銀行口座の差押えは通知なし!債権者は債務者の口座がなぜわかる?

司法書士渡邊優太

監修者:グリーン司法書士法人   渡邊優太
【所属】大阪司法書士会 登録番号大阪第4454号 / 大阪府行政書士会所属 会員番号第17260997号 【保有資格】司法書士・行政書士

借金返済の知識
銀行口座の差押えは通知なし!債権者は債務者の口座がなぜわかる?

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 この記事を読んでわかること

  • 債権者が銀行口座を把握できる5つの理由
  • 差押えが実施されるまでの一般的な流れ
  • 銀行口座の差押えを回避する方法

借金やクレジットカード、税金、養育費などを滞納し続けると、銀行口座が差し押さえられるケースがあります。ただ、口座情報を教えていないため、「債権者は銀行口座を把握できないのでは?」「言わなければ発覚しないかもしれない」と考えている人もいるのではないでしょうか。

結論から言うと、債権者は差押えまでの手続きを進める過程で、あなたの銀行口座をすべて把握できます。したがって、銀行口座の差押えを回避するには、借金であれば債務整理、税金滞納であれば役所への相談などが有効です。本記事では、債権者が返済を滞納している債務者の銀行口座を特定できる理由を解説します。

銀行口座の差押えを回避するための対処法も説明しているので、支払いを滞納している人はぜひチェックしてください。

1章 銀行口座は差し押さえられる!債権者が口座を把握できる5つの理由

借金やクレジットカード、税金の支払いを滞納した際に、債権者が債務者の銀行口座を把握できる理由は以下の通りです。

  • 支払い方法を口座振替に設定しているため
  • 財産開示手続を利用できるため
  • 第三者からの情報取得手続を利用できるため
  • 弁護士照会を活用できるため
  • 役所には財産調査権が認められているため

それぞれについて詳しく解説します。

1-1 支払い方法を口座振替に設定しているため

口座振替とは、銀行口座を登録すれば、返済日に自動でお金が引き落とされる返済方法です。ローンやクレジットカードの支払いを口座振替に設定している場合、口座情報が登録されているので債権者は債務者の銀行口座がわかります。

そして、数か月にわたって滞納を続ければ、債務者の銀行口座が差し押さえられるのです。また、貸付を受ける際に振込先口座として銀行口座を指定した場合も、債権者は口座情報を把握できます。

1-2 財産開示手続を利用できるため

財産開示手続とは、債権者が債権を回収するために、債務者の財産に関する情報を取得できる手続きです。財産開示手続が行われると、債務者は裁判所に出頭し、銀行口座や不動産、現金、株式といった財産をすベて明らかにしなければなりません。債務者は財産状況を述べる必要があるため、債権者は銀行口座を把握できるのです。

また裁判所への出頭拒否や虚偽申告をすれば、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられるケースがあります。実際に、拒否や虚偽申告が罪に問われた判例も存在します。そのため、財産開示手続が行われた場合、債務者は素直に応じて正直に回答しなければなりません。

1-3 第三者からの情報取得手続を利用できるため

第三者からの情報取得手続は、裁判所を通じて債権者が債務者の財産に関する情報を取得する制度です。この手続きでは裁判所が金融機関に対して照会を行うことで、債権者は返済を滞納している債務者の銀行口座を把握できます。

第三者からの情報取得手続は法的な拘束力をともなうため、金融機関は裁判所からの照会を拒否できません。したがって、金融機関への照会手続きを行えば、債権者は債務者の銀行口座を特定できます。

また、照会を受けた金融機関は預金者に通知しません。そのため、債務者は照会の事実を知らないまま、銀行口座を差し押さえられるのです。

1-4 弁護士照会を活用できるため

弁護士照会制度は判決などの債務名義があれば、弁護士を通じて官公庁や企業に情報を照会できる制度です。債権者は弁護士に依頼して金融機関から債務者の銀行口座情報や預金残高などを取得できます。

ただし、弁護士照会は無制限に行えるわけではなく、適正な理由と必要性が確認された場合にのみ利用が認められます。例えば、債務者が返済を怠り、連絡が取れなくなったケースや、財産の所在が不明であるケースです。

また、弁護士照会制度には法的な強制力があり、金融機関は弁護士会からの照会に対して正確な情報を提供しなければなりません。さらに、裁判所を通さずに銀行口座を把握できるため、債権者は差押えに向けて効率的に手続きを勧められます。

1-5 役所には財産調査権が認められているため

税金や保険料の未払いが発生した場合に銀行口座が差し押さえられるのは、役所に財産調査権が認められているためです。財産調査権は行政機関に認められた権利で、裁判所を通さずに滞納者の財産状況を調査できます。

債務者は行政機関に口座情報を登録していなくても、税金や保険料を滞納すると財産調査権によって銀行口座の支店名や口座番号などを把握されてしまうのです。

2章 名義変更や出金による銀行口座の差押え回避は罪に問われる恐れがある

支払いを滞納すると、差押えを回避するために銀行口座の名義を他人に変更したり、多額の資金を引き出して隠そうとしたりする人もいるかもしれません。しかし、名義変更や出金による財産隠しは、強制執行妨害目的財産隠匿罪や滞納処分免脱罪などの罪に問われる恐れがあります。

また、一時的に差押えを回避できたとしても、債権者は何度でも差押えを申し立てが可能です。したがって、銀行口座の差押えが完了した後に発覚すれば、事前に隠した財産は差押えを受けます。

3章 差押えが実施されるまでの一般的な流れ

銀行口座の差押えは突然行われるわけではなく、いくつかの段階を経て実施されます。差押えまでの一般的な流れは以下の通りです。

  1. 通常の催促・法的手続き予告
  2. 裁判・支払督促
  3. 判決・仮執行宣言付き支払督促
  4. 銀行口座の特定
  5. 差押命令

債務者が返済を滞納すると、まずは電話や書面による支払いの催促が行われます。ここで対応しなければ法的手続きに移ることが予告され、債権者に裁判を起こされたり、支払督促を申し立てられたりするのです。

その後、裁判での判決や仮執行宣言付き支払督促が確定すると、債権者は差押えを実行する権利を得ます。そして、債権者は差押えに向けて第三者からの情報取得手続や弁護士照会などを通じて、債務者の銀行口座を特定します。最後に裁判所から差押命令が出ると、債務者の銀行口座が差し押さえられるという流れです。

ただし、段階を重ねるにつれて差押えの回避が難しくなります。通常の催促の段階なら対処しやすいため、支払いを滞納したらなるべく早めに弁護士・司法書士に相談してください。

4章 銀行口座の差押えを回避する方法

先述の通り、支払いを滞納したからといってすぐに銀行口座が差し押さえられるわけではありません。そのため、滞納後の行動によっては銀行口座の差押えを回避できます。

ここでは、滞納後にすべき行動を借金やクレジットカード・税金や保険料・養育費の3つに分けて解説します。

4-1 借金やクレジットカードの滞納なら債務整理を行う

借金やクレジットカードの返済を滞納し、銀行口座が差し押さえられるリスクが高まった場合、債務整理が効果的な対策方法です。債務整理とは、法律にもとづいて借金の減額や免除、返済計画の見直しを行う手続きで、以下の3つの方法があります。

  • 自己破産:裁判所に申立てを行い、すべての借金を免除してもらう債務整理方法
  • 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年以内に完済を目指す債務整理方法
  • 任意整理:債権者と直接交渉し、利息や遅延損害金をなしにしてもらう債務整理方法

債務整理の手続きには、一定の期間を要します。そのため、支払いを滞納後に状況の改善が見込めないなら、なるべく早めに行動しましょう。

4-2 税金や保険料などの滞納は役所に相談する

税金や保険料を滞納すると、銀行口座を差し押さえられるかもしれません。しかし、早めに相談して適切な手続きを行うことで、差押えの回避が可能です。例えば、滞納している税金や保険料をまとめて支払うのが難しければ、相談によって分割納付のスケジュールを組んでもらえる可能性があります。

また、災害や病気などによって支払いが難しい場合は、状況を説明して必要書類を提出すると納付の猶予が認められるケースもあります。さらに、経済的に極めて厳しい状況なら、税金や保険料の一部を減免してもらうことも可能です。

税金や保険料の滞納に対しては、借金やクレジットカードの滞納よりもスピーディーに差押えが実行されます。放置すれば銀行口座のほかにも現金や不動産、動産なども差し押さえられる可能性があるため、支払いが難しいと感じたらできるだけ早く役所に相談し、分納や猶予の手続きを進めましょう。

4-3 養育費は未払金を支払うしかない

子どもの生活や成長に欠かせない養育費を滞納した場合、銀行口座は差押えの対象です。しかし、養育費はほかの債務と異なり、ほとんど減額や免除が認められないため、差押えを避けるためには未払金を支払うほかありません。

もし一括での支払いが難しければ、分割払いの交渉を行ってみてください。養育費の支払い計画を示して誠実に対応することで、相手方が分割払いに応じてくれる可能性があります。

5章 借金やクレジットカードの返済が厳しくなったら弁護士・司法書士に要相談

借金やクレジットカードの返済が滞れば、いつ銀行口座が差し押さえられてもおかしくありません。放置している間に振り込まれたばかりの給与が引き出せなくなる恐れもあるため、返済が厳しくなったらすぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。

専門知識が豊富な弁護士・司法書士は、あなたの状況に合わせて適切な債務整理方法を提案してくれます。また弁護士・司法書士が介入すると、債権者からの取り立てや督促が一時的に停止されるため、精神的な負担を大幅に軽減可能です。

さらに、複雑で難しい債務整理を自力で行うと完了前に銀行口座を差し押さえられたり、そもそも申し立てが認められなかったりします。しかし、経験豊富な弁護士・司法書士に依頼すれば、債務整理の手続きをスムーズに終えられるのです。

このように債務整理方法の選択から具体的な手続きまで手厚いサポートを受けられるので、借金やクレジットカードの返済が厳しいと感じたら一人で悩まず、すぐに弁護士・司法書士に相談しましょう。

グリーン司法書士法人は、これまでに多くの債務整理をサポートしてきた経験があります。状況に合わせて適切な債務方法をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。

まとめ

差押えを検討している債権者が、なぜ債務者の銀行口座を把握できるのかについて解説してきました。債権者が口座を把握できる理由は以下の通りです。

  • 支払い方法を口座振替に設定しているため
  • 財産開示手続を利用できるため
  • 第三者からの情報取得手続を利用できるため
  • 弁護士照会を活用できるため
  • 役所には財産調査権が認められているため

滞納後に差押えを恐れて名義を変更したり、口座から出金したりして財産を隠す行為は刑事罰の対象になります。もし銀行口座の差押えを回避したいなら、債務整理や役所への相談といった適切な方法で早急に対応しましょう。

そして、借金やカードローンの返済が厳しければ、弁護士・司法書士への相談がおすすめです。グリーン司法書士法人では、債務整理方法のご提案や手続きのサポートを行っています。無料相談も実施しておりますので、返済でお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

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