任意整理後の生活で知っておくべきこと8つ|返済が難しい時の対処法

司法書士市川有美

監修者:グリーン司法書士法人   市川有美
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4555号 【保有資格】司法書士

任意整理
任意整理後の生活で知っておくべきこと8つ|返済が難しい時の対処法

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 この記事を読んでわかること
  • 任意整理後の生活で知っておくべきことについて
  • 任意整理後の生活に影響しないことについて
  • 任意整理後のブラックリストの登録期間について
  • 任意整理後に返済が厳しくなった場合の対処法について

任意整理後の生活は、毎月の返済負担が軽減される一方で、ブラックリストに載る状態となるため一定期間の借入れやクレジットカード利用は制限されます。

スマートフォン端末の分割購入ができなくなったりクレジットカードが使えなかったりなど、生活における影響は避けられません。

ただ、任意整理後に完済すれば貯金も増やせるため、借金問題解決の一歩になります。

そこで、任意整理後の生活で知っておくべきことと、返済が難しいときの対処法を解説します。

目次

1章 任意整理後の生活で知っておくべき8つのこと

任意整理後は、債権者との交渉で和解した条件に従い、減額・カットされた残債を分割で返済します

そのため任意整理後の生活には、手続前と比べて以下のような変化が生じます。

  1. 毎月の返済負担が軽減される
  2. 完済後は支払いに充てたお金をすべて貯金に回せる
  3. クレジットカードの作成・使用や新たな借り入れができなくなる
  4. 携帯電話の端末を分割購入できなくなる
  5. 保証人・連帯保証人になることができなくなる
  6. 信販会社との取引もできなくなる
  7. 起業するとしても融資を受けられなくなる
  8. 任意整理をした借金に保証人・連帯保証人にいる場合は迷惑がかかる

それぞれ説明します。

1-1 毎月の返済負担が軽減される

任意整理後の生活では、毎月の返済負担が軽減されます。

債権者との交渉成立後は、将来利息がカットされることが多いため、返済総額の減額で毎月の返済額は減ります

1-2 完済後は支払いに充てたお金をすべて貯金に回せる

任意整理後、借金を完済すれば、これまで返済に使っていたお金をすべて貯金に充てることができます。

和解交渉後は、生活費が返済前提で成り立っています。

しかし完済後は、返済資金をそのまま貯金に充てられるため、借金から開放されるだけでなく貯蓄を増やせるでしょう。

1-3 クレジットカードの作成・使用や新たな借り入れができなくなる

任意整理後は、一定期間、信用情報機関に事故情報が登録されるため、新たな借入れやクレジットカードの利用はできなくなります。

ただし永久に事故情報が登録され続けるわけではなく、完済してから5年間で削除されます。

ブラックリスト扱い中は、ローンやクレジットカードを申し込んでも審査に通らないと理解しておきましょう。

1-4 携帯電話の端末を分割購入できなくなる

任意整理後は、携帯電話の端末代金を、分割で支払うことができません。

携帯電話端末を分割購入することは、ローン契約と同じ扱いとなります。

一括での購入が難しい場合は、家族に代わりに購入してもらうなどの対策が必要です。

1-5 保証人・連帯保証人になることができなくなる

任意整理後は、保証人や連帯保証人になれない可能性が高いといえます。

保証人や連帯保証人になる条件は、債権者によって3親等内の親族など要件が決められている場合はあるものの、法律で決まりはありません。

ただ、要件を満たしている場合などでも、以下の方は保証人や連帯保証人として認められない恐れがあります。

  • 信用情報機関に事故情報として登録されている
  • 多額の借金がある
  • 連絡が取りにくい状況である

任意整理をすると、先に説明したとおりブラックリスト扱いとなり、支払い能力がないとみなされるため保証人や連帯保証人にはなれません

また、多額の借金がある場合も、借金を保証できるほどの返済能力があるといえないでしょう。

さらに収入やある程度の信用があっても、連絡が取りにくい方は、不信感を持たれるため認められない場合もあります。

1-6 信販会社との取引もできなくなる

任意整理後の生活では、信販会社との取引が難しくなると考えられます。

たとえば賃貸契約を結ぶとき、保証会社が信販系の場合、審査に通らない恐れがあるため注意してください。

賃貸契約における保証会社の種類は、以下の2つです。

信販系の保証会社クレジットカード会社などの関連企業であり、信用情報機関に加盟している保証会社
独立系の保証会社信用情報機関に加盟しておらず独自のデータベースで審査を行う保証会社

任意整理後の賃貸契約においては、独立系の保証会社の物件を選ぶとよいでしょう。

1-7 起業するとしても融資を受けられなくなる

任意整理後の生活では、起業における銀行融資の審査に通らないと考えられます。

手続後に信用情報機関で事故情報が登録されると、完済から5年間、ブラックリスト扱いになります

そのため銀行融資の審査には通らないといえるものの、二度とお金が借りられないわけではありません。

たとえば日本政策金融公庫の融資制度の場合、信用情報から事故情報が抹消されており、事業用の自己資金を貯めていれば、審査に通る可能性はゼロではないといえます。

創業融資の利用は審査次第であり、申込者の条件や担当者の判断によるため、まずは事業計画をしっかりと立てて担当者に相談することが必要です。

1-8 任意整理をした借金に保証人・連帯保証人がいる場合は迷惑がかかる

任意整理の手続で、保証人や連帯保証人に迷惑をかける場合があります。

保証人や連帯保証人が付いた借金を任意整理した場合、返済義務が債務者から保証人または連帯保証人へ移るからです。

ただし任意整理は、手続の対象とする借金を選べます。

複数の借金がある場合、保証人や連帯保証人のついていない借金を手続の対象とすることで、迷惑をかけることはありません

2章 任意整理後も生活に影響・支障が出ないこと

任意整理後も、以下に挙げるとおり生活に影響や支障のないケースもあります。

  1. 住宅ローン・自動車ローンを任意整理しなければ自宅・自動車を手元に残せる
  2. 任意整理をしても家族や勤務先にバレる可能性は低い
  3. 任意整理後は貯金や生命保険の加入をしても問題がない
  4. 戸籍・住民票に任意整理の記録が登録されることはない
  5. 任意整理の対象にしていない借金の返済義務は残り続ける

それぞれ説明します。

2-1 住宅ローン・自動車ローンを任意整理しなければ自宅・自動車を手元に残せる

任意整理の対象に、住宅ローンや自動車ローンを含めなければ、家や車を手元に残せます。

自己破産と異なり、任意整理は手続する借金を選べるため、住宅ローンや自動車ローンを対象から外せば、家や車を手放さずに手続できます

2-2 任意整理をしても家族や勤務先にバレる可能性は低い

任意整理をしても、家族や勤務先に知られる恐れは低いと考えられます。

手続により、信用情報機関に事故情報として登録されても、官報には掲載されません

「官報」は、法律・政令などの制定・改正情報や、破産などの裁判内容を掲載する国の情報誌です。

誰でも閲覧できるため、個人再生や自己破産の手続では借金の事実が知られるリスクはゼロでなくなるものの、任意整理では掲載されません。

2-3 任意整理後は貯金や生命保険の加入をしても問題がない

任意整理後でも、民間銀行の積立預金や郵便局の定期貯金、生命保険への加入などは問題なくできます。

生命保険の加入において審査はあるものの、信用情報機関の事故情報の登録を理由に、契約拒否されることはないといえます。

また、任意整理の手続を理由に、現在契約中の生命保険を解約する必要もありません

2-4 戸籍・住民票に任意整理の記録が登録されることはない

任意整理により、戸籍や住民票など、公的な書類にその事実が記録されることはありません。

たとえ家族が戸籍や住民票を閲覧しても、任意整理の事実が知られることはないといえます。

就職や転職においても、任意整理の事実を申告する義務はないため、仕事に影響はありません。

2-5 任意整理の対象にしていない借金の返済義務は残り続ける

任意整理後も、手続の対象にしなかった借金の返済は、従来通りです。

金利が低い借金や残債が少ない借入れは任意整理の効果が薄いため、手続の対象から外すことになるでしょう。

その結果、これまで通りの返済条件で返し続けることが必要になります。

3章 任意整理後に信用情報機関で事故情報が登録されるのはいつまで?

任意整理後は、信用情報機関に事故情報が登録されます。

ただし永久に登録されるのではなく、登録される期間は、完済して5年間です。

あくまでも目安の期間であるため、ブラックリストへの登録が解消されているか知りたいときは、信用情報機関に開示請求しましょう。

なお、任意整理の対象である借入先の金融会社が、独自の金融事故情報として「社内ブラック」扱いにしている恐れもあります

この場合、信用情報機関の事故情報が登録解除されても、対象の金融会社のローンやクレジットの審査には通りません。

4章 任意整理後に借金の返済が難しくなったときの対処法

任意整理後、債権者との交渉で和解した内容での返済が厳しくなったときは、以下で対処しましょう。

  1. 数日から1か月程度の遅れであれば債権者に相談する
  2. 再度任意整理を行う
  3. 追加介入をする
  4. 個人再生か自己破産を行う

それぞれ説明します。

4-1 数日から1か月程度の遅れであれば債権者に相談する

任意整理後、和解の内容での返済が厳しくなっても、数日から1か月程度の遅れであればまずは債権者に相談しましょう。

和解交渉の成立においては、

「返済の延滞期間が一定期間を経過した場合、和解の効力が失われる」

と取り決めることが一般的です。

数日または1か月程度の延滞なら、和解の効力はそのままで返済を待ってもらえる可能性があります

そのため債権者へ早めに連絡し、相談してみましょう。

4-2 再度任意整理を行う

任意整理後、和解交渉の内容での返済が厳しくなった場合は、再度、任意整理を行うことも方法の1つです。

2か月程度の延滞で和解の効力が失われ、一括請求される恐れがあるときは、債権者と再度、和解契約を結ぶ手続を行います。

任意整理に回数制限はないため、2回目以降も可能ではあるものの、初回よりハードルは上がります。

そのため2回目の交渉は、当初の条件よりも厳しくなることが多く、和解に応じてもらえない恐れもあるとの認識が必要です。

4-3 追加介入をする

任意整理後、和解交渉の内容での返済が厳しくなった場合は、追加介入を検討しましょう。

「追加介入」とは、任意整理の対象とする借金を増やし、毎月の返済負担を軽減する手続です。

複数社から借金があり、任意整理の対象に含めていない借入れがあるとき選択できます。

ただし、同一グループの貸金業者同士は、独自のネットワークでつながっています

任意整理後の支払いの延滞の事実を知られていれば、和解条件が厳しくなることや応じてもらえない恐れもあるため、必ず利用できるわけではありません。

4-4 個人再生か自己破産を行う

任意整理後、和解交渉の内容での返済が厳しくなった場合は、個人再生または自己破産を検討しましょう。

「自己破産」とは、借金の返済能力がないことを裁判所に認めてもらい、返済義務を免除してもらう手続です。

任意整理の和解の効力が失われ、一括請求されたとしても返済は免除されます。

「個人再生」は、借金を5分の1程度へ減額し、原則、3年で返済する債務整理です。

住宅ローンは継続して返済しながら、その他の借金は大幅減額されるため、和解の効力が失われた場合も手続できます。

なお、どちらの手続を選ぶべきか判断が難しいため、まずは専門家に相談することをおすすめします。

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まとめ

任意整理後の生活では、毎月の返済負担は軽減されるといえます。

戸籍や住民票に任意整理の事実が記録されることはなく、ブラックリスト扱いになっても完済から5年間を目安に解消されます。

ただしローンやクレジットカードの利用や新規契約や、携帯電話の端末を分割購入はできなくなるなど影響は避けられません。

また、任意整理後は和解交渉の内容に従い、遅れず返済することが必要です。

万一返済が厳しくなった場合は、個人再生や自己破産などの手続が必要になる場合もあります。

任意整理後、安定した生活を送るためにも、借金の悩みはグリーン司法書士法人へご相談ください。

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