早く返済する方法をお伝えします! 最短で完済するための 2つのポイント

司法書士山田 愼一

監修者:グリーン司法書士法人   山田 愼一
【所属】東京司法書士会 登録番号東京第8849号 / 東京都行政書士会所属 会員番号第14026号 【保有資格】司法書士・行政書士・家族信託専門士・M&Aシニアエキスパート 【関連書籍】「世界一やさしい家族信託」著者・「はじめての相続」監修など多数

借金返済の知識
早く返済する方法をお伝えします! 最短で完済するための 2つのポイント

この記事は約 12 分で読めます。

「今借りているお金を早く返したい」

「毎月借金を返済しているのにいつまでも終わらない」

など、お金を借りている方は誰もが早く借金返済したいと考えるものでしょう。

早く借金返済したいという場合、まずは計画的に返済できているのか確認することが必要であり、どうすれば早く完済できるか知っておくことが必要です。

そこで「早く借金返済したい!」と考えている方が最短で完済するために、次の4つを章ごとに詳しく説明していきます。

  1. 早く借金返済したいときに把握しておきたい2つの現状
  2. 借金を最短で完済するための2つのポイント
  3. 無理のない返済計画を立てるための3つのステップ
  4. 自力で返済が難しいときは検討したい3つの債務整理

長く返済が続いていて終わりが見えない借金に不安を感じている方は、早く「完済」するための道しるべとしてぜひ参考にしてください。

1章 早く借金返済したいときに把握しておきたい2つの現状

毎月返済しているはずなのに、いつまでたっても借金が減らなければ不安になってしまうものです。

そこで「早く借金返済したい!」という場合には、まず次の2つの「現状」を把握しましょう。

  1. 借金の現状
  2. 家計の現状

それぞれ詳しく説明していきます。

1-1 借金の現状

抱える借金を計画的に返していくためには、まず「借金」の現状を把握することが必要です。

たとえば消費者金融や銀行のカードローン、クレジットカードのキャッシングなどすべての借金について次の項目を確認します。

  • 借入先(どこからの借入れか)
  • 借入残高(借金総額)
  • 借入金利と利息(設定されている金利とどのくらいの利息が発生しているか)
  • 毎月の返済額(毎月返している金額)

複数からお金を借りていると、そもそもどのくらいの借金があるのか把握できていないことがあります。返済しているつもりでも高い金利で利息の負担が大きく、元金が減っていないこともあります。

返しても返しても終わらないと感じる大きな原因はここにあります。

そのため、まずはどこからいくら借りていて、どのくらい返済できているのか確認するようにしてください。

1-2 家計の現状

毎月の家計収入から借金を返済しますが、どのくらいの収入があり、何に対しいくら支払っているのか把握できていないこともあります。

そこで次に、「家計」の現状を確認しましょう。

「浪費」を繰り返して借金を増やしてしまう方は、毎月の収支を「家計簿」などに記載していないケースが多いといえます。

早く借金返済したいのなら、毎月の「収支」を一目でわかるように記録することをはじめましょう。

携帯アプリで簡単に作成できる家計簿などもあるため、うまく活用することで今使うことのできるお金がいくらかいつ支払いが予定されているかなどを把握し、計画を立てることができるようになります。

お金に対する意識を高めるためにも、家計の収支を確認できる状態にしておくことは大切です。

2章 借金を最短で完済するための2つのポイント

借りたお金は返さなければならないとわかっていても、長々と続く毎月の返済に疲れてしまうこともあります。

そこで、借金を最短で完済するためにも、次の2つのポイントを押さえた上で返済するようにしてください。

  1. 毎月の返済金額を増やす
  2. 利息に充てる支払いをできるだけ減らす

それぞれのポイントについて説明していきます。

2-1 毎月の返済金額を増やす

毎月の返済金額を増やせば完済までの期間も短くなるため、収入のうちできるだけ借金返済に多く充てることができるように、「固定費」の見直しを行いましょう。

ただし毎月の支払いには、固定費以外に「予想外」の出費が発生することも考えられます。

そのためあくまでも返すことのできる最大額として返済金額を設定し、どのくらいの「利息」を支払うことになるのか計算した上で、完済までのどのくらいの期間がかかるか確認するようにしましょう。

2-2 利息に充てる支払いをできるだけ減らす

早く借金返済したいなら、毎月の返済額のうち、「利息」に充てる支払いはできるだけ少なくしたほうがよいといえます。

しかし高い金利の借入れでは、毎月の返済額の多くを利息の支払いに充てることとなり、なかなか借金が減りません。

この場合、

  • 複数の借入れを今の借入利率(金利)よりも低い金利で一本化する「おまとめローン」
  • 当月の支払い分に上乗せで余分に返済する「繰り上げ返済」

などの方法があります。

なお、毎月の返済でも厳しい状態で「繰り上げ返済」などは難しいという場合には、たとえばボーナスなど「臨時収入」が入ったときに検討するとよいでしょう。

3章 無理のない返済計画を立てるための3つのステップ

「早く借金返済したい」という気持ちばかりが先走りすぎてしまうと、毎月の限られた収入から無理して返済を続けることとなり、生活費に充てるお金が足りなくなってしまう可能性があります。

こうなると、借入をしないと通常の生活も立ち行かなくなり、本末転倒です。

そこで、無理のない返済計画を立てるためにも、次の3つのステップを実行しましょう。

  1. 毎月の収支から返済できる額を計算
  2. 毎月返済できる金額から利息を計算し完済までの期間を確認
  3. 返済額ごとに完済までをシミュレーション

それぞれのステップについて説明していきます。

3-1 毎月の収支から返済できる額を計算する

家計の収支を把握した後は、実際に借金を返していくために実行できる「プラン」を検討していきます。

毎月の収支から返済に充てることができる金額を計算していくことが必要ですが、そのためにもまずは次の項目について考えてみましょう。

    毎月どのくらいの金額ずつ返済に充てることができるか
    カットできる固定費はあるか[/ol

    毎月の返済額は、収入から家賃や水道光熱費など、毎月必ず必要となる「固定費」を差し引いた金額から検討していきます。

    そのため固定費の中から「削減」できる支払いはあるか確認し、カットできる部分を考えていくことが必要です。

    たとえば「携帯電話代などのプラン変更」などが例として挙げられます。少額ずつでも削減できれば、その分、多く返済に充てることができます。

    3-2 毎月返済できる金額から利息を計算し完済までの期間を確認

    毎月返済に充てることのできる金額を確認できたら、次に支払うことになる利息を計算し、どのくらいの「返済期間」になるか確認してみましょう。

    利息を計算するには、どのくらいの「金利」が設定されているか、借入れごとに確認することが必要です。

    そこで、

    1. 利息の計算方法
    2. 利息計算の具体例

    の2つについて説明していきます。

    利息の計算方法

    借入れでどのくらいの「利息」を支払っているか知りたいときには、次の「計算式」を使いましょう。

    利息=借入残高×実質年率÷365×利用日数

    たとえば、借金100万円(金利年率15%)で支払う1か月分(31日)の利息は、次のようになります。

    借金100万円×金利15%÷365×利用日数31日=支払利息12,739円

    利息計算の具体例

    上記の計算方法を参考に、同じ例で初回に2万円返済したとします。

    しかし元金返済に充てることができる金額を計算すると、次のようになります。

    返済額20,000円-支払利息12,739=元金返済7,261円

    このように、2万円の返済では、3分の2程度を利息の支払いに充てることになってしまいます。

    さらに翌月の返済では、借金100万円から返済した元金7,261円を差し引いた992,739に対して利息が発生します。

    そのため2か月目の返済のうち支払う利息は、以下のとおりです。

    借金残額992,739円×金利15%÷365×31日=支払利息12,647円

    やはり毎月2万円の返済ではほとんど元金返済に充てることができないため、借金をスムーズに減らすことができるとはいえません。

    3-3 返済額ごとに完済までをシミュレーション

    早く借金返済するためには、できるだけ毎月の支払額を増やし、借金の元金をできるだけ早く減らしていくことが必要となります。

    100万円を年利15%で借り、毎月2万円ずつ支払ったときの返済期間と返済総額は以下のとおりです。

    【毎月2万円ずつ返した場合】

    横スクロールできます

    返済期間80か月
    返済総額1,595,121円
    総利息額595,121円

    上記の借入れ例で毎月「2万円」の支払いを続けても、「完済」まで7年近くかかり、元金の半分以上の利息を支払わなければならないということになります。

    しかし毎月の返済額を「3万円」または「5万円」に増やしたときには、返済期間は次のように短縮され、返済総額も減ります。

    【毎月3万円ずつ返した場合】

    横スクロールできます

    返済期間44か月
    返済総額1,311,760円
    総利息額311,760円

    【毎月5万円ずつ返した場合】

    横スクロールできます

    返済期間24か月
    返済総額1,165,596円
    総利息額165,596円

    毎月の返済額が少なければ多くの利息を支払うことになることを踏まえつつ、無理なく返済できる金額を考えることが必要です。

    目安としては3年程度で完済を目指すとよいですが、それ以上に期間が長くなると家計への影響が大きくなると考えられます。

    4章 自力で返済が難しいときは検討したい3つの債務整理

    無理なく返済する計画を立ててはみたものの、3年程度では借金を完済できないときや、借金総額が年収の3分の1を超えているときには、自力で完済することは難しいと考えられます。

    完済までの見通しが立たず、利息負担の大きさから返済期間が延びれば、いつまでたっても終わることのない借金返済に疲れ果ててしまう可能性もあるでしょう。

    このような場合に検討したいのが「債務整理」ですが、主に次の3つから最も適した方法を選ぶことになります。

    1. 任意整理
    2. 個人再生
    3. 自己破産

    それぞれどのような方法なのか説明していきます。

    4-1 任意整理

    「任意整理」とは原則3~5年程度の分割払いで完済できるように、消費者金融など借入先と「交渉」して「借金減額」を図る解決方法です。

    裁判所を通さず行う手続のため、かかる時間も1~3か月程度と比較的短く、交渉の対象とする借金を選ぶことができることがメリットです。

    ただし原則、「将来利息」のみが減額の対象となることと、借金返済自体が免除されるわけではないことは留意しておいてください。

    4-2 個人再生

    「個人再生」とは、裁判所に借金の返済ができなくなるおそれがあることを認めてもらい、原則3年程度で5分の1程度に圧縮した借金の返済を図る解決方法です。

    一番のメリットは、「住宅ローン」が残っている自宅を手放さず手続できることですが、裁判所を通すため任意整理よりも手間がかかり、手続も半年から1年程度かかります。

    また、借金総額が5,000万円以下であることなど一定の要件を満たすことも必要です。

    4-3 自己破産

    「自己破産」とは、すでに借金を返す能力が失われている状態にあることを裁判所に認めてもらい、すべての借金の支払義務を「免除」してもらう方法です。

    どれほど高額な借金を抱えていたとしても、税金や養育費などを除きすべて支払いが「免除」されますが、個人再生のように自宅を残して手続することはできません

    また、手続中は規定されている一定の「資格」や「職種」の仕事ができなくなるため、「制限」の対象となる職種についている場合には注意が必要です。

    まとめ

    「早く借金返済したい!」と考えている方が最短で完済するには、できるだけ毎月の返済額を多くすることが必要です。

    毎月の返済額を増やせば、支払った金額から多く元金返済に充てることができるため、借金も早く減ることになります。

    ただし無理のない返済計画を立てて返済を続けなれば、生活に充てるお金がなくなってしまうので注意しましょう。

    また、返済計画を立ててみたものの、自力では完済することは難しい場合もあります。

    その場合、3つの債務整理を検討できますが、どの方法が最もよいのかわからないときには、気軽にグリーン司法書士法人グループへの相談してみてください。

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    ②無駄遣いをやめる
    ③金利の高い借金から返済する
    ④余裕があるときに繰り上げ返済・一括返済をする
    ⑤借金を一本化する
    ⑥副業などで収入を増やす
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