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学費の支払いや在学中の生活費などに奨学金を利用されている方は多いでしょう。
奨学金を延滞すると延滞金がかかる、クレジットカードやローンの審査に通らなくなるなどのデメリットがあります。
加えて、延滞を放置していると一括返済を請求され、財産が差し押さえられる可能性もあります。
一方、一般的な借金とは違い、奨学金では一定の事情があれば救済制度を利用することが可能です。
この記事では、奨学金が払えないときの生じるリスクや、対処法などについて解説します。
目次 ▼
1章 奨学金が払えないと生じるリスク
奨学金も借金の一種ですので、払えない場合には借金を滞納したときと同じようにリスクが生じます。具体的には以下のとおりです。
- ブラックリストに登録される
- 一括請求される
- 延滞金が課される
- 保証人に一括請求される
それぞれ詳しく解説します。
1−1 ブラックリストに登録される
奨学金の支払いが2ヶ月以上滞ると、信用情報機関に事故情報が登録されます。いわゆる「ブラックリスト」です。
ブラックリストに登録されると、一定期間が経過するまで以下のことができなくなります。
- クレジットカードの新規作成・利用
- 新たな借り入れ
- 住宅ローンや車のローンなど各種ローン利用
- スマートフォン本体の割賦契約(分割払い)
ブラックリストに登録される期間は、奨学金を完済してから5〜7年です。
ブラックリストについて詳しくは以下の記事をご確認下さい。
1−2 一括請求される
奨学金の返済を2〜3ヶ月程度怠ると、奨学金の全額が一括請求される可能性があります。
奨学金は高額ですから、一括で支払うことは難しいでしょう。支払えない場合には、自己破産を余儀なくされることもあります。
1−3 延滞金が課される
奨学金の返済が2ヶ月遅れると遅延損害金が発生します。
とはいえ、奨学金の遅延損害金は非常に少額です。
日本学生支援機構は、第二種奨学金の遅延損害金について以下のように定めています。
1)延滞金の賦課奨学金の返還を延滞すると、延滞している割賦金(利息を除く)の額に対し、年(365日あたり)3%の割合で返還期日の翌日から延滞している日数に応じて延滞金が賦課されます。
参照:https://www.jasso.go.jp/faq/shogakukin/moshikomi/kaigai/saiyochu/1190519_2696.html
上記のケースでは、奨学金が500万円の場合、1日あたりの遅延損害金は【500万円×3%÷365日】となるので、約410円です。
一般的な消費者金融の遅延損害金は年20%ですので、それと比較すると非常に低く設定されています。
1−4 保証人に一括請求される
前述したように、2〜3ヶ月程度滞納すると本人に一括請求されますが、さらに無視してしまうと、次は保証人が一括請求を受けることになります。
奨学金の場合、親や親戚が保証人になっている方がほとんどかと思います。滞納を続けてしまうと、保証人になっているご家族も自己破産をせざるを得ない状況になってしまう可能性があります。
また、ご自身が自己破産や個人再生の手続きをしたとしても、保証人への請求は免れません。
奨学金が支払えなくなってしまった場合には、保証人にきちんとお話しておくようにしましょう。
2章 奨学金が支払えないときの対処法
奨学金は他の借金とは違い、支援としての貸付ですので、支払いが難しい人に向けた救済措置が用意されています。
奨学金が支払えないときはまず、救済制度の利用ができるか確認してみて下さい。
もし、救済制度が利用できない、利用しても解決できない場合には債務整理を検討しましょう。
2−1 救済制度を利用する
奨学金には以下の3つの救済制度があります。
- 減額返還制度
- 返還期限猶予制度
- 返還免除
それぞれ詳しく解説します。
2−1−1 減額返還制度
- 利用できる人:年収325万円以下
- 利用できない人:返還を延滞している、年収325万円超である
減額返還制度は、返還期間を延長し、月々の返還額を減らす制度です。
一度の申請で1年間の延長が可能で、最長15年利用することができます。
また、返還期間が延長しても利息が追加で発生することはありませんので返還総額は変わりません。
具体的な利用イメージは以下のとおりです。
- 月々の返還額を2分の1に減額
→6ヶ月分の返還額を12ヶ月で返還 - 月々の返還額を3分の1に減額
→4ヶ月分の返還額を12ヶ月で返還
2−1−2 返還期限猶予制度
- 利用できる人:年収300万円以下
- 利用できない人:年収300万円超
返還期限猶予制度は、返還期限に猶予を設けてもらう制度です。
一度の申請で1年間猶予することができ、通算10年まで返還期限を延長することが可能です。
すでに延滞している人でも、病気で働けなかったりや生活保護を受給していたりといった理由で返還できない場合には、返還期限猶予が適用される可能性もあります。
なお、この制度も返還期間が延長したとしても利息が追加で発生することはなく、返還総額は変わりません。
2−1−3 返還免除
- 奨学金受給者本人が死亡した場合
- 奨学金受給者本人が精神・身体障害によって返還できない場合
返還免除は、奨学金の返済を免除してもらう制度です。
奨学金受給者本人が死亡した場合や、精神・身体障害によって返還できなくなった場合には、未返還額の一部または全部が免除されます。
2−2 債務整理をする
前述した救済制度が利用できないケースや、利用しても解決が難しい場合には債務整理を検討しましょう。
なお、債務整理には主に「自己破産」「個人再生」「任意整理」の3種類がありますが、このうち「任意整理」は奨学金に適しません。
任意整理は、債権者と交渉することで将来発生する利息をカットしてもらう手続きですが、奨学金はそもそも金利が非常に低いため効果が見込めないですし、日本学生支援機構も応じてくれない可能性が高いからです。
なお、他の債務整理についても、奨学金しか借り入れがない場合にはあまり効果はありません。他の借金もあるようなケースに有効であることは理解しておきましょう。
3章 奨学金の支払いが難しいときは、グリーン司法書士にご相談下さい
奨学金の支払いができないと、ブラックリストに登録されたり一括請求されたりとリスクがあります。
奨学金には救済制度がありますので、まずはその制度利用できるか確認してみましょう。
もし、救済制度が利用できない、利用しても解決が難しいという場合には債務整理を検討する必要があります。
グリーン司法書士法人では、これまで多くの借金問題を解決してきました。そのため、依頼者様のご状況に応じた最適な解決策を提案することができます。
初回相談は無料です。オンライン相談も可能ですので、お気軽にお問い合わせ下さい。
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よくあるご質問
- 奨学金を払えないとどうなる?
- 奨学金を払えないと下記のリスクがあります。
・ブラックリストに登録される
・一括請求される
・延滞金が課される
・保証人に一括請求される
奨学金が払えない場合について詳しくはコチラ
- 奨学金を払えないときの対処法とは?
- 奨学金を払えないときには、下記の方法をお試しください。
・救済制度を利用する
・債務整理をする
奨学金滞納について詳しくはコチラ