公共料金を払えない場合の相談先とは?復旧で必要な手続を解説

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公共料金を払えない場合の相談先とは?復旧で必要な手続を解説

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「公共料金」を払えないときには、何もせず放置していても問題は解決できないため、「相談」することが必要です。

電気・ガス・水道などの公共料金は、払えない状態が続いても信用情報機関に事故情報として登録されることはありません。

しかしブラックリスト扱いにならないと安心したまま放置すれば、遅延損害金が発生し、いずれ供給は「停止」します。

公共料金を払えないことを理由にライフラインが停止すれば、結局、「復旧」に向けて未納分全額を支払わなければなりません。

後々面倒な手続が必要にならないためにも、公共料金を払えない場合にはどこに相談すればよいのか、復旧で必要な手続などについて以下の3つの章に分けて説明していきます。

  1. 公共料金を払えない場合の流れ
  2. 生活インフラの復旧で必要な手続
  3. 公共料金を払えない場合の相談先

公共料金を払えないことで悩み、相談したいけれどどこを頼ればよいかわからない場合には、この記事を参考にすることをおすすめします。

1章 公共料金を払えない場合の流れ

公共料金を「払えない」状態が続けば、ライフラインの供給が「停止」されることになります。

供給元によって停止されるまでの「日数」などは異なるものの、「停止予告」から一定日数が経過した後に供給が停止され、未納分を支払えば「供給再開」という流れは共通しています。

具体的な公共料金の種類ごとの払えない場合の「流れ」は以下のとおりです。

  1. 電気代を払えない場合
  2. ガス代を払えない場合
  3. 水道代を払えない場合

それぞれ説明していきます。

1-1 電気代を払えない場合

電気代を払えない場合、「電力会社」によって多少扱いは異なるものの、一般的には以下の「流れ」で手続が進みます。

  1. 延滞利息の発生
  2. 送電停止の警告
  3. 送電停止

それぞれの流れを説明します。

①延滞利息の発生

電気代を払えないまま「支払期限」を過ぎると、その翌日から「延滞利息」が発生します。

「延滞利息」とは、支払いや返済が遅れたことに対する損害を「賠償」するための金銭です。

支払期限は電力会社によって異なるものの、一般的には検針日翌日から30日目で設定されていることが多いといえます。

また、多くの電力会社で年10%の延滞利息の支払いが発生するため注意しましょう。

②送電停止の警告

支払期限までに電気代を支払わなかった場合、延滞利息が発生することに加えて、電力会社からハガキや封書が届きます。

一般的に検針日からおよそ50日経過(最初の支払期限の20日経過)すると、送金の「督促」と送電停止を「警告」する通知が届くことが多いようです。

「送電停止に関するお知らせ」「電気の供給に関する重要なお知らせ」などの文字が記載された通知が届いたときには、供給停止されないように早急に支払いが必要です。

③送電停止

送電停止を警告する通知に記載されている「最終支払期限」までに、未納分の電気代を支払わなければ送電は「停止」されます

電気の供給が止まれば、部屋の灯りやエアコンなどの電源が入らないだけでなく、冷蔵庫なども当然使えなくなります。

調理や入浴などもできなくなるなど生活に支障をきたすため、送電停止となる前に支払いを済ませておくことが必要です。

1-2 ガス代を払えない場合

ガス代を払えない場合、「ガス会社」によって多少扱いは異なるものの、一般的には以下の「流れ」で手続が進みます。

  1. 延滞利息の発生
  2. ガス供給停止の予告
  3. 供給停止

それぞれの流れを説明します。

①延滞利息の発生

ガス代を支払えないまま「支払期限」を過ぎると、電気代と同様に「延滞利息」が発生します。

支払期限は検針日翌日から30日後に設定されていることが多いようです。

また、ガス供給会社によって異なるものの、一般的に1日あたり0.0274%から0.03%の利率で計算された延滞利息がかかります。

②ガス供給停止の予告

ガス代を支払期限までに支払わなければ、延滞利息が発生するだけでなく、ガス供給停止を「予告」する通知が届きます。

いつまでに未納分を支払わなければならないかを示す「最終支払期限」と、ガス供給を止める「供給停止予定日」が記載されているため、期限までに支払いを済ませることが必要です。

③供給停止

ガス代の「最終支払期限」は検針日翌日から50日経過後に設定されていることが多いといえますが、最終的な期限までに支払いがなければ供給は「停止」されます。

止める直前に連絡が入るわけではなく、実際に供給が停止された後で「供給停止のお知らせ」と記載された「報告書」が届きます

ガスの供給が止まれば、暖房器具の使用や調理・入浴もできなくなるなど、生活に支障きたすため、停止前に支払いを済ませることが必要です。

1-3 水道代を払えない場合

水道代を払えない場合、管轄している「自治体」によって対応は多少異なるものの、一般的な「流れ」は以下のとおり電気代やガス代を払えないときと同様です。

  1. 延滞金の発生
  2. 催促状による通知
  3. 給水停止の予告
  4. 給水停止

この中で「延滞金」は、自治体により発生の有無が分かれ、負担のない自治体は供給停止までの「期間」が長めに取られるなど対応が異なります。

以上を踏まえて、水道代を払えない場合の流れについて、それぞれ説明していきます。

①延滞金の発生

水道代を滞納した場合、「延滞金」が発生する自治体もあります。

すべての自治体で延滞金が発生するわけではないことや、適用される利率なども一律ではないため、住まいの自治体に確認が必要です。

②催促状による通知

水道代の支払期限から1か月程度経過した場合、支払いを促す「催促状」が届きます。

催促状が送られてから2週間程度経過しても支払いがなかった場合、「勧告状」が送付されることもあります。

催促状と勧告状の内容はほぼ同じではあるものの、勧告状は内容がやや厳しめに記載されています

また、電話連絡や自宅訪問を行い、水道代の滞納解消を図る自治体もあるようです。

③給水停止の予告

水道代の支払期限から2か月経過すると、給水停止を予告する「給水停止執行通知書」が届きます。

給水停止予告書は、給水停止の「猶予期限」までに未納分を支払わなければ、給水を停止することを知らせる文書です。

また、給水停止後も未納分の支払いがなければ、裁判所へ財産の「差押え」を申し立てられる可能性があるため、猶予期限までに必ず支払いを済ませましょう。

④給水停止

給水停止予告書に記載された給水停止の猶予期限までに未納分の支払いがなければ、給水は「停止」されます。

なお「大阪市」では給水停止について以下のとおり規定しています。

第7条(給水停止事務)

未納整理にかかる督促努力にもかかわらず納付のない未納者に対し、未納料金等の増大を防ぐとともに、料金収入の確保を図るための措置として、大阪市水道事業給水条例(昭和33年大阪市条例第19号)第42条の規定に基づき、給水を停止することができる。

2 次の各号のいずれかに該当する者に対して、給水を停止することができる。

(1) 長期未納のおそれがあるもので、原則2期分以上の未納者

(2) 総額10万円以上の高額未納者

(参考:未納整理事務要領|大阪市

給水停止の猶予期限を過ぎると、水道局担当者が水道の元栓を閉めるために現地訪問し、停止した後に「給水停止通知書」が届きます

水道が使えなくなると、洗面・トイレ・入浴・調理などに影響が及び、衛生面でも深刻な問題やストレスを抱えます。

生活に大きく支障をきたすため、必ず猶予期限までに未納分を支払うことが必要です。

2章 生活インフラの復旧で必要な手続

公共料金を払えないまま放置していると、供給停止により生活に支障をきたすため、早期に「復旧」させることが必要です。

生活インフラを復旧するためには、未納分の支払いが必要であることは共通しているものの、以下の公共料金の種類により手続方法が異なります。

  1. 電気
  2. ガス
  3. 水道

それぞれの復旧手続を説明していきます。

2-1 電気

送電を復旧させるためには、未納分を全額支払い、電力会社で「再契約」の申込みが必要です。

復旧作業は24時間対応しているため、スマートメーターであれば「遠隔操作」が可能であり、支払い後の連絡から復旧まで早ければ5分程度とされています。

ただしアナログメーターの場合、作業員による「通電再開工事」が必要であるため、1時間から2時間は要します

夜間の復旧対応をしていない電力会社もあるため、その場合、1日程度時間がかかる場合や翌日対応になることもあります。

2-2 ガス

停止したガスを復旧するためには、支払期限が過ぎたガス代をすべて支払い、ガス会社に「連絡」することが必要です。

ただし電気の場合と異なり、ガスの復旧は24時間対応していません

以下は「大阪ガス」の供給再開の申込みの時間帯です。


電話 9:00~18:00(土日祝16:00まで)
インターネット 7:00~翌2:00(日祝22:00まで)

(参考:ガスの供給停止から再開まで|大阪ガス

申込みの当日または翌日に作業員が「訪問」して供給再開となりますが、「立会い」が必要になる場合もあるため注意しましょう。

2-3 水道

給水停止後の復旧は、未納分を水道局の「窓口」で支払うことが必要です。

ただし水道局の「営業時間外」には、給水停止の解除はされないため注意してください。

「大阪市」の水道局の場合、復旧は以下の扱いとなっています。

給水停止時に交付しました給水停止執行書にも記載されているとおり、営業時間外に給水停止を解除することはできません。営業日及び営業時間につきましては、下記のとおりです。

注釈 営業日:月曜日から金曜日まで

(ただし、祝日及び12月29日から1月3日までを除きます。)

営業時間:9時00分から17時30分まで

(参考:Q3 夜に水道料金を支払っても、給水の停止を解除できますか|大阪市

3章 公共料金を払えない場合の相談先

公共料金を払えないまま放置しても、生活を送る上で必要なライフラインが止まってしまい、健康や生命維持にも影響を及ぼします。

生活へ影響が及ばないようにするためにも、公共料金の支払いができないのなら、早期に以下の4つの「相談先」に問い合わせてみましょう。

  1. 供給事業者
  2. 親族
  3. 社会福祉協議会
  4. 司法書士・弁護士

それぞれの相談先について説明します。

3-1 供給事業者

公共料金を払えない場合の相談先として挙げられるのが、生活インフラを供給している「供給事業者」です。

基本的に公共料金の支払いは免除されないため、払えないまま放置していても供給が停止されて生活に支障をきたすだけといえます。

そのためすぐに支払いができない状況であれば、供給事業者に連絡し、事情などを伝えましょう

対応は供給事業者によって異なるものの、「期限延長」や未納分の「分割払い」に了承してもらえることもあります。

3-2 親族

公共料金を払えない場合、「親族」に未納分を立て替えてもらえないか相談してみましょう。

家族や親戚などに相談できれば、返済まで余裕を持たせた上で、利息なしで立て替えてもらいやすいといえます。

ただし未納分を立て替えてもらう場合には、たとえ親族とはいえ「借用書」を作成し、いつまでに返済するのか「誠意」を示す対応が求められます。

3-3 社会福祉協議会

公共料金を払えない場合に、生活資金を借りたいのであれば「社会福祉協議会」に相談するとよいでしょう。

一時的に生活資金に困っている方に向けた「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者・高齢者・障害者などが安定した生活を送るための資金を貸し付ける制度です。

生活福祉資金貸付制度の1つである「総合支援資金」では、以下に必要な生活費や一時的な資金の貸し付けを行っています。

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総合支援資金の種類概要金額
生活支援費生活再建までの間に必要な生活費用原則3か月間(最大12か月間まで延長可能)月20万円以内(単身世帯は月15万円以内)
住宅入居費敷金・礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用40万円以内
一時生活再建費生活再建のために一時的に必要かつ日常生活費でまかなうことが難しい費用(就職転職のための技能習得・債務整理のために必要な費用など)60万円以内

3-4 司法書士・弁護士

公共料金を払えない場合の相談先として挙げられるのが、「司法書士」や「弁護士」などの専門家です。

主に「債務整理」による問題解決を相談することになりますが、どの公共料金を払えないのか、他の支払いや返済の有無などで次の3つの「手続」から選択することになります。

  1. 任意整理
  2. 個人再生
  3. 自己破産

それぞれの債務整理について説明していきます。

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任意整理

「任意整理」とは、債権者と交渉して将来利息を免除してもらい、毎月無理のない返済額で完済を目指す手続です。

公共料金は任意整理の対象にできないものの、カードローンやキャッシングなどの借入れは対象であるため、軽減された返済負担分を公共料金の未納分に充てることはできるでしょう。

個人再生

「個人再生」とは、借金返済が困難であることを裁判所に認めてもらい、住宅を維持したまま借金を大幅減額してもらう手続です。

ただし公共料金の6か月分の未払い債権は、以下のとおり民法で「先取特権」という権利がついています。

民法第310条(日用品供給の先取特権)
日用品の供給の先取特権は、債務者又はその扶養すべき同居の親族及びその家事使用人の生活に必要な最後の6箇月間の飲食料品、燃料及び電気の供給について存在する。

「先取特権」とは、一般的な借金などの債権よりも、優先して弁済されることが認められる債権です。

公共料金は個人再生手続の枠におさまらない債権とされているため、​再生手続開始前6か月分の未納分は、再生手続によらず支払わなければなりません​。

自己破産

「自己破産」とは、借金を返済できない状態であることを裁判所に認めてもらい、支払を免除してもらう手続です。

自己破産手続を裁判所に申し立てた場合、申し立てた日を含む請求期間1か月分よりも前の公共料金は免責(返済免除)されます。

ただし公共料金のうち、「下水道料金」は自治体の「強制徴収」が認められており、自己破産で免責されない「非免責債権」です。

そのため自己破産しても分割などですべて支払うことが必要となります。

まとめ

「公共料金」を払えない状態が続くと、生活に支障をきたすため早めの「相談」が必要です。

仮に電気・ガス・水道などの公共料金の滞納が続けば、「供給停止」となるため、復旧するために未納分を全額支払わなければなりません。

供給事業者に相談すれば、未納分の分割払いや期限の延長などに応じてもらえる可能性はあるものの、根本的な解決にはつながらないといえます。

司法書士や弁護士などの専門家に相談することで、債務整理により問題を解決できる可能性もあります。

どの公共料金を払えないのか、他の支払いや借金返済の有無などで選ぶ「手続」は変わってくるため、まずは「グリーン司法書士法人グループ」へご相談ください。

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