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- 借入先がわからない状態でも債務整理ができるのか
- 借入先がわからない場合に信用情報機関に開示請求する方法
- 利用できる可能性がある借金の消滅時効について
「過去に借りたお金の返済先を思い出せない」「複数の業者から借りていて残高が把握できない」など、債務整理を考える段階で借入先がわからなくなることもあるでしょう。長期間返済が滞っていたり、転居によって通知が届かなかったり、記憶が曖昧になってしまったりなど、借入先がわからなくなる理由は様々です。
しかし、債務整理の手続きを進めるには、どの業者からいくら借りているのかを正確に把握することが欠かせません。借入先が不明なままでは手続きが滞るだけでなく、時効が中断していたり、突然督促が届いたりするなど問題が大きくなる可能性があります。
この記事では、借入先がわからない時に信用情報機関へ開示請求して調べる方法を紹介します。おすすめの相談先も紹介しているので、一人で抱え込まずに借金問題を解決を目指しましょう。
目次 ▼
1章 債務整理をするためには借入先を特定する必要がある
債務整理を行うためには、借入先を正確に把握しなければなりません。債務整理には任意整理、個人再生、自己破産といった手続きがありますが、いずれの手続きにおいても、全ての債権者を明らかにする必要があります。
任意整理では、債権者と個別に交渉して返済条件の変更を求めます。そのため、交渉相手である借入先を特定できなければ手続きを進められません。また、個人再生や自己破産では、裁判所に申立てを行う際に、全ての債権者を債権者一覧表に記載する必要があります。一部の債権者を記載し忘れたり、意図的に除外したりすると、手続きに重大な支障が生じます。
自己破産では、一部の債権者を隠して申し立てを行うと、免責不許可事由に該当する可能性があります。免責不許可事由とは、借金の免除を認めない理由のことで、債権者を故意に隠した場合、借金が免除されないリスクがあるのです。また、個人再生でも、すべての債権者を記載しなければ再生計画が認可されない可能性があります。
したがって、債務整理を検討する際には、まず自分がどこからいくら借りているのかを正確に把握することが大切です。
2章 借入先がわからない場合に信用情報機関に開示請求する方法
借入先が思い出せない場合でも、信用情報機関に情報開示を請求すれば、過去や現在の借入状況を確認できる可能性があります。信用情報機関とは、ローンやクレジットカードの利用履歴、返済状況などを管理している機関のことで、金融機関は審査の際にこれらの情報を照会します。自分自身も以下のようにそれぞれの信用情報機関が定める手数料を支払えば、保有されている情報を確認することが可能です。
| 信用情報機関 | 開示手数料 |
|---|---|
| JICC(日本信用情報機関) | スマホ請求:700円 郵送請求:1,969円 |
| CIC(シー・アイ・シー) | インターネット請求:500円 郵送請求:1,500円 |
| KSC(全国銀行個人信用情報センター) | インターネット請求:1,000円 郵送請求:1,500円 |
※本情報は2025年12月1日現在のものです。最新の情報は各信用情報機関のサイトをご確認ください。
※支払い方法によって別途手数料がかかります。詳しくは各信用情報機関のサイトをご確認ください。
信用情報機関は複数あり、それぞれ加盟している業者が異なります。そのため、特定の機関だけに開示請求しても情報が一部しかわからないケースもあります。借入先が思い出せない場合は、以下の三つの信用情報機関への開示請求を検討することが大切です。
2-1 日本信用情報機構(JICC)
日本信用情報機構(JICC)は、主に消費者金融やクレジットカード会社、信販会社などが加盟している信用情報機関です。消費者金融からの借入が多い場合、以下の方法でJICCに開示請求することで借入先を特定できる可能性が高くなります。
| スマホ(開示手数料700円) | 郵送(開示手数料1,969円) |
|---|---|
|
|
※詳細は、JICCのサイトをご確認ください。
2-2 シー・アイ・シー(CIC)
シー・アイ・シー(CIC)は、主にクレジットカード会社や信販会社が加盟している信用情報機関です。クレジットカードのキャッシングやショッピングローン、割賦販売などの情報が登録されています。CICに登録されている信用情報は、以下の方法で開示請求することが可能です。
| インターネット(開示手数料500円) | 郵送(開示手数料1,500円) |
|---|---|
|
|
※詳細は、CICのサイトをご確認ください。
2-3 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
全国銀行個人信用情報センター(KSC)は、全国銀行協会が運営する信用情報機関で、主に銀行や信用金庫などの金融機関が加盟しています。銀行からの借入、銀行カードローン、住宅ローン、奨学金などの情報が登録されています。KSCの開示請求方法は以下の通りです。
| インターネット(開示手数料1,000円) | 郵送(開示手数料1,500円) |
|---|---|
|
|
※詳細は、KSCのサイトをご確認ください。
3章 借入先がわからない場合に手当たり次第に金融機関に連絡するのは危険
借入先を思い出せない場合、記憶を頼りに心当たりのある金融機関に片っ端から連絡してみようと考える方もいるかもしれません。しかし、この方法は非常に危険です。特に、長期間返済をしていない借金については、安易に連絡することで不利益を被る可能性があります。その理由は、借金の消滅時効という制度に関係しています。
3-1 借金の消滅時効とは
借金には消滅時効という制度があります。消滅時効とは、一定期間が経過することによって権利が消滅する制度のことです。借金の場合、最後の返済日や借入日から一定期間が経過し、債権者が権利を行使しなければ、時効によって返済義務がなくなる可能性があります。
2020年4月の民法改正により、債権者が権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早い方が経過すると時効が成立します。一般的な借金の場合、返済期日が到来してから5年で時効が完成することになります。
3-2 時効の援用とは
時効の援用とは、時効が完成したことを債権者に対して主張する意思表示のことです。時効期間が経過していても、債務者が時効の援用を行わなければ、債権者は引き続き返済を請求することができます。
時効の援用は、債権者に対して内容証明郵便などで「時効を援用します」という旨の通知を送ることで行います。時効の援用が成立すれば、その借金の返済義務は完全に消滅します。ここで問題となるのが、借入先に連絡することで時効が更新されてしまう可能性があることです。時効の更新事由には、債務の承認や訴訟による確定判決などがあります。
債務の承認とは、借入があることを認める行為・言動を指します。具体的には、借入先に電話して「借金があると思うのですが」と尋ねたり、「少しでも返済したい」と伝えたり、わずかでも返済したりすると、債務の承認に該当する可能性があります。債務の承認があると、それまで進行していた時効期間がリセットされ、その時点から新たに時効期間がカウントされ始めます。つまり、時効完成間近の借金について、うっかり債権者に連絡してしまうと、時効の援用ができなくなり、再び5年間待たなければならなくなるのです。
また、債権者が訴訟を起こし、判決が出た場合も時効は更新されます。そのため、長期間返済していない借金がある可能性がある場合、安易に金融機関に連絡するのではなく、弁護士・司法書士に相談して時効の可能性を検討することが重要です。専門家に相談すれば、時効が成立している借金については時効の援用を行い、時効が成立していない借金については債務整理を進めるという適切な対応ができます。
4章 借入先がわからない状態で債務整理を検討しているならすぐに弁護士・司法書士に要相談
借入先が思い出せないまま債務整理を進めようとしても、自力でできることには限界があります。信用情報機関の開示で多くの履歴を確認できるものの、全ての借入が記録されている訳ではなく、古い債務や個人間の貸し借りなどは反映されていない可能性もあります。また、時効が成立しているか、すでに中断されているかといった判断も専門的な知識がないと見極めが難しく、誤った行動が後々不利になることも考えられます。
弁護士や司法書士に相談すれば、信用情報の確認方法だけでなく、記録に載っていない可能性のある債務の推測や調査方法、適切な債務整理の手続きまで、状況に応じて具体的にアドバイスを受けられます。借入先が特定できていなくても、経験豊富な専門家であれば、必要な情報を整理しながら手続きを進めることが可能です。
さらに、時効の援用が検討できるケースや、債務整理が適切ではない場合の代替手段など、個別の状況に合わせた判断もしてもらえます。自分だけで悩み続けるよりも、早い段階で相談したほうが、手続きにかかる負担やリスクを抑えられるでしょう。
グリーン司法書士法人では、借入先がわからない段階からの相談にも対応しています。借金の手続きをどこから始めればよいかわからないという方も、まずはお気軽にご相談ください。
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まとめ
債務整理を行うためには、借入先の特定が欠かせません。しかし、現時点で借入先が思い出せなくても、信用情報機関の開示など適切な方法を使えば情報を整理でき、手続きを進められるようになります。
一方で、心当たりのある業者へむやみに連絡すると、不利益を被る可能性があります。そのため、借入先が曖昧な段階では、独自判断で動かず、確実な情報から状況を把握することが大切です。
また、借金の特定や時効の判断には専門知識が必要になることも多く、最適な解決方法は人によって異なります。不安を抱えたまま進めるのではなく、専門家に相談することで、現状に合った債務整理の方法を見つけやすくなるでしょう。
グリーン司法書士法人では、、借入先の確認方法に迷っている方や、債務整理をどこから始めればよいかわからない方からの相談も受け付けています。丁寧にヒアリングを行い状況に合わせた提案を行っていますので、安心してお任せください。
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借入先がわからない借金についてよくある質問
ここでは、借入先がわからない借金についてよくある質問について見ていきましょう。
- 昔の借金の内容がわからない場合にはどうしたら良いですか?
- 日本信用情報機構(JICC)、シー・アイ・シー(CIC)、全国銀行個人信用情報センター(KSC)といった信用情報機関に開示請求を行いましょう。利用時期が古い借入でも、記録が残っている場合があります。
- 個人から借りた借金を調べる方法はありますか?
- 個人間の貸し借りは信用情報機関には登録されないため、JICCやCICなどで調べることはできません。そのため、過去のやり取りや送金履歴など、自分の手元にある情報から借入の事実を確認していく必要があります。手がかりになるものとしては、以下のようなものが挙げられます。
・銀行口座の入出金履歴
・メールやLINEなどのメッセージ
・送金アプリの履歴
・借用書やメモ書き
・当時の手帳・カレンダーの記録
これらを参考に借入の有無や金額を整理していきますが、自分で判断するのが難しい場合や情報が不十分な場合は、専門家に相談することで、どの範囲が債務として扱われるか、時効の可能性があるかなどを整理してもらえます。
- 借入先がわからないままでも債務整理できますか?
- 借入先の特定は必要ですが、現時点で覚えていなくても問題ありません。信用情報機関で確認し、必要に応じて専門家が情報整理をサポートすることで、手続きを進められるようになります。















