任意整理がダメな5つの理由を徹底解説!借金が減らないのは本当?

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理がダメな5つの理由を徹底解説!借金が減らないのは本当?

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理がダメと言われる5つの理由
  • 任意整理のほかに借金問題を解決する方法
  • 債務整理をしないと起きること

「任意整理をしても借金が減らないって本当?」
「なぜ任意整理がダメと言われるのか知りたい」

借金問題に頭を抱えながらも、上記のような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。任意整理とは、債権者と直接交渉して将来の利息や遅延損害金をカットし、元本のみを分割で返済していく手続きです。裁判所を通さずに手続きできるため、個人再生や自己破産よりも負担が少なく、スムーズに借金問題を解決できます。

しかし、デメリットもあることから、「任意整理はダメ」と言われるケースがあるのも事実です。本記事では、まず任意整理がダメと言われる5つの理由を解説します。任意整理のメリットや債務整理をしないと起きることについても説明しているので、借金問題で困っている方はぜひ最後までお読みください。

1章 任意整理がダメと言われる5つの理由

任意整理がダメと言われる理由には、以下のようなものがあります。

  • 借金の元金は減らない
  • 債権者によっては応じてもらえない
  • 信用情報に事故情報が記録される
  • 保証人に影響が出る場合がある
  • 銀行口座が一時的に凍結される可能性がある

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1-1 借金の元金は減らない

任意整理では将来の利息や遅延損害金はカットできますが、借金の元金自体を減額することはできません。仮に100万円の借金を利息15%で5年間返済する場合、利息を含めた総返済額は約144万円です。任意整理を行うことで将来の利息がカットされるため、返済総額は元金の100万円のみに抑えられます。

しかし元金そのものは減らないため、利息をなくしても毎月の返済額が厳しければ、任意整理では根本的な解決になりません。借金そのものを減額したい場合は、個人再生や自己破産を検討する必要があります。個人再生と自己破産については後の章で詳しく解説しているので、ご参考にしてください。

1-2 債権者によっては応じてもらえない

任意整理では、債権者との交渉によって返済条件を変更します。そのため、債権者が交渉に応じなければ、将来の利息や遅延損害金はカットされません。特に以下のような場合は、交渉が成立しにくいのが特徴です。

  • そもそも会社として交渉に応じない方針である場合
  • 債務者に安定収入がなくて返済できる見込みがない場合
  • 借入直後で返済実績が少ない場合
  • 業者が担保を取っており家や自動車を売却すれば借金を回収できる場合
  • 判決が出て給料や預貯金が差し押さえられている場合

すべての債権者が交渉に応じるわけではないため、任意整理が成功しない可能性を考慮して手続きを進める必要があります。

1-3 信用情報に事故情報が記録される

任意整理を行うと、信用情報機関(JICC・CICなど)に事故情報として登録されます。いわゆるブラックリスト入りで、以下のような影響があるのが一般的です。

  • クレジットカードの新規発行や更新ができなくなる
  • 携帯電話の分割払いができなくなる
  • 住宅ローンや自動車ローンなどの審査が通らなくなる
  • 賃貸借契約時の審査に通らない可能性がある

金融機関は定期的に利用者の信用情報を確認しています。これを途上与信という、任意整理の記録が残っていると、クレジットカードやカードローンを強制的に解約される恐れがあります。また、住宅ローンや自動車ローンを利用できなくなることで、ライフプランにも悪影響を及ぼすでしょう。

この事故情報は任意整理を完済してから5年間ほどは消えないため、その間は信用取引が制限されることを理解しておく必要があります。ただし事故情報が消えた後は、新たにクレジットカードを作成したり、ローンを組んだりできます。

1-4 保証人に影響が出る場合がある

保証人が付いている借金を整理対象にすると、返済義務が保証人に移ります。任意整理の手続きを進めると、保証人がクレジットカードやローンの請求を受けるようになるのです。

保証人に経済的な負担をかけたり、その人の信用情報に悪影響を及ぼしたりするため、任意整理の対象に含める場合は事前に保証人に説明して理解を得ておく必要があります。保証人に迷惑をかけたくなければ、保証人付きの借金を対象外にすることも検討しましょう。

1-5 銀行口座が一時的に凍結される可能性がある

任意整理を行うと、整理対象の債権者である銀行の口座が一時的に凍結される可能性があります。例えば三井住友銀行カードローンで任意整理を行う場合、三井住友銀行の口座は高確率で凍結されるでしょう。また、消費者金融と同系列の銀行口座も凍結されるかもしれません。消費者金融には、同じグループ系列の銀行が存在していて、銀行カードローンが系列の消費者金融を保証会社としているケースがあるためです。

アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループの一員で、かつ三菱UFJカードローン「バンクイック」の保証会社でもあります。よって、アコムを任意整理の対象にした場合、三菱UFJ銀行の口座も凍結される可能性があるのです。ただし、銀行カードローンを利用しておらず、消費者金融のみの借金を任意整理する場合は、銀行口座が凍結されることはほとんどありません。

なお、銀行口座の凍結期間は3か月程度が一般的です。その間は、給与の受け取りや公共料金の引き落としができなくなります。そのため、任意整理の手続きを進める前に、任意整理の対象となる銀行口座から出金し、給与の振込口座や公共料金などの支払い口座は別の口座に変更しておきましょう。

2章 決してダメなわけではない!任意整理のメリット

任意整理がダメだと言われる理由を解説しましたが、決してデメリットばかりではありません。任意整理のメリットは以下の通りです。

  • 将来利息をカットできる
  • 裁判所を通す必要がないのでスムーズに手続きを終えられる
  • 自動車ローンや保証人付きのローンを審査対象から外せる
  • 仕事や資格に影響しない

これらのメリットを活かせば、生活への負担を抑えつつ、計画的に借金を返済できる可能性があります。ここでは、任意整理のメリットを見ていきましょう。

2-1 将来利息をカットできる

任意整理を行うことで、将来発生する利息や遅延損害金をカットできます。例えば100万円の借金を年利15%で5年間返済する場合、利息を含めた総返済額は約144万円です。しかし、将来の利息がカットされると、元本の100万円のみの返済で済みます。そのため、任意整理を行うことによって返済総額を約44万円減らせます。

また、返済が滞っていると遅延損害金も加算されていることでしょう。遅延損害金も免除されることで、借金の返済負担を大幅に軽減できるのが任意整理の大きなメリットです。

2-2 裁判所を通す必要がないのでスムーズに手続きを終えられる

個人再生や自己破産を裁判所に申し立てると、手続きに手間や時間がかかります。書類や作成や財産・収入に関する詳細な報告、財産の処分などを行う必要があるためです。

これに対して任意整理は、裁判所を通さずに弁護士や司法書士が債権者と直接交渉して返済条件を変更する手続きです。必要書類が少ないうえに、裁判所での手続きや審査が不要であるため、スムーズに手続きを終えられます。

2-3 自動車ローンや保証人付きのローンを審査対象から外せる

個人再生や自己破産では、すべての借金を対象にしなければなりません。よって自動車ローンや保証人付きのローンも整理対象で、車が引き上げられたり、保証人が請求を受けたりする可能性があります。

しかし、任意整理では対象とする借金を自分で選ぶことが可能です。そのため、住宅や自動車を維持したまま借金問題の解決を目指せます。また保証人付きの借金を整理対象から外せば、保証人に請求がいくリスクを回避できるため、親族や知人に迷惑をかけずに済みます。このように、整理対象を選べる柔軟性があるのは任意整理の大きなメリットです。

2-4 仕事や資格に影響しない

自己破産を行うと、弁護士・税理士・保険外交員・宅建士など一部資格では、登録が取り消されます。自己破産の手続きが完了すれば制限は解除されますが、登録が取り消されている間は該当資格を要する職種では働けません。また、会社役員や警備員なども一定期間職務を続けられなくなる可能性があります。

一方で、任意整理ではこのような職業制限はありません。仮に弁護士が任意整理を行ったとしても、引き続き仕事を継続することが可能です。勤務先や取引先に借金の状況が知られる可能性も低いため、任意整理を行っても仕事やキャリアへの影響はそれほど大きくないでしょう。

3章 比較して特徴を掴もう!任意整理以外にはどのような債務整理がある?

任意整理以外にも、借金を整理する方法として個人再生や自己破産があります。任意整理で借金問題を解決できない場合は、ほかの債務整理方法を検討しましょう。ここでは、個人再生と自己破産の特徴を解説します。

3-1 個人再生

個人再生は裁判所に申立てを行い、借金を最大で5分の1程度まで減額できる手続きです。任意整理とは違い元本の減額が可能なため、借金の総額が大きい場合に有効な方法です。

個人再生の特徴
  • 借金の元本を大幅に減額できる(持っている財産の評価額または100万円が下限)
  • 原則3年で完済を目指す
  • 継続的な返済が必要なので安定した収入がある場合のみ利用できる
  • 住宅資金特別条項(住宅ローン特則)により、住宅ローンを維持できる
  • 完済から5年〜7年程度で事故情報が消える
  • 官報に掲載される

また、個人再生では住宅ローンは整理対象から外せる住宅資金特別条項(住宅ローン特則)を適用できます。住宅ローンを維持したまま他の借金を整理できるため、家を手放したくない方には大きなメリットとなります。

さらに、個人再生では基本的に財産の処分が不要です。そのため、自動車ローンが残っていない自動車は引き上げられません。このような要素から、個人再生は、借金を大幅に減額したいが住宅や車を守りたい場合に適した方法と言えます。

3-2 自己破産

自己破産は裁判所に申立てを行い、借金をすべて免除してもらう手続きです。任意整理や個人再生では借金の返済が難しい場合に、適している債務整理方法です。

自己破産の特徴
  • 借金が免除される(税金や養育費など一部免除対象外の債務を除く)
  • 財産が一定額を超える場合は手放す必要がある
  • 免責不許可事由(ギャンブルや浪費など)があると手続きが認められない場合がある
  • 手続き完了から7年程度で事故情報が消える
  • 官報に掲載される
  • 資格制限がある(弁護士・税理士・警備員などの仕事は制限される)

例えば500万円の借金を抱えて自己破産した場合、裁判所に免責が認められることで、500万円の借金がすべて免除されます。そのため、今後の収入は生活費や貯蓄に回すことが可能です。

一方で自宅や車、預貯金などを失う可能性があるため、財産を維持したい場合は個人再生や任意整理の方が適しているでしょう。自己破産は、収入がなく返済の見込みが立たない場合や、多額の借金を抱えて生活が破綻している場合に適した方法です。

4章 債務整理をしないと起きること

借金を抱えたまま債務整理をせずにいると、借金が膨らみ続けたり、法的措置を取られたりする恐れがあります。返済が困難になっているにもかかわらず放置してしまうと、生活や精神面に大きな影響を与えることになりかねません。ここでは、債務整理をしないことで起きるリスクを解説します。

4-1 利息や遅延損害金が膨らむ

借金を放置すると利息や遅延損害金が加算されて、借金の総額が増えていきます。滞納が続くと、通常利息より高率な年20%程度の遅延損害金が上乗せされ、返済額がさらに膨らむことになります。

また返済が滞ると、期限の利益を喪失して一括請求を受ける可能性もあるでしょう。期限の利益とは、借金を分割で返済できる権利のことです。借金を契約通りに返済している限りは分割での返済が認められますが、滞納が続くと債権者から契約違反とみなされ、期限の利益を喪失してしまうのです。一括請求を受けると短期間での支払いが求められるため、返済の負担が一気に増大します。

4-2 給与や財産を差し押さえられる

借金を滞納したまま放置すると債権者から訴訟を起こされ、給与や財産を差し押さえられる可能性があります。裁判所から判決が下った後に差し押さえられるのは以下のような財産です。

  • 66万円以上の現金
  • 預貯金
  • 給与(ボーナスや退職金も含む)
  • 持ち家や土地などの不動産
  • 貴金属や宝石などの動産

差押えが実行されると、生活費や家賃、公共料金の支払いに支障が出ます。特に給与や預貯金が差し押さえられると生活費の確保が難しくなり、さらに借金の返済が厳しくなる悪循環に陥るでしょう。

なお、給与は全額差し押さえられるわけではなく、賃金の4分の1までです。ただし、月給44万円を超える場合のみ、33万円を超える部分は全額差し押さえらます。

4-3 精神や人間関係に悪影響を与える

借金を抱えたままにしておくと債権者からの取り立てが続き、ストレスが増大します。返済ができるまで電話や郵便による督促が頻繁に行われるため、精神的に苦しくなってしまうのです。

また、滞納している状態で債権者からの連絡に出なければ、正当な理由として自宅や勤務先への訪問をともなう取り立てが認められます。周囲に返済が滞っている事実がバレてしまうため、家族関係が悪化したり、信用を失ったりするかもしれません。このような状況が続くと精神的な負担が大きく、うつ状態や不眠に陥るなど、体調を崩す恐れもあるでしょう。

このように借金問題を抱え込んだまま放置することで、さらに状況が悪化する可能性があります。心身の健康や人間関係が損なわれてしまう前に、早めに債務整理を検討してください。

5章 債務整理方法に迷ったら弁護士・司法書士に相談しよう

借金問題を解決するためには、自分に合った債務整理方法を選ぶことが大切です。しかし、任意整理・個人再生・自己破産にはそれぞれメリットやデメリットがあり、どの方法が最適かを判断するのは難しいケースもあります。そんなときは、弁護士・司法書士に相談することで、状況に合った解決策を見つけやすくなります。

また、弁護士・司法書士に依頼すれば債権者に受任通知を送ってもらえるため、督促を止めることも可能です。これにより、精神的な負担が大きく軽減され、落ち着いて今後の返済計画を立てられます。さらに、経験豊富なプロはスムーズに手続きを進められるため、借金問題の早期解決が見込めます。「借金を返済できない」「どの債務整理方法が最適かわからない」と感じたら、早めに専門家に相談し、自分に合った最適な解決方法を見つけてみてはいかがでしょうか。

グリーン司法書士法人では、任意整理の交渉だけではなく、それぞれに合った債務整理のご提案を行っております。無料相談も承っておりますので、借金問題でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

債務整理の一つである任意整理ですが、以下のような理由でダメだと言われる場合があります。

  • 借金の元金は減らない
  • 債権者によっては応じてもらえない
  • 信用情報に事故情報が記録される
  • 保証人に影響が出る場合がある
  • 銀行口座が一時的に凍結される可能性がある

一方で、将来の利息や遅延損害金をカットして借金問題の解決を目指せるというメリットがあります。また、裁判所を通さずに手続きできるため、他の債務整理方法に比べてスムーズに進められるのも特徴です。

借金を返済できないまま放置すると、利息や遅延損害金が膨らむだけでなく、給与や財産が差し押さえられるリスクが高まります。精神的なストレスが増大する恐れもあるため、早めに債務整理を検討しましょう。

もし交渉後の返済が厳しい場合は、個人再生や自己破産といったほかの債務整理方法で解決できる可能性があります。どの方法が最適か判断が難しい場合は、弁護士・司法書士に相談することで、自分に合った解決策を提案してもらえます。借金問題は放置すると状況が悪化してしまうため、一人で抱え込まずに早めに専門家に相談しましょう。

グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題の解決をサポートしております。初回の相談は無料で行っておりますので、任意整理を検討している方や、選択に迷っている方はお気軽にご相談ください。

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