借金取りが会社に電話をかけるケースとは?トラブルの解決方法を解説

   司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
借金取りが会社に電話をかけるケースとは?トラブルの解決方法を解説

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借金取りが会社に電話をかけてきて、返済を迫られるようなことは避けたいものですが、基本的に連絡が入ることはありません。

仮に、借金取りから会社に電話があったり訪問されたりすると、上司や同僚に借金の存在を知られてしまうことになってしまいます。

特に消費者金融などの借金は上司や同僚に知られたくないものですが、注意したいのは会社に電話がかかるケースもあるということです。

そこで、借金取りが会社に電話や訪問で取り立てることがない理由や、電話がかかるケースやトラブル解決方法について、以下の4つの章に分けて解説していきます。

  1. 借金の取り立てで会社に電話がかからない理由
  2. 借金により貸金業者から会社に電話がかかる3つのケース
  3. 法律で禁止されている取り立て行為を受けた時の相談先
  4. 会社に知られる前に借金問題を解決する方法

もしも借金の取り立てが勤務先である会社にあり、トラブルが起きているときにはこの記事を解決させるための参考にしてください。

1章 借金の取り立てで会社に電話がかからない理由

​基本的に、借金の取り立てで、いきなり会社に電話がかかることはありません。​

会社に電話連絡がない理由として、債務者の勤務先に電話したり訪問したりすることは、貸金業法で以下のとおり禁止されていることが挙げられます。

貸金業法第21条(取立て行為の規制)

三 正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。

また、債権者の所在地と債務者の住所が離れている場合には、電話料金や出張費用、人件費などの費用」や「手間」がかかることも理由として考えられます。

いずれにしても債務者が働いている職場に、借金取り立て目的で電話連絡をすることや訪問することはできませんが、正当な理由がある場合はその限りではありません

正当な理由がないのにもかかわらず、勤務先に取り立ての電話をかけてくる場合には、貸金業者ではなくは「ヤミ金融業者」の可能性が高いといえるでしょう。

正規の消費者金融などから会社に電話がかかるケースについて、次の章で詳しく説明していきます。

2章 借金により貸金業者から会社に電話がかかる3つのケース

原則、貸金業者などが債務者の勤務先である会社に電話や訪問で取り立てを行う行為は、貸金業法で禁止されています。

しかし会社への電話や訪問に「正当な理由」があれば取り立てが行われる可能性はあり、取り立て以外の理由でも貸金業者から会社に連絡が入ることはあります。

借金により貸金業者から会社に電話がかかるケースとして、次の3つが挙げられます。

  1. 在籍確認が必要であるため
  2. 貸金業者側に正当な理由があるため
  3. 滞納による給与差し押さえが必要なため

それぞれのケースについて説明していきます。

2-1 在籍確認が必要であるため

借金により貸金業者から会社に電話がかかるケースとして、「在籍確認」が必要であることが挙げられます。

在籍確認とは、借入れの申し込みで申告された勤務先が正しいか本当に働いているのか確認することです。

実際に在籍しているのか確認するため、申告のあった勤務先に電話をかけて行われます。

あくまでも本当に勤務しているのか確認するだけであるため、金融会社名ではなく「個人名」で電話連絡が入ります。

仮に本人が電話口で対応できなくても、在籍していることが確認できればそれ以上電話がかかることはありません

2-2 貸金業者側に正当な理由があるため

借金により貸金業者から会社に電話がかかるケースとして、貸金業者側に「正当な理由」があることが挙げられます。

「正当な理由」として挙げられるのは、債務者と一切連絡がつかない場合などで、以下のケースが該当します。

  • 本人の携帯や自宅に連絡してもつながらない
  • 電話番号や住所が変更されていて連絡がつかない

電話番号や住所が変更されていても、返済期日に遅れることなく借金を返していれば連絡が入ることは特にありません。

しかし滞納していれば、本人の携帯や自宅に電話連絡が入り、つながらなければ最終的に勤務先に電話がかかる可能性はあります。

債権者からの連絡があった場合は、無視せず対応するようにしましょう。連絡さえつけば会社へ連絡が行くことはありません。

2-3 滞納による給与差し押さえが必要なため

借金により貸金業者から会社に電話がかかるケースとして、返済の滞納による給与差押えが必要であることが挙げられます。

期日を過ぎても返済がなく、滞納期間が3~6か月など長期に渡った場合、回収に向けて裁判所を通した法的手続を取られることがあります。

まずは「支払督促」で裁判所から請求が届き、支払いがなければ「訴訟」を起こされ、「強制執行」により給与など差し押さえられます。

給与の差押えでは勤務先にその旨が通知されることになるため、連絡が入ることは避けられません。

3章 法律で禁止されている取立て行為を受けた時の相談先

貸金業者を含む借金取りが、債務者の勤務先である会社に電話や訪問により取立てを行うには、「正当な理由」が必要です。

また、貸金業法では、取り立て方法について次の行為を禁止しています。

  • 威圧したり業務の平穏を害したりする言動
  • 午後9時から午前8時までの取り立て行為
  • 債務者に他から借りて返済を求める行為
  • 債務者以外に返済を求める行為
  • 債務者以外に取り立てを協力するように求める行為
  • 張り紙などで借金の事実を周囲にわかるようにする行為
  • 退去を求めても退去せず居座る行為
  • 司法書士や弁護士など専門家に委任されているのに請求する行為

正当な理由もないのに会社に取り立ての電話や訪問があったときや、上記の禁止行為による取立てがあったときには、次の3か所に相談するとよいでしょう。

  1. 日本貸金業協会
  2. 警察
  3. 弁護士

それぞれの相談先について説明していきます。

3-1 日本貸金業協会

正当な理由もなく会社に取立ての電話や訪問があった場合には、「日本貸金業協会」に苦情を申立てましょう。

日本貸金業協会の「貸金業相談・紛争解決センター」では、貸金業法に違反する行為に対する相談や苦情の申立てを受け付けており、「裁判外紛争解決手続(ADR)」を行うこともできます。

裁判外紛争解決手続(ADR)とは
裁判外紛争解決手続(ADR)とは、裁判など訴訟手続によることなく、民事上の紛争解決に向けて公正な第三者が関与し解決を図る手続です。多くの場合、当事者双方と複数回話し合いを行い、和解による紛争解決を目指します。

3-2 警察

正当な理由もなく会社に取立ての電話や訪問があった場合には、警察に被害届を提出するなど相談しましょう。

ただし警察では具体的な被害が生じてない場合は動いてくれません。民事事件であることを理由に介入を断わられる可能性もあるため、取立て行為が貸金業法に違反することを時系列などで説明できるように準備しておくことも必要です。

特に暴行や脅迫を伴う取立ては暴行罪・脅迫罪・恐喝罪に該当する場合もあるため、主張できる準備が重要といえます。

3-3 弁護士

正当な理由もなく会社に取り立ての電話や訪問があった場合には、弁護士など専門家に相談しましょう。

​上記相談先を含め、もっとも債務者のために動いてくれる可能性が高いのが弁護士です。​

貸金業協会や警察へ相談する際、違法な取り立てがあった事実を説明するため、証拠収集など準備が必要です。

同時に今後の借金返済について考えていかなければならないことも、弁護士など専門家に相談したほうがよい理由といえます。

4章 会社に知られる前に借金問題を解決する方法

銀行や正規の消費者金融であれば、法律を守った取立て行為を行うため、何の理由もなく勤務先である会社に電話や訪問による取立てを行うことはありません。

しかし返済が遅れ連絡がつかない状態にあるなど、「正当な理由」があれば会社に連絡が入ることもあるため、上司や同僚に借金があることを知られてしまうリスクも高くなります。

そのため会社に電話で連絡が入る前に借金問題を解決することが必要ですが、返済が厳しい状態にあるのなら債務整理を検討しましょう。

債務整理には、主に次の3つの手続があります。

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

それぞれどのような手続か説明していきます。

4-1 任意整理

「任意整理」とは、債権者と直接交渉を行い、将来利息カットなどで「減額」した借金を3年で返済する手続です。

毎月の返済負担が重く、このまま返済を続けることが厳しいと感じるのであれば、任意整理で手続することで負担を軽減させることができます。

ただし任意整理手続後の返済を滞納し、本人と連絡が取れなければ会社に電話がかかることもあるため、遅れずに返済することが必要です。

4-2 個人再生

「個人再生」は、裁判所を介して借金を大幅に圧縮してもらうための手続で、住宅ローン返済中のマイホームを処分せずに借金を減額できます。

ただし任意整理同様に、個人再生手続後に返済を滞納し連絡が取れない状態であれば、会社に電話がかかることもあるため遅れず返済を続けることが重要です。

4-3 自己破産

「自己破産」は、裁判所に借金が返済不能状態であることを認めてもらい、返済を「免除」してもらう手続です。

多額の借金を抱えている場合でも、借金をリセットすることができま

ただし、自己破産や個人再生では全ての債権者を手続に入れる必要があるため、勤務先から借入をしている場合には借金について知られてしまいます。

まとめ

借金する理由は人それぞれといえますが、債権者から会社に電話や訪問があることは避けたいと考える方は少なくありません。

審査のときに在籍確認の電話はかかることがありますが、債権者名を出さないため勤務先である会社に知られる可能性は高くないといえます。

しかし在籍確認を乗り切ったとしても、返済の遅れによる差押えや正規の業者以外からの借金では、会社に借金問題を抱えていることを知られることになるでしょう。

会社に借金を知られたくないけれど、返済負担が重く厳しい状態にあるのなら、借金問題の解決方法に詳しいグリーン司法書士法人グループへまずはご相談ください。

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禁止されている取り立て方法とは?
貸金業法で禁止されている取り立て方法は、主に下記の通りです。
・深夜や早朝に電話・訪問する
・希望の連絡時間帯以外に電話・訪問する
・自宅以外の勤務先などに電話・訪問する
・退去の意思を示した後も玄関前に居座る
・本人の借金や私生活について周囲に知らせる
・新たな借金で返済するよう要求する
・債権者以外に借金の肩代わりを要求する
・債務者の住所や連絡先を聞き出そうとする
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