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突然の勤務先の倒産により、借金返済が厳しい状態に追い込まれてしまった場合、どうやって解決すればよいか悩んでしまうものです。
返済が遅れたことで頻繁に取り立ての連絡が入るようになり、毎日借金のことばかり考えるようになれば、冷静な判断を失い危険な行為に及んでしまうリスクも高くなります。
借金に関する問題を抱えているときには、一人で悩まず安心できる相談先を頼ることが解決の近道です。
そこで借金問題の解決策と、返済できなくなったときの相談先や対処法について、次の3つを章ごとに解説していきます。
返済できなくなったときの相談先や対処法
- 借金を自力で解決できるときの対処法
- 借金を自力で解決できないときの相談先
- 自力で返せない借金を解決させる3つの対処法
借金を解決するための方法を知り、借入れと返済を繰り返すことなく、安心して暮らせる生活を取り戻していきましょう。
目次 ▼
1章 借金を自力で解決できるか確認する方法
自分で借りたお金を誰にも知られず自力で解決したいときには、まず次の2つを確認してみましょう。
- 残りの借金総額
- 毎月返済できる金額
その上で、借金返済の「シミュレーション」を立て、実際に返していくための「返済計画」を立てていきます。
早く借金を終わらせるためには返済計画を立てることは欠かせないため、その準備としてまず現状を正確に把握します。
カードローンやキャッシングなど利用しているすべての「借入れ」を洗い出し、それぞれの「借入残高」と「金利」からどのくらいの借金が残っているか計算します。
その後、今後は毎月どのくらいの金額までなら返済に充てることができるか検討し、実際に返した場合のシミュレーションをしてみましょう。
詳しい方法については、以下のリンクの記事を参考にしてみてください。
2章 借金を自力で解決できないときの相談先
自力で借金を返済するつもりで毎月少しずつ返済を続けていたけれど、収入が減少したことなどを理由に、自力では解決できない場合もあります。
借金返済のために別の金融会社からお金を借りる「自転車操業」を繰り返し、気がつくとあっという間に借金が雪だるま式に増え、とても自力では返済できないというケースなどもめずらしくありません。
毎日借金のことばかり考えている中、督促などに追われれば、闇金を利用するとか、夜逃げするしかないと冷静な判断を失いかけてしまうこともあるでしょう。
このような状況になると、1章で説明したような返済シミュレーションを立ててみても、到底返済できない!となる可能性が高いです。
しかし、自力で借金問題を解決できなくても、適切な専門家や相談窓口を頼ることで解決への道が開ける可能性があります。具体的には、大きく次の2つが挙げられます。
- 国や自治体の無料相談窓口
- 法律の専門家
「無料」で多重債務に関する相談を受け付けている窓口もあるため、まずはそれぞれどのような相談先があるのか細かく説明していきます。
2-1 国や自治体の無料相談窓口
借金問題についての悩み相談は、国や自治体が実施する無料相談窓口などでも対応しています。
主な無料相談窓口は次の4つです。
- 自立相談支援機関
- 多重債務相談窓口
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 日本クレジットカウンセリング協会
それぞれの無料相談窓口について説明していきます。
自立相談支援機関
生活保護に至る前段階から困窮している方たちを支援するために、家計や仕事など生活に関することについて相談できる窓口が「自立相談支援機関」です。
各都道府県に設置されており、自治体直営で運営されている場合もあれば、社会福祉協議会や社会福祉法人などに委託されていることもあります。
それぞれの状況にあった情報提供や助言、必要なサービスにつなげることが目的のため、家計管理などの困りごとや働きたくても働けない、住む所がないなど不安を抱えているときは相談してみましょう。具体的なプランを作成し、担当の相談員が自立に向けて支援してくれます。
多重債務相談窓口
「多重債務」状態に陥った方を対象として、借金問題や貸金自粛制度、ギャンブル依存症対策などの相談を受け付けている窓口が「多重債務相談窓口」です。
借金で苦しんでいる方はもちろんのこと、その家族などからの相談にも対応してくれるため、膨れ上がった借金で困っているときなどは相談してみるとよいでしょう。
法テラス(日本司法支援センター)
紛争や問題に巻き込まれた人たちに対して、法的制度活用を促進し支援する公的機関が「法テラス(日本司法支援センター)」です。
借金問題で経済的に困窮している方に対し、無料の法律相談を利用する機会を提供してくれます。
担当の専門家に3回まで無料相談が可能であり、専門家への依頼にかかる費用の立て替えや扶助など行っているため、専門家に相談したいけれど手元にお金がないときは一度相談してみるとよいでしょう。
日本クレジットカウンセリング協会
クレジットカード利用によるショッピング・キャッシング、消費者金融のカードローンなどの利用で多重債務に陥ったときの相談窓口が「日本クレジットカウンセリング協会」です。
借金が雪だるま式に膨らんだ方に対し専任のカウンセラーが無料で相談に応じてくれ、家計管理の改善や任意整理などの相談に無料で対応してくれます。
2-2 法律の専門家
法律の専門家に相談した場合、専門家が借金問題解決への手続に着手した段階で、金融会社など債権者に対し「受任通知」が発送されます。
金融会社が「受任通知」を受け取ると、手続が終了するまで債務者に直接連絡したり取り立てたりという行為は禁止されることとなるため、督促に追われる日々から解放されるでしょう。
借金問題に詳しい法律の専門家として挙げられるのは次の2つです。
- 司法書士
- 弁護士
司法書士と弁護士のどちらを選ぶかで、対応の範囲は微妙に異なりますが、通常の債務整理においては特に気にする必要はないでしょう。
気になる方は以下のリンクの記事をご覧ください。
司法書士
借金相談については、裁判所に提出する書類作成や債権者との和解交渉などに対応し、いずれの手続でも他の専門家等と連携しながら最後まで対応してくれます。
費用も弁護士に比べると安い傾向にあるので、とりあえず司法書士に相談してみよう、と気軽に相談できるでしょう。
弁護士
借金相談については債権額や対応できる業務に制限はなく、代理人として動いてもらうことが可能です。ただし、大きく見れば司法書士より支払う報酬は高くなる傾向にあります。
また、弁護士は対応業務が非常に広いので、債務整理に強い事務所を選んで相談する必要があります。
3章 自力で返せない借金問題を解決する3つの対処法
法律の専門家に自力では借金問題を解決できないことを相談すると、その対処法として「債務整理」を提案されることがあります。
専門家が債務整理の手続に着手すると、先にも述べた通り債権者に「受任通知」が発送されます。
受任通知とは、手続を依頼された専門家が、依頼を受けて、債務者本人の代わりに手続を進めていくことを債権者に知らせる通知です。
受任通知を受け取った金融会社は、その時点から債務者に直接連絡することも取り立てもできなくなるため、一旦は厳しい督促から解放されます。
自力で返すことのできない借金をどのように解決させていくのか、専門家と共にゆっくりと検討することができます。そして、債務整理として取り得る手段には次の3種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
それぞれどのような方法か説明していきます。
3-1 任意整理
任意整理とは、お金を借りた債務者と貸した側の債権者で借金の内容を見直し、今後の返済負担を軽減してもらうための手続です。
直接債権者である金融会社へ交渉し、多くの場合は3年~5年の分割で返済する内容の和解を締結します。
裁判所を介さない手続きのため家族に知られず借金問題を解決させることもできますが、債権者が交渉に応じないなど和解が成立しなければ借金問題は解決できないこともあります。
任意整理を借金問題の解決方法として選ぶ前に、次の2つを理解しておきましょう。
任意整理のメリット
- 裁判所を介さないで手続できる
- 毎月の返済額を減額できる
- 手続の対象となる借金を選ぶことができる
任意整理のでメリット
- ブラックリストに載る
それぞれ説明していきます。
任意整理のメリット
任意整理は裁判所を介さない分、「柔軟」な解決策を提示できることがメリットです。
何も手続せずに返済を続けるよりも、実際に返済する金額を減額できるため、なかなか減らない借金問題を解決させることができるでしょう。
また、任意整理の対象とする借金を選ぶこともできるため、たとえば保証人に迷惑をかけたくない場合などは、対象となる借金を除いて手続することもできます。
任意整理のデメリット
任意整理を利用すると、信用情報機関に事故情報として一定期間保存されることとなり、「ブラックリスト」として経済的信用を失い、新たな借金やクレジットカード利用はできなくなります。
もっとも、これは任意整理に限らず、他の債務整理で手続した場合でも同様です。
返済が遅れている場合や債務整理をしたときは、3つの信用情報機関でその事故情報が共有されます。
3-2 個人再生
個人再生とは、裁判所を介して「再生計画」を認めてもらい、借金を大幅に「減額」してもらう手続です。
減額された借金をおおむね3年で返済しますが、住宅ローンが残っている家も処分せず、そのまま返済を続けながら他の借金を減額できます。
個人再生を借金問題の解決方法として選ぶ前に、次の2つを理解しておきましょう。
個人再生のメリット
- 借金の元金を大幅にカットできる
- 自己破産レベルの借金でも解決できることがある
- 住宅ローン返済中の持ち家を残して手続できる
個人再生のデメリット
- ブラックリストだけでなく官報にも載る
それぞれ説明していきます。
個人再生のメリット
個人再生は借金の元本の大幅カットできることがメリットであり、自己破産しなければ解決できないと思った借金でも解決できることがある方法です。
借金の「原因」も特に問われないため、ギャンブルなどにより増えた借金でも利用できます。
また、自己破産では持ち家も処分の対象となってしまいますが、個人再生では住宅ローンが残っている家は「住宅ローン特例」を適用させることでそのまま返済を続け、自宅を残したままでその他の借金問題を解決することができます。
個人再生のデメリット
裁判所を介して手続するため、解決まで費用や時間がかかることがデメリットです。
また、信用情報機関に事故情報が記録されるだけでなく、「官報」にもその事実が掲載されることもデメリットだとはいえるでしょう。
官報とは国が発行する法令公布の機関紙で、
破産・相続などの裁判内容
などの情報が掲載されます。
3-3 自己破産
自己破産は、裁判所に借金返済の見込みがないことを認めてもらい、借金返済義務を「免除」してもらう手続です。
原則として全ての借金の支払い義務がなくなるため、借金に追われる日々から解放されます。
自己破産を借金問題の解決方法として選ぶ前に、次の2つを理解しておきましょう。
自己破産のメリット
- 借金がゼロになる
自己破産のデメリット
- ブラックリストだけでなく官報にも載る
- 財産を処分しなければならない
- 借金の理由によっては認められないことがある
それぞれ説明していきます。
自己破産のメリット
裁判所から借金返済の免除を認めてもらえれば、どれほど多額の借金を抱えていたとしても「ゼロ」になることが最大のメリットです。
訴訟や強制執行が申し立てられていても手続が停止され、自己破産が認められ手続が終われば、債権者から訴訟を取り下げてもらえることもメリットといえるでしょう。
なお、税金など一部の特殊な債務は免除されない点は注意が必要です。
自己破産のデメリット
自己破産は借金をゼロにする代わりに、保有する財産は処分して債権者に対する配当に充てることが必要です。
持ち家や自動車などすべての財産を失うこととなりますが、生活に不可欠な財産は処分されないため、ホームレス状態になるわけではありません。
また、借金の理由がギャンブルや浪費などの場合には認められないこともあり、信用情報機関へのブラックリスト登録や官報へ掲載されることもデメリットといえます。
まとめ
借金問題を抱えているときは、できるだけ早期に対応し解決させることが大切です。
自治体などの無料相談なども利用できますが、借金問題そのものを解決してくれるわけではなく、情報提供やアドバイスにとどまります。
また、相談日が決まっていたり予約がなかなか取れないことも多く、すぐに相談できるとも限らないため、早く借金問題解決に向けて取り組みたいなら、弁護士や司法書士といった専門家に直接依頼することをおすすめします。
グリーン司法書士法人グループではこれまでにも多数の借金問題を解決してきた実績があります。
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よくあるご質問
- 借金は何万円からやばい?
- 借金がやばいかどうかの一つの目安は、借入総額が年収の3分の1を超えているかどうかです。
年収の3分の1を超える借金は、返済能力を上回ってしまい返済が難しくなると言われています。
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- 借金に困ったときの対処法とは?
- 借金に困ったときには、下記の機関や専門家に相談してみましょう。
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