任意整理で税金の減額・免除はできない!税金を滞納した場合の対処法とは?

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理で税金の減額・免除はできない!税金を滞納した場合の対処法とは?

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理で税金を減額・免除することはできない
  • 個人再生や自己破産などほかの債務整理でも税金は減額・免除にならない
  • 税金が払えない場合は税務署や役所に相談して猶予制度を利用できるか確認する
  • 税金を滞納し続けたら延滞税の発生や財産の差押えがありうる
  • 借金がある場合は任意整理を利用して税金の支払いに集中することがおすすめ

借金返済に悩んでいるなかで、税金も滞納していると「任意整理でまとめて解決できないだろうか?」と考える方は多いでしょう。

税金は任意整理の対象外であり、ほかの借金が整理できても税金は支払わなければなりません。ただし、借金が税金滞納の原因になっている場合、任意整理が有効なケースもあります。

この記事では、任意整理が有効なケースと税金が払えないときの対処法を紹介します。税金の優先順位やリスクを把握し、適切な手続きを取るための知識を身につけましょう。

1章 任意整理で税金を減額・免除することはできない!

任意整理とは、専門家が債権者と直接交渉をし、返済条件の見直しや利息をカットする手続きです。

消費者金融やクレジットカードの借金は減額できますが、役所が債権者となる税金は、そもそも交渉の対象になりません。

なぜなら、税金は国民の義務であり、必ず納めなくてはならないからです。借金を任意整理で軽減しても、税金は支払う必要があるため注意しましょう。

1-1 ほかの債務整理でも税金は減額・免除できない

任意整理だけではなく、自己破産や個人再生などほかの債務整理でも税金の減額・免除は認められません。

自己破産では借金がすべてなくなりますが、住民税や固定資産税、所得税などの滞納分は非免責債権として免除の対象外です。破産手続きをしても税金は続けて返済しなければなりません。

また、国民健康保険料や国民年金保険料なども税金と同じ扱いです。債務整理の対象にならないため、滞納している場合は注意が必要です。

2章 任意整理はどのようなケースに有効?

税金そのものは任意整理で減額・免除できませんが、借金返済の負担を軽減し、税金を支払う余裕を作る手段としては任意整理が有効です。

例えば、毎月5万円のカードローン返済を3万円に減額できれば、その差額2万円を税金の支払いに充てることが可能となります。借金が原因で税金が払えない場合は、任意整理を検討するとよいでしょう。

では、具体的に任意整理はどのようなケースにおいて有効であるか詳しく解説します。

2-1 消費者金融の借金を減額したい

消費者金融から高金利で借入しており、長期的に返済している場合は任意整理が有効です。

利息が膨らむと返済額が増えるため、任意整理で元金以外をカットすることで完済を目指せるでしょう。特に、返済額が少なく、利息の返済がほとんどになっている方は、任意整理の手続きで返済額を大幅に下げられる可能性があります。

利息の返済が苦しい場合は、任意整理を検討しましょう。

2-2 クレジットカードやローンを減額したい

消費者金融の借金だけではなく、クレジットカードやローンの減額も対象です。

リボ払いによる返済負担で税金が払えない場合も、任意整理で元金の分割払いと利息のカットを交渉することで月々の支出が大幅に下がる可能性があります。

医療費ローンや家電の分割払いなども整理対象にできるため、返済が滞っている場合は、無理なく生活を立て直すことができるでしょう。

2-3 特定の借金のみ減額したい

任意整理は、借金を選んで手続きができることが特徴です。

「住宅ローンや会社からの借金は残して、消費者金融やクレジットカードの借金のみ整理したい」などの要望にも応えられます。

よって、周りに任意整理したことがバレにくいため、内緒の借金をしている方におすすめです。財産を失わず、今まで通りの生活を維持できるため、デメリットが少ない手続きといえるでしょう。

3章 税金が払えない場合の対処法

もし期日までに払えない場合でも、税金は待ってくれません。

税金は、放置すると延滞税が加算され、最終的には財産を差し押さえられてしまいます。しかし、事前に役所や税務署に相談することで、分割払いや猶予などの制度を利用できる可能性があります。

督促が来るまで黙っているのではなく「相談すればなんとかなる」という認識を持つことが大切です。

では、税金が払えない場合の対処法を解説します。

3-1 税務署や役所に相談をする

税金が払えない場合、まずは税務署や役所に連絡して相談しましょう。

税務署や役所では、滞納者の状況を確認しながら分割払いや支払猶予を提案してくれることがあります。実際、収入が不安定なフリーランスやパートの方が柔軟に対応してもらえるケースも多数あります。

失業中で税金が払えない場合は離職票を提出することで、免除になる可能性があります。一人で抱え込まず、支払いが難しくなったら相談することをおすすめします。

3-2 分割納付や延滞税の減免申請をする

病気や災害、失業などで納付が困難である場合、延滞税の一部または全額の減免申請が認められるケースがあります。ただし、認められるためには、診断書や離職票が必要な場合もあるため覚えておきましょう。

ポイントとして、支払う意思を示すことが大切です。僅かでも支払いを続ける意思を見せ、納税に前向きであることをアピールしましょう。

行政側が「支払い意思がある」と判断すれば、減免の可能性が高まります。

3-3 猶予制度を利用する

すぐの支払いが厳しい場合は「換価の猶予」や「納税の猶予」などの猶予制度を利用しましょう。

換価の猶予とは、納税することによって生活の維持が難しくなる場合に、差押えの期間が猶予される制度のことです。納税の猶予とは、支払いが厳しい場合に分割して納付することができる制度です。

どちらも財産の差押えを回避しつつ、一時的に支払いを停止できますが、猶予の期間が1年と決まっているため、長期的に支払いが難しい場合は税務署や役所に相談しましょう。

3-4 生活保護の申請を受ける

経済的に自立が不可能で、税金の支払いをすると生活自体が困難になる場合、生活保護の申請を検討することも選択肢の一つです。

生活保護が決定すれば、一定の税金負担が減免されるほか、差押えの対象外となる収入も保障されます。

もし自己破産を検討している場合、生活保護を申請することで返済能力がないことが証明できるため、スムーズに手続きが受けられるでしょう。

4章 税金を滞納し続けたらどうなる?

税金を滞納してもすぐには差し押さえされませんが、滞納が続けば確実にペナルティが増していきます。放置すると、財産の差押えなど、取り返しのつかない状況に発展するため注意しましょう。

では、税金を滞納し続けたらどのようなことが起こるのか解説します。

4-1 【納期限から1日以上経過】延滞税が加算される

税金の納期限を過ぎると、延滞税が発生します。延滞税は、以下の計算で算出されます。

最初の1か月間:未納税額×納期限の翌日から完納日までの日数÷365×7.3

2か月以降:未納税額×納期限の翌日から完納日までの日数÷365×14.6%

または延滞税特例基準割合(令和7年は8.7%)+7.3%のいずれか低い割合

1年間放置すると、延滞税だけで数万円単位に膨れ上がるケースも珍しくありません。税金が払えない場合は早めに相談をして、利用できる制度がないか確認しましょう。

4-2 【督促状を送付してから11日以上経過】財産が差し押さえられる

税金の滞納が続くと督促状が届きます。督促状の送付は「納付期限から20日以内」と決められていますが、いつ送付されるかは税務署や役所によって異なります。

督促状を送付してから11日が経過すると、税務署や役所は財産の差押えが可能となります。差押えに向けて財産や滞納者の身辺についての調査を行い、調査が完了すると、財産の差押えが実行されます。

給料や預金口座などが差押えの対象となるため、借金の返済を同時に行っている場合は、返済できるお金がなくなることから、連鎖して借金の返済も滞納する可能性が濃厚です。

5章 借金が原因で税金が払えない場合は任意整理を検討しよう

借金が膨れ上がり、返済に追われて税金を払う余裕がない方は、任意整理を検討しましょう。

任意整理は、税金そのものを整理する手続きではありませんが、借金の返済負担を軽くし、その分を税金の支払いにまわす手段として有効です。

また、任意整理を専門家に依頼すると、債権者に「受任通知」が送られます。受任通知とは法律上の正式な通知で、この通知が届いた時点で、債権者は一切の督促行為をしてはいけない決まりとなっています。

専門家に依頼して任意整理を開始し、一時的に返済や督促をストップさせることで、税金に集中できる環境を作れることを考えても大きなメリットでしょう。

延滞税や差押えなど、税金滞納によるリスクを回避するためにも、早めに専門家に相談しましょう。

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5-1 任意整理以外の債務整理の種類

任意整理以外にも、債務整理には個人再生や自己破産があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選びましょう。

債務整理の種類手続きの方法こんな人におすすめ
個人再生借金そのものを5分の1〜10分の1に減額して完済を目指す手続き借金の理由が浪費やギャンブルの人
失いたくない財産がある人
自己破産借金自体を免除してもらい支払い義務をなくしてもらう手続き完済の目処が立たず返済不能に陥った人
働くことが難しく支払い能力がない人

借金の総額によっては、任意整理ではなく、ほかの債務整理を選ぶほうがよいケースがあります。経済状況や環境によっても異なるため、専門家に相談をして一緒に進めるとよいでしょう。

いずれの手続きにおいても「税金は支払わなければならない」ことを忘れずに行動することが大切です。

6章 税金の滞納は任意整理で解決しない!税金は優先して支払いしよう

税金は、任意整理だけではなく、どの債務整理手続きでも減額・免除の対象になりません。

税金を放置すれば、差押えになる恐れがあるため、早めに税務署や役所に相談をして、利用できる制度がないか確認しましょう。

借金に追われて税金が払えない場合は、任意整理を利用し、取立てが停止している間に税金を優先して支払いましょう。借金にお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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