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借金の返済で首が回らなくなり、任意整理を検討している方もいらっしゃるでしょう。
その際に、 「任意整理するとアパートが借りられなくなるのだろうか?」「今の家を追い出されないだろうか?」といったことが気になる方もいるでしょう。
また、賃貸契約に影響があるのであれば、その対策についても知りたいですよね。
任意整理をしたことで、賃貸契約ができなくなったり、現在の賃貸契約を解除されたりすることはありません。
しかし、全く影響がないわけではなく、注意すべきことなどはいくつかあります。
そこでこの記事では
などについて解説します。
任意整理については、下記の記事で詳しく解説しているのでご参考にしてください。
目次 ▼
1章 任意整理は賃貸契約に影響を与える?
ここでは、任意整理が賃貸契約にどのような影響があるのかについて解説します。
1−1 現在住んでいる賃貸を追い出されることはない
任意整理をしたことで、現在住んでいる賃貸物件を追い出されることはありません。
さらに言うと、他の債務整理後でも同様に賃貸物件を追い出されることはありません。
なぜなら、賃借人は正当な理由をなしに入居者を追い出すことはできないと法律で決められており、この「正当な理由」に任意整理(債務整理)は含まれないからです。
なお、退去させられる正当な理由とは、例えば、家賃を何ヶ月も滞納している、アパート契約時の規約に反してペットを飼っている、建物が老朽化して修繕・建替えが必要、などです。
1−2 新しく賃貸契約をする際は審査に通らない可能性がある
任意整理(あるいは他の債務整理)をしていても、一人暮らしあるいは共同で新しく家を借りる(賃貸契約を結ぶ)ことは可能ですが、保証会社の審査に通らない可能性があります。
任意整理をすると、ブラックリストと呼ばれる信用情報機関に情報が登録され、信販系の保証会社はその情報を確認することができるためです。
賃貸契約をする際には家賃の支払いが滞ったときなどのために、保証会社を利用するか、連帯保証人を立てる必要があります。
賃貸物件が定めている保証会社が信販系の保証会社の場合、審査に通らず賃貸借契約ができない可能性があるのです。
一方で、賃貸物件が定めている保証会社が独立系の場合は、信用情報が賃貸契約の審査に影響を与えず、審査に通る可能性もあります。
2章 任意整理後に賃貸契約の審査に通りにくくなる理由
任意整理後に賃貸契約の審査に通りにくくなる理由は、保証会社の審査に通らない可能性があるからです。
賃貸契約を結ぶ際には、借主が家賃を滞納したときのリスクに備え、賃貸保証会社の利用を求めている大家がほとんどです。
しかし、保証会社の中でも信販系の保証会社は、信用情報機関にて個人の信用情報を確認できるため、任意整理などの事故情報が記録されていると、審査に通りにくくなってしまいます。
一方で、独立系の保証会社であれば比較的審査が緩いとされているため、任意整理後でも保証会社の審査に通る可能性はあるでしょう。
任意整理後の賃貸契約に関するリスクについては、本記事の4章で詳しく解説しています。
3章 任意整理後に賃貸契約をしやすくする方法
任意整理後は、賃貸契約が不可能ではないものの、現実的には契約が難しくなります。
そこでここでは、任意整理後に賃貸契約をしやすくなる方法を解説します。
3−1 信販系の賃貸保証会社がついていない物件を探す
1章でも解説したとおり、信販系の保証会社は、信用情報機関の情報を確認することができます。
しかし、賃貸保証会社は信販系の会社だけではありません。独立系と呼ばれる会社もあります。一般に信販系よりも独立系の会社の方が審査は緩いと言われています。
信販系以外の会社であれば、信用情報機関の情報は確認しませんので、賃貸を選ぶ際には信販系の賃貸保証会社がついていない物件を探すようにしましょう。
家賃の保証会社は以下のとおりです。
【信販系】
- アプラス
- エポス
- オリコ
- ジャックス
- セゾン など
【独立系】
- 全保連
- 日本セーフティー
- 日本賃貸保証 など
3−2 保証会社不要の物件を探す
最近では、賃貸契約に保証会社が必須な物件が増えてきましたが、中には保証会社ではなく連帯保証人でも可能な物件や、そもそも保証会社・連帯保証人が不要な物件もあります。
ただし、そのような物件は、入居希望者が少なく、大家さんが入居を急いでいるような、いわゆる「訳あり物件」である可能性が高いので、その点は留意しておきましょう。
3−3 公営住宅の入居審査に申し込む
公営住宅は、自治体が低所得者に向けて入居を募集している賃貸物件です。
自治体は、信用情報機関の情報を確認することはできませんし、そもそも低所得者のための賃貸ですので、任意整理をしたことで審査に落ちるということはありません。
ただし、収入が一定額以下など入居条件があるケースが多く、入居希望社が多い場合には抽選となるので、確実に入居ができるというわけではないということは理解しておきましょう。
3−4 不動産業者に相談する
信販系の保証会社がついていない、保証会社が必要ないといった物件を自身で探すのは難しいかもしれません。
そんなときは、不動産業者に任意整理をした旨を正直に話して相談しましょう。
不動産業者の方は、物件探しのプロです。
入居できそうな物件を探してくれたり、大家さん・不動産管理会社に交渉してくれたりしてくれるでしょう。
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4章 賃貸物件で暮らす人が任意整理後でしっておくべきリスク
任意整理したからといって、追い出されることはありません。
しかし、暮らしていく中で気をつけるべきことはあります。
ここでは、賃貸物件に暮らしている人が任意整理後に気をつけるべきことを解説します。
4−1 保証会社から契約更新を断られる可能性がある
賃貸保証会社は、1〜2年毎に更新を行い、そのたびに審査を行います。
保証会社が信販系である場合、ブラックリストを確認できるため、更新を断られる可能性があります。
その際、新たな保証会社や連帯保証人をつける必要がありますが、どのように対処するかどうかは大家や不動産管理会社の判断となるため、更新前に相談しておくようにしましょう。
4−2 家賃がクレジットカード払いのときは事前に対処が必要
任意整理をすると、クレジットカードの使用・作成ができなくなってしまいます。
そのため、現在家賃をクレジットカード払いにしている場合は、事前に支払い方法を銀行振込や口座引落などに変更しておきましょう。
なお、任意整理は整理の対象を選択することが可能ですので、まだ任意整理をしていないのであれば、家賃を支払っているクレジットカードは整理の対象から外しておくのも良いでしょう。
口座の凍結について詳しく知りたい方はこちら
5章 借金にお悩みならグリーン司法書士法人にご相談ください
グリーン司法書士法人では、任意整理を始めとした借金に関するご相談を受け付けております。
これから任意整理をご検討の方は、今後の賃貸契約についてもアドバイスさせていただきます。
なお、当事務所では初回の相談料を無料としております。
- 任意整理をするとどうなるのか
- 任意整理以外に選択肢はないのか
- とにかく借金をどうにかしたい
などのご相談でも構いません。お気軽にご相談ください。
参考リンク
任意整理に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:任意整理 クレジットカード
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よくあるご質問
- 債務整理の事故情報は何年で消える?
- 時効援用や自己破産や個人再生などの債務整理をすると、信用情報機関に情報が渡り、信用情報機関同士で共有されます。
各信用情報機関で登録期間は異なりますが、完済・解約から5~7年ほど経過すると削除されるのでご安心ください。
債務整理の履歴は一生残るわけではありません。
債務整理後の信用情報について詳しくはコチラ
- 任意整理後も賃貸住宅に住み続けられる?
- 現在住んでいる賃貸住宅を任意整理が理由で追い出されることはありません。
一方で、家賃を滞納しているなど正当な理由があれば強制退去になる可能性もあるでしょう。
また、引っ越しをし新たに賃貸契約を結ぼうとした際には、審査に通らない恐れがあります。
詳しくはコチラ