自己破産したのに請求が来た!その理由は?返済すべき?

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

自己破産
自己破産したのに請求が来た!その理由は?返済すべき?

この記事は約 11 分で読めます。

悩む男性
悩む男性
先日、自己破産の手続きが完了したのですが、借金を返済を請求する書面が届きました。自己破産をしたら借金の返済義務はなくなるとはずではないのですか?
司法書士
司法書士
確かに、自己破産をすると借金の返済義務はなくなります。もし、借金の返済を請求する書面が届いたのであれば、なにか手違いがあったか、もしくは税金のような非免責債権である可能性があります。
また、闇金からの借金の場合、法律の手が及ばない範囲になりますので、自己破産をしたとしても関係なく請求されることもあります。
悩む男性
悩む男性
そうなのですね。確認してみます。もし、手違いだった場合どう対処すればよいでしょうか?
司法書士
司法書士
単に手違いによる請求であれば、あまり心配する必要はありません。もし、相手方が支払われないからと裁判上の手続きを取っても、免責許可決定の写しなどを提出すれば返済しなくて良いと判決を下すはずです。
あまりにもしつこく請求が来るのであれば、「自己破産をしたらかもう返済義務はありません」と伝えてもよいでしょう。

自己破産の手続きが完了すると、借金の返済義務はなくなりますが、稀に手違いが発生し、請求が来てしまうことがあります。

手違いによって債権者が借金の返済を請求することが原因として考えられます。

また、自己破産では免除にならない非免責債権というものがあります。例えば、税金や養育費、一定の損害賠償金などです。

これらはそもそも、自己破産の手続きで免除になっていませんので、手続きが完了しても請求は続きます。

また、闇金からの借金の場合、自己破産の効力が及んでいますが、闇金は裁判所の決定を守らないので請求が来る可能性があります。

この記事では、自己破産後も請求が来る理由や、請求が来た時の対処法などについて解説します。

1章 自己破産をしたのに請求がくる理由

自己破産をすると、借金の返済の義務が免除されます。

しかし、稀に手違いなどによって自己破産の手続き後に請求が来るケースがあります。

請求がくる理由・原因は以下のとおりです。

  • 債権者が免責許可がでたことを知らない
  • 債権自体は消滅せず、債務者による返済は自由意志だから
  • 非免責債権だった
  • 自己破産時に債権者一覧から漏れていた
  • 闇金からの借金だった

それぞれ詳しく解説します。

1−1    債権者が免責許可が出たことを知らない|返済義務はない

最も多いのは、債権者が債務者に免責許可が出たことを知らないケースでしょう。

免責許可決定が出たことは特に債権者に通知されることはありません。

そのため、積極的に債権者に免責許可が出たことを知らせることが重要です。

1−2 債権自体は消滅せず、債務者による返済は自由意志だから|返済義務はない

自己破産をすると、借金の返済義務は免除されますが、返済義務のない債権が残ることになります。そのため、債権者はなんとかして回収したいと思うのは当然です。

しかし、自己破産で免責を受けた債務者に対して取り立てを行うことは法律で禁止されています。

それでも請求しているのは、債務者には返済義務がないだけで、債権としては存在しており、債務者が任意で返済するのは自由ですから「請求すれば、わけも分からず返してくれるかもしれない」と請求している可能性が高いでしょう。

手違いで請求されている場合には、返済する必要はありません。無視しても大丈夫です。

その他、よくあるのが債権が債権回収会社に譲渡され、事情を知らない債権回収会社が請求してくるケースです。

この場合も、返済する必要はありませんので心配はいりません。

1−3 非免責債権だった|返済義務がある

自己破産をしても支払い義務が免除されない「非免責債権」というものがあります。

非免責債権がある場合、自己破産手続き後も請求が来る可能性があるでしょう。

非免責債権の返済義務は続きますので、請求を無視してはいけません。真摯に応じるようにしましょう。

非免責債権に該当するものは、以下のとおりです。

  • 税金や保険料、健康保険料、下水道料金などの公租公課
  • 悪意で加えた不法行為による損害賠償請求権
  • 故意または重過失により加えた、人の生命または身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権
  • 雇用関係に基づいた使用人への給料と預り金
  • 養育費や婚姻中の生活費

以下のページでは、非免責債権について詳しく解説しています。払えない場合の対処法なども解説していますので、参考にしてください。

1−4 自己破産時に債権者一覧から漏れていた|返済義務がある

自己破産の手続きをする際、債権者の一覧表を作成します。

債権者一覧に記載した債権者からの借金は、自己破産の手続きが完了すれば返済義務が免除されます。

しかし、手続きの際に債権者一覧に記載をし忘れてしまったものがあると、その債権は免除されません。

そもそも、故意に記載しない行為は法律で禁止されています。とはいえ、「忘れていた」「気づかなかった」という理由で記載漏れをしてしまうこともあるでしょう。

そのような場合、その債権者からは手続き後に返済しなければ請求が来ることもあります。この債権は返済義務が残っていおり、返済する必要がありますので注意してください。

なお、貸金業者や信販会社によっては、債権者一覧から漏れていたとしても、免責に同意してもらえることもあるので、あきらめずに専門家に相談してみましょう。

1−5 闇金からの借金だった|返済義務はないが注意が必要

闇金からの借金は法律から外れたものです。自己破産は法律に則って手続きをするものですので、闇金からの借金は自己破産で解決できません。

そのため、自己破産をしても闇金業者からの請求が続く可能性は高いでしょう。

そもそも、闇金のように法外な貸付は、自己破産をした・していないに関わらず、返済する必要はありません。利息だけでなく元金も含め返済しなくて良いと法律で決められているのです。

とはいえ、闇金からの請求を無視し続けると身に危険が及ぶ可能性があるので注意しなければいけません。警察や弁護士などに相談しましょう。

2章 自己破産後に請求が来たときはどうしたらいい?

1章でも解説した通り、なにかの手違いで自己破産後に請求が来た場合には返済義務はありません。

ここでは、自己破産後に請求が来た時の対処法について解説します。

注意点
非免責債権や、自己破産手続き時に債権者一覧から漏らしてしまった債権は免責されていません!
自己破産手続き後も支払う義務があるので注意してください。

2−1 免責を受けた借金は支払う必要がない

自己破産をして免責を受けた借金は、返済義務はありませんので、取り立てや督促を受けても応じる必要はありません。

無視しても大丈夫ですし、あまりにもしつこい場合には「自己破産をしたので返済義務はありません」と伝えるようにしましょう。

万が一、債権者が裁判所を通して請求した場合でも、裁判所に自己破産をした事実をしっかり主張すれば「支払う義務はない」と判決を下してくれるので安心してください。

友人・知人からの個人の借金も自己破産の対象になる
消費者金融など貸金業者や金融機関からの借入だけでなく、友人や知人などといった個人からの借入も自己破産の対象になります。
したがって、自己破産により免責が認められた場合は、友人や知人への借金の返済義務もなくなります。

2−2 任意での返済は自己責任

自己破産で免責されても「義務がなくなった」だけですので、自己判断で返済するのは自由です。

しかし、一度任意で返済し始めて、後から払えなくなるなど、トラブルになると面倒なことになりますのであまりおすすめはできません。

2−2−1 任意で返済したお金は返ってこない

自己破産後に請求が来て、戸惑い返済してしまったというケースもあるでしょう。

その場合、あとから「返済する義務はなかったんだ」と気づいても返還を求めることはできませんので注意してください。

2−3 免責されていない借金は支払いに応じる

非免責債権や、債権者一覧から漏れていた借金は自己破産をしても免責されません。

そのため、手続き後も返済・支払いを続ける必要があります。

特に税金や年金などの公租公課は、支払いを怠ると裁判所を通すことなく強制執行として財産を差し押さえられる可能性があるので注意が必要です。

なお、債権者一覧から漏れていた債権については、免責に同意してもらえることがあるので、専門家に相談してみましょう。

2−4 悪質な取立ては弁護士や警察に相談する

もし、自己破産後に悪質な取り立てを受けている場合には、弁護士や警察に連絡をしましょう。

自己破産の手続きで裁判所がしてくれるのは、借金の返済義務を免除することだけです。その後の取り立てを止めてくれるようなことはしてくれません。

しつこい取り立てが続くような場合には弁護士や警察などに相談しましょう。

ただし、一般的に警察が対法してくれるのは暴力や脅迫など明白に違法性のある行為が伴うケースだけです。書面での請求などの場合、普通の貸金請求書を区別がつかないため、民事不介入として対応してくれない可能性があります。

3章 まとめ

自己破産をすると、借金の返済は免除されます。しかし、何かの手違いで手続き後も請求が来る可能性はあります。

手違いで請求された場合には無視しても大丈夫です。あまりにもしつこい場合には「自己破産をしたので、返済する義務はありません」と伝えれば問題ないでしょう。

一方、非免責債権や、手続き時に債権者一覧に記載し忘れた借金については返済義務が残っていますので、支払いを続けていかなければいけません。

そのため、自己破産をする際にはしっかりと漏らすことなく手続きをしなければいけませんし、非免責債権についても理解して手続き後の返済についても計画を立てる必要があります。

グリーン司法書士法人では、自己破産の手続きを多く取り扱ってまいりました。手続き時にはしっかりと調査し、手続き後のトラブルを最小限に抑えられるよう対応いたします。

初回相談は無料です。オンライン相談にも対応していますので、お困りのことがあれはお気軽にご相談ください。

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自己破産をしても請求はくる?
自己破産の手続きが完了すると、借金の返済義務はなくなりますが、稀に手違いが発生し、請求が来てしまうことがあります。
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自己破産の手続きを進めるにあたって調べられるのは、「所有財産」「借金の内容」「免責に関すること」の3点です。詳細を細かく調べられるので、財産を隠すなどはやめておきましょう。
財産を隠していた事実が発覚すれば、自己破産で借金を0にすることができなくなる可能性があり、破産詐欺罪となった場合は厳しい処罰を受けることになります。
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