住宅ローンをうっかり延滞!|数日なら大丈夫?延滞のリスクは?

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

住宅ローン問題
住宅ローンをうっかり延滞!|数日なら大丈夫?延滞のリスクは?

この記事は約 11 分で読めます。

悩む男性
悩む男性
うっかり口座への入金を忘れてしまい、住宅ローンの引き落としが間に合いませんでした。すぐ支払えば問題ないでしょうか・・・?
司法書士
司法書士
数日延滞しただけでしたら、特段問題になることはないでしょう。
しかし、2ヶ月以上延滞を続けた場合、ブラックリストに登録され、最終的には不動産が競売にかけられる可能性があるので注意が必要です。

住宅ローンの引き落とし日に、口座への入金を忘れてしまったなど、うっかり住宅ローンの支払を延滞してしまうケースは少なくありません。

住宅ローンは大切な家にかかっているものですので、「延滞したら、家に影響が出てしまうのでは・・・」と不安に思いますよね。

しかし、安心してください。数日程度の延滞を一度しただけでは特に問題はありません。

一方、2ヶ月以上延滞すると信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」です。

また、長期的に延滞をすると、家が差し押さえの対象となり、競売にかけられる可能性があります。

1章 住宅ローンをうっかり延滞してしまったらどうなる?

住宅ローンをうっかり延滞してしまった場合、すぐに振り込むなど、迅速に対応すれば特に問題になることはありません。

ただし、数日の延滞でも複数回延滞が繰り返すと、信用情報機関にその情報が登録され今後のクレジットカードや借り入れなどの審査に少なからず影響が出る可能性があります。

また、延滞を2ヶ月以上延滞してしまうと、信用情報機関に事故情報として登録されます。いわゆる「ブラックリスト」です。そうなると、最短でも5年間程度は以下のことができなくなります。

  • 新たな借入やクレジットカードの作成
  • 携帯電話本体の分割払い
  • 各種ローン(住宅ローンやカーローンなど)の利用

「うっかりしていて支払いが遅れてしまった」というのであれば、迅速に支払う対応をしましょう。

2章 長期的な延滞をすると家が競売にかけられる可能性がある

住宅ローンの延滞が数日程度であれば、特に問題になる可能性は少ないでしょう。

しかし、2ヶ月以上の延滞が続くと、督促を受け、最終的には家が差し押さえられ競売にかけられてしまう可能性があります。

ここでは、住宅ローンを長期的に延滞したときにどうなるのかの流れについて解説します。

2−1 【数日〜1ヶ月】 銀行から支払いを求める書面が届く

延滞してから数日〜1ヶ月の間に、銀行から支払いを求める書面が届きます。書面の名前は債権者によりますが「督促状」としていることが多いでしょう。

この時点では事故情報としては登録されている可能性は少ないですので、書面が届いたら直ちに支払いに応じましょう。

すぐに支払いに応じれば特段問題になることはありません。

2−2 【2ヶ月〜3ヶ月】催告書が届く

2ヶ月以上の延滞が続くと、次に「催告書」という書面が届きます。

支払いを求める書面に違いはありませんが、「これ以上支払いが遅れると、法的措置を取ります」など、文面が強くなります。

また、2ヶ月以上延滞が続いている時点で、信用情報機関には事故情報として登録されている可能性が高いでしょう。

もし、家を残したいのであれば、この時点で債務整理を専門家に相談するようにしましょう。個人再生や任意整理を選択することで、家を残したまま借金問題を解決できる可能性が高まります。

なお、3ヶ月以上経過し、代位弁済が行われると個人再生の難易度が非常に高くなります。なるべく早い段階で相談するようにしましょう。

2−3 【3ヶ月〜6ヶ月】期限の利益喪失通知書・代位弁済通知書が届く

催告書をも無視していると、今度は「期限の利益喪失通知書」「代位弁済通知書」が届きます。

期限の利益喪失とは、債務者が契約違反(この場合は支払いの滞納)があった場合に、債務者にの返済期日までに返済すれば良いという権利(期限の利益)を失うことで、債権者は本来の期限よりも前倒しで債務者に対して請求することが可能になります。

つまり期限の利益の喪失通知書は、「本来は分割で払うものですが、期限の利益を喪失したので、残っているローンを一括で支払ってください」という旨の通知です。

一方、代位弁済とは、債務者に代わって保証会社などが代理で債務を支払うことを言います。「代わりに払ってもらえる」と聞くといいように思えますが、そんな優しいものではありません。代位弁済がなされた時点で、債務者は債権者より一括請求されることになります。

もっとも、住宅ローンのような高額なお金を一括返済するのは現実的ではありません。この時点で、自己破産などの債務整理か、任意売却(自身で不動産を売却すること)を検討するべきです。

2−4 【6ヶ月〜10ヶ月】競売開始決定通知が届く

一括請求に応じない場合、銀行は不動産を差し押さえる準備に入り、差し押さえが行われると、所有者が勝手に不動産を処分することができなくなります。

それと合わせ、該当する不動産を売却し、債権を回収するために競売の申立てを裁判所に行います。

この申立てが認められると、債務者(不動産の所有者)に対して「競売開始決定通知」が届きます。

なお、競売とは、売り主(この場合、債権者)が不動産の価格を確定することなく売出し、購入したい人が希望額を入札していく売却方法です。いわゆるオークションのようなものです。

2−5 【10ヶ月〜16ヶ月】競売入札が開始される

競売が開始されると、購入を希望する人からの入札が開始されます。

入札が開始されると、任意売却は一切受け付けられなくなります。そのため、入札前日までに任意売却を完了しておく必要があります。

競売入札で売却先が決定されると、競売は終了です。

なお、競売が終了したからと言って住宅ローンがなくなるわけではありません。住宅ローンの残額から競売での売却額を差し引いた分は今後もローンとして残り続けます。

これが払えなくて自己破産に至るケースはよくあります。

競売は任意売却よりも低価格で売却される傾向があるため、可能であれば競売にかけられるのは避けるべきでしょう。

3章 住宅ローンが支払えないときの対処法

住宅ローンが支払えなくなった場合、不動産が競売にかけられるのは最悪の事態と言えます。

売却をするにせよ、任意売却であればもっと高く売れたところ、競売にかけられた結果低価格で売却され、ローンが多く残ってしまうことがあります。

そのため、競売にかけられる前に対処するのが先決です。

ここでは、住宅ローンが支払えない時の対処法について解説します。

3−1 支払いが難しいのが一時的なものなら銀行へ相談する

傷病や、失業などを理由に、一時的にローンの支払いが難しいのであれば、銀行に相談してみましょう。

銀行によっては、返済計画の変更や、返済期間の延長などで、無理なく支払えるよう対応してくれることがあります。

銀行としても、差し押さえなどの強硬手段で解決するよりも、債務者に継続的に支払ってもらったほうがロスがないからです。

3−2 任意売却をする

競売にかけられるくらいであれば、高額で売れる可能性が高い任意売却を選択したほうが良いでしょう。

任意売却であれば、不動産業者を通じて売却活動が可能であり、相場に近い金額で売却できる見込みがあります。

地価の上がっている土地にある家やマンションであればローンを超える金額で売却できる可能性もあるでしょう。

任意売却後にローンが残った場合には返済を続けていかなければいけませんが、分割払いに対応してくれることも多いため、これまでよりは返済額を抑えることが可能になります。

3−3 今後も支払いが難しい場合には債務整理を検討する

今後も住宅ローンの支払の目処が立たないでもあれば、債務整理を検討しましょう。

債務整理には「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3種類があります。

3−3−1 自己破産

自己破産とは、裁判所に申し立てることで、借金の返済義務を免除してもらう手続きです。

住宅ローンを含め、借金はなくなりますが、その分一定以上の財産は処分され債権者へを分配されます。

住宅ローンのような高額な借金を解決するのためには、自己破産を選択せざるを得ないこともあるでしょう。

なお、自己破産をする前に任意売却をしておくことで、自己破産の手続きが同時廃止となる可能性が高まります。同時廃止であれば、手続きも簡潔になり手間も時間も少なくなりますので、状況に応じて任意売却も検討しましょう。

3−3−2 個人再生

個人再生とは、裁判所に申し立てることで、借金を5分の1〜10分の1程度まで圧縮し、原則5年で完済する再生計画を立てる手続きです。

代位弁済がなされた場合でも、住宅ローンの巻き戻し(代位弁済前の状態の戻すこと)を行った上で、住宅ローン特則を利用することで家を残したまま手続きをすることが可能です。

ただし、住宅ローン特例を利用するということは、住宅ローンは基本的にそのまま払い、他の借金について再生計画を立てることが眼目であるため、手続き後も住宅ローンが丸々残ることになります。

そのため、借金が住宅ローンのみの場合には適していません。

住宅ローン以外にも借金があり、それを圧縮することで住宅ローンを払い続けることができる状況であれば個人再生を検討してみるのもよいでしょう。

なお、住宅ローンの巻き戻しは非常に手のかかる手続きですので、可能であれば代位弁済がなされる前にご相談いただくことをおすすめします。

3−3−3 任意整理

任意整理とは、債権者と交渉することで将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。

住宅ローンは金利が非常に低く設定されているため、任意整理はあまり効果的ではありませんし、そもそも銀行側が任意整理に応じることは考えにくいでしょう。

そのため、住宅ローン以外にも借金があり、それらの借金の利息をカットして月々の返済額を減らすことで、住宅ローンの支払いに充てられる状況であれば任意整理を検討してみるのも良いでしょう。

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借金返済のご相談はグリーンへ

4章 債務整理ならグリーン司法書士法人にお任せ下さい!

住宅ローンなど、借金の返済でお困りの方はぜひグリーン司法書士法人にご相談ください。

当事務所では、これまで多くの借金問題を解決に導いてまいりました。

また、グループ会社には不動産会社もございますので、任意売却に関するご相談にも対応可能です。

ご相談いただきましたら、借金の状況やご希望をお伺いした上で最適な解決策を提案させていただきます。

初回相談は無料です。オンライン相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

住宅ローンに関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。

アクセス数が多いキーワード:任意整理 住宅ローン

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よくあるご質問

住宅ローンを滞納するとどうなる?
住宅ローンを滞納すると、下記のように最終的には競売にかけられてしまいます。
【数日〜1ヶ月】 銀行から支払いを求める書面が届く
【2ヶ月〜3ヶ月】催告書が届く
【3ヶ月〜6ヶ月】期限の利益喪失通知書・代位弁済通知書が届く
【6ヶ月〜10ヶ月】競売開始決定通知が届く
【10ヶ月〜16ヶ月】競売入札が開始される
住宅ローンの滞納について詳しくはコチラ
住宅ローンを数日間延滞するとどうなる?
延滞が数日間だけであれば、遅延損害金も発生せず、特に問題とならないケースも多いです。
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