この記事は約 11 分で読めます。
- 海外移住をすると借金の返済義務はなくなるのか
- 滞納した借金を放置するリスク
- 借金問題を適切に解決する方法
「借金を返せないから海外に逃げよう」
「海外に移住すれば借金は消えるのではないか」
経済的に困窮すると、このような考えが頭をよぎる方もいるかもしれません。しかし、海外へ移ったとしても日本の借金が消えることはなく、返済義務は継続します。むしろ滞納を続けることで、遅延損害金が増えたり、差押えの可能性が高まったりするなど、問題がさらに大きくなる恐れがあります。
この記事では、海外移住と借金の関係、消滅時効の仕組み、借金を放置するリスク、適切な解決方法などについて詳しく解説します。海外逃亡という誤った選択をする前に、司法書士や弁護士に借金について相談することもご検討ください。
目次 ▼
1章 海外移住をしても借金は残る?消滅時効について解説
海外に移住しても借金の返済義務は消えません。日本国内で発生した借金は、債務者が海外に居住していても有効であり、債権者は引き続き返済を求める権利を持ちます。ただし、借金には消滅時効という制度があり、一定の条件を満たせば返済義務がなくなる可能性があります。
1-1 借金の消滅時効とは?
借金の消滅時効とは、一定期間にわたって返済や請求が行われなかった場合に、債務者が「返済義務をなくす」ことを主張できる制度です。時効が成立すれば、その借金を返済する必要がなくなります。
消費者金融、クレジットカード、銀行カードローンなどの一般的な借入では、最終の返済期日から5年が経過すると、時効が完成する可能性があります。ただし、これは条件が揃った場合の話であり、期間が過ぎれば自動的に借金が消える訳ではありません。債務者が時効の援用という手続きを行って初めて効果が生じます。
1-2 海外にいる間も時効は停止しない
借金の消滅時効は、債務者が日本国内にいるか海外にいるかに関係なく進行します。刑事事件では海外にいる間は時効が停止しますが、借金の消滅時効においては時効の進行に影響を与えません。
1-3 債権者は裁判によって時効を更新できる
借金の時効には、債権者がその進行を止め、期間を最初からやり直せる時効の更新という制度があります。債権者が裁判を起こして判決が出れば、時効が更新されるのです。
「海外にいれば訴状が届かず、裁判を避けられるのでは」と考える人もいますが、これは正しくありません。債務者の居場所が分からない場合でも、裁判所は公示送達という制度を利用して手続きを進められるためです。公示送達は書類を裁判所の掲示板に一定期間掲示することで相手に届いたものと扱われる制度です。公示送達によって裁判を進めることで、債務者の居場所が分からない場合でも債権者は時効を更新できます。
2章 滞納した借金を放置するリスク
滞納した借金を放置するリスクは以下の通りです。
- 遅延損害金によって返済負担が重くなる
- 信用情報に事故情報が記録される
- 給与や財産が差し押さえられる
- 保証人に迷惑がかかる
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
2-1 遅延損害金によって返済負担が重くなる
借金の返済を滞納すると、遅延損害金が発生します。遅延損害金とは、返済期日に遅れたことに対するペナルティとして課される金銭のことで、通常の利息よりも高い利率が適用されます。
一般的に、消費者金融やクレジットカード会社の遅延損害金の利率は年率14.6%〜20%に設定されています。滞納期間が長引くほど、この遅延損害金は雪だるま式に増えていくため、海外に移住して数年が経過した後に日本に帰国すると、当初の借金額の何倍もの金額を請求される可能性があります。返済から逃れるつもりが、かえって返済負担を重くしてしまう点には注意が必要です。
2-2 信用情報に事故情報が記録される
返済を61日以上または3ヶ月以上滞納すると、信用情報機関に事故情報が記録されます。事故情報が登録されれば、クレジットカードの新規発行、カードローンの利用、住宅ローンや自動車ローンの審査といった様々な与信取引に影響が出ます。
現在利用しているクレジットカードについても、途上与信によって延滞が発覚すれば、利用停止や強制解約につながる可能性が高いでしょう。また、スマートフォンの分割払い契約や、賃貸住宅の保証会社による審査なども通らなくなる点に注意が必要です。
2-3 給与や財産が差し押さえられる
借金を滞納すると債権者から督促を受けたり、信用情報機関に事故情報が記録されたりしますが、それでも滞納を続けている場合、債権者が裁判所を通じて強制的に返済を求める手続きへ進むことがあります。裁判によって判決が出れば、給与の他、不動産や自動車、66万円を超える部分の現金といった財産が差し押さえられます。
給与は手取りの4分の1までが差押え対象であり、実行されれば生活はさらに厳しくなるでしょう。また、預金口座が差し押さえられれば、突然お金が引き出せなくなったり、家賃や公共料金が引き落とせなくなったりします。
このように、滞納によって差押えを受けると、これまで以上に厳しい生活状況に陥る可能性が高くなります。状況が悪化してから対処しようとしても選べる手段が限られてしまうため、返済が難しいと感じた段階で対処することが重要です。
2-4 保証人に迷惑がかかる
借金を滞納したままにすると、その負担は債務者だけでなく保証人にも及びます。保証人は、債務者が返済できない場合に代わって支払う義務を負っているため、滞納が続くと債権者から直接返済を求められることになるのです。
請求に応じられない状態が続けば、保証人の給与や預金が差し押さえられる可能性もあります。また、延滞が信用情報に記録されることで、保証人自身のクレジットカードやローンの審査にも影響が出ます。
さらに、金銭的な負担だけでなく、人間関係への影響も無視できません。家族や友人などに返済を肩代わりさせてしまったり、支払いをめぐるやり取りが続いたりすると、これまで築いてきた信頼関係が大きく揺らぐ場合があります。金銭問題がきっかけで、関係が断たれてしまうケースも少なくありません。そうならないためにも、保証人に迷惑がかかる前に、できるだけ早い段階で状況を見直し、適切な対策を取ることが大切です。
3章 借金は海外移住以外の方法で解決する必要がある
ここまで解説してきた通り、借金を抱えたまま海外へ移住しても、返済義務がなくなることはありません。むしろ、滞納期間が長引くほど遅延損害金が増えたり、財産が差し押さえられたりするなど、リスクが増大します。そのため、海外移住ではなく、適切な方法で借金問題の解決を目指すことが大切です。
3-1 おまとめローンを組む
複数の金融機関から借入をしている場合、おまとめローンを利用することで返済を一本化し、毎月の返済負担を軽減できる可能性があります。おまとめローンとは、複数の借金を一つのローンにまとめることで、金利を下げられる金融商品です。
金利が下がることにより、総返済額を抑えられます。月々の負担も軽減できるため、生活を立て直しやすくなるでしょう。また、複数あった返済日が月1回にまとまり、返済管理が楽になるのも、おまとめローンのメリットです。
ただし、おまとめローンには審査があり、必ず利用できるとは限りません。収入に対して借金の総額が大きすぎる場合や、すでに滞納している場合は審査通過が厳しい可能性があるため、おまとめローンを考えているなら早めに動く必要があるでしょう。
3-2 債務整理を行う
おまとめローンの審査通過が厳しい状態なら、債務整理を行って根本的な解決を目指すのがおすすめです。債務整理の手続きを進めれば信用情報に事故情報が記録されるものの、適切な選択をすることで借金問題の根本的な解決を図りやすくなります。ここでは、それぞれのメリットやデメリットを見ていきましょう。
3-2-1 任意整理
任意整理は、利息や遅延損害金を減らし、毎月の返済額を無理のない範囲に調整していく手続きです。裁判所を通さずに債権者と交渉して返済計画を立て直すため、手続きの負担が比較的小さく、取り組みやすい点が特徴です。
また、任意整理では交渉対象の借金を選べます。つまり、車を残しつつ借金を整理したい場合に、自動車ローンを交渉対象から外して手続きを進められるのです。また、任意整理を開始すると督促や取り立てが止まり、精神的な負担が軽減されるのもメリットでしょう。
一方で、全ての債権者が必ず交渉に応じる訳ではない点、借金の元本自体は減らない点、交渉後は安定的な返済が必要である点には注意が必要です。これらの点を踏まえると、一定の収入を得ていて利息や遅延損害金をカットすれば完済の目途が立つ方には、任意整理がおすすめです。
3-2-2 個人再生
個人再生は、借金を大幅に減額してもらい、原則3年で完済を目指す手続きです。個人再生では住宅ローン特則という制度を利用でき、マイホームを維持したまま手続きを進められます。借金額を5分の1〜10分の1程度に減らしつつ、住宅ローンの返済を継続してマイホームを守れるのは個人再生の大きなメリットでしょう。
ただし、減額されたとはいえ返済は数年間続くため、計画通りに支払いを継続できるかが重要になります。返済計画に無理があると再生計画が認可されなかったり、開始後に履行できなくなってしまったりする恐れもあります。そのため、手続きを検討する段階で家計の状況や収入の見通しを確認しておくことが欠かせません。
3-2-3 自己破産
自己破産は、収入や資産の状況から返済を続けることが難しい場合に、借金の返済義務そのものを免除してもらえる手続きです。借金問題を根本から解決できる制度であり、生活再建を最優先したい方におすすめです。
自己破産の手続きを行い、免責が認められれば借金はゼロになります。返済能力を超える借金を抱えてしまい、任意整理や個人再生でも対応できない場合でも、自己破産を利用すれば無理のない形で生活を立て直すことが可能です。
ただし、99万円を超える部分の現金、不動産、自動車といった一定以上の価値のある財産は処分されます。また、職業や資格によっては手続きが完了するまで、就業制限がかかる点にも注意が必要です。
4章 借金の返済に困ったら早めに弁護士・司法書士に相談しよう
借金問題を放置すると、遅延損害金の増加や差押え、保証人への請求など、生活に様々な悪影響を及ぼします。状況が悪化してからでは取れる手段が限られ、望ましい形での解決が難しくなるため、早めの対応がとても重要です。
取り返しがつかない状況を回避するためには、返済が難しいと感じ始めたタイミングで、弁護士・司法書士などの専門家へ相談することが大切です。専門家であれば、任意整理・個人再生・自己破産など、それぞれの制度のメリットや適用条件を踏まえて、あなたの状況に最適な解決策を具体的に提示してくれます。
借金問題は一人で抱えるほど判断が偏りやすく、不安も増大します。早めに専門家へ相談することで、客観的な視点から現状を整理し、安全で現実的な解決ルートを描けるようになるでしょう。
グリーン司法書士法人では、借金の内容が複雑な場合や海外移住を検討している場合でも、状況を丁寧にヒアリングしたうえで最適な解決方法を提案しています。相談は無料で行っているため、借金問題に悩んでいる方は一人で抱え込まず、まずは気軽にお問い合わせください。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
まとめ
海外に移住しても借金の返済義務は消えません。債務者が海外にいても時効の進行は停止せず、債権者は裁判によって時効を更新できるためです。
もし海外移住をして借金を逃れようとした場合、遅延損害金によって返済額が膨らんだり、財産が差し押さえられたりするリスクが高まります。借金問題は時間をかけるほど状況が悪化するため、海外移住による回避ではなく、現実的な方法での解決が不可欠です。
返済が苦しい場合には、おまとめローンで支払いを一本化する方法や、任意整理・個人再生・自己破産といった債務整理によって負担を大きく軽減する方法があります。ただし、どの方法が最も適しているかは、借入状況・収入の見通し・家族構成などによって変わるため、自分だけで判断するのは簡単ではありません。
そのため、早い段階で弁護士や司法書士に相談することが大切です。専門家であれば、現在の状況を丁寧に整理し、返済額の軽減、督促の停止、生活再建までの具体的な道筋を、あなたに合った形で提案できます。
グリーン司法書士法人では、経験豊富な専門家が借金問題の解決をサポートしています。無料相談も実施しておりますので、お気軽にご相談ください。
お気軽にお問い合わせください!
借金返済のご相談はグリーンへ
借金返済に関する記事を沢山公開していますので、合わせてご覧ください。
アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
借金返済の無料相談ならグリーンへ

お気軽にお問い合わせください!
















