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- 債権者集会とは破産者の財産や債務を確認して債権者に経過を説明する場
- 個人の破産手続きでは債権者が出席しないケースがほとんどである
- 債権者集会は管財事件のみ行われる
- 詐欺的な借入など不誠実な対応がない限りは心配する必要はない
- 司法書士や弁護士などの専門家に依頼すれば債権者集会のサポートが受けられる
「債権者集会って何をするのかな?」
「債権者とやり取りするなんて怒られそうで心配……」
自己破産の情報を集めていると、このような疑問を持った方は多いでしょう。
債権者集会とは、債権者に対して経過を説明し、異議申し立ての機会を設ける場です。自己破産の手続きにおいてのみ行われ、破産管財人が破産手続きの進行状況を債権者に報告する目的もあります。
この記事では、債権者集会とはどのような場であるか詳しく解説します。債権者集会から免責されるまでの流れを押さえて、手続きの進行への不安をなくしましょう。
目次 ▼
1章 債権者集会とは?
債権者集会では、債権者や破産管財人が破産者の財産や債務を確認し、債務者がどのような経緯で借金をしたのか、財産を適切に申告しているか、免責に問題がないかなどが問われます。
債権者集会を開く理由は、破産者の財産状況を明確にし、債権者に異議申し立ての機会を与えるためです。特に、財産隠しや不正な取引がないかを確認することが目的となっています。
個人破産の場合、ほとんどのケースで債権者が出席しないため、形式的な流れで終わることが多いですが、虚偽の申告や財産隠しが発覚すると免責が認められない可能性があるので注意しましょう。
1-1 債権者集会は管財事件のみ行われる
債権者集会は、管財事件に該当する場合にのみ行われます。
自己破産は「同時廃止」と「管財事件」の2種類があり、同時廃止では破産者に処分すべき財産がほとんどないため、債権者集会は開かれません。
一定の財産がある場合や、免責不許可事由がある場合には、破産管財人が選任される管財事件となり、財産の調査や管理を行う必要があるため、債権者集会が開かれます。
よって、管財事件で手続きが進んでいる場合は、債権者集会に向けた準備も行いましょう。
2章 債権者集会から免責されるまでの流れ

債権者集会は、破産手続開始決定から2、3か月後に開かれます。債権者集会が終わってから免責許可決定までの流れは下記の通りです。
- 債権者集会が開かれる
- 必要に応じて第2回の債権者集会が開かれる
- 配当手続をする
- 免責審尋が開かれる
- 免責許可決定が出される
債権者集会が開かれたあとに、債権者の異議申し立てがなければ財産の配当が行われます。裁判官による免責審尋が開かれ、破産が認められたら免責許可決定となり、借金が全額免除されます。
では、免責許可決定までの一連の手続きをより詳しく見ていきましょう。
STEP1. 債権者集会が開かれる
管財事件に該当する場合は債権者集会が開かれます。
裁判所の監督のもとで行われ、債権者集会には破産者、破産管財人、裁判官が参加し、場合によっては債権者も出席することがあります。
個人破産の場合、債権者は出席しないケースが多く、手続きはスムーズに進むことが一般的ですが、破産管財人や裁判官への印象を悪くしないためにも、誠実に対応することが大切です。
STEP2. 必要に応じて第2回の債権者集会が開かれる
債権者集会は1回で終了するケースがほとんどですが、必要に応じて第2回の債権者集会が開かれることがあります。第2回の債権者集会が開かれるケースは、破産者の財産状況に不明点がある、債権者から異議が出された、財産の配当に時間がかかるなどが挙げられます。
第2回の債権者集会が開かれる際も、破産者は裁判所に出席しなければなりません。当日は、破産管財人からの質問に誠実に答えましょう。
STEP3. 配当手続をする
債権者集会が終わり、破産管財人による財産の調査と売却が完了すると、債権者への配当手続が行われます。配当手続は、破産者の財産を債権者に公平に分配することを目的としています。
配当手続が行われるのは、破産者に一定の財産があり、分配できる資産がある場合です。財産がほとんどない場合は異時廃止となり、破産手続は省略されます。
STEP4. 免責審尋が開かれる
配当手続が完了すると、借金の返済義務を免除してもよいか判断する「免責審尋」が開かれます。免責審尋とは、自己破産の申立人に対して裁判所が直接事情を尋ねる手続きです。
裁判官が破産者に対し、借金を負った経緯や破産手続中の態度などから、裁判所が申立人の免責を認めるか判断します。特に、浪費やギャンブルなど免責不可事由に該当する借金が原因の場合は、誠実に破産手続きを進めたかが重視されます。
大きな問題がなければ免責許可決定へと進みます。ただし、不正が疑われる場合は免責が認められないため、隠さず正直に対応しましょう。
STEP5. 免責許可決定が出される
免責審尋が無事に終わると、裁判所は破産者の借金を免除するかどうかを正式に判断し、免責許可決定を出します。
免責許可決定が出されると、破産者は借金の返済義務がなくなり、新たな生活が始まります。今後は、借金と無縁の生活を送りましょう。
3章 債権者集会は荒れるって本当?
「破産することで、債権者集会で責められるのでは」とネガティブなイメージを持つ方もいますが、個人破産の場合はほとんどの債権者が債権者集会に出席しないため、荒れることはありません。
ただし、例外的に債権者が出席し、強い異議を唱えるケースがあります。例えば、破産者が過去に不誠実な対応をしていた場合や、詐欺的な借入が疑われる場合は、厳しい質問を受ける可能性があるでしょう。
しかし、債権者集会は法律に基づいて進められるため、感情的な争いが発生することは少ないのが事実です。誠実に対応すればスムーズに終わるため、過度に心配する必要はありません。
3-1 債権者集会に出席するときの服装
債権者集会に出席する際は、真摯な態度を示すためにも常識的で清潔感のある服装を心がけましょう。
服装が原因で免責が認められないケースは考えにくいですが、Tシャツやサンダルなどラフすぎる服装や派手な格好は避け、落ち着いた服装を選ぶことが大切です。
男性であれば、スーツやジャケットにシャツなど、ビジネスカジュアルな装いが理想的です。女性の場合も ブラウスやカーディガンなど、シンプルで落ち着いた服装がよいでしょう。
4章 自己破産を検討しているなら専門家に相談しよう
自己破産は、裁判所で手続きを行うため、複雑で専門的な知識が必要です。そのため、司法書士や弁護士などの専門家に相談して手続きを依頼することが一般的です。
専門家は債権者集会でもサポートしてくれるため、何をすべきか不安な方やどう答えるべきかわからない方も安心して準備を進められます。
また、債権者との交渉や裁判所への対応も代行してもらえるため、精神的な負担を軽減できる点もメリットです。一人で悩まず、自己破産を検討している場合は、専門家に相談しましょう。
4-1 自己破産以外の債務整理の種類
借金問題を解決する方法は、自己破産だけではありません。状況に応じて自己破産以外の債務整理を選択することも可能です。その代表的な方法として、任意整理と個人再生があります。
任意整理は、専門家が債権者と交渉し、将来の利息をカットしたり返済条件の変更を行う手続きです。裁判所を通さずに済むため簡易的に手続きが進みます。また、借金を選んで減額できるため、周りにもバレにくい点も魅力です。
個人再生は、借金を5分の1〜10分の1に減額し、原則3年で分割返済する手続きです。持ち家を残せる点が大きなメリットで、住宅ローンを整理したくない方に向いています。自己破産と同じく裁判所で手続きをしますが、債権者集会は行われないためご安心ください。
専門家に相談することで、自己破産が本当に適切な選択なのかを判断してもらえます。借金の状況によって向いている方法が異なるため、まずはお気軽にお問い合わせください。
5章 債権者集会は基本的に心配する必要がない!
債権者集会は、自己破産手続きの流れの中で行われます。
ほとんどの場合は形式的に進行し、特に問題がなければ短時間で終了します。債権者が出席しないことも多いため債務者が過度に心配する必要はありません。
大切なのは、しっかりと反省をして誠実に対応することです。債権者集会が終われば、免責許可決定に向けた手続きが進みます。専門家と相談しながら万全の準備をして、債権者集会に臨みましょう。
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