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お金を借りたとき「簡単にお金が手に入ったような気になった」とおっしゃる方は少なくありません。
借金はあくまで「借りているお金」ですので、自分のお金ではありません。しかし、ATMなどからすっと万単位のお金が出てきてしまうことから、「お金が手に入った」と思ってしまうのです。
この気持ちが「借金依存症」への第一歩です。
借金依存症になってしまうと、取り返しのつかない状態になってしまう可能性があります。家族に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
この記事では、借金依存症になりやすい人の特徴や、依存症を治すために心がけるべきこと、相談できる機関などについて解説します。
ご自身、ご家族が繰り返してしまう方は、まず借金依存症についてきちんと理解しておく必要があります。ぜひ、この記事を参考にして下さい。
目次 ▼
1章 借金依存症とは?
借金依存症とは、その名の通り「借金を辞められない」・「借金することに依存している」ことを言います。
借金依存症の方は生活費や急な出費を賄うためではなく、「お金を借りること」に安心感を覚え、借金を繰り返してしまいます。
借りたお金は、買い物やギャンブルなどに使ってしまうため、返すことができず、どんどん借金が膨らんでしまうケースがほとんどです。
そのように借金をする生活はいつまで続くわけではありません。いつかは借金ができなくなる時が来ます。そのとき、借金依存症の方は精神的に不安定になり、犯罪行為に走ってしまったり、自殺をしてしまったりする危険がありますので、決して放置してはいけません。
2章 借金依存症になりやすい人の特徴
借金依存症になりやす人には以下のような特徴があります。
- ギャンブルや浪費癖がある
- 慢性的にストレスを抱えている
- 見栄っ張りな性格
- 収入が減った
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2−1 ギャンブルや浪費癖がある
ギャンブルや浪費癖がある方は、お金の管理にだらしない傾向があります。
ギャンブル・浪費にも依存性があり、「お金がないのにギャンブルをしてしまう、買い物をしてしまう」という方が多いのです。
そのような方は、借金をしてまででもギャンブルや浪費にのめり込みます。
以下のような方は、ギャンブル・浪費を繰り返し、借金を重ねてしまう傾向があるので注意しましょう。
- ギャンブルや浪費をやめるとイライラする
- ギャンブルや浪費のために、使ってはいけないお金に手をつけてしまう
- ギャンブルや浪費のために、家族や恋人に嘘をつく
- ギャンブルで失ったお金をギャンブルで取り返そうとする
2−2 慢性的にストレスを抱えている
仕事やプライベートで慢性的にストレスを抱えている方の中には、散財することでストレスを解消するという方も少なくありません。
ギャンブルも浪費も、ストレスが原因の可能性があります。
- ストレスを感じる
- 散財する
- お金が足りなくなる
- 借金をする
- 借金の返済ができずストレスを感じる
という負の連鎖に陥ってしまうこともあるでしょう。
お金を使うこと以外にストレスを発散する方法を見つけることが大切です。
2−3 見栄っ張りな性格
見栄っ張りな性格の方は、高価なものを身に着けたり、部下や後輩などにご飯をおごってしまったりしてしまう傾向があります。
収入に見合わないお金の使い方をしてしまうことで、借金に手を出してしまいます。
2−4 収入が減った
収入が減ったことで、生活費が足りなくなり借金をする方も多いでしょう。
人間、一度上げた生活レベルを下げるのは難しいものです。節約すれば問題なく生活できるはずが、これまでの生活スタイルを変えられず借金を繰り返してしまいます。
3章 借金依存症を治すために心がけること・するべきこと
借金依存症に陥ってしまうと、いつか精神的に不安定になり、犯罪行為に走ったり、自殺してしまったりするリスクがあります。決して放置せず、治していかなければいけません。
依存症は、本人だけではなかなか改善することができません。家族や恋人、友人の協力が非常に大切ですので、周りの方が借金依存症の方がいらっしゃるなら、以下のことを理解しておきましょう。
3−1 小さな目標を少しずつ立てる
借金依存症に限らず、依存症を治すためには、小さな目標を立てて、それをコツコツ達成しておくことが改善への第一歩です。
「もう、一切ギャンブルをしない」など、大きな目標はなかなか実現できません。
- 「今日は無駄な買い物はしない」
- 「今日はギャンブルに行かない」
など、少し我慢するだけで実現できる目標を立てるのがコツです。一つひとつを達成できれば、最終的に依存症を脱することができるでしょう。
3−2 クレジットカードの利用を控える
クレジットカードは、手元に現金がなくてもお金を使うことができます。そのため、収入に見合わない金額を使ってしまうリスクがあります。
収入の範囲で収めるためにも、現金やデビットカードを利用するようにしましょう。
どうしてもクレジットカードが必要なのであれば、手元に1枚だけ残して他のものは解約してしまうというのも一つの手段です。
3−3 家族の協力を得る
一人で依存症を治すのは難しいのが現実です。そのため、なるべく家族など信頼できる人の協力を得るようにしましょう。
例えば、家族にお金を管理してもらったり、キャッシングのカードを預かってもらったりするのがよいでしょう。
また、生活が苦しい状況なのであれば、生活が立て直せるまで実家で過ごさせてもらうというのも有効です。
なお、より重度の場合は、医療機関でのカウンセリングなど、医学的な治療も視野にいれるようにしましょう。
3−4 貸付自粛制度を利用する
日本貸金業協会には「貸付自粛制度」という制度があります。
この制度を利用すれば、信用情報機関に「貸付を自粛する」という情報が登録されるため、申告から約5年間は消費者金融やクレジットカードのキャッシング利用ができなくなります。
なお、申告から3ヶ月間は貸付自粛の撤回ができませんので注意して下さい。
4章 借金依存症を相談できる機関
借金依存症を自力で改善するのは難しいのが現実です。
日本には借金依存症について相談できる機関が多く存在していますので、ご自身やご家族では改善が難しいのであれば、まずそのような機関相談してみることをおすすめします。
具体的な相談先は主に以下の5つです。
- 精神保健福祉センター
- 日本クレジットカウンセリング協会
- 病院の精神科
- DA Japan(自助グループ)
- ジャパンマック(依存症回復施設)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
4−1 精神保健福祉センター
精神保健福祉センターは、国が運営する機関で、心の問題や依存症などの相談を受け付けています。各都道府県に設置されており、医師や保健師、看護師、臨床心理士などの専門家が在籍しています。
精神保健福祉センターに設置されている「こころの電話相談」に電話すると、簡単な助言や、相談できる専門機関等の情報を提供してもらうことができます。
相談は匿名でも可能です。「どこに相談すればいいか分からない・・・」という方は、まずは精神保健福祉センターに相談してみるのがよいでしょう。
4−2 日本クレジットカウンセリング協会
日本クレジットカウンセリング協会は、クレジットカードや消費者金融からの借り入れなどによって多重債務に陥ってしまった方に向けたカウンセリングを行っている機関です。
相談することでカウンセリングや、家計の改善に関するアドバイスを受けることができます。
4−3 病院の精神科
「依存症は病気ではない」という考えから、病院への相談を躊躇する方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、借金依存症を含む、依存症は適切な治療を受けることで改善することも珍しくありません。
借金依存症やギャンブル依存症であっても健康保険範囲で治療を受けることが可能です。まずは近くの病院の精神科で診察を受けてみるのも良いでしょう。
4−4 DA Japan(自助グループ)
DA JAPANとは、借金依存症や浪費癖のある人々同士が集まって、ミーティングなどをすることで改善を目指すグループです。ミーティングへは匿名で参加することができます。
精神科での治療やカウンセリングなどと併せて利用することで、精神的な負担を軽減しながら改善を目指せるでしょう。
4−5 ジャパンマック(依存症回復施設)
ジャパンマックは、借金依存症のほか、アルコールや薬物、ギャンブル依存症などの回復を支援する非営利団体です。
精神保健士や看護師、公認心理師、社会福祉士などと連携した改善プログラムを受けることができます。
5章 借金がかさんでしまったら、債務整理も検討しよう
借金がかさみ、返済が難しくなってしまったら債務整理を検討しましょう。
債務整理には主に以下の3つがあります。
- 自己破産・・・借金の返済義務を免除してもらう手続き
- 個人再生・・・借金を大幅に減額し、3年間で完済を目指す手続き
- 任意整理・・・債権者と交渉し、利息をカットしてもらう手続き
それぞれ詳しく見ていきましょう。
5−1 自己破産
自己破産とは、財産や収入が不足し、借金の返済が難しくなった人が裁判所に申し立てることで借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
公租公課などを除く全ての借金の返済義務がなくなりますが、その分一定以上の財産が処分されてしまいます。家などの大きな財産は残すことは難しいでしょう。
収入がない(少ない)方や生活保護を受けている方、借金が高額な方には自己破産をおすすめしています。
5−2 個人再生
個人再生とは、借金額を大幅に圧縮し、3年で完済する再生計画を立てる手続きです。
手続き後も返済は継続しますが、住宅ローン特例を利用すれば家を残せる可能性が高いですし、自己破産のように裁判所によって財産が処分されることはありません。
ただし、個人再生が認められるためには安定した収入があることが条件です。
お仕事をされていて、家などの財産を残したいという方には個人再生をおすすめしています。
5−3 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで、将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう手続きです。
自己破産・個人再生が裁判所を通す手続きである一方、任意整理は債権者と債務者間だけで行います。
そのため、任意整理をする債務を選択することでき、引き上げられたくないもの(家や車など)の対象である債務を避けることも可能です。
借金の元本を減額することはできませんが、債務整理手続きの中で最も手軽で、リスクも少ない手続きです。
利息がかさみ、返済が厳しくなってしまっているという方には任意整理をおすすめしています。
6章 債務整理はグリーン司法書士法人にご相談下さい
借金依存症を根本的に改善したいのであれば、債務整理といった法的な整理と医学的な治療を両立させ、できれば並行して進めていくことが重要です。
債務整理をすると今後数年間は新たな借入ができなくなります。そのため、結果的に借金依存症を改善につながることもあるでしょう。
とはいえ、数年後また借り入れができるようになった時に借金を繰り返してしまったり、借り入れができない期間に闇金に手を出してしまったりしては本末転倒です。
そのため、法的な借金の解決と、医学的な依存症の治療はどちらも大切なのです。
借金の返済が困難になってしまったという方は、ぜひ一度グリーン司法書士法人にご相談ください。
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よくあるご質問
- 借金依存症の治し方とは?
- 借金依存症を治すためにすべきことは、下記の通りです。
・小さな目標を少しずつ立てる
・クレジットカードの利用を控える
・家族の協力を得る
・貸付自粛制度を利用する
- 借金依存症になりやすい人の特徴とは?
- 借金依存症になりやすい人の特徴は、下記の通りです。
・ギャンブルや浪費癖がある
・慢性的にストレスを抱えている
・見栄っ張りな性格である
・収入が減った