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- 不動産投資は借金地獄に陥りやすい投資のため注意が必要
- 住宅ローンを利用した不動産投資は禁止されている
- 借金が返済できない場合は不動産が差押えになる
- 不動産を売却しても残った借金は完済する必要がある
以前は敷居が高かった不動産投資も、近年ではサラリーマンでも手軽に挑戦できるようになりました。副業感覚で始めている方も増えていますが、不動産投資は借金地獄に陥りやすくリスクが高い投資です。
この記事では、不動産投資で借金地獄に陥りやすい原因を解説します。借金を抱えてしまった場合の対処法も紹介するので、不動産投資に興味を持っている方は参考にしてください。
目次 ▼
1章 不動産投資で借金地獄になる原因は?
不動産投資で借金地獄になる原因は、計画不足とリスク管理の甘さが挙げられます。予想外の空室や修繕費などによる赤字や資金繰りの失敗などにより借金を抱えてしまうケースが多いです。
では、具体的にどのようなケースで借金地獄に陥ってしまうのか見ていきましょう。
1-1 不動産投資ローンが返済できない
不動産の購入は非常に高額なため、不動産投資ローンを組んで物件を購入するケースがほとんどです。
不動産投資ローンの返済は、不動産収益から返済していきますが、何らかの理由でその不動産からの収入が入らないと、ローンの返済ができなくなります。特に、不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高いので、利子さえ返済がままならない状況が続くと、購入した不動産を手放さなくてはいけない可能性もあるでしょう。
収益が出ない状態でローンの返済を続けるので、別の金融機関から借金しなくてはいけない状況となり、結果的に借金地獄に陥るでしょう。
1-2 リフォームや修繕の費用で赤字が出る
安価で中古物件を購入したものの、リフォームや修繕が必要になり赤字が膨らんでしまったケースもあります。
築年数が経った中古物件の場合、年季が入った内装だと人気が出ずに入居者が埋まらない可能性が高いです。入居者が埋まらないと家賃収入が得られないため、リフォームや修繕をせざるを得なくなります。
予定にない不動産投資の経費が発生してしまい、借金地獄に陥るケースもあるので注意が必要です。
1-3 家賃収入が減ってしまった
購入した不動産が最初は好調だったものの、環境の変化やアクシデントにより家賃収入が減ってしまったケースです。不動産投資は長期的に取り組むため、購入時と10年後、20年後では状況が変化する可能性もあります。
近隣にあった商業施設が閉店したり、大企業の工場や大学などの学校が移転したりと生活が不便になることで、空室率が高まるケースも少なくありません。購入時は人気が高い立地でも、長期的に需要が続くとは限らないでしょう。
空室率が高くなると、予定通り不動産投資ローンを返済できなくなるため、結果的に借金地獄に陥るおそれがあります。
1-4 多重債務に陥っている
不動産投資ローンの返済ができない分を別の消費者金融の借入で凌いだり、返済に追われていて生活費が足りずに消費者金融で借入をしてしまったりと、次々に借金を重ねることにより多重債務に陥るケースもあります。
不動産投資ローンが原因であちこちに借金が増えてしまうと、どの返済から手をつけてよいのか分からず、最終的に返済不能になるリスクもあるでしょう。返済不能に陥ると、差押えになる可能性もあるため、できるだけ早めに対処する必要があります。
1-5 投資詐欺に遭ってしまった
知識が浅いまま不動産投資を始めてしまい、投資詐欺に遭ってしまうケースも考えられます。
不動産投資と聞くと、不労所得で生活できるイメージから憧れを持っている方も多いです。しかし、知識が浅いと簡単に騙されてしまい、悪徳な不動産業者に乗せられるがまま購入してしまうおそれがあるので注意しましょう。
投資詐欺に遭ったことに気付かずに借金を重ね続けてしまうと、借金地獄に陥ってしまう可能性もあります。買主が不利な契約を掴まされる場合も多いと覚えておきましょう。
1-6 ローンの不正利用がバレた
持ち家を購入する場合は、フラット35などの住宅ローンを利用しますが、不動産投資が目的の場合は利用できません。
なぜなら、持ち家という性質上、通常の住宅ローンは完済を前提としているため金利が低く設定されているからです。投資目的で不動産を購入する場合は、不動産投資ローンを利用しなければいけません。
しかし、不動産購入をさせるために、フラット35などの住宅ローンの利用をすすめる悪徳業者も存在します。前述の通り、住宅ローンの利用は不正です。不動産投資への利用が発覚した場合、契約違反として一括返済を求められる可能性があります。
数千万円以上もの高額なローンを一括返済することになるため、事実上返済不能となるおそれがあるでしょう。住宅ローンの利用を持ちかける悪徳業者とは絶対に契約を結んではいけません。
2章 不動産投資の借金が返済できないとどうなる?
不動産投資の借金が返済できないと、購入した不動産が差押えになります。差押えになった不動産は競売にかけられてしまうので、不動産投資を続けることができません。
また、差押えになったからといって、抱えてしまった借金が帳消しにならないので注意しましょう。不動産を売っても借金が残っていた場合は残債を返済する必要があります。
では、不動産投資の借金が返済できない場合に起きることを見ていきましょう。
2-1 不動産が競売になる
不動産の税金の滞納や不動産投資ローンの返済が滞ると、不動産が差押えになります。本来、差押えになるのは不動産だけではなく、現金や貯金、車や有価証券など財産になるものが対象です。
しかし、不動産投資ローンが払えない場合は、不動産投資ローンを利用して購入した不動産が差押えの対象になります。差押えになると、不動産を強制的に売ることになるので注意しましょう。
2-2 任意売却で手放すことになる
競売にかけられると、相場よりも安く売り出すため、不動産を売っても返済額が残ってしまうことも多いです。そのため、競売ではなく市場価値で売却する任意売却を行った方がよいかもしれません。
競売にせよ任意売却にせよ、返済額が残ってしまった場合は、返済を続ける必要があるため、不動産投資をやめても借金が残ってしまいます。
3章 不動産投資で借金地獄にならないための方法
不動産投資は大きな利益を見込める一方で、リスクが高いので慎重に計画を立てなければいけません。特に、不動産投資の知識が浅いまま始めようとしている方は、悪徳業者に騙される可能性もあるので注意が必要です。
では、不動産投資で借金地獄にならないための方法を解説します。これから不動産投資を始める方は参考にしてください。
3-1 慎重な物件選びをする
1つ目は、慎重な物件選びをすることです。
不動産投資が成功するかは最初の物件選びで決まるといわれています。目先の利益だけではなく、長期的に需要が見込める立地条件の不動産を選ばなくてはいけません。
単身者が多い地域であればワンルームマンション、学校や公園が多い街であればファミリー向けマンションなど需要に合った不動産かを調査しましょう。
3-2 念入りに収支計画を立てる
2つ目は、念入りに収支計画を立てることです。
リフォームや修繕が必要な場合や、諸経費が思ったよりも嵩んでしまった場合など思いもよらぬ出費が発生するケースもあります。
不動産の購入価格だけではなく、管理費用やメンテナンス費用など初期費用を正確に把握して収支計画を立てましょう。
購入する不動産を決めるときも、空室時のリスクを考えた上で予算を決めなくてはいけません。満室時の収入で計画を立ててしまうと、空室が続いたときに思うように返済できずに借金地獄に陥る可能性もあるでしょう。
予期せぬ出費にも対応できるように、念入りに収支計画を立てる必要があります。
3-3 キャッシュフローを意識する
3つ目は、キャッシュフローを意識することです。
キャッシュフローとは、入ってくるお金と出ていくお金の流れのことです。不動産投資では、常にキャッシュフローを意識しなくてはいけません。
入ってくるお金に対して出ていくお金が多い状態が続くと、借金を重ねる原因につながります。投資した分を回収しなければいけないため、利益を残さなくては続けるのは難しいです。
不動産を購入する前に、キャッシュフローが黒字になる物件か念入りに調査してから判断しましょう。
3-4 初期投資額を抑える
4つ目は、初期投資額を抑えることです。
どうせ始めるならと、高額な金額を借入して初期投資する方は少なくありません。しかし、借入金が多いとその分返済不能に陥るリスクが高くなるため、できるだけ初期投資額を抑える方がよいでしょう。
例えば、中古物件は初期投資を抑えられるため人気の不動産です。しかし、リフォームやリノベーションの費用が高額になる場合はかえって初期投資がかかってしまいます。
築年数や経年劣化を見て、初期投資額を抑えられる不動産を探すことで借金地獄になるリスクを抑えられるでしょう。
4章 赤字が長期化している場合は不動産の売却も視野に
不動産投資は、できるだけ低リスクの不動産を選んだ場合でも絶対に儲かるとは限りません。慎重に選んでも赤字が続いてしまうケースも少なくないです。
もし赤字が長期化している場合は、不動産の売却も視野に入れましょう。いわゆる「損切り」といわれる行為で、毎月自己資金で補填している不動産を持ち続けているのであれば、早い時期に売却をした方が結果的に赤字を抑えられる可能性が高いです。
これ以上状況が好転しないと判断した場合は、タイミングを見て売却を検討しましょう。
4-1 売却額で返済できない分は債務になる
不動産を売っても不動産投資ローンが完済できない場合は、残りのお金を返済しなくてはいけません。そのため、焦って売却する前に売却額と不動産投資ローンの残債の差額がどれくらいあるのかをチェックしてから判断しましょう。
もし、差額がある場合は自己資金で補填するか別の借金で補填しなくてはいけません。しかし、不動産投資ローンの借入状況によっては借入を断られる可能性も高いので、基本的には自己資金で補填するようにしましょう。
5章 不動産投資の借金が返済できない場合は債務整理がおすすめ
不動産投資でつくった借金が返済できない場合は債務整理を検討しましょう。債務整理は、借金を減額して返済負担を軽減する手続きです。
債務整理は、大きく分けて3種類の方法があります。それぞれ特徴が異なるため、状況に合わせて確認しましょう。
債務整理の種類 | 手続きの方法 | こんな人におすすめ |
---|---|---|
任意整理 | 利息や手数料など元金以外の支払いをカットする手続き | ローンの返済が長期化して利息が膨らんでしまった人 借金を選んで返済したい人 |
個人再生 | 借金そのものを大幅にカットして完済を目指す手続き | 借金の総額が大きい人 失いたくない財産がある人 |
自己破産 | 借金自体を免除して支払い義務をなくす手続き | 完済の目処が立たず返済不能に陥った人 借金の返済自体が難しくなった人 |
債務整理は法的な手続きが必要なため、専門家と一緒に進めることを強くおすすめします。また、専門家の手続きには費用が必要なため、自己資金に余力があるうちに手続きを始めましょう。
5-1 投資が原因の借金は破産できない可能性がある
不動産投資が原因の借金を債務整理したい場合は、自己破産できない可能性があります。
なぜなら、生活苦や医療費の補填など、やむを得ず借金をした場合とは異なり、投資は「免責不許可事由」に該当するからです。
ただし、不動産投資が免責不許可事由に該当しているからといて、絶対に自己破産が認められないわけではありません。裁判所の判断で免責が認められるケースも多くあるため、専門家に相談をして丁寧に手続きを進めるようにしましょう。
グリーン司法書士法人は、債務整理の専門家が一人一人に合った解決方法を提案します。借金問題の相談は、早ければ早いほど選択肢も多いので、返済が厳しくなった段階での相談がおすすめです。
6章 不動産投資は借金が膨らみやすい!早めの判断が大切
不動産投資は大きな利益を見込める一方で、計画不足やリスク管理の甘さから借金が膨らみやすいので注意しましょう。投資が思うように進まない場合は、早めの判断が大切です。
借金地獄に陥らないためにも、収支計画の見直しやリスクヘッジをして慎重に不動産投資をしましょう。もし、借金が膨らんだ場合は早めに専門家に相談して借金問題を解決するのがおすすめです。
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