自己破産をしても失業保険は没収されない!手元に残せる財産とは

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

自己破産
自己破産をしても失業保険は没収されない!手元に残せる財産とは

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 この記事を読んでわかること
  • 自己破産をしても失業保険は没収されない
  • 自己破産をしても手元に残せる財産
  • 会社退職前後に自己破産をするときの注意点

自己破産をすると、失業保険を受け取れなくなるわけではありません。

財産のすべてが処分対象となり、人生の終わりのような生活を強いられるイメージを抱く方も少なくありませんが、自己破産しても失業保険や年金などは没収されず受け取りできます。

そこで、自己破産しても失業保険が没収されない理由や、手元に残すことのできる財産の種類について紹介します。

1章 自己破産をしても失業保険は没収されない

自己破産をしても、失業保険や年金、生活保護費は差押えの対象ではないため、没収されることはありません

すでに入金されている失業保険が没収されることも、将来の支給額が減額されることもないといえます。

給与が差し押さえられている最中に退職し、ハローワークから失業保険を受け取ることになった場合でも、失業保険を差し押さえられることはありません

これは、失業保険が雇用保険法で差押禁止とされているため、制度上、差押え対象に含まれないことが関係しています。

2章 自己破産をしても手元に残せる財産

自己破産をしても、すべての財産が没収されるわけではなく、「自由財産」に含まれるものは手元に残すことができます。

自由財産とは

自由財産とは、破産者が破産手続開始決定時に保有する財産のうち、破産財団に属さず自由に管理・処分できる財産のこと。

自由財産に含まれる代表的な財産は以下のとおりです。

  • 99万円以下の現金
  • 差押禁止財産
  • 裁判所が自由財産の拡張を認めた財産
  • 破産管財人が財団から放棄した財産
  • 破産手続開始後に取得した新得財産

2-1 自由財産の拡張が認められると手元に残せる財産を増やせる

「自由財産の拡張」とは、破産者の生活を再建するため、個別の事情に応じて必要な財産を処分せず、所持できる財産として認めてもらうことです。

破産開始決定後の一定期間内に、破産管財人の意見から裁判所が決定します。

「自由財産の拡張」が認められれば、一定の財産は破産財団に属すことなく、自由に処分できます

具体的には、自由財産だけで最低限度の生活を維持することが難しい場合において、自由財産の99万円の枠を超えた財産を自由財産に認めてもらう申立てを行います

99万円を超えて財産を残す必要性と相当性を具体的に説明することが必要となりますが、専門的な内容であるため専門家に相談することをおすすめします。

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3章 会社退職前後に自己破産をするときの注意点

自己破産をしても失業保険の受け取りは可能ですが、破産手続のタイミングが「会社退職前後」のときは以下の5つに注意してください。

  1. 自己破産時に資産隠しは絶対にしてはいけない
  2. 無職や収入がない人でも自己破産はできる
  3. 自己破産手続き中は一部の資格・職業が制限される
  4. 自己破産の経験が転職先にバレる可能性は低い
  5. 自己破産の時期によって退職金の財産計上方法が変わる

それぞれの注意点について説明します。

3-1 自己破産時に資産隠しは絶対にしてはいけない

破産手続のタイミングが会社退職前後のときに限らず、自己破産では「資産隠し」を絶対にしないようにしてください。

財産隠しがあれば債権者へ公平に配当できなくなるため、発覚した場合には誠実さに欠けると判断され、自己破産が認められない恐れがあります。

破産法でも、財産隠しは免責不許可事由に含まれると定められており、「詐欺破産罪」とされる場合もあるため絶対に行わないでください。

3-2 無職や収入がない人でも自己破産はできる

自己破産は、無職や収入のない方でもできます。

ただし支払い不能の状態でなければならないことや、借金の理由が「免責不許可事由」に該当しないことが必要です。

また、養育費や税金滞納などの非免責債権は、自己破産しても返済は免除されません

手元に現金はないものの、借金総額を上回る退職金を受け取っている場合や、換価により借金を完済できる不動産などの財産を所有していると、支払い不能と認められないため注意してください。

3-3 自己破産手続き中は一部の資格・職業が制限される

自己破産の手続を開始し、免責許可が確定するまでの間は、一部の職業・資格が制限されます。

そのため制限される職業や資格の方が会社を退職し、転職活動を始めようとするタイミングで自己破産を検討する場合は注意してください。

自己破産で制限される職業・資格は以下のとおりです。

  • 警備員
  • 宅地建物取引士
  • 生命保険外交員
  • 貸金業
  • 会社の取締役※
  • 不動産鑑定士
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 税理士
  • 公認会計士
  • 社会保険労務士
  • 旅行業 など

※会社の取締役はいったん退任が必要になりますが、すぐに再任されることが可能です。

上記に該当する場合でも、裁判所による免責許可決定が確定し、復権すれば元通り仕事はできます

3-4 自己破産の経験が転職先にバレる可能性は低い

破産手続のタイミングが会社退職前後で、転職を予定しているときには、自己破産したことが次の就職先にバレないかと不安になるものです。

しかし実際には、自己破産した事実が転職先に知られてしまうことはありません

その理由は、第三者が自己破産などの経歴を調査することはできないからです。

知られる恐れがあるケースとしては、「官報」を閲覧することの多い業界へ転職する場合ですが、仮にバレたとしても自己破産を理由に採用が打ち切られることはありません

官報とは

官報とは、法律改正や会社の決算報告、自己破産などの事実を記している内閣府発行の機関紙。

自己破産で官報に掲載されるのは、破産手続開始決定が出たときと、裁判所から自己破産の許可が下りたタイミングですが、一般的には官報が原因で第三者に知られることは考えにくいといえます。

3-5 自己破産の時期によって退職金の財産計上方法が変わる

会社退職前後の破産手続において、退職金を受け取る予定があるのなら、破産手続の時期により退職金の財産計上方法が変わることに注意してください。

退職金の状況没収の対象
すでに退職金を受け取っている受取額の「全額」没収の対象(ただし破産手続時点で預貯金が20万円以下の場合は、同時廃止となるため没収されない)※現金として扱われる
すでに退職済であるものの破産手続時点に退職金はまだ受け取っていない見込額の「4分の1」が没収の対象
まだ在職中で退職金も受け取っていない場合見込額の「8分の1」が没収の対象

まとめ

自己破産をしても、失業保険や年金を没収されることはありません。

将来受け取る予定の失業保険が減額されることや、差し押さえられることもないといえます。

自己破産をしても失業保険の受け取りは可能ですが、破産手続のタイミングが会社退職前後のときは、手続の時期で退職金の財産計上方法が変わることなどに注意しましょう。

なお、グリーン司法書士法人では、自己破産を含めた債務整理の相談に応じています。

もしも自己破産や、退職後の手続で支給される失業保険の扱いなどに不安があるときには、気軽に無料相談をご利用ください。

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