(JICC)」の加盟会社は、消費者金融や銀行など幅広い金融会社です。
銀行については、地方銀行やネット銀行が中心であり、メガバンクは加盟していません。
開示請求の方法として、次の2つが挙げられます。
- インターネットで申し込む
- 郵送で申し込む
それぞれ説明していきます。
①インターネットで申し込む
JICCに対する開示請求で「インターネット」を利用するときの流れは以下のとおりです。
- JICC公式ホームページの「スマホで申し込み」から専用アプリをダウンロード
- クレジットカードまたは本人確認書類2点で本人認証手続
- 個人情報(氏名・生年月日等)の入力
- クレジットカード・コンビニ払い・キャリア決済のいずれかで開示手数料の支払い
②郵送で申し込む
JICCに対する開示請求を「郵送」で申し込むときの流れは以下のとおりですが、「窓口」での申請もほぼ同じ流れです。
- JICC公式ホームページの「開示申込書作成フォーム」から必要事項入力
- 表示されるQRコード付きの開示申込書を印刷
- フォームに必要事項を入力
- PDFファイル表示後に印刷
- 開示手数料の支払い(定額小為替証書またはクレジットカード)
- 必要書類と開示手数料を送付
- 開示結果の郵送による受け取り
4-2 CICに開示請求する
「シー・アイ・シー(CIC)」の加盟会社は、消費者金融や新盤会社などですが、携帯電話会社なども加盟しています。
開示請求の方法は次の3つです。
- インターネットで申し込む
- 郵送で申し込む
- 窓口を利用する
それぞれ説明していきます。
①インターネットで申し込む
CICに対する開示請求で「インターネット」を利用するときの流れは以下のとおりです。
- CICの公式ホームページからクレジット契約利用の電話番号から指定電話番号にかけ受付番号を取得
- 取得した受付番号・パスワードを入力
- 開示情報の表示
②郵送で申し込む
CICに対する開示請求で「郵送」を利用するときの流れは以下のとおりです。
- CIC公式ホームページから「信用情報開示申込書」をダウンロード・印刷・記入
- 定額小為替証書で手数料の支払い
- 信用情報開示申込書・本人確認書類等の必要書類・手数料を「郵送開示センター」に郵送
- 約10日後に開示報告書が到着
4-3 KSCに開示請求する
「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」は銀行が加盟する信用情報機関であるため、消費者金融や信販会社は加盟していません。
開示請求の方法は、窓口による受付はなく、「インターネット」または「郵送」による申し込みのみの扱いであり、以下の手順で請求します。
- KSCの公式ホームページでメールアドレスを登録
- メールアドレスに通知された案内から申込情報(氏名・住所など)入力
- 本人確認書類によるオンライン本人確認
- クレジットカード・PayPay・キャリア決済で手数料の支払い
- メールアドレスに届いたURLから開示報告書をダウンロード
「郵送」で開示手続する場合には、登録情報開示申込書・本人開示手続き利用券(コンビニで購入)・本人確認書類(2点)を送付して申し込みます。
5章 信用情報機関ごとのブラックリスト表示の種類
先にも説明したとおり、ブラックリストという名簿やリストは存在せず、信用情報機関ごとの「表示」によって「ブラックリスト」と判断します。
そこで、信用情報機関ごとの「ブラックリスト表示」について、次の3つを説明していきます。
- JICCのブラックリスト表示
- CICのブラックリスト表示
- KSCのブラックリスト表示
5-1 JICCのブラックリスト表示
JICCでは、次の3種類が開示されます。
- 信用情報記録開示書(ファイルD)
- 信用情報記録開示書(ファイルM)
- 照会記録開示書
このうち「信用情報記録開示書(ファイルD)」は主に借入情報が記載されていますが、以下の表示があればブラックリスト状態であることを意味します。
- 「ブラックリスト」とされる表示
- 「異参サ内容・異参サ発生日」に「延滞」または「債務整理」などの表示
「信用情報記録開示書(ファイルM)」は主にクレジット情報が記載されており、以下の表示がある場合はブラックリストとして登録されていると判断できます。
- 「ブラックリスト」とされる表示
-
- 「支払い遅延の有無情報」に「元本・手数料遅延」の表示
- 「注意情報」に「返済条件変更」「破産申立」「民事再生」などの表示
5-2 CICのブラックリスト表示
CICの信用情報開示報告書は、以下の構成となっています。
- クレジット情報
- 申込情報
- 利用記録
この中の「入金状況」および「お支払いの状況」にある「返済状況」の項目を確認してください。
この中の「入金状況」に、「$」または空欄なら支払いに問題がないこと、「-」なら利用していないことを意味します。
これに対し、以下の表示がされているときには「延滞」があるとみなされます。
- 「延滞」があるとされる表示
-
- 「P」請求額の一部のみ入金
- 「R」利用者以外から入金
- 「A」未入金(利用者の事情により入金日に入金がない)
- 「B」未入金(利用者の事情に関係なく入金がない)
- 「C」未入金(現金不明の入金なし状態)
そして「返済状況」欄に、次の表示があればブラックリスト状態であることを意味します。
- 「ブラックリスト」とされる表示
- 「返済状況」欄に「異動」の表示
5-3 KSCのブラックリスト表示
KSCの信用情報開示報告書は、以下の構成となっています。
- 登録情報開示報告書
- 登録情報開示報告書の説明書
- 領収書
この中で確認したいのは「残債額・入金区分履歴」と「返済区分」の欄です。
「残債額・入金区分」に「〇」が表示されていれば入金済、「-」は請求がなかった状態を示します。
しかし以下の表示があるときには支払いが遅れている状態です。
- 「延滞」があるとされる表示
-
- 「△」請求額の一部の入金あり
- 「×」請求額の入金なし
- 「P」請求額が事情により未入金
また、次の表示がある場合、ブラックリスト状態であると判断できます。
- 「ブラックリスト」とされる表示
-
- 「返済区分」に「延滞」の表示
- 「完了区分」に「代位弁済」「強制回収手段」「移管」などの表示
6章 ブラックリストを消す方法はない
一度、信用情報機関でブラックリストに登録されてしまった場合、本人からの依頼によりブラックリストを削除してもらうことはできません。
信用情報機関でブラックリストされると、下記の期間は記録として残り続けてしまいます。
支払いの延滞の場合 | 原因解消(完済)から5年以内 |
---|---|
債務整理・強制解約・債権譲渡の場合 | 5年〜7年以内 |
信用情報機関に登録された事故情報をできるだけ早く削除したい場合には、借金問題そのものをできるだけ早く解決する必要があります。
まとめ
ブラックリスト扱いになる条件はいろいろありますが、登録されれば完済・解約してから5~7年は解消されないため、その期間中はクレジットカードやローンの利用ができません。
そのため自身がブラックリストか不安なときには、信用情報機関に確認してみましょう。
ブラックリストに登録されれば、生活に支障をきたすこともあるため、早めに解消できるように借金問題を解決することが必要です。
もしも借金返済が厳しい状態で悩んでいるときや、どのように解決するべきかわからないときには、気軽にグリーン司法書士法人グループへのご相談ください。
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よくあるご質問
- ブラックリストに掲載される期間は?
- 借金やクレジットカードの延滞、債務整理など登録された事故情報の内容によって掲載期間は変わります。
債務整理の場合、5~7年間はブラックリストに登録されてしまいます。
ブラックリストの掲載期間について詳しくはコチラ
- ブラックリストに掲載されているか確認する方法は?
- クレジットカードやローンの申し込みの際、ブラックリストに載っているか不安を感じるのであれば「信用情報機関」に確認するとよいでしょう。
ブラックリストの確認方法について詳しくはコチラ