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税金を滞納していると、財産を差し押さえられてしまいます。優先して差し押さえられやすいのが給料です。
給料が差し押さえられた場合、勤務先には確実にバレてしまうので避けたいと感じる人もいるのではないでしょうか。
税金の場合、借金とは異なり裁判所を通すことなく財産の差し押さえが可能であるため、滞納から差し押さえまでのスパンは短い傾向があります。
どうしても支払えないときには、税務署や自治体に相談してみましょう。状況によっては救済措置を取ってもらえる可能性があります。
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目次 ▼
1章 税金を滞納すると給与が差し押さえられる可能性が高い
税金を滞納すると、給与をはじめ、財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
どの財産を差し押さえるかは税務署や自治体の判断になりますが、傾向として差し押さえられやすいのは給与や預金です。
車のように売却が必要な財産は手間がかかるため、避けられやすいからです。
1−1 税務署や自治体は裁判所を通さず差押えができる
税務署や自治体は、民間の貸金業者とは違い、裁判所を通さず差押えをすることができます。
貸金業者は差押えをするためには、裁判所を通して支払督促などの手続きをして、さらに債務者の財産を調査しなければいけません。このように、差押えまで手順と手間が多いため、最終手段として差押えをする傾向があります。
一方、税務署や自治体はその手間がないため、滞納から差押えまで期間が短いことがほとんどです。
具体的には、督促状の発布から10日をすぎると税務署や自治体は差押えが可能になります。
督促状発布までの期間 | |
---|---|
国税 | 滞納から50日以内 |
地方税 | 滞納から20日以内 |
差押えの前に予告が来ることなく、突然差押えが実行されるため、注意が必要です。
1−2 給与が差し押さえられると会社に必ずバレる
給与が差し押さえられる場合、会社に「債権差押え命令」という通知が送られ、そこには債務者の氏名も記載されています。
そのため、税金や借金滞納により給与が差し押さえられた場合、会社に借金をしていたことや滞納していたことが必ずバレてしまうのでご注意ください。
ただし、会社は差押えを理由に従業員を解雇することはできないとされています。 とはいえ、給与が差し押さえられると会社の給与担当者の事務手続きも増えますし、心証も悪くなってしまうでしょう。
2章 差押えを受ける給料の範囲
給料は全額差し押さえられるわけではありません。差押えができるのは、以下のものを差し引いた金額のみです。
- 所得税
- 住民税
- 年金や健康保険などの社会保険料
- 10万円
- 扶養家族1人につき4万5000円
- 額面給料額から1~5を差し引いた金額×20%
上記を見ると難しいですが、【手取り額(口座に振り込まれる給料)から10万円と扶養家族の人数×45,000円を差し引いた額の20%】と考えておけばよいでしょう。
例えば、手取り額が30万円で、扶養家族が二人いる場合は
手取り額20万円で、扶養家族がいない場合は
となります。
こうしてみると、それほど高額でないことがわかります。給与をたくさん差し押さえてしまうと生活がままならなくなってしまうからです。
しかし、給与の差押えだけでは滞納分を補填できない場合には、預貯金や不動産などほかの財産が差し押さえられる可能性があるので、その点は理解しておきましょう。
3章 税金の滞納は債務整理では解決できない
貸金業者からの借金であれば、債務整理で借金をなくしたり、減額したりできますが、税金の滞納はそうもいきません。
税金は、非免責債権として自己破産での免責や個人再生での減額の対象に含まれないからです。
しかし、税金以外にも借金があれば、それを債務整理することで税金の返済に充てられるようになるかもしれません。
税金の他に借金があるのであれば、債務整理を検討しましょう。
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3−1 自己破産
自己破産とは、裁判所に申し立てることで、公租公課を除くすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
借金がなくなる分、所有する財産を免除されるというデメリットがあります。
なお、自己破産の手続きを開始後は、特定の債権者に返済することは偏頗弁済として禁止されますが、税金はそれに当たりません。
自己破産を専門家に依頼すると、取り立てをストップしてもらえますので、借金の返済に充てていた分を税金の返済に充てることも可能です。
3−2 個人再生
個人再生とは、裁判所に申し立てることで借金を5分の1〜10分の1程度に圧縮し、原則3年で完済する再生計画を立てる手続きです。
個人再生では借金は残りますが、家や車などの財産を手元に残せる可能性があります。
個人再生も、自己破産と同様に偏頗弁済が禁止されていますが、税金であれば支払うことができます。専門家に依頼後、取り立てがストップしている間に税金を支払いましょう。
3−3 任意整理
任意整理とは、債権者と交渉することで将来発生する利息をカットしてもらう手続きです。
あくまで利息をカットするだけなので元金は減りませんが、利息がなくなることで月々の返済額がされる可能性があります。
任意整理は、自己破産や個人再生とは違い裁判所を通さず当事者間で交渉するだけですので、比較的かんたんな手続きです。
4章 どうしても税金が支払えない時の対処法
税金の支払いを免れるのは難しいのが現実です。支払わずにいると、給料などを差し押さえられてしまうリスクがあります。
とはいえ、経済的に支払えないという方もいらっしゃるでしょう。
そのようなときはまず、税務署や自治体の相談窓口に相談しましょう。
4−1 税務署や自治体の相談窓口に相談する
まずは、税務署や自治体の相談窓口に相談してみましょう。問い合わせ先は、納付書や督促状に記載されています。
相談窓口で、支払えない事情や支払いの目処などについてきちんと話せば、どのように対処すべきか判断してもらえます。
それに、督促状を無視するよりも、一度でも「相談窓口に相談した」という事実があるだけで心象が大きく変わります。
また、状況によっては以下のような救済措置を受けられる可能性があります。
分納 | 税金は、原則一括または、4回に分けて納付しますが、それが難しい場合には分納として12回払いへの変更が認められる可能性があります。 |
---|---|
徴収猶予 | 病気や災害、事業の休廃業など、一時的に税金が支払えない事情がある場合には、一時的に納付を猶予してもらえる可能性があります。 |
減免 | 農業などを営んでおり、災害や天候の影響で収入が減ったり、家屋が倒壊して復旧が困難だったりする場合、固定資産税の2割〜全額を免除してもらえる可能性があります。 |
換価の猶予 | すでに財産を差し押さえられていて、税金を納付することで一時的に事業の継続や生活が困難になる場合には、差し押さえられた財産の処分を一定期間猶予してもらうことが可能です |
滞納処分の停止 | すでに財産が差し押さえられているものの、財産を処分することで生活の維持が困難になるような場合には、処分の停止が認められる可能性があります。 |
4−2 生活保護を受給する
税金が支払えないどころか、収入がなく生活もままならない状況であれば生活保護の受給を検討しましょう。
生活保護の受給が認められれば、その期間は滞納している税金の支払いも猶予されます。
また、生活保護受給中は、税金が減免される可能性が高く、支払額が減額されるでしょう。
5章 借金トラブルはグリーン司法書士法人のお任せ下さい
税金の他に、借金があり、返済が難しいという場合にはグリーン司法書士法人にご相談ください。
当事務所では、これまで多くの借金トラブルを解決した実績がございます。
税金の滞納がある方には、どのように対処すべきかについてアドバイスをすることが可能です。
初回相談は無料です。オンライン相談にも対応していますので、お気軽にご相談ください。
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アクセス数が多いキーワード:債務整理 クレジットカード
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よくあるご質問
- 税金未払いで給料は差し押さえられる?
- 税金を滞納すると、給与をはじめ、財産を差し押さえられてしまう可能性があります。
どの財産を差し押さえるかは税務署や自治体の判断になりますが、傾向として差し押さえられやすいのは給与や預金です。
税金滞納後の差押えについて詳しくはコチラ
- 給料の差押えは会社にバレる?
- 給与が差し押さえられる場合、会社に通知がいくため、会社にバレることは避けられません。
ただし、会社は差押えを理由に解雇することはできません。
差押えは会社にバレるかについて詳しくはコチラ