自己破産できない確率は1.7%以下!失敗する7つの理由と対処法とは

   山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
所属東京司法書士会登録番号東京第8849号東京都行政書士会所属会員番号第14026号
保有資格司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート
関連書籍「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

自己破産
自己破産できない確率は1.7%以下!失敗する7つの理由と対処法とは

借金の返済が厳しく、もう支払いができないという場合に検討したいのが自己破産です。しかし、自己破産は厳格な手続きであり、申請すれば誰でも認められるとは限らず、ごくわずかといえる自己破産できない確率に該当する方もいます。

自己破産に失敗するケースには7つの理由が関係します。

そこで自己破産を成功させるためにも、

自己破産できない確率はどの程度なのか
どのようなケースで自己破産が認められないのか
自己破産できない確率が高いとき対処法

について詳しく解説していきます。

1章 自己破産できない確率は1.7%以下

「自己破産」とは、借金の返済義務を免れるため、裁判所に許可を与えてもらう手続のことです。

もう借金の返済はできないという状況の中で、新たに人生をスタートさせるための方法といえるのが自己破産といえます。

そのため手続するには成功させたいものですが、1.7%以下というごくわずかなケースでは、「免責」を認めてもらうことができない失敗例に該当しています。

免責とは
免責とは、借金など債務の支払義務を免れることであり、破産手続と並行して行う免責手続で、裁判所から免責許可決定を受ければ免責の効力が発生し、借金がゼロになります。

1-1 自己破産できない確率1.7%以下の根拠

裁判所のホームページに、最新情報として公開されている「自然人の自己破産の統計(令和元年度)」を確認すると次のような結果となっています。

  1. 申立総数 72,307件
  2. 管財事件 4,946件
  3. 同時廃止 65,996件
  4. 棄却却下 102件
  5. 取下げ  1,100件
  6. その他  163件

このデータからわかるとおり免責を得ることができなかったのは「4.棄却却下 102件」と「5.取下げ 1,100件」を合わせた1,202件です。

裁判所が自己破産を認めることができないと判断した「4.棄却却下 102件」に限れば、「1.申立総数 72,307件」のわずか0.14%程度です。

「5.取下げ 1,100件」には自らが取下げたケースも含まれるものの、自己破産に至らなかった「4.棄却却下 102件」と「5.取下げ 1,100件」を合わせた1,202件は、「1.申立総数 72,307件」に対し1.7%以下程度です。

第108表 破産既済事件数―破産者及び終局区分別―全地方裁判所

2章 自己破産できない7つのパターン

ほとんどのケースで免責を得ることに成功しているといえますが、ごくわずかでも失敗するケースに該当しないために、どのようなパターンであれば自己破産に失敗するのか把握しておくようにしましょう。

自己破産できない理由として挙げられるのは主に次の7つのパターンです。

自己破産できない理由として挙げられる7つのパターン

  1. ギャンブルや浪費で作った借金である
  2. 隠している財産がある
  3. クレジットカードのショッピング枠を現金化した
  4. すでに支払不能状態であると認識しているのに借金をした
  5. 一部の債権者のみを優先して借金を返済した
  6. 過去7年以内に自己破産している
  7. 裁判所に対し虚偽の申告をした

それぞれ詳しく説明していきます。

2-1 ギャンブルや浪費で作った借金である

借金を作った理由が「ギャンブル」や「浪費」によるもの、FXなど「投機的な行為」によるものの場合、自己破産の手続をしても免責を得ることができない可能性があります。

もしギャンブルで作った借金で自己破産を検討している場合には、以下の記事で自己破産が認められるケースに該当するか確認してみることをオススメします。

2-2 隠している財産がある

自己破産では、保有する20万円以上の財産は処分・換金されます。しかし処分されることを恐れ、財産を隠したり壊したりする方もいないわけではありません。

ただこのような「財産隠し」などの行為は、免責を得ることができなくなるだけでなく、詐欺破産罪など刑事罰の対象となる可能性があるため絶対に行わないでください。

2-3 クレジットカードのショッピング枠を現金化した

キャッシング枠が上限に達しているからなどの理由で、クレジットカードで商品やチケットなどを安く購入し、買った後すぐに高値で売って現金化するなどの方法で「ショッピング枠の現金化」を行うと、自己破産で免責を得ることができなくなる可能性があります。

2-4 すでに自己破産すると認識しているのに借金をした

すでに借金返済ができない状態であり、自己破産すると認識しているのに借金を増やせば、免責を得ることは難しくなります。

この場合、返済する見込みや意思がないのに借りたということで「詐欺罪」になる可能性もあります。

少なくとも、自己破産を専門家に依頼した後は、専門家の指示に従い、新たな借金は絶対にやめましょう。独断で行動する前に、依頼した専門家へ相談することを心がけてください。

2-5 一部の債権者のみを優先して借金を返済した

自己破産ではすべての債権者を平等に扱わなければならないとされているため、一部の債権者のみの借金を優先して返済すると「偏頗弁済(へんぱべんさい)」とされ、免責を得ることが難しくなります。

手続を開始する前だとしても、たとえば保証人に迷惑をかけたくないと考え、すでに返済目途が立たない状態なのにもかかわらず保証人付きの借金だけ優遇して返済する行為は避けるべきです。

保証人に迷惑をかけず借金を整理したいという場合は、「任意整理」などの方法もあるため検討するとよいでしょう。

なお、任意整理について詳しく知りたいのなら、4章でも紹介する以下の記事を参考するとわかりやすいはずです。

2-6 過去7年以内に自己破産している

すでに自己破産したことがある方の場合、最初の免責決定の日から7年を経過していなければ、再度の自己破産はできません。

もっとも、一度自己破産しているというだけで再度の自己破産ができないというわけではありません。自己破産が2回目という方の場合は、以下の記事で2回目でも認められるのか確認しておくことをオススメします。

2-7 裁判所に対し虚偽の申告をした

自己破産の手続においては、債権者の損失を最小限に抑えるために、自己破産を申立てた方の収入・財産・債務状況など詳細に調査が行われます。

そして、それらの裏付けとなる書類を複数提出しなければなりませんが、裁判所から質問を受けることもあります。

しかし質問に嘘の回答をしたり、調査に非協力的だったりという場合、その程度があまりにも酷いとなれば免責を得ることはできなくなってしまいます。

3章 免責不許可事由があっても自己破産を認めてもらう4つのポイント

「免責不許可事由」とは、基本的に自己破産の申立てを行えれば借金返済義務は免除されるものの、債権者にとって「酷」といえる行為をした場合など、例外的に借金免除を認めない事例のことです。

2章で解説した「自己破産できない7つのパターン」は、この免責不許可事由に該当するといえます。ただ、免責不許可事由があれば絶対に自己破産できないというわけではありません。

自己破産に至るまでの経緯や自己破産を申し立てた方の事情などを考慮し、裁判所の裁量で免責許可を決定する「裁量免責」を得ることができれば、免責不許可事由があっても自己破産は可能です。

その際、裁判所だけでなく弁護士を選任して進める管財手続きになる可能性もあります。

いずれにせよ裁量免責は裁判所の「裁量」に委ねられますが、主に次の4つを考慮した上で総合的に判断されることとなります。

裁量免責を決める4つの項目

  1. 免責不許可事由の程度
  2. 債務者の反省の程度
  3. 破産手続への対応の誠実さ
  4. 免責後に生活を再建させる意志はあるか

この4つの項目をクリアできるケースであれば、免責不許可事由があっても問題がないと認められることとなり、裁量免責を得ることができます。

3-1 免責不許可事由の程度

裁判所が裁量免責を認めてくれるのか判断の指標として、免責不許可事由に該当する行為の「違反」がどの程度なのかが重要です。

免責不許可事由の程度も考慮要素の1つです。軽微な免責不許可事由なら裁量免責を認めてもらえるでしょうが、免責不許可事由が重大な悪意によるものなら認めてもらえない可能性が高くなります。

たとえば非常に過大なギャンブルによる借金を抱えているケースや、明らかに他の債権者を害する目的で財産を隠匿したり偏頗弁済したりといったケースは、重大な悪意とみなされ裁量免責を認めてもらうことはできなくなると考えられます。

3-2 債務者の反省の程度

裁量免責を認めるかについては、自己破産を申立てた本人がどれほど反省しているかも重視されます。

過去に多額の借金を作ってしまったことは今さらどうすることもできませんが、過去の過ちを認め反省することが大切です。

自己破産により借金をリセットさせて新たな人生をスタートさせるためにも、本人が過去の行動の問題点を悔い改め反省していることが、裁量免責を認めてもらえるかの分かれ道となります。

この観点から、裁判所に反省文の作成を指示されることもあります。指示された場合は、手続を依頼した専門家とよく相談して作成するようにしましょう。

3-3 破産手続への対応の誠実さ

裁量免責が認められるかどうかの判断要素には、破産手続に協力したかどうかも重視されます。

破産を申し立てた方の保有する資産や、免責不許可事由の有無など、実際に本人に質問しなければわからないことも多々あります。

破産手続には「同時廃止」と「管財事件」がありますが、「管財事件」のときには特に、自己破産を申し立てた本人が協力しなければ正しく処理ができません。どちらの手続きで進むにせよ、債務者には破産手続に最大限協力する法律上の義務があります。

裁判所や破産管財人が協力を求めているのに、協力を拒否したときや虚偽の事実を申告したときには、裁量免責を得ることはできなくなると考えられます。

予納金の支払いを行わなかったときや、破産管財人との面接や債権者集会に出頭しないといったときも同様です。必ず破産手続には積極的に協力する姿勢を見せましょう。

なお、「同時廃止」と「管財事件」について詳しく知りたい場合には、以下の記事を読んでみるとよいでしょう。

3-4 免責後に生活を再建させる意思はあるか

自己破産では経済的更生の可能性も重視されるため、裁量免責が認められた後に生活を再建させる意思があることも大切です。

自己破産の手続中なのに早速浪費していたり借入れしたりという場合には、経済的更生の可能性はないと判断されても仕方ありません。

家計の収支を改善させ、経済的更生への意欲が高く、生活を再建させる可能性が見込めるという場合なら裁量免責は認められやすくなるでしょう。

4章 自己破産できない確率が高いときや失敗したときの2つの対処法

借金をリセットしたいけれど、自己破産できない確率が高いという場合や、失敗してしまったという場合には、次の2つ対処法を検討してみましょう。

  • 即時抗告する
  • 自己破産以外の債務整理を検討する

なお、どちらの方法の場合でも、専門家の指示を仰いで行ったほうが安心です。

4-1 即時抗告する

裁判所で免責不許可決定となった場合、「即時抗告」が可能です。

即時抗告とは
裁判所の決定などに不服があるとき、さらに上の裁判所に対し再審理を求め、決定内容を変更してもらうように求める手続のことです。

自己破産は地方裁判所で行いますが、即時抗告はその上級である高等裁判所に対して手続します。

ただし即時抗告は、免責不許可決定送達日の翌日から1週間以内に行うことが必要であり、明らかな免責不許可事由のときには決定が覆らない可能性が高いといえます。あくまでも対処法の選択肢の1つとして考えておきましょう。

4-2 自己破産以外の債務整理を検討する

借金問題を解決するため方法は自己破産だけはなく、次の2つの債務整理の方法があります。

  • 任意整理
  • 個人再生

自己破産で免責を得ることができないときには、この2つの方法のいずれかを検討してみるとよいでしょう。

任意整理

「任意整理」とは、自己破産のように借金をリセットする手続ではなく、借入先である債権者と「交渉」し無理なく返済できる状態にする手続です。

債権者との交渉により和解が成立すれば、利息分の返済が免除されたり借金の支払い総額が減額されたりしますが、利息以外の元金返済は続きます。

ただ、毎月の返済額が減額され、返済期間が延長されれば毎月の返済はかなり楽になるでしょう。

裁判所を通さずにできる手続なので、生活への影響も少なく抑えることができます。

もしも任意整理について詳しく知りたいときには、メリット・デメリットが確認できる以下の記事を参考にしてみることをオススメします。

個人再生

「個人再生」とは、裁判所に借金返済が困難な状態であると認めてもらい、借金を大幅に減額してもらう手続のことです。

借金が5分の1程度まで圧縮でき、減額された借金をおおむね3年で返済していきます。

住宅ローンを支払っている方などが、家は手放さず借金を整理したいという場合に適した方法です。

個人再生とはどのような借金整理の方法なのか、メリットやデメリットについて詳しく知りたいときには、以下の記事を参考にするとよいでしょう。

まとめ

自己破産したいけれど、借金を作った原因がギャンブルや浪費などの場合、失敗するのではないかと不安になる方もいることでしょう。

しかし自己破産できない確率はたったの0.14%程度であり、高く見積もっても1.7%程度です。つまり、ほとんどのケースで免責を得ることができています。

仮に免責不許可事由があったとしても、裁量免責を得ることができれば自己破産はできます。

ただ自己破産できない確率はごくわずかとはいえ、失敗すれば借金をリセットすることはできなくなるため、借金整理に詳しい専門家であるグリーン司法書士法人グループへまずは相談してみることをオススメします。

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よくあるご質問

自己破産の免責率は?
2017年に自己破産を申し立てた人で免責不許可となったのは96.7%です。
免責不許可の確率は?
2017年に自己破産を申し立てて免責不許可となった割合は0.6%です。
裁量免責の確率は?
免責許可以外の3〜4%の中には、ある程度寛容な判断で裁量免責となる場合があります。
自己破産が失敗したらどうなるの?
借金は残るので、一括請求されてしまう可能性もあります。自己破産が失敗した場合、再度申立てをする際にはハードルが高くなりますが、他の債務整理方法で解決できるケースもあります。
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