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- 個人再生から自己破産に変更した場合の費用
- 個人再生から自己破産に変更する際の注意点
- 個人再生から自己破産への変更費用を抑える具体策
個人再生とは、借金を大幅に減額し、原則3年間で分割返済していく法的な債務整理手続きです。一方、自己破産は、借金の返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、返済義務そのものを免除してもらう手続きです。
個人再生を進めている途中で依頼費用の支払いや債権者への返済が厳しくなった場合、状況次第では自己破産に切り替えることも可能です。
ただし、手続きを変更すれば、新たに自己破産のための費用が発生します。専門家への追加費用や裁判所への申立て費用が必要になり、費用負担が二重になるケースもあるため注意が必要です。
この記事では、個人再生から自己破産に変更する際にかかる費用の内訳、切替時の注意点などを解説します。変更費用を抑えるポイントも説明しているので、個人再生から自己破産への切り替えを検討している方はぜひご覧ください。
目次 ▼
1章 個人再生から自己破産に変更した場合の費用
個人再生から自己破産に切り替える場合、改めて自己破産に必要な費用を支払う必要があります。すでに個人再生の手続きに一定の費用を支払っていたとしても、自己破産は別の手続きであるため、二重で費用が発生するケースが多くなっています。
1-1 専門家への依頼費用
個人再生から自己破産に切り替える場合でも、弁護士・司法書士への新たな依頼費用が発生するのが原則です。ただし、個人再生の進行状況によって、すでに支払った費用を自己破産手続きに充てられるかどうかが変わってきます。
1-1-1 申立て前に自己破産へ変更する場合
個人再生の申立て前であれば、手続きが本格的に始まっていないため、支払済みの費用を自己破産手続きに振り替える対応をしてもらえるケースが多くあります。例えば、個人再生の着手金として20万円を支払っていた場合、自己破産の費用が30万円であれば、差額の10万円のみで変更できる可能性があります。依頼先によって契約内容や費用の精算方法が異なるため、変更を検討しているなら早めに確認することが重要です。
1-1-2 個人再生の支払い中に変更する場合
すでに個人再生の返済が始まっている段階で自己破産へ切り替える場合も、同じ専門家に継続して依頼するのであれば、これまでに支払った費用を考慮してもらえる可能性があります。ただし、返済が進んでいる場合は、手続きにかかった時間や労力を加味して、別途追加費用が発生する場合が多いでしょう。
また、自己破産に変更した際には、方針変更による書類作成や打ち合わせが追加で必要になることから、新規での依頼と同等の費用(20万円〜80万円程度)を請求されるケースもゼロではありません。支払済みの費用が全額無駄になることは少ないものの、全額を充当できるとは限らない点には注意が必要です。
1-2 裁判所への申立て費用
個人再生から自己破産に変更する場合でも、裁判所への申立て費用(予納金)や実費は改めて支払う必要があります。個人再生とは別手続きとなるため、過去に納めた個人再生用の予納金は、基本的に自己破産手続きには流用できません。
自己破産の申立て費用は、手続きの種類によって大きく異なります。借金の額や資産の有無に応じて、「同時廃止」「少額管財」「管財事件」といった区分に分かれ、それぞれ以下のような費用が発生します。
- 同時廃止事件:数万円程度(官報公告費など)
- 少額管財事件:20万円〜30万円程度
- 通常の管財事件:50万円〜60万円程度
また、これらに加えて収入印紙代や切手代、書類のコピー費用などの実費(1万円〜2万円程度)も必要になります。実費については分割払いに対応していない場合が多く、申立て時に一括での支払いが求められることが大半です。自己破産に移行することで裁判所費用も改めて発生するため、専門家への費用と合わせると、まとまった資金が必要になるでしょう。
2章 個人再生から自己破産に変更する際の5つの注意点
個人再生から自己破産に変更する際の注意点は以下の通りです。
- 個人再生で返済したお金は返ってこない
- 家や車などの高価な財産が処分される
- 手続き中はできない仕事がある
- 免責が認められない可能性がある
- 支払不能だと認められない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2-1 個人再生で返済したお金は返ってこない
個人再生の手続きが認可された後、再生計画に基づいた返済中に自己破産に切り替えた場合、債権者に支払ったお金は原則として返金されません。なぜなら、債権者にとっては再生計画に基づいて正当に受け取った返済金であり、破産手続きによって遡って取り戻すことはできないためです。
遠からず再生計画が破綻することが明らかな場合、今後支払う返済が無駄になる可能性があります。こうした事情からも、個人再生の継続が難しくなった段階で、早めに手続きを見直すことが重要です。返済が続けられるかどうか不安がある場合は、無理に支払いを続けず、速やかに専門家へ相談しましょう。
2-2 家や車などの高価な財産が処分される
自己破産へ切り替えると、一定以上の財産は原則として処分の対象になります。個人再生では住宅ローン特則を利用することで自宅を手放さずに済むケースもありますが、自己破産ではそのような制度は使えません。持ち家や車、高価な貴金属、預貯金など、価値があると判断される財産は、破産管財人によって換価され、債権者への配当に充てられます。
特に自宅を所有している方にとっては大きな影響となり、生活の基盤を失うリスクが生じます。こうした財産処分は避けることが難しく、生活への影響も大きいため、自己破産を検討する際は事前に財産の有無や価値を専門家と一緒に確認しておくことが大切です。
2-3 手続き中はできない仕事がある
自己破産手続き中は、一部の職業・資格に制限がかかることがあります。具体的には、保険外交員や宅地建物取引士、警備員、士業(弁護士・税理士など)といった一定の信用を求められる職種は、破産手続きが終わるまで業務を行うことができません。
これは、自己破産が経済的信用の喪失を伴う制度であるため、顧客の財産や重要情報を取り扱う職業では一時的に業務を制限する必要があると考えられているためです。そのため、現在の仕事や将来のキャリアに影響が出る可能性がある場合は、自己破産を選ぶ前に必ず専門家と相談し、自分の状況に最適な債務整理の方法を検討しましょう。ただし、これらの制限は免責が確定すれば解除され、再び仕事に就くことが可能になります。
2-4 免責が認められない可能性がある
裁判所から免責許可決定が下りることで借金の返済義務が免除される自己破産ですが、全てのケースで免責が認められるわけではありません。例えば、ギャンブルなどで借金をした場合、財産を隠していた場合、特定の債権者にだけ返済していた場合などは、免責不許可事由に該当します。
また、過去に自己破産をしたことがある場合や、再三にわたる督促にも関わらず誠実な対応を怠った場合も、免責が認められないリスクがあります。これらの条件に該当する場合、借金は帳消しにならないケースもあるでしょう。
ただし、免責不許可事由があっても、裁判所の裁量で免責が認められる裁量免責という制度も存在します。そのため、免責が確実ではないことを理解したうえで、専門家に早めに相談し、誠実な対応を取ることが重要になるでしょう。
2-5 支払不能だと認められない
自己破産を申し立てるには、支払不能であると裁判所に認められる必要があります。支払不能とは、借金の返済が現実的に不可能な状態を指しますが、これは単に借金があるという理由だけでは認められません。
例えば、安定した収入があり、一定の生活を維持しながら返済を継続できると判断された場合には、裁判所が支払不能とは見なさない可能性があります。また、資産を保有している場合や、返済可能な額の借金しかない場合も、自己破産の要件を満たさないと判断されるでしょう。
このように、自己破産が認められるには、客観的に見て「どう頑張っても返済できない」と言える状況であることが重要です。そのため、個人再生から自己破産へ変更を考える際には、自分が支払不能に該当するかどうか、事前に弁護士や司法書士に確認してもらうべきでしょう。
3章 個人再生から自己破産への変更費用を抑える具体策
個人再生から自己破産に変更する場合、新たに費用が発生するのが一般的です。しかし、事前に対策を講じたり、制度を正しく理解したりすることで、追加費用を抑えられる可能性があります。ここでは、費用面で後悔しないために知っておきたい3つの対策を紹介します。
3-1 契約書を確認する
個人再生から自己破産へと手続きの変更を検討する際には、まず専門家との契約書を確認しましょう。なぜなら、契約書には途中で方針を変更した場合の取り扱いについて記載されているケースが多いためです。
例えば、個人再生の費用を支払っている途中で自己破産に切り替える場合、「差額分のみで対応する」と明記されている事務所もあれば、「再度一から費用が発生する」としている事務所もあり、対応が異なります。こうした条件を把握しておかないと、追加で費用が発生してしまう可能性があります。
特に個人再生から自己破産への変更が想定外だった場合、費用の再負担が精神的にも経済的にも大きなストレスになる可能性が高いでしょう。こうした事態を避けるためにも、契約書の内容は最初の契約時点で丁寧に確認しておくと安心です。
3-2 計画変更やハードシップ免責が使えないかチェックする
個人再生から自己破産への移行は、費用面の問題に加え、財産を失うことでの生活への影響も考慮する必要があります。自己破産への移行の前に次の手続きを検討すべきでしょう。
3-2-1 再生計画の変更
勤め先の業績悪化による収入減少など、本人にとってはどうしようもない事情により再生計画の履行が著しく困難となった場合には、再生計画の変更が可能です。
具体的には、当初の計画より最大で2年延長することが可能となります。残期間にもよりますが、残り2年の場合には月々の返済額が半額となるので、自己破産へ移行せずに解決できる可能性も高いでしょう。
3-2-2 ハードシップ免責
ハードシップ免責とは、個人再生の認可決定後に、やむを得ない事情で返済が継続できなくなった場合に、残りの返済義務を免除してもらえる制度です。ハードシップ免責が認められるには、以下のような条件を満たす必要があります。
- 本人に責任のない事情により、返済ができなくなったこと(病気・事故による長期入院、勤務先の倒産による失職、自然災害による被災など)
- 最低弁済額の3/4以上をすでに支払っていること
- 債権者の一般利益に反しないこと(=自己破産をした場合の清算価値よりも多く支払っていることが求められる)
- 支払期限の延長などの再生計画の変更では対処できないこと
これらの要件を全て満たしていれば、自己破産に移行せずに返済義務を終えられるでしょう。ただし、ハードシップ免責には以下のようなデメリットもあります。
- 住宅ローン特則を利用していた場合、その効力が失われる(=マイホームを手放すリスクがある)
- ハードシップ免責を受けた後7年間は、自己破産および給与所得者再生の利用ができない
こうした点も踏まえたうえで、現実的に適用が可能かどうかを、弁護士や司法書士と相談しながら慎重に判断することが重要です。
3-3 個人再生の残高と変更費用を比較する
個人再生から自己破産への切り替えを検討する際は、残りの返済総額と、変更にかかる追加費用を比較しましょう。なぜなら、どちらの手続きを選ぶかによって、金銭的負担や生活再建の進めやすさが変わってくるからです。
例えば、すでに1年以上返済を続けている場合、残りの返済額が少なくなっていることも多く、そのまま個人再生を完了させたほうが、結果的に支払い総額を抑えられるケースもあります。
個人再生の手続きにおいて、圧縮後の金額として多数を占めるのは、100万円のケースです。100万円を3年払いとする計画において、すでに2年支払っている場合、残りの金額は33万円となります。これくらいの金額となると、破産に移行する費用が残りの残高を超えてしまうケースも十分考えられます。そのため、状況によっては、家族や親族から一時的に支援を受けて、再生計画を完遂するほうが合理的です。
一方で、収入の減少や病気、失業などにより返済継続が難しくなっている場合には、自己破産へ切り替えることで、今後の返済義務が免除され、生活を立て直しやすくなる可能性があります。ただし、切り替えに際しては追加で専門家費用が発生する場合もあり、手続きがやり直しになる点には注意が必要です。このように、残債と変更費用のバランスを見極めることで、自身にとって負担の少ない選択肢を判断しやすくなります。
4章 債務整理方法に迷ったら早めに弁護士・司法書士に相談しよう
個人再生から自己破産への変更を検討している場合はもちろん、「どの債務整理方法を選ぶべきか分からない」という段階でも、できるだけ早く専門家に相談することをおすすめします。借金問題を放置してしまうと、利息や遅延損害金が膨らみ、状況がさらに悪化する恐れがあるためです。
弁護士や司法書士に相談することで、自身の収支状況や財産、今後の見通しなどに基づいた適切なアドバイスを受けられます。また、事務所によっては費用の支払い方法(分割払いや法テラスの利用など)についても柔軟に提案してもらえるため、「費用がないから相談できない」と思い込んでしまう必要はありません。
債務整理は、それぞれの事情に応じて最適な方法を選ぶことが重要です。自己判断で進めると、不必要に財産を失ったり、再建までの道のりが長くなったりする可能性もあります。債務整理に関して不安や悩みがあるなら、できるだけ早く弁護士・司法書士に相談しましょう。
グリーン司法書士法人では、債務整理に関する相談を無料で承っており、分割払いにも柔軟に対応しています。状況に応じて最適な手続きをご提案いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
個人再生から自己破産に切り替える場合、新たに専門家への依頼費用や裁判所への申立て費用が発生するのが一般的です。依頼する事務所や、個人再生の手続き状況によっては、差額のみで対応してくれるケースもありますが、契約内容によって対応は異なるため、必ず確認が必要です。
また、個人再生から自己破産に変更する際には、以下のような費用以外のデメリットにも注意が必要です。
- すでに返済したお金が戻らない
- 財産の処分や職業制限が生じる
- 免責が認められないケースがある
個人再生と自己破産、どちらが自分にとって適切かは、借金の総額や収入、家族構成、財産状況などによって変わります。状況を正しく判断するには、早い段階で専門家に相談し、現実的な選択肢を整理しておくことが重要です。
グリーン司法書士法人では、個人再生・自己破産のどちらが適しているかの判断も含め、無料相談を実施しております。費用や手続きの不安がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
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