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借金を家族に打ち明けることができず、一人で悩みを抱えている方は少なくありません。
しかし借金問題が深刻な場合、一人で悩まずに家族に打ち明けることで協力を得ることができるケースもあり、早期に問題を解決しやすくなります。
ただ、すべての方が家族に借金について打ち明けることができるわけではなく、事情があって伝えられない方もいます。
そこで、借金を家族に打ち明けるメリットやデメリット、伝えられない場合の問題解決方法を次の5つの章に分けて説明していきます。
- 借金を家族に打ち明けることができない理由
- 借金を家族に打ち明けるメリット
- 借金を家族に打ち明けるデメリット
- 借金を家族に打ち明けるコツ
- 借金を打ち明けることができない場合の解決方法
借金問題は独自で解決しようとせず、家族に協力を得たほうが解決の近道になりやすいといえます。
しかし家族に打ち明けることができない場合でも、解決する方法はあるため、一人で悩んでいる方はぜひこの記事を参考にされてください。
目次 ▼
1章 借金を家族に打ち明けることができない理由
借金していることを家族に打ち明けることができない理由は人それぞれといえます。
なぜ借金したのか伝える際、原因がギャンブルや浪費、単なる無駄遣いだったときなどは家族を悲しませる可能性もあります。
また、配偶者以外の異性が関係している理由などの場合、夫婦関係に亀裂が入り、離婚問題に発展してしまうといった不安もあるでしょう。
事情は異なるものの、借金していることを家族に打ち明けることができない理由は、主に次の2つと考えられます。
- 借金に対する罪悪感が強い
- 家族に迷惑をかけたくない
それぞれ説明していきます。
1-1 借金に対する罪悪感が強い
借金していることを家族に打ち明けることができない理由として、借金に対する罪悪感が強いことが挙げられます。
お金を借りることに対して罪の意識を感じているケースや、家族に知られれば軽蔑されると不安を抱えている場合などは、借金の存在を隠してしまいがちです。
また、借金の理由が「ギャンブル」や「娯楽」「浪費」などの場合、家族に打ち明けることができず一人で抱えてしまいやすくなります。
1-2 家族に迷惑をかけたくない
借金していることを家族に打ち明けることができない理由として、家族に迷惑をかけたくないことが挙げられます。
資金面で余裕のない生活を送っている家庭などにおいて、家族に借金返済の協力をしてもらうことは厳しいため、借金があることを言い出しにくい環境といえます。
副業などで仕事を増やすことが必要になることもあれば、生活費を切り詰めながらやりくりしてもらわなければならないなど、余裕のない暮らしになることも予想されます。
返済資金を支援してもらうことになれば確実に迷惑をかけることになってしまうため、借金があることを言い出せないケースはめずらしくありません。
2章 借金を家族に打ち明けるメリット
借金があることを家族に打ち明けることは勇気が必要です。
打ち明けても悲しませたり怒られたりするだけで、何の解決にもならないと考えてしまいがちですが、実際には打ち明けることで次の3つのメリットがあると考えられます。
- 解決策を講じやすくなる
- 家族の協力を得ることができる
- 隠し事がなくなる
それぞれどのようなメリットがあるのか説明します。
2-1 解決策を講じやすくなる
借金があることを家族に打ち明けることで、隠し事のない状態になるため、解決策を講じやすくなります。
たとえば、毎月の小遣いの範囲で返済しようとしても足らなければ借入れを繰り返す「自転車操業」に陥るリスクが発生します。
しかし家族の協力があれば、毎月の返済分をサポートしてもらえるなど、解決しやすくなるでしょう。
打ち明けたばかりのときは、家族が腹を立てたり悲しんだりといった様子を目にすることで、伝えなければよかったと感じるかもしれません。
しかし共に生活を送る家族である以上、どうすれば借金問題を解決できるか、一緒に考えてくれるはずです。
2-2 家族の協力を得ることができる
借金があることを家族に打ち明けることで、家族の協力を得ることができるでしょう。
たとえば子が親に借金があることを打ち明けた場合、返済に苦しむ姿から解放させてやりたいという思いから、支援してくれる可能性もあるといえます。
夫婦間で借金があることを打ち明けた場合でも、専業主婦の妻がパート勤めなどで収入を増やし、返済をサポートしてくれるとも考えられます。
家族が借金の返済に協力する姿勢が高まれば、完済までの時間も早まるため、負担する利息なども抑えやすくなります。
2-3 隠し事がなくなる
借金があることを家族に打ち明けることで、隠し事がなくなることもメリットです。
家族に借金があることや、毎月返済に追われていることを、隠したまま生活することは楽なことではありません。
返済が遅れれば債権者から封書が届いたり電話がかかったりする可能性もあり、家族にバレるのではないかと、不安が強くなれば精神的な負担も大きくなります。
しかし借金があることを家族に打ち明けることで、嘘や隠し事がなくなるため精神的な負担は軽減されるでしょう。
3章 借金を家族に打ち明けるデメリット
借金を家族に打ち明けることで、苦しかった借金返済に対して協力してもらえる可能性もあります。
隠し事がなくなれば借金返済に向けて家族で同じ方向を向くことができ、早期完済も目指しやすくなるでしょう。
しかし借金があることを家族に打ち明けることについては、次の2つのデメリットに留意することが必要です。
- 信用を失う
- 金銭面の自由を奪われる
それぞれのデメリットについて説明します。
3-1 信用を失う
借金を家族に打ち明けることで、信用を失ってしまう可能性もあります。
内緒でお金を借り、知らない間に借金が膨れ上がっていたことで、借入れ分を何に使ったのかなど不信感を抱かれる可能性もゼロではありません。
特に借金とは無縁の家庭などでは、金銭面のだらしなさを指摘され、信用を失ってしまうかもしれません。
3-2 金銭面の自由を奪われる
借金を家族に打ち明けることで、金銭面の自由を奪われる可能性はあります。
家族に隠れてお金を借りていたことで、金銭管理に関する信用を失い、自由に使うことができるお金は最小限に抑えられてしまうかもしれません。
親や配偶者が徹底して金銭の管理を行い、渡されたお金も何に使ったのか使い道まで管理される可能性があります。
4章 借金を家族に打ち明けるコツ
家族に借金を抱えていることや返済が厳しいことを打ち明けることには、メリットもあればデメリットもあります。
その上で打ち明けることを決めた場合は、次の4つのコツを意識して伝えるとよいでしょう。
- 責任を転嫁しない
- 理由を明確に伝える
- 隠していたことを謝罪する
- 今後の相談をする
それぞれどのようなコツを押さえておくべきか説明します。
4-1 責任を転嫁しない
借金を家族に打ち明ける場合、責任を転嫁しないようにしましょう。
お金を借りた事情は人それぞれであるものの、借金を作ったことはすべて自らの責任であり、家族や他人のせいにしないことです。
仮に原因は家族や他人にあると伝えてしまうと、なぜ先に相談してくれなかったのかと問い詰められる可能性もあります。
そのため理由や事情がある場合でも、お金を借りるために行動を起こしたのは自身であり、責任はすべて自分にあることを前提として話し合いを進めましょう。
4-2 理由を明確に伝える
借金を家族に打ち明ける場合、なぜお金を借りたのか、その理由を明確に伝えましょう。
家族が借金の存在さえ知らなかった場合、そもそも借りたお金を何に使ったのか、最も気になる部分です。
ギャンブルや浪費などで借金をしてしまった場合など、理由は隠しておきたいものでしょう。
しかし借金をした理由を隠し、後で嘘がバレたときには問題はさらに大きくなる可能性があるため、正直に伝えることが大切です。
4-3 隠していたことを謝罪する
借金を家族に打ち明ける場合、お金を借りたことについて、隠していたことを謝罪しましょう。
お金を借りたことを黙っていたのは、心配や迷惑をかけたくないという思いなどでしょう。
しかし、家族に内緒で借金したことにより、今後は今よりも生活を切り詰めなければならない可能性もあります。
まずは隠れて借金していたことを謝罪し、正直に借金があることを打ち明けましょう。
4-4 今後の相談をする
借金を家族に打ち明ける場合、今後の返し方などについて、返済計画を踏まえた相談をしましょう。
大切なことは、借りていたお金をどのように返していくか、ということです。
返済の協力を求める場合は、毎月想定している返済額と、不足分を伝えた上で相談しましょう。
非現実的な返済計画ではなく、実現できる計画を立てて提案することが必要です。
5章 借金を打ち明けることができない場合の解決方法
家族に借金があることや、返済が苦しく悩んでいることを打ち明けることが大切だとわかっていても、どうしても伝えられない事情や状況を抱える方もいます。
その場合の解決方法として挙げられるのが「債務整理」です。
「債務整理」とは、借金を減額または免除してもらうための手続であり、次の3つの種類があります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
個人の抱える事情や状況に合った手続を選ぶことが必要といえるため、それぞれどのような方法か説明していきます。
5-1 任意整理
解決に向けた手続を行っていることも家族に知られたくないのなら「任意整理」を選ぶとよいでしょう。
「任意整理」は、債権者に将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらう交渉をして、3~5年で返済するための手続です。
裁判所を介さず手続できることや、手続対象とする借金を選べるため、次に説明する個人再生や自己破産と違って家族に知られにくい方法といえるでしょう。
5-2 個人再生
住宅ローンを返済中の自宅があるのなら、「個人再生」を選ぶとよいでしょう。
「個人再生」は、裁判所を介して借金を5分の1程度など大幅減額してもらい、3年で完済を目指すための手続です。
住宅ローンは従来どおり支払い続けながら、他の借金を大幅に減額できる方法ですが、裁判所を介することや世帯全体の収入の報告が必要となります。
そのため家族に内緒で手続することは厳しいため、打ち明けて協力を得たほうがスムーズに手続しやすいといえます。
5-3 自己破産
借金の返済自体がすでに難しい状況の場合、「自己破産」を検討しましょう。
「自己破産」は、裁判所を介して借金返済を免除してもらうための手続です。
抱える借金総額が多すぎるときや、現在職を失っていて収入がない場合などに選ぶ方法といえます。
ただし自己破産の手続においては、最低限生活に必要な財産以外は、処分しなければなりません。
家族の収入証明書なども準備が必要であるため、家族に隠したまま手続することは難しく、打ち明けた上で協力してもらうことが必要です。
まとめ
借金を家族に打ち明けることができず、一人で悩んでいる方は少なくありませんが、勇気を出して伝えることで解決策の選択肢が広がります。
家族に隠し事をしたまま、毎月返済に追われる厳しい状態から抜け出すためにも、一人で解決しようとせずに相談することが必要です。
ただしどうしても借金があることを家族に打ち明けることができない場合には、専門家に債務整理に関する相談をすることで、解決の糸口が見つかるでしょう。
親や配偶者など、家族に打ち明けることができない借金で悩んでいる方は、一度グリーン司法書士法人グループへご相談ください。
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よくあるご質問
- 借金を家族に取り立てるのは違法?
- 借金を本人以外に取り立てるのは、貸金業法で禁止されています。
違法の取り立てについて詳しくはコチラ
- 借金をした人の家族には返済義務がある?
- 一般的に、兄弟または他の家族の借金に対する直接的な返済義務はありません。
これは、法律上、他人の債務に対して責任を負うことは原則としてないためです。
家族の借金の返済義務について詳しくはコチラ