自己破産で免責がおりなかった原因は?破産手続きをする方法を解説!

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

自己破産
自己破産で免責がおりなかった原因は?破産手続きをする方法を解説!

この記事は約 12 分で読めます。

 この記事を読んでわかること
  • 自己破産で免責がおりない可能性は実際には約2%以下
  • 免責不許可事由に該当しても免責がおりる可能性がある
  • 免責がおりなかった場合は別の債務整理で借金減額を検討する
  • 破産手続きで免責許可を得るためにも早めに専門家に相談するのがおすすめ

自己破産は、全ての借金を免除してもらえる債務整理です。しかし、なかには自己破産を申請しても免責がおりなかったケースもあるのをご存知でしょうか。

免責が不許可になると借金が免除にならないため、再び借金地獄に陥ってしまいます。

この記事では、自己破産で免責がおりなかった場合の原因を解説します。また、破産手続きを進めるためのポイントも紹介するので、破産を考えているけれど免責がおりないか心配な方は参考にしてください。

1章 自己破産で免責がおりなかった原因は?

自己破産は、全ての借金を免除してもらえる手続きです。債務整理でも特に効力が強い分、誰でも破産できるとは限りません。自己破産で免責がおりなかったケースもあるので、もし自分に当てはまっている場合は対策を取る必要があります。

ここからは、自己破産で免責がおりなかった原因を見ていきましょう。自分も免責がおりない可能性がある場合は、早めに司法書士や弁護士などの専門家に相談するのをおすすめします。

1-1 借金の原因が浪費やギャンブルである

自己破産は、やむを得ず経済破綻に陥った方の救済を目的とした制度です。

そのため、高額な買い物や不要不急の支出、パチンコや競馬などのギャンブルによる借金は「浪費」と見なされ、自己責任が強いと判断されてしまいます。

借金が発生した理由が、本人の反省や生活改善の意思がないと判断された場合、免責が認められない可能性があるでしょう。

1-2 一部の債権者にのみ返済をした

一部の債権者にのみ返済をする行為は「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と呼ばれ、ほかの債権者の権利を不当に害することになります。

偏頗弁済は、債権者の公平性を大切にする破産手続きにおいて問題視されるため、裁判所は債務者が正当な破産手続きを妨害したと判断し、免責が認められない場合があります。

1-3 免責決定を過去7年以内に受けている

免責は借金返済の義務をなくしてもらう制度ですが、短期間に繰り返すと制度の乱用につながる恐れがあるため、法律で制限されています。具体的には、過去に免責を受けたことがある場合、決定から7年以内は再度免責がおりません。

このルールは、破産手続きを慎重かつ公平に運用するために設けられています。そのため、破産を希望する場合は、過去の免責から7年以上が経過していなければいけません。

1-4 破産するつもりで借金をした

返済する意思が最初からなく、借金をした時点で破産を前提としていた場合、借金を返済する責任を免れるために破産制度を悪用する不誠実な行為とみなされるでしょう。

例えば、高額な借金を繰り返してすぐに破産申請をした場合や、返済能力がないと知りながら借入をした場合などが該当します。自己破産は本当に経済的困難に陥った場合に限り利用できる制度のため、裁判所は、公平性と誠実性を重視して免責を認めません。

1-5 財産を隠したり嘘の情報を話した

破産手続きでは、債務者の財産状況や負債の内容を正確に申告することが義務付けられています。しかし、これを守らず、財産を隠したり虚偽の情報を提供したりすると、裁判所は誠実さを欠いた行為と判断して免責を認めません。

例えば、預金や貴重品を申告せず隠したり、借金の原因や金額を偽ったりした場合が該当します。このような行為は、債権者や手続き全体の公平性が損なわれるため絶対にやってはいけません。

1-6 管財人の業務に協力しなかった

破産手続きで管財事件になった場合、裁判所が選任した管財人(その地域の弁護士など)が債務者の財産状況や借金の原因を調査し、手続きを進めます。

このとき、債務者は必要な書類の提出や面談への出席など、管財人の業務に誠実に協力する義務があります。そのため、連絡の無視や重要な資料を提供しない場合、手続きの妨害と見なされてしまい、免責がおりなくなるため注意しましょう。

1-7 クレジットカードの現金化など違反行為をした

クレジットカードの現金化とは、カードで購入した商品を換金し現金を得る行為のことです。クレジットカードの現金化は、クレジットカード会社との契約に違反する不正行為とされています。

自己破産では、クレジットカードの現金化などの違法かつ不誠実な行為を問題視するため、裁判所が免責を認めない理由になります。特に、現金化による借金がある場合、それが自己破産直前にしたと判断されると、悪質な行為と見なされる可能性が高いでしょう。

1-8 非免責債権の借金である

非免責債権とは、自己破産しても免責の対象にならない借金のことです。代表的な例として、故意または重大な過失による損害賠償、税金や社会保険料の未納、罰金などが挙げられます。

非免責債権は、納税など国民の義務だけではなく被害者救済を目的としているため、破産後も返済義務が残ります。そのため、非免責債権の借金を破産したくても、支払いを免れることができません。

1-9 予納金が払えず破産手続開始決定をもらえなかった

予納金とは、破産手続きに必要な費用で、裁判所が選任する管財人の報酬や手続きの事務費用を賄うために支払うものです。予納金を納付しないと、裁判所は破産手続を開始する決定を出せません。破産手続が始まらなければ、免責審査ができないため借金の免責がおりなくなります。

管財人がつくと20~50万円を短期で払わないといけません。用意できないと破産申請を取り下げることになるため、自己破産を検討する際は、予納金の準備を事前に確認し、計画的に進めるようにしましょう。

2章 実際に自己破産で免責がおりない可能性は約2%以下

ここまで、自己破産で免責がおりなかったケースを解説しましたが、実際に自己破産で免責がおりない可能性は約2%以下と非常に少ないです。しかし、免責がおりない場合は、借金の返済義務が残るため決して無視できない問題でしょう。

ここからは、免責許可がおりる可能性を少しでも上げるためのポイントを解説します。破産手続きを失敗しないためにも確認しておきましょう。

2-1 裁判所が免責を認めてくれる場合もある

浪費やギャンブルなどの不適切な借金の原因があった場合でも、債務者が真摯に反省し、再び同じ過ちを繰り返さない意思を示せば、裁判所が免責を許可する場合があります。

また、法律が定める免責不許可事由があったとしても、裁判所は債務者が破産手続開始の決定に至った経緯や再建の可能性を重視して「裁量免責」という形で免責を認めるケースも少なくありません。

そのため、免責不許可事由に該当していても司法書士や弁護士など専門家に相談し、誠実に手続きに臨むことが大切です。

2-2 債務者の反省の態度も大切

免責不許可事由で借金が膨らんだ場合でも、裁判所は債務者が借金の原因を真摯に反省し、生活態度を改善しようとしているかを重視します。

債務者が今後は計画的に生活する意思を示したり、裁判所や管財人に協力的な態度を見せたりと、裁判所が救済を必要と判断すれば免責がおりる可能性があるでしょう。

一方、反省が見られない場合や不誠実な行動があると免責が認められないため、破産手続きでは、誠実な対応と反省の姿勢を持つことが大切です。

    2-3 破産手続きに最大限協力する

    裁判所や管財人に対して、財産や負債の状況を正確に申告し、必要な資料を適切に提出するなど誠実な態度で手続きを進めることは大切です。たとえ借金の原因に問題があっても、裁判所が反省や更生の意思を評価して裁量免責を認めてくれる場合があります。

    不誠実な行為や協力を怠る行動は、手続き妨害とみなされ、免責が認められない原因になるため、手続きに積極的に協力しましょう。

    2-4 免責後に生活を再建させる意思を見せる

    裁判所は、債務者が単に借金の返済を免れるためだけではなく、今後の生活を立て直し、二度と同じ状況に陥らないための計画や努力をしているかを重視しています。

    裁量免責として救済を受けるためにも、無駄な支出を控えたり、収入を増やすために仕事に取り組む姿勢を示したりと、裁判所の信頼を得る行動を取りましょう。

    3章 自己破産で免責がおりなかったときの対処法

    自己破産を申請しても免責がおりなかった場合、借金の返済義務が残ってしまいます。

    免責不許可を避けるためにも、一時的に裁判所への協力が難しい場合は、破産手続開始決定前に取り下げることも検討しましょう。管財事件は、予納金を納めて開始決定が出ると取り下げられません。

    同時廃止事件の場合は、基本的に免責を与えてもいいと判断する程度まで審査しないと開始決定が出ないのでご安心ください。ただし、専門家に依頼している場合はもう一度申し立て費用がかかる可能性が高いです。

    では、ここからは開始決定をしてから最終的に免責がおりなかった場合の対処法を解説します。今後どうすればよいのか見ていきましょう。

    3-1 即時抗告を申し立てる

    即時抗告とは、裁判所の決定に不服がある場合に、その決定を見直してもらうよう上級裁判所に申し立てる手続きです。

    免責不許可の決定が下されても「その理由が不当である」または「裁判所が債務者の状況や反省を十分に考慮していない」と考えられる場合には、即時抗告を申し立てて再審査を求めることができます。

    ただし、免責不許可の決定を知った日から2週間以内に申し立てる必要があるので注意しましょう。

    3-2 別の債務整理を検討する

    債務整理は、自己破産以外にも任意整理や個人再生があります。借金を返済しなければいけませんが、自己破産とは異なり財産を手放さずに済む点はメリットです。

    どちらも投資やギャンブルなど借金の原因を問わず債務整理ができるため、手続きを受けられる可能性が高いです。ただし、自己破産と同様にどちらも専門家への依頼費用がかかるので注意しましょう。

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    3-3 自力で借金を返済する

    免責が認められないと、借金の返済義務が残るため、自力で借金を返済を続ける方法もあります。

    借金額によっては時間がかかるかもしれませんが、自身の収入や資産を見直し、返済計画を立てることで完済できる可能性もあるでしょう。また、収入を増やすために副業や転職を検討するのも効果的です。

    ただし、破産手続きが必要なほど借金がある場合は、別の債務整理を利用して早めに借金問題を解決する方法も検討しましょう。

    4章 自己破産で免責がおりなかった場合は別の債務整理を利用しよう

    自己破産で免責がおりなかった場合は、任意整理や個人再生を利用して借金問題を解決しましょう。

    それぞれ自己破産とは異なるアプローチで借金を減額できるため、まずは専門家に相談して自分の状況に合った方法を提案してもらいましょう。

    では、任意整理と個人再生の手続きの詳細を解説します。

    4-1 任意整理

    任意整理とは、債権者と専門家が直接交渉して、借金の返済条件を緩和する手続きです。将来の利息をカットしたり、毎月の返済額を減らしたりして、無理のない返済計画を立てていきます。

    裁判所を介さない手続きのため、自己破産よりも簡易的に進められるのが特徴で、基本的に専門家とのやり取りだけになるので周りにバレにくいのもメリットです。

    ただし、減額されるのは利息や遅延損害金が中心であり、元本は基本的に返済する必要があるので注意しましょう。

    4-2 個人再生

    個人再生とは、借金を5分の1〜10分の1に減額し、原則3年で返済する手続きです。減額幅は借金総額に応じて異なりますが、多くの場合は元金が大幅に圧縮され、返済の負担が軽減されます。

    個人再生は、自己破産とは異なり、持ち家などの財産を手放さずに手続きを進められるのも特徴です。そのため、生活基盤を維持しながら再建を目指せます。

    ただし、債務整理のなかでも手続きが複雑で時間がかかるため、必ず専門家と一緒に確実に進めていくことが大切です。

    5章 自己破産で免責がおりるか心配な場合は専門家に相談しよう!

    自己破産で免責がおりるか不安な場合は、早めに専門家へ相談しましょう。実際に免責がおりない可能性は約2%と低いですが、司法書士や弁護士に相談することによって、免責不許可となる原因を事前に把握して、適切な対策を提案してくれます。

    自己判断で進めるとリスクが大きいため、プロのアドバイスを受けながら安心して手続きを進めましょう。まずは、グリーン司法書士法人にお気軽にご相談ください。

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